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学園編
犯人は一体だれ……?
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翌日、私は朝からずっと昨日届いた手紙について考えていた。
結局あれから何も出来ず、誰かに相談することも出来ないまま夜が明けてしま
このままではいけない、どうにかしないと。
そう思っていても、どうしても行動に移すことが出来ない。
そして今日も、いつものように授業を受けて放課後になってしまった。
世良先輩との約束もあるため、行かないわけにもいかない。
覚悟を決めて、生徒会室に向かうことにした。
コンコンッ 扉を軽く叩くと、中からはーいと返事が返ってきた。
ガチャっと開けるとそこには世良先輩の他にもう一人男の人が居た。
髪の色は明るい茶色で、眼鏡を掛けている。
身長は高く、世良先輩と同じくらいだ。
「えっと……世良先輩に用があって来たのですが……」
「あぁ!君が噂の小鳥遊ちゃんか!入って入って~」
「はい、失礼します……」
「いらっしゃい、小鳥遊さん。」
「こんにちは……えっと」
「あぁ、彼は九条院晴。こいつは遊びに来てるだけだから気にしないで」
あぁ、この人は攻略対象の……そうか、世良先輩の友達だったんだ
それなら安心だ、なんて思っていると後ろから声をかけられた。
振り返ってみると、そこに立っていたのはあかりだった。
あかりは、不機嫌そうな顔をしながらこちらを見つめていた。
「ねぇ、なんで生徒会にいるの?」
「それは…昨日約束をしたから…」
「生徒会入るの?」
「ううん、今日は話を聞きに来ただけだよ」
「ふーん…ねぇ!私も話聞いてもいいですか?」
「もちろん、じゃあ始めようか」
それから私たちは、世良先輩の話を聞くことになった。
内容はゲームと同じもので、人数が足りなくて困っていたところに噂の新入生が居ると聞き どうしても入ってもらいたいって事で私を誘ったらしい。
正直、昨日の事があるので世良先輩とは離れたいと思ってはいるけれど、あかりは入りたそうな顔をしてる。
あかりの事も心配だし、一人にはできない…ここは素直に生徒会に入る事にしよう。
「分かりました、是非生徒会に入らせてください、あかりもいいよね?」
「うん、よろしくおねがいします」
「ありがとう…!!じゃあ早速…」
世良先輩が嬉しそうにしながら話してるのを聞きながら、私は手紙の事を考えた。一体どこの誰が手紙を送ってきて写真を撮ったのだろう…
まさか、世良先輩の婚約者とか?ゲームでは婚約者がいるとは聞いた事無かったけれど……
「あの…世良先輩って婚約者とかいるんですか?」
「え?俺?いないけどどうして?」
「いや、気にしないでください…!」
婚約者はいない……そうなると、世良先輩のファンとか?
あぁ、考えれば考えるほど分からなくなる…その日はそのまま解散になり、家に帰ったあと私はベッドに倒れ込んだ。
明日、また手紙が来るのかな……どうしよう。
次の日、教室に入ると机の中に何かが入っているのに気付いた。
恐る恐る確認すると、そこにはまた手紙が入っていた。
中身を確認すると『色目使ってんじゃねーよ』と書いてあった。
誰が書いたのか分からないし、一体何が目的なのかもわからない。
だけど、これだけは分かる。
これは確実にエスカレートしている、このままだと取り返しがつかない事になるかもしれない。
それだけは絶対に避けなければ。
でも、一体どうすれば……? そんな事を考えているうちに、昼休みになった。
いつも通り、中庭に行くとみんながが待っていた。
「お待たせしました……!」
「ううん、大丈夫だよ~ね?奏」
「あぁ……」
「百大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ?どうしたんですかそんな不安そうな顔をして」
「あ…………いや、大丈夫ならいいんだ……」
「……ちゃんと聞いたらどうですか?小鳥遊が世良先輩に迫ってるって噂の事」
「………………え?」
結局あれから何も出来ず、誰かに相談することも出来ないまま夜が明けてしま
このままではいけない、どうにかしないと。
そう思っていても、どうしても行動に移すことが出来ない。
そして今日も、いつものように授業を受けて放課後になってしまった。
世良先輩との約束もあるため、行かないわけにもいかない。
覚悟を決めて、生徒会室に向かうことにした。
コンコンッ 扉を軽く叩くと、中からはーいと返事が返ってきた。
ガチャっと開けるとそこには世良先輩の他にもう一人男の人が居た。
髪の色は明るい茶色で、眼鏡を掛けている。
身長は高く、世良先輩と同じくらいだ。
「えっと……世良先輩に用があって来たのですが……」
「あぁ!君が噂の小鳥遊ちゃんか!入って入って~」
「はい、失礼します……」
「いらっしゃい、小鳥遊さん。」
「こんにちは……えっと」
「あぁ、彼は九条院晴。こいつは遊びに来てるだけだから気にしないで」
あぁ、この人は攻略対象の……そうか、世良先輩の友達だったんだ
それなら安心だ、なんて思っていると後ろから声をかけられた。
振り返ってみると、そこに立っていたのはあかりだった。
あかりは、不機嫌そうな顔をしながらこちらを見つめていた。
「ねぇ、なんで生徒会にいるの?」
「それは…昨日約束をしたから…」
「生徒会入るの?」
「ううん、今日は話を聞きに来ただけだよ」
「ふーん…ねぇ!私も話聞いてもいいですか?」
「もちろん、じゃあ始めようか」
それから私たちは、世良先輩の話を聞くことになった。
内容はゲームと同じもので、人数が足りなくて困っていたところに噂の新入生が居ると聞き どうしても入ってもらいたいって事で私を誘ったらしい。
正直、昨日の事があるので世良先輩とは離れたいと思ってはいるけれど、あかりは入りたそうな顔をしてる。
あかりの事も心配だし、一人にはできない…ここは素直に生徒会に入る事にしよう。
「分かりました、是非生徒会に入らせてください、あかりもいいよね?」
「うん、よろしくおねがいします」
「ありがとう…!!じゃあ早速…」
世良先輩が嬉しそうにしながら話してるのを聞きながら、私は手紙の事を考えた。一体どこの誰が手紙を送ってきて写真を撮ったのだろう…
まさか、世良先輩の婚約者とか?ゲームでは婚約者がいるとは聞いた事無かったけれど……
「あの…世良先輩って婚約者とかいるんですか?」
「え?俺?いないけどどうして?」
「いや、気にしないでください…!」
婚約者はいない……そうなると、世良先輩のファンとか?
あぁ、考えれば考えるほど分からなくなる…その日はそのまま解散になり、家に帰ったあと私はベッドに倒れ込んだ。
明日、また手紙が来るのかな……どうしよう。
次の日、教室に入ると机の中に何かが入っているのに気付いた。
恐る恐る確認すると、そこにはまた手紙が入っていた。
中身を確認すると『色目使ってんじゃねーよ』と書いてあった。
誰が書いたのか分からないし、一体何が目的なのかもわからない。
だけど、これだけは分かる。
これは確実にエスカレートしている、このままだと取り返しがつかない事になるかもしれない。
それだけは絶対に避けなければ。
でも、一体どうすれば……? そんな事を考えているうちに、昼休みになった。
いつも通り、中庭に行くとみんながが待っていた。
「お待たせしました……!」
「ううん、大丈夫だよ~ね?奏」
「あぁ……」
「百大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ?どうしたんですかそんな不安そうな顔をして」
「あ…………いや、大丈夫ならいいんだ……」
「……ちゃんと聞いたらどうですか?小鳥遊が世良先輩に迫ってるって噂の事」
「………………え?」
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