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好きなの?
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「詩、おはよう」
昨日仲直り? してからいつも以上に私に構ってくれるようになった。今日もいつも通り朝起こしに来てくれたようだ。
「蒼くん、ねむたい……」
「サボっちゃう? 詩と俺しかいない世界だったらいいのに。」
それはだめだ、と思いバッと起き上がる。
「目覚めた? 顔洗っておいで。」
「う、ん……。」
最近思うことなのだが、蒼くんが言うことどこまでが冗談でどこから本気なのかが分からない。サボるだなんて冗談だよね? 蒼くんがそんなこと言うわけないし……。
「詩、今日おばさん忙しいらしいから俺がお弁当作ってきたよ。」
「えぇ!? わ、悪いよ……」
「詩に食べて欲しくて頑張って作ったから受け取ってくれるよね?」
「あ、ありがとう! 蒼くんが作ったんだったら絶対美味しいよね!」
この後、一緒にお昼を食べようと誘われた。下校も一緒にと言われた。別に新くんたちとお昼食べる約束してた訳じゃないしね。蒼くんと一緒に食べることが出来て嬉しく感じる。まだ朝だけど……。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「今朝、石川まりあが行方不明になったと連絡が来ました。どこに行ったか心当たりのある人は後で職員室にきてください。」
今日、私たちの学年だけ体育館に呼び出された。その内容がさっきの先生が言ったことだった。
まりあちゃんが行方不明? もしかして誘拐とか……? 急に刺されたりしたら怖いなあ。それにしても、まだ学校始まったばかりだから仲良い人とかいないんじゃ。あ、みんな私みたいに友達いないわけじゃないから中学校の友達がいるんだった。
新くんと蓮くんは今日はまだ来ていない。こんなに遅刻していいのかな。一応進学校なはずだけど。
隣のクラスから視線を感じた。その先を追うと……蒼くん? 小さく手を振ってくれた。それに私も返したが……。蒼くんとまりあちゃんって付き合ってたんだよね? なのにあんなに軽いって、本当はなにもしてないのかな。
急に後ろからバンと音がした。扉の音?
「遅れました~。あれ、何の話してたの?」
蓮くんって本当に目立つよね。どこにいても分かる自信があるよ。
「詩、おはよう。」
「あっ、新くんおはよう!」
出席番号は1番で同じなので私の隣に来た新くん。
「詩ちゃーん! おはよ! 今日も可愛いね!」
ガバッと私に抱きつく蓮くん。ち、近すぎるよ!!
友達が蒼くんしかいない私からしたらすごくハードルが高い事だ。
「静かにしてください。では、Aクラスから順に……」
喧嘩? したままだし、まりあちゃんのことはすごく心配だ。あの子可愛いから変な人に連れ去られたりしてるかもしれない。今も怖い思いをしてるかもしれないし……。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「詩ちゃん、Aクラスに知り合いいる?」
「知り合い? うん、幼馴染がいるよ。」
「それってもしかして如月蒼?」
「そうだよ! すごいなんでわかったの?」
「んー、睨まれたんだよね。遊んでるイメージあったからちょっと意外だったけど。」
蒼くんに遊んでるイメージがあるのなんて信じられない。だって、ずっと私と一緒にいてくれるし、蒼くんの口から他の人の名前を聞いたことがない。まぁ、まりあちゃんからの電話は見ちゃったんだけど……。
「詩、スマホずっと鳴ってる」
「へ? ほんとだ。あ、蒼くんから」
「うげ、めっちゃ来てるじゃん。」
100件以上きてる……。
『詩に抱きついた男のこと好きなの?』
蓮くんのことだよね? 確かに好きだと思う。それは新くんのことも。2人は私に普通に話しかけてくれたし、今も話しかけてくれている。小学校、中学校の友達なんて1度話したら次の日には一言も口を聞いてくれなかったからね。
うん、好きだよ! 蒼くんのこともね! と返すとすぐ既読が着いた。だが、返信は来なかった。
「詩、昼一緒に食うぞ」
「お昼? えっと、蒼くんと食べる約束してるの。」
「あー、幼馴染か。なら仕方ないな。」
「新が女子を誘うなんて珍し! 赤飯炊かないとな~。」
今日も新くんは教科書を持ってこなかった。
『-1、6』
もう、教科書は見せるから一生助けて欲しい。
「詩って数学苦手なのか?」
数学の時間中、急に小さな声で話しかけられた。
「うん。当てられたらパニックになって余計かな……」
「次も助けてやる。」
新くん、優しい……。でも、ちゃんと予習してこよう。じゃないとテストで地獄を見ることになりそう。
私はこの時気づいていなかった。蒼くんの執着心のすごさを。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
お察しの通り次回R18です。明日また更新しますね。
昨日仲直り? してからいつも以上に私に構ってくれるようになった。今日もいつも通り朝起こしに来てくれたようだ。
「蒼くん、ねむたい……」
「サボっちゃう? 詩と俺しかいない世界だったらいいのに。」
それはだめだ、と思いバッと起き上がる。
「目覚めた? 顔洗っておいで。」
「う、ん……。」
最近思うことなのだが、蒼くんが言うことどこまでが冗談でどこから本気なのかが分からない。サボるだなんて冗談だよね? 蒼くんがそんなこと言うわけないし……。
「詩、今日おばさん忙しいらしいから俺がお弁当作ってきたよ。」
「えぇ!? わ、悪いよ……」
「詩に食べて欲しくて頑張って作ったから受け取ってくれるよね?」
「あ、ありがとう! 蒼くんが作ったんだったら絶対美味しいよね!」
この後、一緒にお昼を食べようと誘われた。下校も一緒にと言われた。別に新くんたちとお昼食べる約束してた訳じゃないしね。蒼くんと一緒に食べることが出来て嬉しく感じる。まだ朝だけど……。
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「今朝、石川まりあが行方不明になったと連絡が来ました。どこに行ったか心当たりのある人は後で職員室にきてください。」
今日、私たちの学年だけ体育館に呼び出された。その内容がさっきの先生が言ったことだった。
まりあちゃんが行方不明? もしかして誘拐とか……? 急に刺されたりしたら怖いなあ。それにしても、まだ学校始まったばかりだから仲良い人とかいないんじゃ。あ、みんな私みたいに友達いないわけじゃないから中学校の友達がいるんだった。
新くんと蓮くんは今日はまだ来ていない。こんなに遅刻していいのかな。一応進学校なはずだけど。
隣のクラスから視線を感じた。その先を追うと……蒼くん? 小さく手を振ってくれた。それに私も返したが……。蒼くんとまりあちゃんって付き合ってたんだよね? なのにあんなに軽いって、本当はなにもしてないのかな。
急に後ろからバンと音がした。扉の音?
「遅れました~。あれ、何の話してたの?」
蓮くんって本当に目立つよね。どこにいても分かる自信があるよ。
「詩、おはよう。」
「あっ、新くんおはよう!」
出席番号は1番で同じなので私の隣に来た新くん。
「詩ちゃーん! おはよ! 今日も可愛いね!」
ガバッと私に抱きつく蓮くん。ち、近すぎるよ!!
友達が蒼くんしかいない私からしたらすごくハードルが高い事だ。
「静かにしてください。では、Aクラスから順に……」
喧嘩? したままだし、まりあちゃんのことはすごく心配だ。あの子可愛いから変な人に連れ去られたりしてるかもしれない。今も怖い思いをしてるかもしれないし……。
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「詩ちゃん、Aクラスに知り合いいる?」
「知り合い? うん、幼馴染がいるよ。」
「それってもしかして如月蒼?」
「そうだよ! すごいなんでわかったの?」
「んー、睨まれたんだよね。遊んでるイメージあったからちょっと意外だったけど。」
蒼くんに遊んでるイメージがあるのなんて信じられない。だって、ずっと私と一緒にいてくれるし、蒼くんの口から他の人の名前を聞いたことがない。まぁ、まりあちゃんからの電話は見ちゃったんだけど……。
「詩、スマホずっと鳴ってる」
「へ? ほんとだ。あ、蒼くんから」
「うげ、めっちゃ来てるじゃん。」
100件以上きてる……。
『詩に抱きついた男のこと好きなの?』
蓮くんのことだよね? 確かに好きだと思う。それは新くんのことも。2人は私に普通に話しかけてくれたし、今も話しかけてくれている。小学校、中学校の友達なんて1度話したら次の日には一言も口を聞いてくれなかったからね。
うん、好きだよ! 蒼くんのこともね! と返すとすぐ既読が着いた。だが、返信は来なかった。
「詩、昼一緒に食うぞ」
「お昼? えっと、蒼くんと食べる約束してるの。」
「あー、幼馴染か。なら仕方ないな。」
「新が女子を誘うなんて珍し! 赤飯炊かないとな~。」
今日も新くんは教科書を持ってこなかった。
『-1、6』
もう、教科書は見せるから一生助けて欲しい。
「詩って数学苦手なのか?」
数学の時間中、急に小さな声で話しかけられた。
「うん。当てられたらパニックになって余計かな……」
「次も助けてやる。」
新くん、優しい……。でも、ちゃんと予習してこよう。じゃないとテストで地獄を見ることになりそう。
私はこの時気づいていなかった。蒼くんの執着心のすごさを。
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お察しの通り次回R18です。明日また更新しますね。
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