4 / 29
初めての……。
しおりを挟む
チェインはとりあえず服を着て、テーブルを起こして椅子に座った。たっぷりと水を飲んで二日酔いは少しだけ治まった。
テーブルに両肘をつき、二日酔いで痛む頭を抱える。
痛むのは二日酔いのせいだけではない。
「……、あの」
消え入りそうな声で女の子がチェインに呼び掛けた、顔を上げて彼女を見る。
改めて見ると美人だ、整った顔をしてる。
汚れを落とし、身なりを整えたらとびきりの美人になりそうだ。
(どこかで見たような気がするな、でも、魔族に知り合いは軍の中でしかいない。女性の魔族は周りにはいないしな……)
チェインは内心で首を捻る。
「あー、汚いモノを見せて悪かったね」
「いえ、そんな」
空気が和むかと思って慣れない下ネタを挟んだが、逆効果だった、なんとも言えない嫌な空気が漂う。
すぐに彼女の境遇を想い至り、自分のバカさ加減を呪った。
(考えてみれば、彼女の身なりからして奴隷なんだ、多分、いや、間違いなく逃げた奴隷だ。散々ひどい目にあったはずだ、身体的にも精神的にも。そんな彼女に下ネタはないよな)
「へんな事を言って申し訳ない、僕はチェイン、差し支えなかったらあなたの名前を聞いてもいいかな?」
「……。アドラーナです」
アドラーナが一瞬だが驚いた顔をした、チェインの名前を知っていたような顔だ。
「アドラーナさん、不躾ですが、ご身分は?」
アドラーナは目を伏せて心底苦しそうな顔になった、言うんじゃなかった、だが、奴隷と分かっていれば手を打たなければならない。
奴隷には二種類、農奴か、貴族御用達の奴隷。
貴族御用達の奴隷なら首の後ろに奴隷の紋がある。
街中で、手足の汚れ具合からしても農奴じゃない、おそらく、売られる前に逃げた貴族御用達の奴隷だろう。
逃げてもいつかは捕まる、時間の問題だ。
「……。奴隷、です」
「そうか、逃げたのかな?」
「はい」
(参ったなぁ、どうしようもないけど、このまま奴隷商人に返すのも目覚めが悪い。仕方ないと言えば仕方ないんだが……。)
「とにかく、今は治療しましょう。少し失礼しますね」
痛々しい打撲の痕にチェインは優しく手をのせる、アドラーナはビクッと拒絶の反応を示したが構わずに続けた。
「闘争と前進の女神ゼラネイアよ、傷ついた者を癒し、今一度戦う力を与えたまえ」
淡い青色の女神の加護の光が打撲の痕を包み、痣が瞬く間に消えていく、アドラーナの顔に驚きの表情が浮かぶ。
「……。ありがとう、ございます」
「いえ」
アドラーナはチェインの顔を凝視したまま固まった、最高位12神の1柱から寵愛を受けている存在は珍しい。
顔を凝視されたまま沈黙、チェインは気まずいと感じながらなにか話題を探した。
「そうだ、食事にしましょう。話しはその後にでも」
「……。いえ、これ以上ご迷惑は」
やっとアドラーナは固まった状態から声を出した。
「いいんだ、食べたら後で誤解を解くのを手伝ってくれないかな」
チェインは立ち上がり、キッチンに向かう。
(あれだけ衰弱してたら肉は無理か、野菜、スープだな)
有り合わせの根菜類と麦を入れて麦湯を作った、後は数日前に買った小麦のパン、カビの有無を確認してから皿に出した。
「さあ、召し上がれ」
男の独り暮し、お盆なんて気の効いた物はない。テーブルに載せ、テーブルごとベッドの側まで運んだ。
アドラーナは見るだけで口どころか手をつけようともしない。
チェインはアドラーナの表情に変化を見た、上手く表現は出来ない。
表情が微妙に変わっている、さっきまでは驚き、今は何かを必死に考え込んでいるような顔。
「大丈夫、毒なんて入ってないよ」
チェインはフォークでスープのニンジンを突き刺して口に入れた、咀嚼しながら"ねっ?"っという表情で改めてフォークを渡す。
アドラーナは躊躇いがちにフォークを受け取り、チェインと同じようにニンジンを突き刺して口に入れた。
噛むごとに、表情が崩れ眼からは堪えきれずに小さな涙が頬を伝う。
チェインはなにも言えない。水瓶から水をコップにそそぎ入れ、スープの入った皿の横に置いた。
(魔族の奴隷か、人魔大戦が終わって19年。戦後初期は随分と多かったらしいけど、今じゃ珍しいな)
奴隷商の元締めだったザンデ傭兵団がほぼ壊滅、その上に国が奴隷制を禁止した。だが、今はまだ完全には消しきれない。
奴隷を完全に撤廃すると奴隷身分の人間が職を失う、それらを全て国が引き取る程の資金もないし、農奴は過酷だ、扱いも酷いからどんどん死んでしまう。だが、それ以外に与える職もない。
そのせいで一部分的に残るのを完全に消すのは難しい。
傭兵団が資金集めにやっていた"奴隷狩り"は完全に無くなったのでそれだけで良しとしているのが現状だ。
でもそれは、一部に辛いことを押し付けている。
人攫いは無くならない。
(彼女を、僕はどうすればいい? 金を払って買うことは出来る、でも、他にいる奴隷は? 全員を救うなんて僕には出来ない。この子だけを救うのは僕の罪悪感をその場しのぎに埋めるだけの汚い"偽善"だ)
「……。逃げて、なにかあてはあったのかな?」
チェインは聴きながら、自分は何を聞いているんだと声に出さずため息をついた。
「……。はい、人を探していたんです」
意外な答えが返ってきた、奴隷は大抵が遠い土地に連れていかれる。逃げにくくするためだ、身一つで逃げても頼る人間がいなければ明日食べる物もない。
身よりのない人間にとって、知らない土地は鉄格子を必要としない牢獄だ。
「そうか、良ければ探すのを手伝いましょう。どこから逃げたんですか? まずは自分を買い戻した方がいい、僕が立て替えますよ。お代はあなたの探してる人から貰ってもいいし、いずれゆっくりでも返していただいたら結構ですよ」
アドラーナに頼る人がいると聞いて、安心してペラペラと話しながら、ホッとしている自分にチェインは心底嫌気がさした。
「大丈夫です、多分、見つかりました」
「へ?」
アドラーナは力強い瞳でチェインを見て、チェインもアドラーナを見返した。
アドラーナは顔に、冷ややかな笑みを浮かべていた。
チェインに掌を向ける、紫色の魔力光が浮かび、チェインは咄嗟に身構えたが一瞬で魔力光がチェインの体を包んだ。
油断、魔族は魔力が強い。こんな少女でも無詠唱で魔法を使うとはチェインは思いもしなかった。
(考えれば昨日の傭兵崩れの暴漢に襲われていたのもフェイクか、初めから僕が目的だったのか。なら、なんで昨日は手を出してこなかった? 僕がチェインだと分からなかったのか? っくそ、全身が魔力光に包まれていく)
全身、いや、チェインの一部に、下半身の一部だ。
次の瞬間、人生で初めて、チェインのアレがアレをした。
あの状態だ。
普通の人間ならよく知りもしない女性と2人きりの時になったら隠そうとするあの状態。
だが、チェインは、チェインにとっては初めてのあの状態で。
普通にテンパった。
「なんでっ、なにしたのっ! ギンギンなんですけどっ!」
ズボンの上からナニを触る。
(すごい、なんだこれ、カッチカチやないか!)
チェインはギリギリの所でズボンを脱がないという理性は保った。
「その反応、やっぱりそうなるのは初めてみたいね」
クスっと、アドラーナが笑った。
チェインはその笑った口元を凝視する、そして顎から首筋、そして胸の先が見えそうな危うい奴隷服。
今のチェインには全てが妖艶に輝いて見える。
「貴方に掛けた魔法は|魅了(チャーム)、魔族の女は全員が使える秘術。掛けられた者は、掛けた相手に文字通り"夢中"になるわ」
(チャーム?)
「なんで、僕に?」
チェインは僕の"不能"を治してくれてありがとうって言うべきか? と、状況に合わない事を考えていた。
全く、今のチェインは集中出来ない。
「ふふ、「なんで、自分が不能だと知っているんだ」っていう顔ね」
(っ!! そういえばそうだ!? なんで僕が不能だって知ってい……っくそ、集中出来ないっ!!)
「そうね、順を追って説明しましょうか。貴方はね、半分は人間だけど、半分は"魔族"よ。それも、勇者バルハラーと魔王軍の女の子供」
チェインに向かって、アドラーナは細い腕を上げて指を突き付ける。
「驚かないのね、知っていたの? 知っていてこの王都で暮らすなんて、どういう神経してるんだか……。 流石は勇者が魔族を犯して生まれた忌子ね」
怒りにアドラーナの顔が歪む、テーブルの皿を乱暴に払い落とし、掛けられた布団を払いのけて立ち上がった。
「なんでアンタが"不能"か知っているのはね、魔族は、魔族の男は全員が性欲を持たないからよ。魔族は戦闘民族、その欲望は闘争にのみ向けられる。だから魔族では、魔族の女が見初めた魔族の男にだけチャームを掛けて結ばれるのよ」
(頭がオカシクなりそうだ、この女は何を言ってるんだ?)
「……。すまない、一旦魔法を解いてくれ」
「なによ、さっきから貴方ちゃんと私の話しを聞いてるの?」
どこか上の空のチェインにアドラーナが叫ぶ。
「なんも聞いてないよっ! 股間がアッチアチでなんも頭に入ってこないんだよっ!」
チェインは産まれて初めて声を荒げた。
なにがなんだかわからないまま、沸いた頭でチェインは叫んでいた。
テーブルに両肘をつき、二日酔いで痛む頭を抱える。
痛むのは二日酔いのせいだけではない。
「……、あの」
消え入りそうな声で女の子がチェインに呼び掛けた、顔を上げて彼女を見る。
改めて見ると美人だ、整った顔をしてる。
汚れを落とし、身なりを整えたらとびきりの美人になりそうだ。
(どこかで見たような気がするな、でも、魔族に知り合いは軍の中でしかいない。女性の魔族は周りにはいないしな……)
チェインは内心で首を捻る。
「あー、汚いモノを見せて悪かったね」
「いえ、そんな」
空気が和むかと思って慣れない下ネタを挟んだが、逆効果だった、なんとも言えない嫌な空気が漂う。
すぐに彼女の境遇を想い至り、自分のバカさ加減を呪った。
(考えてみれば、彼女の身なりからして奴隷なんだ、多分、いや、間違いなく逃げた奴隷だ。散々ひどい目にあったはずだ、身体的にも精神的にも。そんな彼女に下ネタはないよな)
「へんな事を言って申し訳ない、僕はチェイン、差し支えなかったらあなたの名前を聞いてもいいかな?」
「……。アドラーナです」
アドラーナが一瞬だが驚いた顔をした、チェインの名前を知っていたような顔だ。
「アドラーナさん、不躾ですが、ご身分は?」
アドラーナは目を伏せて心底苦しそうな顔になった、言うんじゃなかった、だが、奴隷と分かっていれば手を打たなければならない。
奴隷には二種類、農奴か、貴族御用達の奴隷。
貴族御用達の奴隷なら首の後ろに奴隷の紋がある。
街中で、手足の汚れ具合からしても農奴じゃない、おそらく、売られる前に逃げた貴族御用達の奴隷だろう。
逃げてもいつかは捕まる、時間の問題だ。
「……。奴隷、です」
「そうか、逃げたのかな?」
「はい」
(参ったなぁ、どうしようもないけど、このまま奴隷商人に返すのも目覚めが悪い。仕方ないと言えば仕方ないんだが……。)
「とにかく、今は治療しましょう。少し失礼しますね」
痛々しい打撲の痕にチェインは優しく手をのせる、アドラーナはビクッと拒絶の反応を示したが構わずに続けた。
「闘争と前進の女神ゼラネイアよ、傷ついた者を癒し、今一度戦う力を与えたまえ」
淡い青色の女神の加護の光が打撲の痕を包み、痣が瞬く間に消えていく、アドラーナの顔に驚きの表情が浮かぶ。
「……。ありがとう、ございます」
「いえ」
アドラーナはチェインの顔を凝視したまま固まった、最高位12神の1柱から寵愛を受けている存在は珍しい。
顔を凝視されたまま沈黙、チェインは気まずいと感じながらなにか話題を探した。
「そうだ、食事にしましょう。話しはその後にでも」
「……。いえ、これ以上ご迷惑は」
やっとアドラーナは固まった状態から声を出した。
「いいんだ、食べたら後で誤解を解くのを手伝ってくれないかな」
チェインは立ち上がり、キッチンに向かう。
(あれだけ衰弱してたら肉は無理か、野菜、スープだな)
有り合わせの根菜類と麦を入れて麦湯を作った、後は数日前に買った小麦のパン、カビの有無を確認してから皿に出した。
「さあ、召し上がれ」
男の独り暮し、お盆なんて気の効いた物はない。テーブルに載せ、テーブルごとベッドの側まで運んだ。
アドラーナは見るだけで口どころか手をつけようともしない。
チェインはアドラーナの表情に変化を見た、上手く表現は出来ない。
表情が微妙に変わっている、さっきまでは驚き、今は何かを必死に考え込んでいるような顔。
「大丈夫、毒なんて入ってないよ」
チェインはフォークでスープのニンジンを突き刺して口に入れた、咀嚼しながら"ねっ?"っという表情で改めてフォークを渡す。
アドラーナは躊躇いがちにフォークを受け取り、チェインと同じようにニンジンを突き刺して口に入れた。
噛むごとに、表情が崩れ眼からは堪えきれずに小さな涙が頬を伝う。
チェインはなにも言えない。水瓶から水をコップにそそぎ入れ、スープの入った皿の横に置いた。
(魔族の奴隷か、人魔大戦が終わって19年。戦後初期は随分と多かったらしいけど、今じゃ珍しいな)
奴隷商の元締めだったザンデ傭兵団がほぼ壊滅、その上に国が奴隷制を禁止した。だが、今はまだ完全には消しきれない。
奴隷を完全に撤廃すると奴隷身分の人間が職を失う、それらを全て国が引き取る程の資金もないし、農奴は過酷だ、扱いも酷いからどんどん死んでしまう。だが、それ以外に与える職もない。
そのせいで一部分的に残るのを完全に消すのは難しい。
傭兵団が資金集めにやっていた"奴隷狩り"は完全に無くなったのでそれだけで良しとしているのが現状だ。
でもそれは、一部に辛いことを押し付けている。
人攫いは無くならない。
(彼女を、僕はどうすればいい? 金を払って買うことは出来る、でも、他にいる奴隷は? 全員を救うなんて僕には出来ない。この子だけを救うのは僕の罪悪感をその場しのぎに埋めるだけの汚い"偽善"だ)
「……。逃げて、なにかあてはあったのかな?」
チェインは聴きながら、自分は何を聞いているんだと声に出さずため息をついた。
「……。はい、人を探していたんです」
意外な答えが返ってきた、奴隷は大抵が遠い土地に連れていかれる。逃げにくくするためだ、身一つで逃げても頼る人間がいなければ明日食べる物もない。
身よりのない人間にとって、知らない土地は鉄格子を必要としない牢獄だ。
「そうか、良ければ探すのを手伝いましょう。どこから逃げたんですか? まずは自分を買い戻した方がいい、僕が立て替えますよ。お代はあなたの探してる人から貰ってもいいし、いずれゆっくりでも返していただいたら結構ですよ」
アドラーナに頼る人がいると聞いて、安心してペラペラと話しながら、ホッとしている自分にチェインは心底嫌気がさした。
「大丈夫です、多分、見つかりました」
「へ?」
アドラーナは力強い瞳でチェインを見て、チェインもアドラーナを見返した。
アドラーナは顔に、冷ややかな笑みを浮かべていた。
チェインに掌を向ける、紫色の魔力光が浮かび、チェインは咄嗟に身構えたが一瞬で魔力光がチェインの体を包んだ。
油断、魔族は魔力が強い。こんな少女でも無詠唱で魔法を使うとはチェインは思いもしなかった。
(考えれば昨日の傭兵崩れの暴漢に襲われていたのもフェイクか、初めから僕が目的だったのか。なら、なんで昨日は手を出してこなかった? 僕がチェインだと分からなかったのか? っくそ、全身が魔力光に包まれていく)
全身、いや、チェインの一部に、下半身の一部だ。
次の瞬間、人生で初めて、チェインのアレがアレをした。
あの状態だ。
普通の人間ならよく知りもしない女性と2人きりの時になったら隠そうとするあの状態。
だが、チェインは、チェインにとっては初めてのあの状態で。
普通にテンパった。
「なんでっ、なにしたのっ! ギンギンなんですけどっ!」
ズボンの上からナニを触る。
(すごい、なんだこれ、カッチカチやないか!)
チェインはギリギリの所でズボンを脱がないという理性は保った。
「その反応、やっぱりそうなるのは初めてみたいね」
クスっと、アドラーナが笑った。
チェインはその笑った口元を凝視する、そして顎から首筋、そして胸の先が見えそうな危うい奴隷服。
今のチェインには全てが妖艶に輝いて見える。
「貴方に掛けた魔法は|魅了(チャーム)、魔族の女は全員が使える秘術。掛けられた者は、掛けた相手に文字通り"夢中"になるわ」
(チャーム?)
「なんで、僕に?」
チェインは僕の"不能"を治してくれてありがとうって言うべきか? と、状況に合わない事を考えていた。
全く、今のチェインは集中出来ない。
「ふふ、「なんで、自分が不能だと知っているんだ」っていう顔ね」
(っ!! そういえばそうだ!? なんで僕が不能だって知ってい……っくそ、集中出来ないっ!!)
「そうね、順を追って説明しましょうか。貴方はね、半分は人間だけど、半分は"魔族"よ。それも、勇者バルハラーと魔王軍の女の子供」
チェインに向かって、アドラーナは細い腕を上げて指を突き付ける。
「驚かないのね、知っていたの? 知っていてこの王都で暮らすなんて、どういう神経してるんだか……。 流石は勇者が魔族を犯して生まれた忌子ね」
怒りにアドラーナの顔が歪む、テーブルの皿を乱暴に払い落とし、掛けられた布団を払いのけて立ち上がった。
「なんでアンタが"不能"か知っているのはね、魔族は、魔族の男は全員が性欲を持たないからよ。魔族は戦闘民族、その欲望は闘争にのみ向けられる。だから魔族では、魔族の女が見初めた魔族の男にだけチャームを掛けて結ばれるのよ」
(頭がオカシクなりそうだ、この女は何を言ってるんだ?)
「……。すまない、一旦魔法を解いてくれ」
「なによ、さっきから貴方ちゃんと私の話しを聞いてるの?」
どこか上の空のチェインにアドラーナが叫ぶ。
「なんも聞いてないよっ! 股間がアッチアチでなんも頭に入ってこないんだよっ!」
チェインは産まれて初めて声を荒げた。
なにがなんだかわからないまま、沸いた頭でチェインは叫んでいた。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
アレキサンドライトの憂鬱。
雪月海桜
ファンタジー
桜木愛、二十五歳。王道のトラック事故により転生した先は、剣と魔法のこれまた王道の異世界だった。
アレキサンドライト帝国の公爵令嬢ミア・モルガナイトとして生まれたわたしは、五歳にして自身の属性が限りなく悪役令嬢に近いことを悟ってしまう。
どうせ生まれ変わったなら、悪役令嬢にありがちな処刑や追放バッドエンドは回避したい!
更正生活を送る中、ただひとつ、王道から異なるのが……『悪役令嬢』のライバルポジション『光の聖女』は、わたしの前世のお母さんだった……!?
これは双子の皇子や聖女と共に、皇帝陛下の憂鬱を晴らすべく、各地の異変を解決しに向かうことになったわたしたちの、いろんな形の家族や愛の物語。
★表紙イラスト……rin.rin様より。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
RiCE CAkE ODySSEy
心絵マシテ
ファンタジー
月舘萌知には、決して誰にも知られてならない秘密がある。
それは、魔術師の家系生まれであることと魔力を有する身でありながらも魔術師としての才覚がまったくないという、ちょっぴり残念な秘密。
特別な事情もあいまって学生生活という日常すらどこか危うく、周囲との交友関係を上手くきずけない。
そんな日々を悶々と過ごす彼女だが、ある事がきっかけで窮地に立たされてしまう。
間一髪のところで救ってくれたのは、現役の学生アイドルであり憧れのクラスメイト、小鳩篠。
そのことで夢見心地になる萌知に篠は自身の正体を打ち明かす。
【魔道具の天秤を使い、この世界の裏に存在する隠世に行って欲しい】
そう、仄めかす篠に萌知は首を横に振るう。
しかし、一度動きだした運命の輪は止まらず、篠を守ろうとした彼女は凶弾に倒れてしまう。
起動した天秤の力により隠世に飛ばされ、記憶の大半を失ってしまった萌知。
右も左も分からない絶望的な状況化であるも突如、魔法の開花に至る。
魔術師としてではなく魔導士としての覚醒。
記憶と帰路を探す為、少女の旅程冒険譚が今、開幕する。
たすくもん~千と律、悪夢の館
流城承太郎
ファンタジー
「どこだ、ここは」
同心、飯岡黒羽左衛門(くろうざえもん)は目を剥いた。
一日の仕事を終え、組屋敷の自宅に戻って刀を置き、さて一風呂浴びようかと思い、廊下に出た……。
人外に愛される隠れ剣豪、飯岡黒羽左衛門の往きて帰りし異世界冒険譚。
全4話短編完結済み。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話
yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。
知らない生物、知らない植物、知らない言語。
何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。
臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。
いや、変わらなければならない。
ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。
彼女は後にこう呼ばれることになる。
「ドラゴンの魔女」と。
※この物語はフィクションです。
実在の人物・団体とは一切関係ありません。
拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!
FOX4
ファンタジー
王都は整備局に就職したピートマック・ウィザースプーン(19歳)は、勇者御一行、魔王軍の方々が起こす戦闘で荒れ果てた大地を、上司になじられながらも修復に勤しむ。平地の行き届いた生活を得るために、本日も勤労。
異世界巻き込まれ転移譚~無能の烙印押されましたが、勇者の力持ってます~
影茸
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれ異世界に転移することになった僕、羽島翔。
けれども相手の不手際で異世界に転移することになったにも関わらず、僕は巻き込まれた無能と罵られ勇者に嘲笑され、城から追い出されることになる。
けれども僕の人生は、巻き込まれたはずなのに勇者の力を使えることに気づいたその瞬間大きく変わり始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる