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6章 吟遊詩人を追跡せよ
2 幼いころの記憶
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◆◆◆◆◆
「ッあ……ッ……はっ……もうっ……イクッ……」
「ほらっ、ここがいいんだろっ?」
屈強な男が、後ろから細い腰を抱えて、中の感じる一点をだけを虐めぬく。
「ああっ……うああぁぁぁっ……」
太ももを痙攣させて、青年は果てるが、男は腰を振るのを止めるどころかますます動きを速めた。
「ああっ……やめろっ……また……クル…あッ……アッ……ああああっっ」
とうとう青年は、上半身を突っ伏して腰だけ高く上げる格好になってしまった。
股間からは、精液がポタポタと糸を引きながら落ちている。
もう長いこと続く行為で、シーツはびしょびしょだ。
「っ……たまんねえな……キュウキュウ吸い付いてきやがる……」
男も中で欲望を吐き出すと、満足したように陽根を抜いた。
ぐちゅっと卑猥な音とともに、白濁色の粘液が後ろの口から零れ出す。
「あんた……エロいのは声だけじゃなかったんだな……」
征服者は満足げに、男にしては丸く形のよい青年の尻を撫で上げる。
汚れたシーツを引きはがして身体の汚れを拭くと、青年はサイドテーブルに置いた紙煙草へ火を付ける。
「……よく言われるよ……」
手慣れた仕草で煙草の煙を吐き出しながら、青に茶色の混じった瞳で見上げ嗤った。
青年を知る者は、彼のこのような姿など想像もつかないだろう。
いいや……誰も彼だと気付かない。
「こんな傷跡なんか背中に付けて、よっぽど危ない趣味の客に捕まったことあるんだろ? それともそういう趣味もあるのか?」
男はうつ伏せに横たわる青年の背中に残る、鞭で打たれた痕であろう醜い傷をなぞる。
「もう昔のことだから……」
硝子玉のように感情を空っぽにした瞳をして、青年は呟いた。
背中の傷は、この森にある貴族たちの遊び部屋で付けられたようなものではない。
それは……本物の拷問の痕だった。
◆◆◆◆◆
翌日、レネは覚悟を決めて森を抜けるのに必要な最低限の装備を買いそろえる。
まさかこんな所まで来るとは思っていなかったので、まとまった金は持っていなかった。
これから先どうなるのか不安だらけだが、今はそれよりも、あの男を追わなければいけない。
想像していた通り、男は途中から街道を外れて、オゼロへと続く深い森の中へと入って行った。
男は検問を避けて、不法入国するつもりなのだろう。
土地勘のないレネにとって、雪の上に残された、男の足跡がすべてだった。
しん……と静まった森の中をただひたすら、足跡を追って進んで行く。
葉を落とした白い枝だけを残す白樺の木々の間を歩いていたかと思えば、いつの間にかモミの木が茂る薄暗い中を歩いている。
どれだけ進んだだろうか。
レネにはここがどこかも、あとどれくらいで森を抜けるのかも想像がつかない。
ただわかるのは、この足跡がオゼロまで続くということだけだ。
辺りが暗くなり、気温が下がってきた。元々寒さに強くないレネの体力は限界にきている。
(——やばい……目が霞む……)
そう思った矢先に、小さな茅葺の掘っ立て小屋が見えた。
煙の匂いが鼻に届く。そして小さな窓からは明かりが漏れている。
(あそこまで行けば……)
レネは最後の力を振り絞って、小屋まで歩みを進める。
鍵もかかってない扉を開けると、誰もいない室内は嘘みたいに暖かい。
誰が火を付けたかなんて、疲れ果て寒さに参った頭では考えられない。
なにも疑うことなく暖炉の前に陣取り、冷え切った手足を温めた。
「ああ……」
温かさを取り戻しジンジンと痺れる手足をさすって、思わず安堵の声を漏らす。
(あっ……もう駄目だ……)
抗いようのない欲求がレネを襲う。
何度も頭を振って目を開けようとするが、力が抜けていく。
寝ている時よりも、眠気と戦っている時の方が心地良く感じるのはどうしてだろうか……まるで悪魔の誘惑だ。
そして不覚にも誘惑に負けて、レネは意識を失うように眠った。
朝になり重い瞼を開けると、チロチロと燃える残り火が目に入る。
レネは自分が意識を失った後も誰かが、薪をくべていたことに気付いて愕然とした。
「——まさか……」
扉を開けて外を覗くと、二人分の足跡がこの小屋に入って、一人分の足跡が反対方向に出て行っている。
もう姿はないが、足跡はけして逃げていくことはない。
(……焦るな)
レネは自分に言い聞かせ、今にでも後を追っていきたい衝動をぐっと抑える。
まずは腹ごしらえだ。
昨日の夜からなにも食べていなかったので、元から小屋にあった鍋を拝借する。
干し肉と乾燥キノコで簡単なスープを作り、固くなったパンを入れて嵩を増やした。
ゼラほどの料理の腕はないが、このくらいだったら一人でも作れる。
猫舌のレネは、フーフーと慎重に冷やしながら、一口ずつ噛み締めるように味わった。
支度を済ませて、レネはまた足跡を追う旅に出発する。
まだ雪が深くなかったので、かんじきを履かなくとも、大して苦労することなく森の中を歩けるのは幸運だ。
先を行く男は、雪の状態も調べた上で森の中を通っているのだろう。
目が痛くなるほどの白い雪と、葉をなくした裸の木々が生い茂る中を、無心になって進んで行った。
人の気配のない静かな森の中を歩いていると、まるで自分の心の中を旅しているような錯覚に陥る。
白い雪が音を吸収し、人を惑わす妖精のように小鳥たちが枝から枝へと飛びまわる音だけが響いた。
水色の空と雪の白と黒い木の幹。
風もない、ただ無機質な世界。
これが本当の現実なのか、レネにはなにも確認する術がない。
テプレ・ヤロのコロネードを歩いている時と同じ……見てはいけない世界を覗きみてしまった感覚だ。
世界には、同じような場所が幾つか存在する。
自分ではない物知りな自分が、そう認識している。
上手く説明はできないが、まるで夢を見ている時のようだ。
ただその中を……唯一の手がかりである足跡を追って歩いた。
針葉樹の規則正しく並んだ木々を見て、レネはここが人里近いことを知る。
植林された木々を見るだけでも安心するのはどうしてだろうか。
心なしか、レネの足取りも軽くなる。
そしてついに、木々が途絶え、目下に人家が見えて来た。
(もうすぐだ……)
日が高く上るころには村へと着いた。
レネの想像どおり、町の中で人々が喋っている言葉は、ドロステアの公用語のアッパド語ではなく、東国で喋られているツィホニー語だ。
(——間違いない、ここはオゼロだ……)
レネはツィホニー語の聞き取りはできるが、喋るのは片言しかできない。
『ここはドコですか?』
街中の青空市場で乳製品を売る女に尋ねる。
『コルドーンという村よ』
胡散臭げにレネを見ながらも、女は質問にちゃんと答えてくれた。
『ありがとう』
(コルドーン……)
バルナバーシュの書斎にある地図を頭に思い浮かべる。
レネは小さいころ、バルナバーシュの書斎に忍び込んでは、壁に貼ってある地図を眺めて空想の中で旅をするのが好きだった。
『——やっぱりここにいたのか』
レネの姿が見えないと、いつもバルナバーシュは書斎を探しにくる。そして小さなレネを膝に乗せて、地図を見ながら語られるバルナバーシュの冒険談は、どんな御伽噺よりも心を刺激した。
『コルドーンは国境の近くにあって、オゼロで一番最初に通る村なんだ。このまま街道を真っすぐ東に行ったら、ズバレイジャという大きな街に着く。そこには海みたいにでっかいツイニー湖が……』
幼いころの記憶は、今でも濃密にレネの頭に焼き付いている。
(このまま街道を東へ行けばズバレイジャの街に繋がる……)
バルナバーシュの言葉を頼りに、レネはコルドーンの村の中心部へと向かって行く。
藁ぶき屋根に白い漆喰の家が集まる街並みは、ドロステアとは違い改めて異国に足を踏み入れたのだという気持ちにさせる。
それも、一人で密入国ときた。
思わず乾いた笑いが出る。
団員たちと集団行動に慣れたレネにとっては、とても不安でもあり、そして自由でもあった。
男を追っている真っ最中で自由ではないかもしれないが、自己責任で物事を決めていく旅は、自分の中に隠れていたなにかを呼び覚ましていくような、不思議な感覚に陥る。
この小さな村には大きな酒場はない。男が吟遊詩人として稼ぐなら、次はズバレイジャのはずだ。
レネはテプレ・ヤロから繋がる街道に立つと、進路を東に再び進み始める。
「ッあ……ッ……はっ……もうっ……イクッ……」
「ほらっ、ここがいいんだろっ?」
屈強な男が、後ろから細い腰を抱えて、中の感じる一点をだけを虐めぬく。
「ああっ……うああぁぁぁっ……」
太ももを痙攣させて、青年は果てるが、男は腰を振るのを止めるどころかますます動きを速めた。
「ああっ……やめろっ……また……クル…あッ……アッ……ああああっっ」
とうとう青年は、上半身を突っ伏して腰だけ高く上げる格好になってしまった。
股間からは、精液がポタポタと糸を引きながら落ちている。
もう長いこと続く行為で、シーツはびしょびしょだ。
「っ……たまんねえな……キュウキュウ吸い付いてきやがる……」
男も中で欲望を吐き出すと、満足したように陽根を抜いた。
ぐちゅっと卑猥な音とともに、白濁色の粘液が後ろの口から零れ出す。
「あんた……エロいのは声だけじゃなかったんだな……」
征服者は満足げに、男にしては丸く形のよい青年の尻を撫で上げる。
汚れたシーツを引きはがして身体の汚れを拭くと、青年はサイドテーブルに置いた紙煙草へ火を付ける。
「……よく言われるよ……」
手慣れた仕草で煙草の煙を吐き出しながら、青に茶色の混じった瞳で見上げ嗤った。
青年を知る者は、彼のこのような姿など想像もつかないだろう。
いいや……誰も彼だと気付かない。
「こんな傷跡なんか背中に付けて、よっぽど危ない趣味の客に捕まったことあるんだろ? それともそういう趣味もあるのか?」
男はうつ伏せに横たわる青年の背中に残る、鞭で打たれた痕であろう醜い傷をなぞる。
「もう昔のことだから……」
硝子玉のように感情を空っぽにした瞳をして、青年は呟いた。
背中の傷は、この森にある貴族たちの遊び部屋で付けられたようなものではない。
それは……本物の拷問の痕だった。
◆◆◆◆◆
翌日、レネは覚悟を決めて森を抜けるのに必要な最低限の装備を買いそろえる。
まさかこんな所まで来るとは思っていなかったので、まとまった金は持っていなかった。
これから先どうなるのか不安だらけだが、今はそれよりも、あの男を追わなければいけない。
想像していた通り、男は途中から街道を外れて、オゼロへと続く深い森の中へと入って行った。
男は検問を避けて、不法入国するつもりなのだろう。
土地勘のないレネにとって、雪の上に残された、男の足跡がすべてだった。
しん……と静まった森の中をただひたすら、足跡を追って進んで行く。
葉を落とした白い枝だけを残す白樺の木々の間を歩いていたかと思えば、いつの間にかモミの木が茂る薄暗い中を歩いている。
どれだけ進んだだろうか。
レネにはここがどこかも、あとどれくらいで森を抜けるのかも想像がつかない。
ただわかるのは、この足跡がオゼロまで続くということだけだ。
辺りが暗くなり、気温が下がってきた。元々寒さに強くないレネの体力は限界にきている。
(——やばい……目が霞む……)
そう思った矢先に、小さな茅葺の掘っ立て小屋が見えた。
煙の匂いが鼻に届く。そして小さな窓からは明かりが漏れている。
(あそこまで行けば……)
レネは最後の力を振り絞って、小屋まで歩みを進める。
鍵もかかってない扉を開けると、誰もいない室内は嘘みたいに暖かい。
誰が火を付けたかなんて、疲れ果て寒さに参った頭では考えられない。
なにも疑うことなく暖炉の前に陣取り、冷え切った手足を温めた。
「ああ……」
温かさを取り戻しジンジンと痺れる手足をさすって、思わず安堵の声を漏らす。
(あっ……もう駄目だ……)
抗いようのない欲求がレネを襲う。
何度も頭を振って目を開けようとするが、力が抜けていく。
寝ている時よりも、眠気と戦っている時の方が心地良く感じるのはどうしてだろうか……まるで悪魔の誘惑だ。
そして不覚にも誘惑に負けて、レネは意識を失うように眠った。
朝になり重い瞼を開けると、チロチロと燃える残り火が目に入る。
レネは自分が意識を失った後も誰かが、薪をくべていたことに気付いて愕然とした。
「——まさか……」
扉を開けて外を覗くと、二人分の足跡がこの小屋に入って、一人分の足跡が反対方向に出て行っている。
もう姿はないが、足跡はけして逃げていくことはない。
(……焦るな)
レネは自分に言い聞かせ、今にでも後を追っていきたい衝動をぐっと抑える。
まずは腹ごしらえだ。
昨日の夜からなにも食べていなかったので、元から小屋にあった鍋を拝借する。
干し肉と乾燥キノコで簡単なスープを作り、固くなったパンを入れて嵩を増やした。
ゼラほどの料理の腕はないが、このくらいだったら一人でも作れる。
猫舌のレネは、フーフーと慎重に冷やしながら、一口ずつ噛み締めるように味わった。
支度を済ませて、レネはまた足跡を追う旅に出発する。
まだ雪が深くなかったので、かんじきを履かなくとも、大して苦労することなく森の中を歩けるのは幸運だ。
先を行く男は、雪の状態も調べた上で森の中を通っているのだろう。
目が痛くなるほどの白い雪と、葉をなくした裸の木々が生い茂る中を、無心になって進んで行った。
人の気配のない静かな森の中を歩いていると、まるで自分の心の中を旅しているような錯覚に陥る。
白い雪が音を吸収し、人を惑わす妖精のように小鳥たちが枝から枝へと飛びまわる音だけが響いた。
水色の空と雪の白と黒い木の幹。
風もない、ただ無機質な世界。
これが本当の現実なのか、レネにはなにも確認する術がない。
テプレ・ヤロのコロネードを歩いている時と同じ……見てはいけない世界を覗きみてしまった感覚だ。
世界には、同じような場所が幾つか存在する。
自分ではない物知りな自分が、そう認識している。
上手く説明はできないが、まるで夢を見ている時のようだ。
ただその中を……唯一の手がかりである足跡を追って歩いた。
針葉樹の規則正しく並んだ木々を見て、レネはここが人里近いことを知る。
植林された木々を見るだけでも安心するのはどうしてだろうか。
心なしか、レネの足取りも軽くなる。
そしてついに、木々が途絶え、目下に人家が見えて来た。
(もうすぐだ……)
日が高く上るころには村へと着いた。
レネの想像どおり、町の中で人々が喋っている言葉は、ドロステアの公用語のアッパド語ではなく、東国で喋られているツィホニー語だ。
(——間違いない、ここはオゼロだ……)
レネはツィホニー語の聞き取りはできるが、喋るのは片言しかできない。
『ここはドコですか?』
街中の青空市場で乳製品を売る女に尋ねる。
『コルドーンという村よ』
胡散臭げにレネを見ながらも、女は質問にちゃんと答えてくれた。
『ありがとう』
(コルドーン……)
バルナバーシュの書斎にある地図を頭に思い浮かべる。
レネは小さいころ、バルナバーシュの書斎に忍び込んでは、壁に貼ってある地図を眺めて空想の中で旅をするのが好きだった。
『——やっぱりここにいたのか』
レネの姿が見えないと、いつもバルナバーシュは書斎を探しにくる。そして小さなレネを膝に乗せて、地図を見ながら語られるバルナバーシュの冒険談は、どんな御伽噺よりも心を刺激した。
『コルドーンは国境の近くにあって、オゼロで一番最初に通る村なんだ。このまま街道を真っすぐ東に行ったら、ズバレイジャという大きな街に着く。そこには海みたいにでっかいツイニー湖が……』
幼いころの記憶は、今でも濃密にレネの頭に焼き付いている。
(このまま街道を東へ行けばズバレイジャの街に繋がる……)
バルナバーシュの言葉を頼りに、レネはコルドーンの村の中心部へと向かって行く。
藁ぶき屋根に白い漆喰の家が集まる街並みは、ドロステアとは違い改めて異国に足を踏み入れたのだという気持ちにさせる。
それも、一人で密入国ときた。
思わず乾いた笑いが出る。
団員たちと集団行動に慣れたレネにとっては、とても不安でもあり、そして自由でもあった。
男を追っている真っ最中で自由ではないかもしれないが、自己責任で物事を決めていく旅は、自分の中に隠れていたなにかを呼び覚ましていくような、不思議な感覚に陥る。
この小さな村には大きな酒場はない。男が吟遊詩人として稼ぐなら、次はズバレイジャのはずだ。
レネはテプレ・ヤロから繋がる街道に立つと、進路を東に再び進み始める。
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