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第二部/3組目・英雄の子孫と獣人兄弟

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ーーー4部屋目ーーー


戦闘1回、ギミック1回、宝箱1回を経て4部屋目に到達した一行。

主力であるエリックの魔力は残り3分の1を切っていたが、持ち前のプライドと負けず嫌いが災いしてかまだ撤退の号令を出そうとはしないようだ。



ーージャキンッ

「敵は…居ないようですね」
「最初の1階以降戦闘がないってのも違和感がありますが……」

転移直後武器を構えて周囲を見渡したソレイユとリュンヌだが、すぐに敵の姿が無いことに気付き、ため息混じりに武器を戻す。

が、その視線は1点…部屋の中央に鎮座する『玉座』に向けられていた。

「ソレイユ、あの玉座は……」
「……あぁ。間違いない」

互いに視線を交わし小さく頷く双子。
そしてすぐに背後のエリックへと振り返り、頭を下げてから口を開く。

「エリックさま。ここはどうやら…先の部屋と同じような、『ギミック解除が必要な部屋』のようです」
「ギミック?チッ、また面倒だな…」

予想していた魔物との連戦はなく、トラップやギミックばかりに辟易とした様子のエリック。
苛立ちを隠そうともせず杖でコツコツと床を叩きながら奥の玉座を一瞥する。

「あれか…ソレイユ、『命令』だ。調べてこい」
「……かしこまりました」

そしてエリックは先程と同じようにソレイユに『命令』を下すと、それを待つ間に常備している高級ポーションで魔力の回復を行う。

それを何処か侮蔑の目で見下ろしていたリュンヌ。
腰に巻いたポーチの中にそっと手を入れ、先程入手したミスリル製のチョーカー…『服従の鎖』を握りしめた。

「……エリックさま。お待たせしました」
「ギミックの詳細が分かったのか?」
「ええ、玉座の座面に文字が掘ってありました。『この玉座に相応しき高貴なる者を待つ』と……」

『高貴なる者』
そんな単語に貴族としてプライドの高いエリックが食いつかない筈はなく、ソレイユの言葉を鵜呑みにしてニヤリと口角を上げた。

「ふぅん…なら僕が行くしか無さそうだな」
「…ええ。仮に俺達のどちらかが腰かければ、奴隷の身分ですので何かしらのトラップが発動してしまうかと」

恭しく頭を下げるソレイユに、エリックはニヤついた表情をそのままに僅かに目を細める。

(……呪印の反応がない。ということは、嘘はついていないということか)

まさかその呪印が綺麗に消え失せているとも知らず、エリックは双子に背を向けて玉座の方へと歩み寄る。


ーーだが、その時だった。


「リュンヌ!今だ!」
「っー!?」

突如ソレイユが叫んだかと思えば、リュンヌが狼獣人の瞬発力を活かしてエリックの首へと手をかける。

「なっ…!」

『奴隷の反逆』

即座にそれを悟ったエリックは魔法で反撃をしようと手にした杖に魔力を込めたが……

ーーカシャンッ

「っ、『命令』だ!抵抗するな!」

リュンヌが『服従の鎖』をエリックの首へと装着させた瞬間、『命令』の効力によりエリックは杖を手放し、抵抗の術を失ってしまった。

「ぐっ…こ、これは…まさか、隷属の…」
「…は、はは…やった…遂にやったんだ…」

玉座の前で立ち尽くし、屈辱をこらえるような顔で双子を睨みつけるエリック。

そんな『元』主君の表情に、リュンヌは乾いた笑いを浮かべた。

「はは…やったな、リュンヌ」
「ソレイユ…ありがとう。位置取り、完璧だったよ」
「っ、この、畜生風情が…!ぼ、僕は英雄の子孫で大貴族なんだぞ!それを……」

自由に身動き出来ない体でエリックは懸命に悪態を吐いたが、まだ事の全てを理解出来ていないようだった。

「……エリック様…いや、『クソガキ』。分かってないようだから教えてやるよ」

恐怖に怯えるエリックの顔に悪どい表情を浮かべ、2人はゆっくりと歩み寄る。
そしてエリックの首に装着されたチョーカーを撫でると楽しそうに笑った。

「そのチョーカーは…『服従の鎖』。お前の大好きな隷属の呪印と同じ効果を持つ素敵なアクセサリーでな……分かるか?お前は、この先一生の奴隷として生きるんだ」
「!ば、馬鹿なっ…なぜ、呪印があるはずなのに…お前達は…!」
「あぁ、そこから説明が必要か」

リュンヌはわざとらしく呆れたようなため息を吐くと、ソレイユと共にエリックの目の前で上半身の鎧を外してみせる。

そして服の襟を引っ張り本来呪印があった箇所を見せれば…そこにはなんの刻印もない素肌しかなく、エリックは顔を青くした。

「なっ…なん、で…あ、あれは高等な呪いのはずだ!それを…どうやって……」
「まぁ、端的に言えば…お前が1人で寂しくシコってくれたお陰だな」

それ以上の詳しい説明は省き、2人はエリックから1歩離れる。

「色々名残惜しいけど、ひとまず説明タイムはこれで終わり。……という訳で『命令』、服を全て脱いでからその玉座に座れ」

リュンヌが指さしたのはエリックのすぐ後ろに鎮座する玉座。
よく見れば、その座面には『この玉座に相応しきなる者を待つ』と書かれていて……

「ダンジョンの中でシコるような変態にはお似合いの玉座だろう?」
「っー!ソレイユ、お前っ…!」

今にも殴りかかりそうな勢いで憤るエリックだが、その体は勝手に防具を、服を、下着を脱ぎ始める。

やがて命令の効力で自ら全裸になったエリックは、蔑むような双子の視線に見守られながら玉座に腰掛けた。


ーーガシャンッ

「っー!」

エリックが玉座に腰掛けた瞬間、その両腕と脚を固定させるように玉座の内部から枷が出現する。
更に玉座の背面からは多数の触手が現れ、エリックの素肌を滑るように撫でた。

ぬるっ にゅるんっ

「ひぃっ!」

触手が肌を滑る感触に思わず悲鳴をあげるエリック。
しかし四肢を拘束された状態では振り払うことも出来ず双子の目の前で触手に嬲られることしか出来ない。

「っ、や、やめろっ…ぼくは、英雄ルーヴェン家の…っあぁ!♡」

「おい見ろよリュンヌ。あいつ、早速喘いでやがる」
「人のことを下等だの家畜だの言ってた癖にね。…触手相手に発情するなんて、自分の方がよっぽどスキモノじゃないか」

触手に嬲られるエリックを見下ろして双子は至極楽しそうにクスクスと笑う。

その間にも触手は数を増やし、エリックの性器を器用に扱きながら尻穴の方へもその先端を伸ばしていった。

「あっ♡あぁ♡やめ♡やめりょっ…ひぃ♡♡」

つぷ、と細い触手がエリックの尻穴へと侵入を果たす。
しかしそこには既に『先客』がいて……

ーーコリっ

「ひっ…♡」

先客…エリックに寄生していた小さな触手が、新たな侵入者を感知したのか体内でまたもや暴れ始める。

「お゛っ♡おひぃ♡♡う、うごくにゃ♡やら♡やらぁあ♡♡♡」

「まさか、触手にケツ穴ほじられて感じてるのか?」
「とんだ変態貴族だな」

「ちが、ちがうぅ♡♡ぼ、ぼくは、感じてにゃんか……んぉぉおおぉ♡♡♡」

ずるぅ♡♡

エリックの魔力を吸って大きく成長した寄生触手が、新たな触手に引っ張られるようにして尻穴から顔を出す。

その排泄に似た感覚にエリックは甲高い嬌声を上げ、背を仰け反らせながら全身を震わせた。


 

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