夫の弟は昔から私のことが好きだったようで、私への溺愛が止まりません。

海瀬

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夜の日課

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いつもより少しだけ短いです。

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あれから1週間。何事もなく平和に暮らしている。


「や、やだっ!  ノア、離して!  これ以上したら……」



「したら、なんだ? 俺は足りない。」



夜のこと意外は、平和なはずだ。



ノアの両親は私との結婚に賛成のようでノアは私と一緒に暮らしている。もちろんここから仕事にも行っている。ノアの仕事は詳しくは分からないがいつも遅くに帰ってきては、私を毎晩抱いて寝る。私は家から出ることが少ないから体力がない。いつも途中で気絶してしまうのだ。



(朝起きたらノアがいないなんて少し寂しいのだけど、そんなこと言えないわね。)



「何を考えてる?  余裕そうだな。」



「ち、ちがっ! 朝起きてノアがいないのが寂しいと思っただけよ。」



「可愛いことを言うな。そうだな、今日はこれぐらいにしておくか。飲み物を頼んで来る。」



いつぶりだろうか。夜、気絶せずに眠れるというのは。ノアは宣言通り私と常にそばにいてくれた。仕事だって本当は忙しいのに毎日帰ってきてくれるし、1日だけ、デートもした。素敵なレストランを予約していてくれて本当に幸せな日だった。こんなに幸せに感じていてはいつ不幸になるのかと不安になる。



「シャル、持ってきたぞ。」



「ありがとう。」



喉がかわいていたため貰ったアイスティーを一気に飲み干す。冷たくていつもより美味しく感じた。



「もしかしたら明日帰って来れないかもしれない。」



「え? ……あ、わかったわ。」



なぜ?  と聞き返そうとしてすぐにやめた。好きだとは言ってくれたがまだ結婚した訳では無い。それなのにノアのことをなんでも聞こうとするのは間違っていると思った。



「仕事だ。俺にはシャルだけだ。心配するな。」



そういって、おでこにキスをした。ノアにキスされるのは嫌ではない。むしろ……



「ノア、好きよ。この世の誰よりも」



ノアはポカンとほうけていたが、意味を理解すると顔を真っ赤にした。



(かわいらしいところもあるのね。)



「俺の方が愛してる。きっとおれの方が想いは大きい。むしろ重すぎるかもしれないな。」



ノアは毎日愛を伝えてくれるがそれはいつまで経っても慣れそうにない。



「シャルは本当に初心で可愛い。」



「可愛いなんてあなたしか言わないわ。もう大人だもの。」



ノアご可愛いと思ったことは黙っておこう。言えば先ほどの続きが問答無用で始まってしまう。嫌、という訳ではないのだがとにかく恥ずかしいのだ。それに朝起きると絶対にきれいな服が着せられている。サランは何も言わないし、きっとノアが着替えさせてくれてるのだと思う。その時に体を見られてると思ったらとてつもなく恥ずかしい。それに朝になると赤い花弁が増えているのだ。主に胸元に。太ももにもすごい量の数があって驚いたことがある。外に出ていない、白い肌には目立つのだ。



「出会った時から可愛いと思っていた。これからもだ。」



「ノア、恥ずかしいわ。」



私が顔を真っ赤にするとノアが急に無表情になった。もしかして……



「続きをするぞ。朝俺がいないのが寂しいのだったな。朝までしよう。」



それは違うと思うわ!!


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諦めてR18のタグつけます。
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