夏の青さに

詩葉

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第2話 吐露

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 足の踏み場もなかった床が久しぶりに顔を出して、カーテンがかかっていない窓から差し込む暖かい光に照らされると渉の部屋は見違えた。
「は~~! たまには掃除もいいなぁ~~!」
 とりあえず散らかった物は袋に詰め込み、今までで一、二度しか開けることのなかったクローゼットに押し込んだだけで掃除をしたとは言い切れないが渉は清々しい表情で床に倒れている。
 スマホを起動して時刻を確認すると十二時半近い。日向が来ると言っていたのは十二時ちょうど。割とぎりぎりだ。
「……女子が部屋に来るのなんて小学生の時以来だな……」

 ぼそっとそう呟くと何かに気付いたのか突然起き上がり、洗面所へと駆け込んだ。
「こんな髪型で引かれないか!? 本当にこの恰好で良いのか!? いやでも、これが一番良いと思うし……」
 わたわたと慌てて身だしなみを気にし始めて、その場にあったあまり使用していないワックスを取り敢えず出してみて、出しすぎて髪がべとべとになった。
 さらに慌てふためく渉の耳元に、玄関の方からチャイム音がした。
「き、きた……」
 到底、友人が訪れた時のような反応ではない。
「い、いま出まーす」
 ワックスを適当に着けて、洗面所から出てすぐの玄関へどたどたと足音を立てながら向かう。渉の鼓動はものすごい音を立てて、玄関のノブにかけた手は冷や汗をかいていた。

 何故、あの渉が掃除をしてまで日向を迎えているのか、本来なら現況を知られたくない渉は日向の訪問を断るべきなのだが、彼には極めてくだらない理由があって断るのに至らなかった。
 小中高ともに、いたって普通に生きてきた渉だったが、一度もお付き合いというものをしたことがなかった。しかし誰かと付き合いたいという思いはあっても、異性との関わりは昔馴染みとの会話ぐらいしかなく、その昔馴染みという日向とも友達より上に発展したことがない。
 しかし、今回そんな彼女から『今からそっちに行くね』という文が来たのだ。
 これはほぼ脈ありと言ってもいいのではないだろうか、あわよくば付き合ってしまえたりするのではないだろうか。
 そんな下心ありありの浅ましい考えで、渉は突然の連絡にも関わらず、うきうきで部屋を片付け、頭をべとべとにしたのだ。

 ガチャリと小気味よい音をたてて扉を開けた先には、久しぶりに顔を合わせた懐かしい友人が――――二人いた。
「……へ?」
 日向と隣にいるもう一人を交互に見て渉は困惑する。
「久しぶり! 元気してた?」
 髪を短くツインテールに結んでフリルを沢山あしらった可愛らしい淡い桃色のワンピースに身を包んでいる女の子は、明るい笑顔咲かせて元気よく挨拶してきた。
「ひ、日向久しぶり。……えっ……とぉ」
 渉は日向の隣で腕を組みながらこちらを睨んでいる女の子を一瞥して声をのみ込んだ。
 腰まであるさらさらの黒髪、身に着けているのは白シャツに黒のアウター、そしてデニムのハーフパンツとカジュアルだがどれもブランド物だ。
「なにその恰好だっっさ」
 黒髪の少女は渉を睨みつけたまま刺々しい言葉を放った。
「はぁ!? だっ……ださ!?」
 普段は服選びに時間を取らない自分が、何十分か考えあぐねて選んだ服装をそんな一言で一蹴されるなんて思わなかったのか、渉は怒っているような戸惑っているような表情をして固まる。
「服はよれよれだし配色のセンスも無い。おまけにどこで買ったかわからない変なロゴつきのシャツ。これのどこがださくないっていうの?」
「あっ……ぐぅ……」
 あまりにも的確な指摘に渉は、先ほどまでの自信に満ちていた自分が恥ずかしくなりだして、ついには言葉も出なくなった。
「あ、あの渉くん! 私はださくても気にしないから大丈夫だよ!」
 そしてなんのフォローにもなっていない日向の言葉がとどめに突き刺さる。
「…………」
 渉はもはや玄関に座り込んでしまって、顔を上げようとしない。小さく鼻をすする音が聞こえてきた。
「日向は割ととどめ刺しがちだよね」
「え!? そ、そんなことは……」
 一分ほどの沈黙が続く。
「……んだよ……」
 渉は玄関にうずくまった状態でぼそぼそと何かを話した。
「ん? なんか言った?」
 黒髪の少女が腰を落として渉の声に耳を傾けようとした瞬間、急に渉が顔を上げた。
「なんでお前がここにいんだよ瀬奈せな!」
 突然大声で名前を呼ばれて黒髪の少女――宮野みやの瀬奈せなは驚いて後ずさった。
「な、なんでって――」
「私が呼んだの!」
 瀬奈の言葉を遮るように日向が前に出て言う。
 渉はそれを見てぽかんと口を開けて呆けていた。

 玄関先でいつまでも話を続けても近所迷惑になるということで、自室に二人を案内した渉は当初の予定とは違うことで緊張していた。
 あわよくば付き合えるなどと夢見がちなこと考えていた自分を殴りたいぐらい、彼は今日向の連絡に返信したことを後悔していた。
 一人で使うには十分だが三人ともなると渉の部屋にあるミニテーブルは少し窮屈だ。渉は気を使って自分はベッドの方に座るからと二人をテーブルに促したところまでは良かった。
 昔馴染みと言ってももあまり異性と接点がない渉が一度に二人と話をしなければならないという状況。これは下手なことをしたら渉の沽券に関わるほど重大なこと。特に瀬奈がいるとなると難易度も変わってくる。
 彼女はいわゆるクラスのカースト上位みたいな子だった。家がお金持ちということもあり、わがままが服を着て歩いているかのような振る舞いはとても有名で、いつも誰かを振り回している。
 日向とは違い、小学校の頃しか渉との接点はなかったがそれでも強く印象に残っているほど彼女は扱い難い存在であると渉は認識していた。
「とりあえずお茶でも……」
「いいよ、要件すんだらすぐ帰るから」
 不愛想な表情で瀬奈は断りを入れると、日向に目で合図をした。
 日向はそれを見てぎゅっと手を握り、つばを飲み込んだ。
「あ、あのね……渉くん……」
 そうしてたどたどしく言葉を紡いでいく日向を渉たちは真剣な表情で見ている。時計の秒針が進む音と消え入りそうなほど小さな日向の声が場を制している。
「同窓会……来れないの……?」
 なんとなくそんな話題が来るんじゃないかと渉の中で確信していただけに、あまり驚かなかったが渉は内心、「そんなこと言うためにここまで?」と思っていた。
「あ……うん。いけない……ほら、学校があるからさ」
 メッセージで送ったような理由で行けない事を話す渉。しかし、それを聞いた瀬奈は訝しげに眉をひそめた。
「学校? もう夏休み入るでしょ?」
「いや違うんだよ。うちの学校、少し厳しくて夏休み期間も学校行かなくちゃいけない日があるんだ」
 それは本当で、今日も渉と同じクラスだった人たちは学校へ行っている。でも瀬奈は未だに眉をひそめて渉を見ていた。
「そうだったとしても同窓会の日ぐらい休めないわけ? そんなに私たちに会いたくないの?」
 核心を突くような言葉に、渉は内心焦った。
 今の現況を知られたくないから同窓会を断ったのに、断ったせいで直接会いに来られてはたまったものではない。しかも、ちょうど一番聞かれたくないところを問いただされている。
「そんなことねぇよ……」
 心情は会いたくない。というよりも知られたくないと言った方が適切だろう。渉は、嘘は言っていないと自分で確かめてから否定する。これ以上、余計な嘘で己の首を絞めたくなかったからだ。
「へぇ……」
 瀬奈は冷たい目で渉を見据えている。そして肩から下げられた財布とスマホぐらいしか入らなさそうな小さいバッグから、きらきらとデコられたスマホを出して。
「実は私の高校の友達があんたと同じ学校に行ってるんだよね」
 渉にその友達と思わしき人物とのメッセージ履歴を見せた。
 そこにはお互いの共通の知り合い――渉についての話がされていた。初めは共通の知り合いがいることに喜ぶメッセージが続いていたが、しだいには悪口とまではいかないが渉をいじるような会話が少しずつ増えている。
「なんだよこれ……」
「あー違うそれじゃない」
「絶対わざとだろ……」
 瀬奈はスマホをスクロールするともう一度、渉に見せた。メッセージ欄の日付は割と最近のもので、やり取り自体が最新のものになっていた。
 そこには渉が学校をやめたというメッセージとそれに対する瀬奈の反応が書かれている。
 バレていたのだ。渉が学校をやめたことなどとっくに。
 渉は大きく目を見開いて肩を震わせていた。必死につきたくもない嘘をついて自分を保ってきたのが、まるで馬鹿みたいに思えて、馬鹿にされたように思えて、少しの悲しさと大きな怒りが渉のすべてを飲み込んでしまいそうな勢いだった。
 よく見れば同窓会のグループに誘われる前にそのやり取りはされていた。つまりは、学校をやめたと分かったうえで同窓会に誘われたのだろうか、真意を確かめるべく渉は日向の方を見た。
「……どうしたの?」
 彼女は何も知らないようすで首を傾げた。
 日向の方を驚いたような顔で見ている渉を、瀬奈は頬杖をつき口元を隠して伺っている。
「……なんでも、ない」
「? 今、何を見せられたの?」
 日向の純粋な問いに、瀬奈はいかにも善意ですという表情を浮かべて彼女にスマホを渡して先程の内容を見せようとした。
「日向、これ――」
「やめろ!!」
 渉の悲痛な声が部屋に響いた。
 余計なものがすっかり片付けられたお陰でよく響き渡る声で怒鳴られた瀬奈は目を丸くし、日向も同様に固まっている。
 冷や汗をだらだらと流して、仁王立ちでベッドに立ち尽くす渉とそれを見て困惑する瀬奈と日向。しばらくの間、沈黙が続いた。
 時計の秒針を刻む音がやけに大きく感じて、渉はもう一度口を開いた。
「やめてくれ」
 今にも泣きそうな情けない顔をして、握った拳にはやり場のない怒りと悲しみが満ちていた。そんな状態で懇願する渉を見て、瀬奈はいつも通りの厳しい目つきに戻ると立ち上がった。
「は? なんでそこまでして隠すの? 別にいいじゃんもうたかが知れてるでしょ」
 そう、もう大切に隠していたものを暴かれてしまったのだから、もう公にしてしまえば楽になるだろう。そんなことは渉自身もよくわかっていた。
 しかし、どうしても彼女だけには、日向だけには最後まで知られたくなかったのだ。
『――絶対、約束だよ』
 幼い頃の光景が渉の脳内を埋め尽くしていく。それは日向の言葉だった。
 小学生の頃、漫画家になるという夢を持つ渉を見て、日向は自身の夢を持つようになった。
 それは声優になること。声のみで喜怒哀楽を表現し、声のみで命を吹き込んでいく大変で大切な仕事だ。
 日向はいつか見たテレビアニメや、傍で夢を追いかけている渉を見て全力で声優になるために努力してきた。今現在、地元の宮城で声優の専門学校に通うために就職をしてお金を稼いでいる彼女は、未だに夢をきらきらと輝く星の様なものだと認識している。
 そこまで頑張るわけは他でもない渉との約束にあった。
『いつか俺の描いた漫画がアニメになった時、日向が声をあててくれよ!』
『もちろん! 絶対、約束だよ』
 それぞれの夢が重なり合って、それが彼らの夢となった。恐らく渉を一番に応援しているのは日向であり、日向を一番応援しているのは渉だ。二人はお互いを励ましあいながら、夢に向かって努力していた。
 つい最近までの話だが。
 互いの夢がつながった結果、それは夢へ挫折した者――渉の足かせとなった。彼にとってその挫折を一番に聞かせたくなかったのは、言わずもがな日向である。

「頼む……瀬奈……」
 その声はひどく震えていて、渉は辛そうな表情を見せた。
「……このままじゃあんたも日向も」
 瀬奈は渉のその表情を見ないように目線を下にずらして言葉を言いかけた。
「――日向、渉は夢を諦めたらしいわ」
 しかし、次に出た言葉は明らかに今までのものとは脈絡がなく、よりにもよって一番最悪な展開を迎えそうな告白だった。
「え……?」
 案の定、日向は目を大きく開き、信じられないという表情で渉の方を見ている。
「……」
 それに耐えきれず、渉は俯いた。
「……あ、あきらめたの……?」
 若干上ずった声で確かめるように聞く日向。しかし、渉は何も話さず俯いたままだ。
「ね、ねぇ……私、がんばってたんだよ……? 毎日仕事して、夢を叶えるために頑張ってたよ……?」
 「なのにどうして――」そんな言葉が紡がれようとした瞬間、渉は大きく口を開けて。
「俺だって頑張ってたよ!!」
 下を向いたまま叫んだ。
 ぽつぽつと雨のように水が渉から降って、ベッドのシーツに染み込んでいく。
「はぁっ……俺だって諦めたくなかった!!」
 血管が浮きあがるほど握りしめられた両拳はがたがたと震えている。
「でも無理だった! 俺じゃあ、駄目だった! 才能なんてこれっぽっちもなくて! 馬鹿みたいに夢ばっか語って!」
 ぽつぽつと降っていたものがぼたぼたと音をたてるかのように零れ落ちていく。渉の顔がある真下は、すっかり涙で濡れていた。
「……ひっぐ……夢見てたのが馬鹿みたいだ……俺も。……お前も」
 お前も。その言葉を聞いた瞬間、日向はあまりの悲しさに涙が溢れて止まらなくなった。
「……そ、そんなごど……まだ、私は……うぐ……」
 何か言いかけて、嗚咽が抑えきれなくなって、日向の言葉は途切れた。
 瀬奈は日向を抱きしめてなだめる。そして渉の方を睨んだ。
 軽蔑、怒り、悲しみ、そんな感情が入り乱れたような部屋の中で久しぶりに再開した友達と再開を喜べずに、渉の「帰ってくれ」の一言で二人は帰って行った。
 玄関の扉が閉まる直前。
「最低」
 と言い放った瀬奈の声が、渉の脳裏に焼き付いて、泣きじゃくって過呼吸になりかけた日向の姿も重なって、渉はどうにも出来ないやるせなさでいっぱいだった。
「……くそっ!」
 感情のままに右拳で壁を殴る。じいんとした傷みが広がって、でも涙でふやけた心には何も刺さらなくて、それがどうしても嫌で何度も何度も繰り返し渉は壁を殴り続けた。
 ガシャン
 壁の中からなにか物音がして、渉はなんとなしに顔を上げる。すると、壁だと思っていたものは実はクローゼットで、そのクローゼットから中に詰め込んだものが勢いよく飛び出してこようとする所だった。
「え」
 渉よりも背の高いクローゼットから溢れ出す様々なものたち、それに押しつぶされる渉。
 幸いその中から顔を出せたのは良かったが、息を着くまもなく後から降ってきた画材セットが頭に直撃した。
 そうして渉の意識は朧気になってどこかへと行ってしまうような感覚に陥った。
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