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第一部/4組目・魔族領からの刺客
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しおりを挟むーーー1部屋目ーーー
ダンテに見送られながらダンジョン1部屋目へと転移したダリル。
薄暗い部屋に少しだけ警戒しながら辺りを見回す。
(魔物はいない、か…。ま、魔人である僕が魔物程度に負けるわけないけど)
相も変わらず自信満々な様子で、ダリルはその場から1歩も動くことなく左目に手をかざす。
「……『千里眼:罠』」
ーーキンッ
魔力の発露と共に僅かに光るダリルの左目。
…これはダンジョンメーカーの血筋に伝わる固有のスキル。
発動はダンジョン内部に限られるものの、『あらゆる罠の場所・発動条件・効果』を暴く驚異の能力だ。
このスキルがある故に、ダリルはダンジョン攻略に過大な自信を持っていた。
(ふふんっ。向こうはどんなつもりか知らないけど、どんなダンジョンでもこの能力で……)
チートとも言えるスキルを使用してほくそ笑むダリル。
しかし…その顔は一瞬にして曇る。
「………何も、ない?」
罠があればその場所や詳細な情報が左目に映るのだが…今のダリルの左目には罠らしいものの情報は何も映っていなかった。
(罠がない、ってこと?魔物もいないし…もしかしなくてもハズレ部屋?)
罠も魔物もない部屋。
ダリルの方針では絶対にダンジョンには作らないタイプの部屋だが…『遊び心』を重視するダンテならばこういう部屋も作るのだろう。
(ふん、バカみたい。わざわざ自分に不利な部屋を作るなんて)
そしてダリルは警戒もせずに次の魔法陣へと足を進める。
…しかし…
ーーカチッ
「えっ」
数歩前に進んだ瞬間、ダリルの足元から不穏な音が鳴った。
ガコンッ
ーーシュルッ!
「なっ、う、うわぁあ!!!」
次の瞬間には足元の床が大きく開き、ダリルの体を奈落へ落とすと同時に何匹もの触手が群がる。
完全に油断していたダリルは咄嗟に回避することが出来ず、その四肢を絡め取られてしまった。
(お、落とし穴!しかも触手の魔物付き!?こんな単純な罠に引っかかるなんて…!)
初めて罠にかかってしまった驚愕と悔しさに、ダリルは唇を噛み締める。
その視線の先には落とし穴の底でひしめき合う触手たち。
ダリルの四肢を掴んで離さないそれらは更に服の袖から体の表面を伝う。
「っ…気持ち悪い魔物風情が、僕に触れるな!!」
ーーバシュッ!!
声を荒らげると同時に魔力による衝撃波を放ったダリル。
四肢を掴んでいた触手たちを弾き飛ばすように放たれた衝撃波は、想定通りに触手を四散させた。
(ふんっ。…千里眼で見えなかった理由は分からないけど、この程度の罠でこの僕がやられるわけない)
そしてそのまま魔力で宙に浮いたダリル。
落とし穴から脱出しようと上を向くが……
ーーチクッ
「っー!?」
落とし穴の方から音もなく忍び寄った細い触手が、ダリルの足に針のようなものを刺す。
その僅かな痛みに気付いたのも束の間、ダリルの体は再び落とし穴へと落ちていく。
「な、なんで…魔法がっ…う、わぁあぁあああ!!!」
ーーニヂャッ!
宙に浮くための魔法が消えてしまい、ダリルは触手たちの群れの中へと落ちてしまう。
触手たちがクッション代わりになったため痛みは無かったが、それと引き換えにダリルの服は粘液で汚れてしまった。
「っ、きもちわる……」
にちゃにちゃと糸を引く粘液に不快感を露わにするダリル。
体の表面を這う触手を払うように再び魔力を放とうとするが……
「…え?あ、あれ?」
いくら魔法を放とうとしても何故か効果が現れず、ダリルは目に見えて焦り始める。
(魔法が、使えない!?まさか、さっきの…)
落ちる直前の痛みを思い出し、顔を青くするダリル。
そこでようやく対象の魔法を封印する毒……『魔封毒』を投与されたと気付き、悔しさに唇を噛み締めた。
「っ、この……ひっ!」
そして抵抗の術を失ったダリルに襲いかかるように1本の触手が服の中へと滑り込む。
それに続くように続々と触手たちが続々と肌を這い回り、ダリルの体をなぶり始めた。
「やっ、あぁっ…!きもち、わる…んぁあっ!」
しばらくダリルの全身を這いずり回った触手たちは次にその平たい胸元へと向かう。
先端が口のように割れた触手2本が小さな乳首へと吸い付き、ちゅぱちゅぱと淫らな音を立てた。
「は、ぁあ…!やめ、ろ…っ、下等な魔物ごとき、がぁ…」
魔法が使えない状態ではマトモな抵抗も出来ず、触手たちの思うがままに嬲られるダリル。
最初こそ不快感でしか無かった触手のぬめぬめとした感触も次第に甘く疼くような感覚を与えていた。
「ひ、んぅっ♡く、くすぐった…い…っ」
初めての感覚にダリルは唇を噛み締め、無意識に身をよじる。
しかし触手たちはそれを追うようにしてダリルの体…主に乳首を責め立てる。
「くっ…しつこい、ってばぁ…♡あっ♡やぁ♡♡」
ダリルの声にも艶が混ざり始め、触手の粘液で濡れた服の下では年相応の男性器が硬度を増していく。
しかし触手たちは一向にそこには触れず、ダリルの乳首を嬲りながら服の上を這いずり回っていた。
(やばっ…なんか、変なの、くる♡来ちゃう♡)
込み上げる射精感に歯を食いしばり、両足をピンと伸ばすダリル。
その変化に気付いた触手たちは『トドメ』を刺すように攻めの手を激しくする。
ちゅぷっ♡ぬぷっ♡
くりくりっ♡……ギリィッ!
「や♡やめ、ろぉ♡あ♡あぁっ♡い…くっ♡イク♡イクぅ♡♡♡」
びゅくびゅくっ♡びゅーっ♡♡
乳首を強く噛まれた瞬間、ダリルは全身を震わせて絶頂してしまう。
服の中で勢いよく射精し、その快楽に思わずうっとりと目を細めながら甘い吐息を漏らした。
「ぁ…は、ぁ…♡」
(……う、そ…この僕が…ダンジョンの中で、こんな…)
射精後特有の余韻に脱力して触手たちにもたれかかってしまうダリル。
しかし触手たちはそんなダリルの体を宙に持ち上げると、そのまま落とし穴の外へと下ろしてしまう。
シュルっ…とさっ
(……?解放、した?なんで……)
触手たちの行動に困惑するダリル。
普通のダンジョンならば捕えた獲物を逃がすようなことはせず、死ぬまでなぶり続けたり苗床として利用するのだが……
ーードロッ
「ひっ…!?」
不意にダリルの体を運んだ触手が溶け始め、液状となって衣服へと染み込む。
染み込んだ液状の触手は、衣服と同化してその裏側に小さな触手として再び実体化した。
「な、なんだよこれっ……!」
外観は至って普通の衣服。
しかしその裏側には大量の触手たちが蔓延り…ダリルの体を好き勝手にまさぐり、嬲り、辱める。
これこそがエロトラップダンジョンの醍醐味のひとつ。
防具、または衣服の『触手服化』である。
「ふ、服が…ぁっ…♡」
肌を直接滑る触手の感触に声を震わせてしまうダリル。
しかし歯を食いしばって立ち上がると、触手の微弱な攻めに耐えながら次の部屋へと繋がる魔法陣へ足を進める。
(っ…この程度で…負けを認めるわけには、いかない…!)
全ては超えなければならない壁…実の兄を負かし、ダンジョンメーカーとして才能と実力を示すため。
ダリルは、次なる部屋へと向かうのであった。
ーー1部屋目 触手落とし穴の部屋 突破ーー
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ダリル 魔人・ダンジョンメーカー
Lv.109 性別:男 年齢:178
HP:203/300
MP:904/999
状態:魔法封印、防具変異(触手服)
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