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学園編
楽しいお昼の時間
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「さて、お昼にしましょうか」
玲央様に、そう声を掛けて私は席を立った。
後ろに座っている二人にも行きましょう、と声を掛けて中庭へと向かう。
「忘れて無かったんだな…」
「もちろんです!ね?玲央様」
「うん、やっぱり食事は人数が多い方が楽しいからね」
「そうそう~ほら、奏もそんなムスッとした顔しないで、絶対楽しいからね!」
私たちは四人でベンチに座り、それぞれ持ってきたお弁当を広げた。
「では、いただきます」
私が手を合わせると皆もそれに続いて手を合わせた。
あかりは美味しそうにおかずを口に運んでいて、奏も黙々とご飯を食べている。
「あの…今日は私が作ってきたのですが玲央様食べてもらえますか…?」
「わぁ~美味しそう!俺が食べていいの?」
「は、はいっ!」
「えっ!それ百が作ったの?おいしそう…」
「小鳥遊は料理できるんだな…」
「はい…簡単な物だけですけどね」
「じゃあ、改めて頂きます」
玲央様は嬉しそうな表情で、私の作った卵焼きを一口食べた。
その様子を見つめながら、ドキドキしていると玲央様は目を輝かせながら おいしいよと言ってくれた。
それからも玲央様は私の料理を褒めてくれながら、食べてくれた。
慌ててあかりの分も取り分けて渡すと、満足したようで笑顔を浮かべた。
「おいし~!」
目をキラキラと輝かせながらお弁当を食べるあかりを見て、思わず笑みがこぼれた。
「柊さんも食べますか…?」
「なんで俺が…」
「食べたそうに見ていたので、はいどうぞ」
「…………っ、いただきます」
奏の前に、卵焼きを渡すと奏は驚いたような表情をしてから、小さな声でいただきますと呟くと、ゆっくり箸を動かしていた。
それを見届けると、私もまた自分の分のお弁当を食べ始めた。
「ごちそうさまでした」
「ご馳走様でした」
「はー!お腹いっぱい!ね?奏?」
「ああ…」
「百お弁当ありがとう、おいしかったよ」
「ふふ、それは良かったです…!」
こうして私たちのお昼は終わった。
奏は相変わらず無愛想だけど、最初の頃よりは雰囲気が柔らかくなった気がする。
これからもっと仲良くなれたら良いなと思いつつ、午後の授業へと向かった。
そして放課後、玲央様と図書室に向かっていた。
すると、後ろから足音が聞こえてきて振り向くとそこにはあかりが立っていた。
「あかり?」
「あのさ、私も一緒に行ってもいいかな?」
「うん、もちろん!ね?玲央様?」
「もちろんだよ、一緒に行こうか」
「ありがとうございます!あの…月城さん……」
「ん?」
「奏とお昼食べてどう思いましたか…?」
「柊くんかぁ…最初は、難しい子なのかな?って思ったけど話してみたらそんな事ないなって感じたかな、だからもっと仲良くできたら嬉しいな」
「そう…ですか…私も奏はもっといろんな人と関わるべきだって私は思います
確かに、悪意を持つ人間がいないとは言いませんが、それよりもいい人達の方が多いって私は思ってます」
「あかり…そうだね、私も柊さんと仲良くなりたいし、きっと柊さんもそう思ってるよ」
「うん、ありがとう百…ごめんっ!私やっぱり奏の所行くね!」
「ん、また明日」
「またね」
あかりはそう言って、奏のいる教室へと走って行った。
「……あかりちゃんも柊くんの事が大切なんだね」
「はい、とても大切に思っていると思います……なんだか羨ましいですね」
「そっか……俺も百の事大切って思ってるからね、百はどう?」
「もちろんです!私も玲央様が大切で大好きです」
私は笑顔でそう答えると、玲央様は顔を真っ赤にして固まってしまった。
何かまずい事言ってしまっただろうかと思っていると、玲央様は少し照れたように笑いながら ありがとうと言ってくれた。
そんな会話をしながら、私たちは図書室に向かった。
玲央様に、そう声を掛けて私は席を立った。
後ろに座っている二人にも行きましょう、と声を掛けて中庭へと向かう。
「忘れて無かったんだな…」
「もちろんです!ね?玲央様」
「うん、やっぱり食事は人数が多い方が楽しいからね」
「そうそう~ほら、奏もそんなムスッとした顔しないで、絶対楽しいからね!」
私たちは四人でベンチに座り、それぞれ持ってきたお弁当を広げた。
「では、いただきます」
私が手を合わせると皆もそれに続いて手を合わせた。
あかりは美味しそうにおかずを口に運んでいて、奏も黙々とご飯を食べている。
「あの…今日は私が作ってきたのですが玲央様食べてもらえますか…?」
「わぁ~美味しそう!俺が食べていいの?」
「は、はいっ!」
「えっ!それ百が作ったの?おいしそう…」
「小鳥遊は料理できるんだな…」
「はい…簡単な物だけですけどね」
「じゃあ、改めて頂きます」
玲央様は嬉しそうな表情で、私の作った卵焼きを一口食べた。
その様子を見つめながら、ドキドキしていると玲央様は目を輝かせながら おいしいよと言ってくれた。
それからも玲央様は私の料理を褒めてくれながら、食べてくれた。
慌ててあかりの分も取り分けて渡すと、満足したようで笑顔を浮かべた。
「おいし~!」
目をキラキラと輝かせながらお弁当を食べるあかりを見て、思わず笑みがこぼれた。
「柊さんも食べますか…?」
「なんで俺が…」
「食べたそうに見ていたので、はいどうぞ」
「…………っ、いただきます」
奏の前に、卵焼きを渡すと奏は驚いたような表情をしてから、小さな声でいただきますと呟くと、ゆっくり箸を動かしていた。
それを見届けると、私もまた自分の分のお弁当を食べ始めた。
「ごちそうさまでした」
「ご馳走様でした」
「はー!お腹いっぱい!ね?奏?」
「ああ…」
「百お弁当ありがとう、おいしかったよ」
「ふふ、それは良かったです…!」
こうして私たちのお昼は終わった。
奏は相変わらず無愛想だけど、最初の頃よりは雰囲気が柔らかくなった気がする。
これからもっと仲良くなれたら良いなと思いつつ、午後の授業へと向かった。
そして放課後、玲央様と図書室に向かっていた。
すると、後ろから足音が聞こえてきて振り向くとそこにはあかりが立っていた。
「あかり?」
「あのさ、私も一緒に行ってもいいかな?」
「うん、もちろん!ね?玲央様?」
「もちろんだよ、一緒に行こうか」
「ありがとうございます!あの…月城さん……」
「ん?」
「奏とお昼食べてどう思いましたか…?」
「柊くんかぁ…最初は、難しい子なのかな?って思ったけど話してみたらそんな事ないなって感じたかな、だからもっと仲良くできたら嬉しいな」
「そう…ですか…私も奏はもっといろんな人と関わるべきだって私は思います
確かに、悪意を持つ人間がいないとは言いませんが、それよりもいい人達の方が多いって私は思ってます」
「あかり…そうだね、私も柊さんと仲良くなりたいし、きっと柊さんもそう思ってるよ」
「うん、ありがとう百…ごめんっ!私やっぱり奏の所行くね!」
「ん、また明日」
「またね」
あかりはそう言って、奏のいる教室へと走って行った。
「……あかりちゃんも柊くんの事が大切なんだね」
「はい、とても大切に思っていると思います……なんだか羨ましいですね」
「そっか……俺も百の事大切って思ってるからね、百はどう?」
「もちろんです!私も玲央様が大切で大好きです」
私は笑顔でそう答えると、玲央様は顔を真っ赤にして固まってしまった。
何かまずい事言ってしまっただろうかと思っていると、玲央様は少し照れたように笑いながら ありがとうと言ってくれた。
そんな会話をしながら、私たちは図書室に向かった。
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