菩提樹の猫

無一物

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4章 癒し手を救出せよ

15 先に折れたのは……※

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<注意!>モブ相手なので苦手な方は※印付きの話をとばしてください。

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「くっ……ああああっ……はぁっ……はぁっ……」

 ソゾンから性器を根元で堰き止められたまま、三本の刷毛が身体中を動き回る。

「おいおい、女みたいに乳首で感じてるじゃねえか」

「ちがっ……あっ……ああっ……」

『すげえ、ちょっと胸を弄っただけでチンポぴくぴくさせて……とんだ変態だな』
『これ、イキたくてたまんねえんだろうな』

「もっ……あっ……ヤメロっ……」

 レネの可憐な薄桃色の乳首を、豚毛の刷毛を持った男たちが二人、執拗に責め上げていた。
 そのザリザリとした硬い毛は繊細な胸の飾りを残酷に蹂躙し、皮膚を刺激していく。

「いい色に染まって来たじゃねえか」

 桃のように色付いた果実を見て、ソゾンが酷薄は笑みを口元に浮かべる。

「ひっ……」

 ソゾンが、女とは違うすこし筋肉の乗った小さな胸を絞り出すよう指で押し出すと、待っていましたとばかりに硬い毛が、色付いた胸の飾りを左右から殴るように激しく責めた。

「あっ……あああっっ……」

 指では筋肉を揉み込むように動かされ、刷毛では敏感になった表面をこれでもかというほど擦られ、皮膚に埋まっていた神経を刷毛で掘り起こされているような……そんな錯覚に陥る。


『こっちもべとべとに濡らしやがって……はしたない奴だな』

 先走りの液をダラダラと垂らす性器を、大きな柔らかい山羊毛の刷毛で掬い上げる。

「ひぁっ……」

 直接的な刺激にビクンと竿を揺らすが、ソゾンの手にグッと根本を強く戒められ、その溜め込まれた快感を逃がすかのようにビクビクと下腹部を震わせる。

「……ううっ……はっ…はぁっ…はっ……」

 その間も三本の刷毛が思い思いの場所を動き回り、レネはその刺激に、満足に呼吸もできない状態になっていた。

 どんなに心では折れないと決めていても、若い身体は抗う術を知らない。
 絶頂を堰き止められたまま、快感の荒波に翻弄されるように髪を振り乱し、その責め苦に耐えるしかなかった。


「ほら、素直に吐いた方が楽になれるぞ?」

 悪魔のささやきのようにソゾンがレネに優しく笑いかける。

「……絶対っ……言わな……くっ…あああぁぁぁっっっ……」

 根本を押さえられたまま容赦なく股間を扱かれ、より一層大きな悲鳴を上げる。
 
 開きっ放しの口から唾液を流し快感に逆らいきれず喘ぐ姿は、飢えていた男たちの欲望をますますと煽って行く。




「——もう止めるんだ。癒し手は私だ」


 レネが嬲られる中、目を背けて一言もしゃべらなかったボリスが、その重い口を開いた。


 男たちが一斉に手を止めてボリスに注目する。


「もう何度もその手には引っ掛からないぞ」

 ボリスのすぐ隣にいたエゴールが、その胸倉を掴んだ。

「力なら使ってやるぞ、そこの男、腕に怪我をしてるだろ? 直接傷に触れられる近くまで来い」

 先ほどまでのなにか企むような口調と全く違い、さっさと傷を癒させてくれとばかりに身を乗り出した。


(ボリス……駄目だッ……)

 全てを決心したかのようなその表情を見て……レネは戦慄した。


 ここにいる男たちよりも、そんなボリスの方がレネには恐ろしかった。
 昔から、ボリスに感じていた恐怖の正体が、今ここに露呈する。


 アネタという恋人がいながら、レネのことを……ボリスは恋人と同じ瞳で見ていた。
 自分が姉を裏切っているかのようで……レネはその目から見つめられる度に恐怖を感じた。


(あんたが一番大切にしなきゃいけないのは姉ちゃんだろっ!!)


「なに言ってんだっ……ボリス……やめろっ!!」

 軽々しく自分なんかのためにその身を差しださないでほしかった。
 

(——あんたは姉ちゃんの旦那になるんだろっ……姉ちゃんのことをちゃんと一番に考えてくれっ……)


 レネの悲痛な心の叫びも虚しく、山吹色の光を纏った手が、男の腕の傷を癒していく。

『すげえ……光ってる……』
『マジで傷が消えたぜ』
『まさかあっちが本物だなんてな……』

 初めて見る癒し手の治療に男たちは感嘆の声を上げる。



「——ああ……」

 すべて終わってしまったとばかりに、レネは力なく項垂れた。


「さあ、レネは癒し手じゃない。私は逃げも隠れもしないから、その子を解放してやってくれ」

 緑色に光っていた光が瞳から消えると、ボリスが約束を果たしたとばかりにエゴールに申し出る。

「——おい……今まで散々こいつには煮え湯を飲まさされたからな……そう簡単に解放するわけないだろ。こうやってレネさえ人質に取っておけば、お前はホイホイいうことを聞くんだろ? お前も自分の立場がどういうものかちゃんとわからせておく必要がある」

 エゴールが残忍な笑みを浮かべ、ボリスに再びナイフを向けた。

「ふざけるなっ!!」

 ボリスが歯を剥き出しにして怒り出すが、自分たちも大概な嘘を吐いてきたので、どうせそんなことだろうと思っていた。
 それよりもボリスがそんなに怒りを顕わにすることの方が吃驚だ。


「でもちゃんと自己申告してくれたから、こっちは解放してやるよ」

 ソゾンが二人の会話の中に割り込んで来る。

 ボリスの行動で、少しだけ萎えてしまったレネの性器を再び手に取り、再び激しく扱き出した。

「っ!?……くっ……うううっ……」
 
 エゴールがレネを人質にすると言ったので、男たちも暫くの間遊ぶ玩具ができたとばかりに、また刷毛で身体を弄りはじめた。

 先程激しく擦られ赤味を増し腫れていた乳首に、再び硬い豚毛の二本の刷毛が襲いかかかり、射精に向かって再び臨戦態勢をとりはじめた双球を、下から山羊毛の大きな刷毛が嬲った。

「あっ……うううっ……」

 単独ではそこまで効力はないはずなのに、合わせ技で来られると相乗効果で、すぐにレネの股間は元気を取り戻した。

『ほらほら、内股がまた痙攣してきた』
『やっとぶっ放せるぜ』
『もう少しだ……』

 男たちも手を忙しく動かしレネを吐精させようと余念がない。

「……イヤだっ……やめろっ……あっ…ぁっ……」

 ここに来て、大勢の男たちの前で吐精する恐怖にレネは戦き、小さな子供のように頭を左右に振って嫌がった。

「ほら、イヤイヤすんじゃねえ。みんなにイキ顔を見せてやれよ」

 レネはソゾンに顎をガッチリと掴まれ、その表情が見えやすいように男たちの方へと上向かされる。

『ホラ、もうすぐフィニッシュだぜ、よーく見てやれよ』

 ソゾンがわざわざツィホニー語で男たちを煽り立てる。

『涎垂らして、最高にエロいな』
『俺の股間もバッキバキだぜ』
『そのまんまヤリてぇ……』

「無理……はなせっ……あっ……はっ……」

 マグマのように熱い奔流が出口近くまでせり上がり、少しでも気を抜けば男たちにすべてを見られてしまう。
 幾つもの目が、その時がいつくるのかと、食いつくように向けられている。

 射精は男として正常な現象なのだが、それを管理され観察されるのは、雄としての尊厳を酷く傷つけられる行為だ。

 だから理性を総動員して、吐精せぬよう踏みとどまらなければいけない。
 そうしないと、他人に晒してはいけない心の裏っ側の弱い所まで、この男たちに見せてしまうことになる。


「そんな所で我慢すんなよ。もうイケっ」

 ソゾンがグチュグチュと濡れた音を響かせながら、とどめだと言わんばかりに亀頭の括れから上を重点的に扱き上げた。


 手枷が食い込んだ手首から血が流れるが、それを上回る快感にレネの理性は、留まる場所を失ってしまった。


「あっ…ダメ……いっ……——いああああああっっっっ!!!!」

 レネは大きく身体を仰け反らせて、白い精液を盛大に吹き上げた。
 

『イキやがった』
『エッロ……』
『これでヤレねえってこっちが拷問だろ……』

 男たちがごくりと唾をのむ音が聴こえる。


「下種どもがっ!! 汚い手でレネに触るなっ!!」

 血相を変えて、ボリスが怒鳴り声を上げる。

「おい、騒ぐな! お前が俺たちの言うことを聞かなかったら、レネにとばっちりが全部いくんだぞ」

 レネの方へと這ってでも行こうとするボリスに、エゴールが後ろから羽交い絞めにして引き留める。

 床はボリスの太ももから流れた血で赤く染まっている。
 レネにばかり気が取られて、ボリスの怪我は未だ放置されたままだ。


「すげえ出たな、たまってたのか? 胸の所まで飛んでるじゃねえか」

 ボリスが怒鳴っても一向に気にする風もなく、ソゾンが最後の一滴まで残さないようにレネの竿を根元から絞り出す。

「ずっとピクピクして痙攣が止まんねえな」

 瀕死の小鳥でも虐めるかのように、ソゾンは手の中のくったりとした性器を弄る手を止めない。

「……はっ……はぁっ……クソッ……もう触んじゃねえッ!!」

 射精後の敏感な性器を無骨な手で捏ね繰り回され、まだ息も満足にできない状態でレネは怒鳴った。

『イッた後は敏感だもんな~』
『……どれどれ俺たちも手伝ってやるか』

 弱っている所をまた追い詰めるように、男たちが刷毛で再び参戦する。
 一人は、腹に飛んだ精液を刷毛で掬い、赤味を増した胸の果実や同じ色をした唇へと塗りつけたかと思うと、一人はまた乳首へと執着を見せ、もう一人は……双球の奥にあるまだ手付かずの奥地へと刷毛を進めていた。

「イヤっ……無理だからっ……あっ……ん……」
「いい声がでてきたじゃねえか」

 もう……一度陥落してしまった身体は言うことを聞かない。
 自分の出した女みたいな喘ぎ声に、レネは自己嫌悪で泣きたくなった。

「くぅっっ……」

 自分の体液を纏った柔らかい山羊毛の刷毛が、会陰から後ろの穴を舐るように何度も往復する。
 嫌悪感しか湧かない行為なのに、射精直後の身体はそれを快感と受け止めているようだ。

(……違う……違うのにっ……)
 
 刷毛が行ったり来たりする度に下腹に力が入り、まだ勃起には至っていない性器がぴょこぴょこと面白いように跳ねる。

『股の刷毛を動かす度にチンポ跳ねさせやがって……』
『これ、ケツの穴ひくひくさせてんじゃねえか?』
『この顔だぜ? もうとっくに後ろは開通済みだろ』
 
「ケツの穴も感じるのか? だったら今度はこっちを虐めてやるか」

 ソゾンが刷毛に翻弄されるレネの反応を見て、尻を一撫でするとその谷間へと手を進める。

「なにするんだっ!?……やめろっ……ううっ……」

 ソゾンの手が後ろを探り当てると、確かめるように入り口を一撫でする。

 おぞましさなのか、それともこの感触さえ快感と受け止めているのか……レネにはもうその判断さえつかない。


 もう自分は駄目かもしれない……。


 憧れの養父に近付くために、男らしくなりたいと目指してきたが、その努力が足元から崩れてしまう。
 レネがそう覚悟した時、急に制止の声が掛かった。



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