15 / 29
新居
しおりを挟む
家に着くと何事もなかったように全員眠っていた。
アドラーナは黙って布団に潜り込んだ、チェインはなんと言っていいか分からず、自分もベッドに入る。
「おやすみなさい、アドラーナさん」
「おやすみ」
返答があったことに満足して、チェインも眠りに落ちていった。
~~・・~~・・~~
チェインはまだ外が暗い内に目を覚ました、鳥の鳴き声が聞こえてくる。明け方はカラスが忙しなく鳴いている。
起き出し、剣だけを持って誰も起こさないようにそっと外に出る。
日課。まずは川で水汲み、木の棒に括りつけた大きな瓶を両肩に2つずつ、4つの瓶を持って4往復する。
いつもは2往復だが、今日は家にたくさん人がいるから多めに運んだ。
その後は素振り、走り込み、木に吊るしたロープを手だけで登り降りして、また剣を振る。
それから信仰する女神に祈る。
祈っている最中にレオナが起きてきた、朝日に眩しそうに片手で顔を覆いながらチェインに笑顔を向ける。
「おはようございます、チェイン様」
「おはようレオナ、よく眠れたかい?」
「はい、なんだか久しぶりに安心して眠れました」
「良かった、みんなを起こしてくれるかい? そろそろ朝御飯を食べに行こう、そこに水を汲んであるから支度に使うと良いよ」
チェインが家の横に並んだ水瓶を指差す。
「ありがとうございます、みんなもう起きてますよ、なんだか、みんな良く寝れたみたいです。ホッとする家ですね」
「ありがとう、嬉しいよ」
レオナは朝日に負けないくらいにっこりと笑って家に入っていった。
チェインは後ろ姿を見送り、運んできた水で汗を流していると、遠くから歩いてくるジョアンナが見えた。
チェインが大きく手を振ると、手を上げかけたジョアンナが手を下ろし、頭を下げてからまたこちらに向かって歩き出した。
「おはようございます、ジョアンナさん、もしかして昨日も歩いて帰られたんですか?」
「おはようございますチェイン様、もちろんです。私は馬には乗れませんから」
「それは申し訳ありません、てっきり馬車で来ているものとばかり思っていました。疲れていませんか?」
「ご心配なく、まだまだ元気ですから」
ジョアンナは脚をポンと叩いて笑った。
「ははは、失礼しました。これからみんなで朝食を食べに行く所なんですが、ジョアンナさんもいかがですか?」
「お心遣いありがとうございます。せっかくのお申し出で恐縮なのですが、もう済ませて参りましたので」
「そうですか、近くに美味しい朝食を出してくれるお店があったんですが。残念です」
「それはそれは、また機会がありましたらよろしくお願いいたします」
「ええ、是非に」
家から出てきた女性陣は顔を洗い、寝癖を整える。ハポニカは顔は自分で洗うが髪はリリスにされるがままだ。
「ハポニカ、とっても可愛くなったわよ」
そんな言葉をかけるリリスに、ハポニカは少しだけ笑顔を見せる。小さくだが前進している。それを見てジョアンナとチェインは笑顔になった。
支度が終わり、みんなで並んで歩いた。
「朝食の後はすぐに新しい家に向かいましょう、ジョアンナさん、屋敷にはベッドなどはすでにあるんでしょうか?」
「はい、掃除はしなければいけませんが、家具は一通り揃っています」
(なら、家からは着替えだけを持っていけば良いか。この家も取り壊す気にはならないし、たまに来て掃除しよう)
家から歩いて10分もしない内に目的地に到着した、木造の新しい建物、中からはいい匂いが漂ってきている。
チェインが羽根戸を開いて中にはいる。中は20人ほどが入れる広さ。
席は半分ほど埋まっていて、全員がチェインと顔見知りらしく軽く会釈をした。
厨房では頭にタオルを巻いた男が忙しそうに鍋を振っている。
「おはようございます、ラジエルおじさん、7人なんですけど入れますか?」
厨房のラジエルが振り返り、チェインを見ると嬉しそうに笑った。
「チェインか、なんで7人も?」
「今度、屋敷を買うことになったんで、そこで使用人をしてもらう人達と一緒なんです」
「ほー、お前がとうとうあの掘っ立て小屋から引っ越しかぁ。バルハラーが草葉の陰でどんな顔してんのかなぁ? ほらっ、突っ立ってないで入れ入れ、適当に座りな」
促され、全員が座れるようにテーブルを2つ引っ付けた。
これで店内は満席になった。
「ここは昔父さんと一緒の部隊にいたラジエルおじさんの食堂なんです、僕は父さんが死んだ後はラジエルおじさんのご飯で育ったんですよ」
「おうよっ、俺は喧嘩はからっきしだったけどな、飯は一級品よ」
ラジエルが厨房から大きな声で応える。
「ここだけの話し、父さんの作るご飯はめちゃくちゃ不味くて。ラジエルおじさんのご飯が毎日食べれるようになったのは嬉しかった」
みんな笑っていいのか微妙な表情をしている。
「おいおい、酷えな、バルハラーが聞いたら泣くぞ。でも確かにアイツの飯は不味かった。そのくせ隊内の飯を作りたがるんだ。戦争の前に腹を下して戦えない奴が出てきてようやっと作るのをやめたくらいだ」
ラジエルが尻を押さえながら剣を持つ格好をする。
そこでようやっとレオナが笑った。
「僕もよくお腹を壊したんだ」
「そんな事言ってるけど、チェインの作る飯も酷いんだぞ。そのくせ人に食わせたがる。誰もまだ犠牲になってないのか?」
食事を運んできたラジエルが女性陣の顔を見回した。
「私が食べたわ、確かに不味かった。凄くね」
アドラーナは鼻に皺を寄せて、いかにも"不味い"顔をした。
「ああ、アドラーナさんがあの時僕を睨んでたのはそのせいか」
ラジエルが腹を抱えて笑うと、全員がつられて笑った。
~~・・~~・・~~
「凄く美味しかったですね」
「本当ね、チェインのご飯とは大違い」
レオナの言葉に、アドラーナが返事をした。
「もういいじゃないかアドラーナさん、そんなに苛めないでくれ」
口を尖らせ、チェインが拗ねて見せる。
「さあ皆さん着きましたよ」
リヤカーを引きながら、ジョアンナに案内されて着いたのは王国中心部、王城からも近く、武家が多く住む区画。
通りは広く、並ぶ屋敷はどこも馬の厩舎があるので王都にしては田舎のような匂いが漂っている。
全員で見上げる屋敷はそう古くない。
「ここは、懐かしいな」
そこはチェインの母、アシェルミーナが建てた屋敷だった。
切り抜いた石を組んで建てられた屋敷は白を基調としている、アシェルミーナの髪や肌によく似合っているなと、子供ながらに思っていたのを思い出した。
「いい家ね」
アドラーナが呟いた。
「ジョアンナさん、ここは10年以上誰も住んでなかったんですか?」
「はい、イオレク様がいずれチェイン様がこの家を引き取るだろうと、取り置いていたそうです。なんでも先代の家主が住んでいた頃から手付かずだそうですよ。チェイン様のお知り合いで?」
イオレクの計らいにチェインは内心で驚いた、昔から人の動きを先読みしている事が多いが、まさか自分の将来の家まで読まれるとは。
「はい、よく遊びに来ました」
チェインはリヤカーを置き、両開きの大きな門を開いて敷地内に入る。
庭は草木が伸び放題になっている、生えているのは貴族の屋敷らしい花ではなく野菜や果物の木だ。
(魔大陸は全然野菜や果物が育たないから、どうしても植えたくなるの。他の人には屋敷の庭に野菜を植えるなんて馬鹿だって言われちゃうんだけどね)
そう言って、照れたように笑っていたアシェルミーナがチェインの脳裏に浮かぶ。
ここの先代の家主は、元魔王軍参謀アシェルミーナ。
チェインも幼少の頃にはよく顔を出した。
「あら、美味しそうなトマトがなってるわね」
アドラーナがそう言って1つ捥ぐ、袖で拭いて口に入れた。
アドラーナの後ろ姿をチェインは眺めた。
「美味しいわ」
そう言ってアドラーナはチェインの方を向いて笑った、その顔を見て、チェインは固まった。
「なによ?」
「いや、なんでもない」
アドラーナの横顔が、チェインが幼き日に見たアシェルミーナと驚くほど重なった。
アドラーナは黙って布団に潜り込んだ、チェインはなんと言っていいか分からず、自分もベッドに入る。
「おやすみなさい、アドラーナさん」
「おやすみ」
返答があったことに満足して、チェインも眠りに落ちていった。
~~・・~~・・~~
チェインはまだ外が暗い内に目を覚ました、鳥の鳴き声が聞こえてくる。明け方はカラスが忙しなく鳴いている。
起き出し、剣だけを持って誰も起こさないようにそっと外に出る。
日課。まずは川で水汲み、木の棒に括りつけた大きな瓶を両肩に2つずつ、4つの瓶を持って4往復する。
いつもは2往復だが、今日は家にたくさん人がいるから多めに運んだ。
その後は素振り、走り込み、木に吊るしたロープを手だけで登り降りして、また剣を振る。
それから信仰する女神に祈る。
祈っている最中にレオナが起きてきた、朝日に眩しそうに片手で顔を覆いながらチェインに笑顔を向ける。
「おはようございます、チェイン様」
「おはようレオナ、よく眠れたかい?」
「はい、なんだか久しぶりに安心して眠れました」
「良かった、みんなを起こしてくれるかい? そろそろ朝御飯を食べに行こう、そこに水を汲んであるから支度に使うと良いよ」
チェインが家の横に並んだ水瓶を指差す。
「ありがとうございます、みんなもう起きてますよ、なんだか、みんな良く寝れたみたいです。ホッとする家ですね」
「ありがとう、嬉しいよ」
レオナは朝日に負けないくらいにっこりと笑って家に入っていった。
チェインは後ろ姿を見送り、運んできた水で汗を流していると、遠くから歩いてくるジョアンナが見えた。
チェインが大きく手を振ると、手を上げかけたジョアンナが手を下ろし、頭を下げてからまたこちらに向かって歩き出した。
「おはようございます、ジョアンナさん、もしかして昨日も歩いて帰られたんですか?」
「おはようございますチェイン様、もちろんです。私は馬には乗れませんから」
「それは申し訳ありません、てっきり馬車で来ているものとばかり思っていました。疲れていませんか?」
「ご心配なく、まだまだ元気ですから」
ジョアンナは脚をポンと叩いて笑った。
「ははは、失礼しました。これからみんなで朝食を食べに行く所なんですが、ジョアンナさんもいかがですか?」
「お心遣いありがとうございます。せっかくのお申し出で恐縮なのですが、もう済ませて参りましたので」
「そうですか、近くに美味しい朝食を出してくれるお店があったんですが。残念です」
「それはそれは、また機会がありましたらよろしくお願いいたします」
「ええ、是非に」
家から出てきた女性陣は顔を洗い、寝癖を整える。ハポニカは顔は自分で洗うが髪はリリスにされるがままだ。
「ハポニカ、とっても可愛くなったわよ」
そんな言葉をかけるリリスに、ハポニカは少しだけ笑顔を見せる。小さくだが前進している。それを見てジョアンナとチェインは笑顔になった。
支度が終わり、みんなで並んで歩いた。
「朝食の後はすぐに新しい家に向かいましょう、ジョアンナさん、屋敷にはベッドなどはすでにあるんでしょうか?」
「はい、掃除はしなければいけませんが、家具は一通り揃っています」
(なら、家からは着替えだけを持っていけば良いか。この家も取り壊す気にはならないし、たまに来て掃除しよう)
家から歩いて10分もしない内に目的地に到着した、木造の新しい建物、中からはいい匂いが漂ってきている。
チェインが羽根戸を開いて中にはいる。中は20人ほどが入れる広さ。
席は半分ほど埋まっていて、全員がチェインと顔見知りらしく軽く会釈をした。
厨房では頭にタオルを巻いた男が忙しそうに鍋を振っている。
「おはようございます、ラジエルおじさん、7人なんですけど入れますか?」
厨房のラジエルが振り返り、チェインを見ると嬉しそうに笑った。
「チェインか、なんで7人も?」
「今度、屋敷を買うことになったんで、そこで使用人をしてもらう人達と一緒なんです」
「ほー、お前がとうとうあの掘っ立て小屋から引っ越しかぁ。バルハラーが草葉の陰でどんな顔してんのかなぁ? ほらっ、突っ立ってないで入れ入れ、適当に座りな」
促され、全員が座れるようにテーブルを2つ引っ付けた。
これで店内は満席になった。
「ここは昔父さんと一緒の部隊にいたラジエルおじさんの食堂なんです、僕は父さんが死んだ後はラジエルおじさんのご飯で育ったんですよ」
「おうよっ、俺は喧嘩はからっきしだったけどな、飯は一級品よ」
ラジエルが厨房から大きな声で応える。
「ここだけの話し、父さんの作るご飯はめちゃくちゃ不味くて。ラジエルおじさんのご飯が毎日食べれるようになったのは嬉しかった」
みんな笑っていいのか微妙な表情をしている。
「おいおい、酷えな、バルハラーが聞いたら泣くぞ。でも確かにアイツの飯は不味かった。そのくせ隊内の飯を作りたがるんだ。戦争の前に腹を下して戦えない奴が出てきてようやっと作るのをやめたくらいだ」
ラジエルが尻を押さえながら剣を持つ格好をする。
そこでようやっとレオナが笑った。
「僕もよくお腹を壊したんだ」
「そんな事言ってるけど、チェインの作る飯も酷いんだぞ。そのくせ人に食わせたがる。誰もまだ犠牲になってないのか?」
食事を運んできたラジエルが女性陣の顔を見回した。
「私が食べたわ、確かに不味かった。凄くね」
アドラーナは鼻に皺を寄せて、いかにも"不味い"顔をした。
「ああ、アドラーナさんがあの時僕を睨んでたのはそのせいか」
ラジエルが腹を抱えて笑うと、全員がつられて笑った。
~~・・~~・・~~
「凄く美味しかったですね」
「本当ね、チェインのご飯とは大違い」
レオナの言葉に、アドラーナが返事をした。
「もういいじゃないかアドラーナさん、そんなに苛めないでくれ」
口を尖らせ、チェインが拗ねて見せる。
「さあ皆さん着きましたよ」
リヤカーを引きながら、ジョアンナに案内されて着いたのは王国中心部、王城からも近く、武家が多く住む区画。
通りは広く、並ぶ屋敷はどこも馬の厩舎があるので王都にしては田舎のような匂いが漂っている。
全員で見上げる屋敷はそう古くない。
「ここは、懐かしいな」
そこはチェインの母、アシェルミーナが建てた屋敷だった。
切り抜いた石を組んで建てられた屋敷は白を基調としている、アシェルミーナの髪や肌によく似合っているなと、子供ながらに思っていたのを思い出した。
「いい家ね」
アドラーナが呟いた。
「ジョアンナさん、ここは10年以上誰も住んでなかったんですか?」
「はい、イオレク様がいずれチェイン様がこの家を引き取るだろうと、取り置いていたそうです。なんでも先代の家主が住んでいた頃から手付かずだそうですよ。チェイン様のお知り合いで?」
イオレクの計らいにチェインは内心で驚いた、昔から人の動きを先読みしている事が多いが、まさか自分の将来の家まで読まれるとは。
「はい、よく遊びに来ました」
チェインはリヤカーを置き、両開きの大きな門を開いて敷地内に入る。
庭は草木が伸び放題になっている、生えているのは貴族の屋敷らしい花ではなく野菜や果物の木だ。
(魔大陸は全然野菜や果物が育たないから、どうしても植えたくなるの。他の人には屋敷の庭に野菜を植えるなんて馬鹿だって言われちゃうんだけどね)
そう言って、照れたように笑っていたアシェルミーナがチェインの脳裏に浮かぶ。
ここの先代の家主は、元魔王軍参謀アシェルミーナ。
チェインも幼少の頃にはよく顔を出した。
「あら、美味しそうなトマトがなってるわね」
アドラーナがそう言って1つ捥ぐ、袖で拭いて口に入れた。
アドラーナの後ろ姿をチェインは眺めた。
「美味しいわ」
そう言ってアドラーナはチェインの方を向いて笑った、その顔を見て、チェインは固まった。
「なによ?」
「いや、なんでもない」
アドラーナの横顔が、チェインが幼き日に見たアシェルミーナと驚くほど重なった。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
離縁された妻ですが、旦那様は本当の力を知らなかったようですね? 魔道具師として自立を目指します!
椿蛍
ファンタジー
【1章】
転生し、目覚めたら、旦那様から離縁されていた。
――そんなことってある?
私が転生したのは、落ちこぼれ魔道具師のサーラ。
彼女は結婚式当日、何者かの罠によって、氷の中に閉じ込められてしまった。
時を止めて眠ること十年。
彼女の魂は消滅し、肉体だけが残っていた。
「どうやって生活していくつもりかな?」
「ご心配なく。手に職を持ち、自立します」
「落ちこぼれの君が手に職? 無理だよ、無理! 現実を見つめたほうがいいよ?」
――後悔するのは、旦那様たちですよ?
【2章】
「もう一度、君を妃に迎えたい」
今まで私が魔道具師として働くのに反対で、散々嫌がらせをしてからの再プロポーズ。
再プロポーズ前にやるのは、信頼関係の再構築、まずは浮気の謝罪からでは……?
――まさか、うまくいくなんて、思ってませんよね?
【3章】
『サーラちゃん、婚約おめでとう!』
私がリアムの婚約者!?
リアムの妃の座を狙う四大公爵家の令嬢が現れ、突然の略奪宣言!
ライバル認定された私。
妃候補ふたたび――十年前と同じような状況になったけれど、犯人はもう一度現れるの?
リアムを貶めるための公爵の罠が、ヴィフレア王国の危機を招いて――
【その他】
※12月25日から3章スタート。初日2話、1日1話更新です。
※イラストは作成者様より、お借りして使用しております。
「おっさんはいらない」とパーティーを追放された魔導師は若返り、最強の大賢者となる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~
平山和人
ファンタジー
かつては伝説の魔法使いと謳われたアークは中年となり、衰えた存在になった。
ある日、所属していたパーティーのリーダーから「老いさらばえたおっさんは必要ない」とパーティーを追い出される。
身も心も疲弊したアークは、辺境の地と拠点を移し、自給自足のスローライフを送っていた。
そんなある日、森の中で呪いをかけられた瀕死のフェニックスを発見し、これを助ける。
フェニックスはお礼に、アークを若返らせてくれるのだった。若返ったおかげで、全盛期以上の力を手に入れたアークは、史上最強の大賢者となる。
一方アークを追放したパーティーはアークを失ったことで、没落の道を辿ることになる。
転生したら男性が希少な世界だった:オタク文化で並行世界に彩りを
なつのさんち
ファンタジー
前世から引き継いだ記憶を元に、男女比の狂った世界で娯楽文化を発展させつつお金儲けもしてハーレムも楽しむお話。
二十九歳、童貞。明日には魔法使いになってしまう。
勇気を出して風俗街へ、行く前に迷いを振り切る為にお酒を引っ掛ける。
思いのほか飲んでしまい、ふら付く身体でゴールデン街に渡る為の交差点で信号待ちをしていると、後ろから何者かに押されて道路に飛び出てしまい、二十九歳童貞はトラックに跳ねられてしまう。
そして気付けば赤ん坊に。
異世界へ、具体的に表現すると元いた世界にそっくりな並行世界へと転生していたのだった。
ヴァーチャル配信者としてスカウトを受け、その後世界初の男性顔出し配信者・起業投資家として世界を動かして行く事となる元二十九歳童貞男のお話。
★★★ ★★★ ★★★
本作はカクヨムに連載中の作品「Vから始める男女比一対三万世界の配信者生活:オタク文化で並行世界を制覇する!」のアルファポリス版となっております。
現在加筆修正を進めており、今後展開が変わる可能性もあるので、カクヨム版とアルファポリス版は別の世界線の別々の話であると思って頂ければと思います。
惣菜パン無双 〜固いパンしかない異世界で美味しいパンを作りたい〜
甲殻類パエリア
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンだった深海玲司は仕事帰りに雷に打たれて命を落とし、異世界に転生してしまう。
秀でた能力もなく前世と同じ平凡な男、「レイ」としてのんびり生きるつもりが、彼には一つだけ我慢ならないことがあった。
——パンである。
異世界のパンは固くて味気のない、スープに浸さなければ食べられないものばかりで、それを主食として食べなければならない生活にうんざりしていた。
というのも、レイの前世は平凡ながら無類のパン好きだったのである。パン好きと言っても高級なパンを買って食べるわけではなく、さまざまな「菓子パン」や「惣菜パン」を自ら作り上げ、一人ひっそりとそれを食べることが至上の喜びだったのである。
そんな前世を持つレイが固くて味気ないパンしかない世界に耐えられるはずもなく、美味しいパンを求めて生まれ育った村から旅立つことに——。
婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね
いくみ
ファンタジー
パトリシアは卒業パーティーで婚約者の王子から婚約破棄を言い渡される。
しかし、これは、本人が待ちに待った結果である。さぁこれからどうやって私の13年を返して貰いましょうか。
覚悟して下さいませ王子様!
転生者嘗めないで下さいね。
追記
すみません短編予定でしたが、長くなりそうなので長編に変更させて頂きます。
モフモフも、追加させて頂きます。
よろしくお願いいたします。
カクヨム様でも連載を始めました。
魔がさした? 私も魔をさしますのでよろしく。
ユユ
恋愛
幼い頃から築いてきた彼との関係は
愛だと思っていた。
何度も“好き”と言われ
次第に心を寄せるようになった。
だけど 彼の浮気を知ってしまった。
私の頭の中にあった愛の城は
完全に崩壊した。
彼の口にする“愛”は偽物だった。
* 作り話です
* 短編で終わらせたいです
* 暇つぶしにどうぞ
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる