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学園編
緊張と不安と
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校内に入ると掲示板にクラス表が掲示されていた。
人混みをかき分け自分のクラスを確認する。
「……えっと、私のクラスは1-A…」
「ほんと!?俺も1-Aだったよ!わぁ~百と同じクラスかぁ~嬉しいなぁ~」
さっきあった事なんて忘れたかのように、玲央様はほわほわと嬉しそうに笑っている。
「玲央様はいつも通りですね……」
「ん?なんか言った?」
「いいえ、なんでもありません。それより早く行きませんと」
「あ、うん。じゃあ行こうか」
玲央様と一緒に歩き出す。
まだ入学式まで時間がある為、廊下には人が沢山いて賑やかになっている。
そんな中でも玲央様はとても目立っている。
まあ、それは当然の事なのだけど……
そんなことを考えているうちに目的の場所に着いた。
「ここが俺たちのクラスだよ」
扉を開けると、そこにはもう結構な人数が集まっていた。
席順は自由らしいので、空いている適当なところに座った。
すると玲央様も私の隣に座ってきた。
「あの、玲央様。何故隣に?」
「だって近くに居たいし……だめ?」
「いえ、駄目と言うわけではありませんが……」
そんな会話をしていると教室の扉が勢いよくガラっと開き
そっちの方に目線をやるとそこには嬉しそうな顔をした瀬名様がいた。
「百も同じクラスだったんだね…!!隣座ってもいい!?」
「……えっと…その…」
「えぇ~~!いいじゃん!私達こいび…」
「お話中ごめんね!百が困っているからそれくらいにしてもらえないかな?それに周りの生徒にも迷惑かかっちゃうし、ね?」
瀬名様が何かを言おうとした瞬間、玲央様が
割り込んできて 笑顔でそう言った。
「……っ、そう…ですね。失礼しました…」
「ぁ……」
「余計なお世話だったかな?」
「いえ、ありがとうございます…どう反応したらいいか分からなかったので
助かりました」
「ならよかった。何かあるのは分かるけどそれはここじゃ話せない
事なんでしょ?」
「はい……」
「大丈夫、俺は百の事を信じるよ…」
「玲央様……ありがとうございます」
玲央様にそう言っていただける事が何より嬉しくて心強い…
ちらりと、目線を後ろの方にやると拗ねたような表情をした
瀬名様がポツンっと座っていた。
少し言い過ぎたかもしれない…放課後きちんと謝ろう…
そんな事を考えていると先生らしき人物が入ってきた。
「皆さんおはようございます。今日から一年間このクラスの担任をします 相川美鈴です。よろしくお願いします」
そう言って、その人はにこやかな笑顔を浮かべながら頭を下げた。
それから簡単な自己紹介をして、それから講堂へと移動となった。
講堂に着くと、既に何人かの生徒達が椅子に座り待っていた。
指定された場所に並んで着席する。
そして、暫く待っていると入学式の開始時刻になり 司会の人の合図で入学式が始まった。
校長の長々しい話が終わり次は新入生代表の挨拶だ。そう思い、ステージの方を見るとそこには見知った顔があった。
「柊奏…」
そう、私達のクラスメイトで、学級委員でヒロインの幼馴染の攻略対象。
なるほど、確か彼は学年一位になるほどの学力を持っている。
新入生代表挨拶に選ばれるのも納得だ。
彼は当たり障りのない挨拶をして壇上から降りて行った。
その後は在校生代表として生徒会の人達が出てきて 歓迎の言葉を述べていた。
その言葉を聞き流しながら、私はこの後起こるであろう事に 不安を抱いていた。
入学式が終わると、教室に戻りホームルームが行われた。
「はい、それではこれで今日の日程は全て終了となります。明日からは授業が始まりますので、忘れ物などないようにしてくださいね。では、気を付けて帰ってください。さようなら」
先生が教室から出て行くと同時に、ガヤガヤと騒がしくなる。
「百、帰ろっか」
「はい、っとちょっと待ってくれますか?……お話し中に申し訳ありません、瀬名様少しよろしいでしょうか?」
「あ…………小鳥遊さん……」
「……あの、あかりに何か用ですか?俺、朝いなかったから知らなかったんですけどあかりをいじめてたって」
「ちがう!それは私が…」
「そう言うように言われたんじゃないか…?貴族は信用出来ないからな…」
「確かに心配したくなる気持ちはわかります、でも私はただ瀬名様とお話がしたいだけなんです、ダメでしょうか?」
柊様の気持ちも分かる、ただでさえ貴族しかいない学校に平民の瀬名様一人…
きっと、よく思っていない人も沢山い意地悪もきっと沢山されてきた。
だから私たちの事は信用できないし、そんな人たちから守りたいのだ。
「……うん、わかった。小鳥遊さんはなんか他の貴族と違いそうだから、でもあかりに何かあったら許さないから」
「はい、分かってます、では瀬名様行きましょうか?」
「あの…行くって?」
「私の家です、朝約束したでしょう?」
「あっ、そっか…………」
「玲央様お待たせしました、帰りましょうか」
「あ、待ってよ~!!」
玲央様と瀬名様の三人で一緒に下駄箱まで歩いていく。
その間もずっと瀬名様は私達二人を見ていて 何やら複雑な顔をしていた。
はぁ…朝はあんなに短かった通学路が今はすごく長く感じる。
こんな状態でちゃんとお話なんてできるのかな…
人混みをかき分け自分のクラスを確認する。
「……えっと、私のクラスは1-A…」
「ほんと!?俺も1-Aだったよ!わぁ~百と同じクラスかぁ~嬉しいなぁ~」
さっきあった事なんて忘れたかのように、玲央様はほわほわと嬉しそうに笑っている。
「玲央様はいつも通りですね……」
「ん?なんか言った?」
「いいえ、なんでもありません。それより早く行きませんと」
「あ、うん。じゃあ行こうか」
玲央様と一緒に歩き出す。
まだ入学式まで時間がある為、廊下には人が沢山いて賑やかになっている。
そんな中でも玲央様はとても目立っている。
まあ、それは当然の事なのだけど……
そんなことを考えているうちに目的の場所に着いた。
「ここが俺たちのクラスだよ」
扉を開けると、そこにはもう結構な人数が集まっていた。
席順は自由らしいので、空いている適当なところに座った。
すると玲央様も私の隣に座ってきた。
「あの、玲央様。何故隣に?」
「だって近くに居たいし……だめ?」
「いえ、駄目と言うわけではありませんが……」
そんな会話をしていると教室の扉が勢いよくガラっと開き
そっちの方に目線をやるとそこには嬉しそうな顔をした瀬名様がいた。
「百も同じクラスだったんだね…!!隣座ってもいい!?」
「……えっと…その…」
「えぇ~~!いいじゃん!私達こいび…」
「お話中ごめんね!百が困っているからそれくらいにしてもらえないかな?それに周りの生徒にも迷惑かかっちゃうし、ね?」
瀬名様が何かを言おうとした瞬間、玲央様が
割り込んできて 笑顔でそう言った。
「……っ、そう…ですね。失礼しました…」
「ぁ……」
「余計なお世話だったかな?」
「いえ、ありがとうございます…どう反応したらいいか分からなかったので
助かりました」
「ならよかった。何かあるのは分かるけどそれはここじゃ話せない
事なんでしょ?」
「はい……」
「大丈夫、俺は百の事を信じるよ…」
「玲央様……ありがとうございます」
玲央様にそう言っていただける事が何より嬉しくて心強い…
ちらりと、目線を後ろの方にやると拗ねたような表情をした
瀬名様がポツンっと座っていた。
少し言い過ぎたかもしれない…放課後きちんと謝ろう…
そんな事を考えていると先生らしき人物が入ってきた。
「皆さんおはようございます。今日から一年間このクラスの担任をします 相川美鈴です。よろしくお願いします」
そう言って、その人はにこやかな笑顔を浮かべながら頭を下げた。
それから簡単な自己紹介をして、それから講堂へと移動となった。
講堂に着くと、既に何人かの生徒達が椅子に座り待っていた。
指定された場所に並んで着席する。
そして、暫く待っていると入学式の開始時刻になり 司会の人の合図で入学式が始まった。
校長の長々しい話が終わり次は新入生代表の挨拶だ。そう思い、ステージの方を見るとそこには見知った顔があった。
「柊奏…」
そう、私達のクラスメイトで、学級委員でヒロインの幼馴染の攻略対象。
なるほど、確か彼は学年一位になるほどの学力を持っている。
新入生代表挨拶に選ばれるのも納得だ。
彼は当たり障りのない挨拶をして壇上から降りて行った。
その後は在校生代表として生徒会の人達が出てきて 歓迎の言葉を述べていた。
その言葉を聞き流しながら、私はこの後起こるであろう事に 不安を抱いていた。
入学式が終わると、教室に戻りホームルームが行われた。
「はい、それではこれで今日の日程は全て終了となります。明日からは授業が始まりますので、忘れ物などないようにしてくださいね。では、気を付けて帰ってください。さようなら」
先生が教室から出て行くと同時に、ガヤガヤと騒がしくなる。
「百、帰ろっか」
「はい、っとちょっと待ってくれますか?……お話し中に申し訳ありません、瀬名様少しよろしいでしょうか?」
「あ…………小鳥遊さん……」
「……あの、あかりに何か用ですか?俺、朝いなかったから知らなかったんですけどあかりをいじめてたって」
「ちがう!それは私が…」
「そう言うように言われたんじゃないか…?貴族は信用出来ないからな…」
「確かに心配したくなる気持ちはわかります、でも私はただ瀬名様とお話がしたいだけなんです、ダメでしょうか?」
柊様の気持ちも分かる、ただでさえ貴族しかいない学校に平民の瀬名様一人…
きっと、よく思っていない人も沢山い意地悪もきっと沢山されてきた。
だから私たちの事は信用できないし、そんな人たちから守りたいのだ。
「……うん、わかった。小鳥遊さんはなんか他の貴族と違いそうだから、でもあかりに何かあったら許さないから」
「はい、分かってます、では瀬名様行きましょうか?」
「あの…行くって?」
「私の家です、朝約束したでしょう?」
「あっ、そっか…………」
「玲央様お待たせしました、帰りましょうか」
「あ、待ってよ~!!」
玲央様と瀬名様の三人で一緒に下駄箱まで歩いていく。
その間もずっと瀬名様は私達二人を見ていて 何やら複雑な顔をしていた。
はぁ…朝はあんなに短かった通学路が今はすごく長く感じる。
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