16 / 18
(レイブンEND) 人との共存
しおりを挟む……………………
………………………………
…『金獅子』の進言により、城下町の一角にスライム保護区が設立されて数ヶ月。
最初こそ魔物を嫌う一部の反対派に荒らされていたスライム達の新たな住処だが、今ではすっかり城下で暮らす人間達の憩いの場となっていた。
さらに城下町で使われる水もスライム達のおかげで綺麗になり、今では山奥の湧き水と見まごうほどの清水だ。
「一時はどうなることかと思ったが…ちゃんと街のみんなが受け入れてくれてよかったな」
「うん!」
保護区を遠目に見つめながら、レイブンはスライム姿のアッシュと共に木陰に座っていた。
「人の姿に変化しなくても街を歩けるし、お店の人も時々食べ物くれるんだよ」
「へぇ、それはよかったな」
「えへへー」
レイブンが優しくアッシュのぷるぷるした体を撫でる。
アッシュはそれを嬉しそうに受け入れ、また体の一部を伸ばしてレイブンの手を握った。
「アッシュ?」
「…ねぇ、レイブン。今夜、お泊まりしていい?」
「…珍しいな。アッシュからそう言ってくれるなんて」
普段は保護区で寝泊まりしているアッシュ。
そのため、『お泊まり』はすなわち夜のお誘いのようなものになっていた。
そしてアッシュは体を人の姿に変化させると、レイブンの唇に触れるだけのキスをする。
「ん。…なんだか、今日はレイブンと離れたくなくて」
「俺は何時だってアッシュと一緒に居たいけどな」
レイブンもお返しにキスをすると、アッシュの腰をそっと抱き寄せる。
「口、ちょっと開けてみろ」
「こ、ここお外だよ…っんむぅ…♡」
恥ずかしがるアッシュの口を塞ぎ、ねっとりと蕩けるようなキスを交わす。
昼間の野外という非常識なシチュエーションではあるものの、人気のない丘には2人以外誰もいなかった。
「んっ…は、ぁ…♡れい、ぶん…♡」
「…そんな顔されたら、我慢出来なくなりそうだな」
「レイブンの、せいなんだからぁ…」
熱を帯びた視線と潤んだ瞳、そしてほんのり紅くなった頬。
その全てに魅了されたレイブンは、額に唇を落としアッシュの体を抱えた。
「よし、じゃあ家に帰るか」
「えっ…?」
「続き、したいだろ?」
「……うん」
レイブンの腕の中でスライムの姿に戻ったアッシュ。
そのまま2人でレイブンの家に帰ると、玄関のドアを閉めた瞬間再び抱き合い唇を重ねた。
「んんっ…♡」
「ん…せっかちだな」
「だ、だってぇ…」
人の姿になり、腰をもどかしそうに揺らすアッシュ。
服は形成せず、その裸体をレイブンの逞しい体に押し付けていた。
「スライムに性欲はないんじゃなかったのか?」
「レイブンのせい、なんだから…」
「…あぁ、そうだな。俺がこの体にいっぱい教えてやったからな」
最初こそアベルに盗られたものの、アッシュと結ばれてからはその鬱憤を晴らすように何度も抱いたレイブン。
優しく、ひたすら快感漬けにされたアッシュはその甘い快感の虜になっていた。
「はやくっ♡はやくぅ♡」
「ああ、今脱ぐから」
アッシュに急かされ、ズボンと下着を脱いだレイブンは再びアッシュと抱き合い尻を優しく揉む。
「あ♡あぁっ♡」
「っ…このまま抱き上げてから挿入れていいか?」
「うんっ…♡」
レイブンはアッシュの体を抱き上げ、対面立位で硬くなった性器を挿入していく。
アッシュの体内は相変わらずひんやりとしていて、独特のぬめりや挿入感は『男殺し』といっても差し支えがないほどだ。
「あ、あぁぁあ…♡レイブンの、あつぅい…♡」
「アッシュの中も、冷たくて気持ちいいな」
ズンっ!
「ひにゃぁああっ♡♡♡」
前置きもなく強く突き上げられアッシュは甲高い悲鳴をあげる。
レイブンはそのまま対面立位でアッシュを攻め立て、時折キスをしながら腰を打ち付けた。
「あっ♡あぁっ♡んむっ…♡」
「ふっ…ん…アッシュ…アッシュ…!」
「ぷはっ♡れい、ぶん♡れいぶん♡♡」
そこが玄関であることも忘れ、行為に夢中になる2人。
「レイブン♡ぼく、イク♡イッちゃう♡イっちゃうよぉ♡♡」
「あぁ、好きなだけイけ。まだまだ、夜にもなってないから……なっ!」
レイブンは言葉の最後にアッシュの腰を鷲掴み、絶頂間近の性器を最奥までねじ込むと勢いよく射精した。
「イク♡イクイク♡イくぅぅうう♡♡♡」
「くっ…!」
体内に放たれた熱い白濁に、アッシュも全身を痙攣させながら絶頂に達する。
その衝撃で変化が中途半端に解け、下腹部は青く半透明になり中の精液が注がれている様がよく見えていた。
「ふ…にゃあ…♡」
「…ふぅ…さて、このままベッドに行くか」
『2回戦だ』と射精直後の倦怠感を振り切り、繋がったまま寝室へと歩き出すレイブン。
一歩歩くたびに体内のものも揺れ、アッシュは小さな悲鳴をあげる。
「ひっ♡れ、レイブン!?ま、また硬く…!」
「今日はお泊まりなんだろ?…とりあえずベッドで2回、あとは風呂で1回。それから少し休んでまた…」
「そ、そんな…体、もたないよぉ…」
しかし無情にもレイブンは寝室に到着するとアッシュをベッドに押し倒す。
そしてアッシュの頬に唇を軽く当て、その平らな胸に指を這わせた。
「あっ♡む、むねぇ…♡」
「またいっぱい気持ちよくしてやるからな」
快感に弱く、敏感なアッシュの体を甘やかすように愛撫する。
そんなレイブンの手や口が触れる度にアッシュは甘い声を漏らし、いじらしく体をくねらせていた。
「あっ♡あんっ♡れい、ぶん♡レイブン♡」
「アッシュ…好きだ。愛してる。ずっと俺と一緒に…」
「んっ♡ぼく、も♡レイブンが、すきぃ♡せかいで、いちばんすきっ…♡」
「っー!…まったく、今夜は寝かせないからな…!」
本気になった『金獅子』の体力は凄まじく、その日アッシュは軽く2桁以上イかされることとなる。
夜が明ける頃には人の姿も保てなくなっていたが、レイブンはスライム姿のアッシュも優しく抱いた。
「……ふぅ…アッシュは…気絶させてしまったか」
朝日が差し込む寝室で、レイブンは気絶するように眠ったアッシュを優しく撫でる。
その体は半液体状になっていたが、触れば確かな弾力とひんやりとした体温を感じた。
(…今は休ませておくか)
柔らかな笑みを浮かべ、レイブンも瞼を閉じる。
そして小さな不定形の恋人の寝息を聴きながら、金獅子は穏やかな眠りについた。
レイブンEND 完
0
お気に入りに追加
204
あなたにおすすめの小説
独占欲強い系の同居人
狼蝶
BL
ある美醜逆転の世界。
その世界での底辺男子=リョウは学校の帰り、道に倒れていた美形な男=翔人を家に運び介抱する。
同居生活を始めることになった二人には、お互い恋心を抱きながらも相手を独占したい気持ちがあった。彼らはそんな気持ちに駆られながら、それぞれの生活を送っていく。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる