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 街はずれの空き地――
 一番近くの民家までも距離がある。
 野球が出来そうなほどの広さだとレオンは感じた。
 商業施設が造られる予定だったが、着工のめどが立たず、計画が頓挫とんざし、荒地となっていた。
 随分前に組まれた足場がそのままに残っている。
「あんたが安眠屋かい? 半信半疑だったんだが、ホントに……こんな場所に来てもらって、申し訳ねえな」
 背の高い草が生い茂る中に佇んでいた、ドテラと股引姿の薄汚れた男がレオンに向かって手を挙げた。
「ああ――詳細を聞きたい。何故、名医と名高い男を亡き者とするねむらせる必要がある?」
 斡旋屋から回ってくる仕事は、上から選別されてはいる。
 悪徳企業の社長や、傍若無人な華族などがターゲットとなることはあっても、善人を殺害しろという依頼は今まで一度もなかったのに、今回はいったいどういう風の吹き回しかと。
「名医なんてとんでもない! あいつは医者の皮を被った悪魔だ!」
「悪魔……?」
「とにかく、うちに来てくれ」
 レオンは男に連れられて、場所を移動することになった。
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