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御霊探偵事務所(1)
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「と言う訳で彼の浮気調査をして欲しいのです!!」
机の上には彼女が用意した”彼”に関する資料が並べられており、彼女は目の前の青年に資料を突き出しそう願いを伝えた。
「いやぁ~無理ですね」
「へ?」
カッターシャツにネクタイだけダラダラと絞めた青年は頭をポリポリとかきながらそう答える。
引き受けてもらえると思い依頼したがあっさりと青年に断られてしまった。
「いや、だってここは・・・探偵事務所ですよね?」
「ええそう、御霊探偵事務所です。」
「冷やかしてます?」
「いえ、全く」
明らかにからかっているとしか思えないその青年の態度に段々彼女の機嫌も悪くなってきた。
しかし彼は至って冷静だ。
「うちは御霊祓いを専門に扱ってる事務所なので、人間の恋愛云々についてはどうでもー」
青年がそう話すのを遮るように女性は立ち上がり言い放った。
「もういいです!!」
バン!!と事務所の扉を閉め依頼の女性は帰ってしまった。
「なんなんだ?うちの看板にも”御霊探偵事務所„って書いてあるのに」
青年は現状に理解できずただ頭をかき首を傾げた。
「な~にを・・・」
玄関方向からこちらに走ってくる足音に気づき、青年が振り返ろうとした時には既に遅かった。
「やってんですかぁ!!!!!」
「ぐうぇ!!!」
強烈な飛び蹴りを背中に受け青年はその場に倒れ込んだ。
「こ、このぉ・・・」
相当蹴りが効いたのか背中を抑え、蹴りの張本人を確認するべく振り返ろうとした。
いや、確認するまでもない青年に怒りの飛び蹴りをする人物なんてこの事務所には一人しかいない
「こらぁ!唯奈!!神を蹴るとは何事・・・・だ・・・・」
その人物を見上げ怒りの言葉を口にしようとしたがその明らかな見えていないはずの怒りのオーラを感じ取り青年は言葉が小さくなっていった。
顔を上げるとそこには仁王立ちしたメガネの女子高生【神田唯奈】がいた。
「な~にが神ですか!!」
「また依頼断ったんでしょ?もう何回目ですか!!」
「いい加減御霊祓い以外の依頼も受けて下さいよ!!!!」
怒りのままに彼女は見上げる神に向かいそう言い放った。
「なぜ神である俺がペット探しやら、人間なんぞの恋愛に関わらなくちゃいけないんだ!」
神を名乗る青年はよろよろと飛び蹴りの痛みを気にしながら起き上がり彼女に向かい自身の意見を述べたが、帰ってくる言葉は一言、カウンターの用に飛んできた。
「お金がないんです!!!」
悲しい現実を前に文句を言っていた青年も一瞬黙り込んでしまった。
「金がないってお前・・・前の依頼の金がまだ残って・・・ない!?」
「馬鹿な!!一体誰が!!!!」
「あんたがお菓子ばっかり買って我儘言うからだろうがぁ!!!!!!!」
青年のその発言に見えないはずの怒りマークが顔やその今にも振るってしまいそうなこぶしにまで出てきそうな勢いだった。
「私がどれだけ少ないお金で過ごせるか考えても勝手にお菓子ばかり買ってきて!」
「もう!一体いつまで御霊祓いなんて続けなくちゃいけないのぉ!」
その場で唯奈は四つん這いに倒れこみこのどうしようもない現状に少し涙がこぼれてしまった。
「なんだよ、御霊祓いをやるって言ったのお前じゃんかよ」
「あんなの詐欺みたいなものじゃないですか・・・」
指を指し彼女にそう青年は言ったが、彼女は目を細め青年から目を逸らしそう言った。
机の上には彼女が用意した”彼”に関する資料が並べられており、彼女は目の前の青年に資料を突き出しそう願いを伝えた。
「いやぁ~無理ですね」
「へ?」
カッターシャツにネクタイだけダラダラと絞めた青年は頭をポリポリとかきながらそう答える。
引き受けてもらえると思い依頼したがあっさりと青年に断られてしまった。
「いや、だってここは・・・探偵事務所ですよね?」
「ええそう、御霊探偵事務所です。」
「冷やかしてます?」
「いえ、全く」
明らかにからかっているとしか思えないその青年の態度に段々彼女の機嫌も悪くなってきた。
しかし彼は至って冷静だ。
「うちは御霊祓いを専門に扱ってる事務所なので、人間の恋愛云々についてはどうでもー」
青年がそう話すのを遮るように女性は立ち上がり言い放った。
「もういいです!!」
バン!!と事務所の扉を閉め依頼の女性は帰ってしまった。
「なんなんだ?うちの看板にも”御霊探偵事務所„って書いてあるのに」
青年は現状に理解できずただ頭をかき首を傾げた。
「な~にを・・・」
玄関方向からこちらに走ってくる足音に気づき、青年が振り返ろうとした時には既に遅かった。
「やってんですかぁ!!!!!」
「ぐうぇ!!!」
強烈な飛び蹴りを背中に受け青年はその場に倒れ込んだ。
「こ、このぉ・・・」
相当蹴りが効いたのか背中を抑え、蹴りの張本人を確認するべく振り返ろうとした。
いや、確認するまでもない青年に怒りの飛び蹴りをする人物なんてこの事務所には一人しかいない
「こらぁ!唯奈!!神を蹴るとは何事・・・・だ・・・・」
その人物を見上げ怒りの言葉を口にしようとしたがその明らかな見えていないはずの怒りのオーラを感じ取り青年は言葉が小さくなっていった。
顔を上げるとそこには仁王立ちしたメガネの女子高生【神田唯奈】がいた。
「な~にが神ですか!!」
「また依頼断ったんでしょ?もう何回目ですか!!」
「いい加減御霊祓い以外の依頼も受けて下さいよ!!!!」
怒りのままに彼女は見上げる神に向かいそう言い放った。
「なぜ神である俺がペット探しやら、人間なんぞの恋愛に関わらなくちゃいけないんだ!」
神を名乗る青年はよろよろと飛び蹴りの痛みを気にしながら起き上がり彼女に向かい自身の意見を述べたが、帰ってくる言葉は一言、カウンターの用に飛んできた。
「お金がないんです!!!」
悲しい現実を前に文句を言っていた青年も一瞬黙り込んでしまった。
「金がないってお前・・・前の依頼の金がまだ残って・・・ない!?」
「馬鹿な!!一体誰が!!!!」
「あんたがお菓子ばっかり買って我儘言うからだろうがぁ!!!!!!!」
青年のその発言に見えないはずの怒りマークが顔やその今にも振るってしまいそうなこぶしにまで出てきそうな勢いだった。
「私がどれだけ少ないお金で過ごせるか考えても勝手にお菓子ばかり買ってきて!」
「もう!一体いつまで御霊祓いなんて続けなくちゃいけないのぉ!」
その場で唯奈は四つん這いに倒れこみこのどうしようもない現状に少し涙がこぼれてしまった。
「なんだよ、御霊祓いをやるって言ったのお前じゃんかよ」
「あんなの詐欺みたいなものじゃないですか・・・」
指を指し彼女にそう青年は言ったが、彼女は目を細め青年から目を逸らしそう言った。
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