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日常
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あれから、私はいつもと同じような日常を過ごした。
ムルの魔法を取り戻す為の方法を探したり、沙羅やフィリスの魔法を見たり。
最初は大変な事ばかりだったけれど、今ではその日常が当たり前になっていて
穏やかな日々を過ごしていた。
「うん、二人の魔力も大分安定してきたわね」
「ほんと!?」
私がそう告げると、沙羅は嬉しそうにその場でぴょんぴょんと飛び跳ねる。
そんな沙羅を優しい瞳で見つめるフィリス。
「フィリスも頑張ったわね、もう沙羅と二人でも大丈夫なくらい」
「そんな……!ここまで来れたのはルカと沙羅お陰です、私一人だったらここまで来れてませんから」
フィリスはそう言って少しだけ申し訳なさそうに俯いた。
私はそんなフィリスに笑いかける。
「そんな事無いわ。いくら力があったとしても、それを上手く使えるかどうかは別だもの」
私がそう言ってフィリスの頭を優しく撫でると、彼女は嬉しそうに笑った。
そんな私達の様子を見ていた沙羅は、少しだけ不満そうに頬を膨らませる。
「ルカだけずるい!私もフィリスの頭撫でたい!」
「えぇ!?それはちょっと……」
「ルカは良くて……恋人の私はダメなの……?」
沙羅はウルウルとした瞳でフィリスの事をみつめ、フィリスはうぅ……と
何かと葛藤するような声を漏らしながら、助けを求める様に私を見る。
「沙羅のお願い聞いてあげたらどう?きっと喜ぶわ」
私は意地悪く笑いながらフィリスにそう告げると、彼女は困ったように眉尻を下げ うぅ……と小さく唸った後、意を決した様に沙羅の事を見た。
そしておずおずと頭を沙羅の方に差し出すと、沙羅は嬉しそうに微笑みフィリスの頭を撫で返した。
「うぅ……恥ずかしい……」
「えへへ……こうやってフィリスの頭を撫でるのなんて、あんまりしないからなんか新鮮かも」
「私だけ恥ずかしいなんて少し不公平です!私も沙羅の頭を撫でます!」
フィリスはそう言うと、沙羅の頭を優しく撫でた。
沙羅は、少しくすぐったそうにしながらも嬉しそうな笑みを浮かべている。
そんな二人の事を微笑ましく思いながら見ていると、頭上から声が聞こえた。
『ムルも、皆の事撫でたい!』
「いいけれど、ムルがそんな事言い出すだなんて珍しいわね」
『ムルも皆にありがと~って伝えたくて!皆に撫でられると嬉しいから、ムルも撫でたい!』
そう言って、ムルは私の頭の上に乗り小さな手で、よしよしと言いながら私の頭を優しく撫でる。
すると、沙羅も私も撫でて~とムルに頭を差し出しムルは嬉しそうに沙羅の頭を撫でた。
「ほら!フィリスも!」
「は、はい。どうぞ」
フィリスは少し緊張したようにムルに頭を差し出す、するとムルは嬉しそうにフィリスの頭を撫でた。
皆の頭を撫で満足したムルは、嬉しそうに私達の周りを飛び回りキラキラとした光を辺りに振りまいていた。
「ふふっ、皆で頭を撫で合うってなんか変な感じね」
「でも、ちょっと楽しかった~たまにはこうやってするのも悪くないかも!」
沙羅がそう言うと私達はそうね、と言い笑い合った。
ムルの魔法を取り戻す為の方法を探したり、沙羅やフィリスの魔法を見たり。
最初は大変な事ばかりだったけれど、今ではその日常が当たり前になっていて
穏やかな日々を過ごしていた。
「うん、二人の魔力も大分安定してきたわね」
「ほんと!?」
私がそう告げると、沙羅は嬉しそうにその場でぴょんぴょんと飛び跳ねる。
そんな沙羅を優しい瞳で見つめるフィリス。
「フィリスも頑張ったわね、もう沙羅と二人でも大丈夫なくらい」
「そんな……!ここまで来れたのはルカと沙羅お陰です、私一人だったらここまで来れてませんから」
フィリスはそう言って少しだけ申し訳なさそうに俯いた。
私はそんなフィリスに笑いかける。
「そんな事無いわ。いくら力があったとしても、それを上手く使えるかどうかは別だもの」
私がそう言ってフィリスの頭を優しく撫でると、彼女は嬉しそうに笑った。
そんな私達の様子を見ていた沙羅は、少しだけ不満そうに頬を膨らませる。
「ルカだけずるい!私もフィリスの頭撫でたい!」
「えぇ!?それはちょっと……」
「ルカは良くて……恋人の私はダメなの……?」
沙羅はウルウルとした瞳でフィリスの事をみつめ、フィリスはうぅ……と
何かと葛藤するような声を漏らしながら、助けを求める様に私を見る。
「沙羅のお願い聞いてあげたらどう?きっと喜ぶわ」
私は意地悪く笑いながらフィリスにそう告げると、彼女は困ったように眉尻を下げ うぅ……と小さく唸った後、意を決した様に沙羅の事を見た。
そしておずおずと頭を沙羅の方に差し出すと、沙羅は嬉しそうに微笑みフィリスの頭を撫で返した。
「うぅ……恥ずかしい……」
「えへへ……こうやってフィリスの頭を撫でるのなんて、あんまりしないからなんか新鮮かも」
「私だけ恥ずかしいなんて少し不公平です!私も沙羅の頭を撫でます!」
フィリスはそう言うと、沙羅の頭を優しく撫でた。
沙羅は、少しくすぐったそうにしながらも嬉しそうな笑みを浮かべている。
そんな二人の事を微笑ましく思いながら見ていると、頭上から声が聞こえた。
『ムルも、皆の事撫でたい!』
「いいけれど、ムルがそんな事言い出すだなんて珍しいわね」
『ムルも皆にありがと~って伝えたくて!皆に撫でられると嬉しいから、ムルも撫でたい!』
そう言って、ムルは私の頭の上に乗り小さな手で、よしよしと言いながら私の頭を優しく撫でる。
すると、沙羅も私も撫でて~とムルに頭を差し出しムルは嬉しそうに沙羅の頭を撫でた。
「ほら!フィリスも!」
「は、はい。どうぞ」
フィリスは少し緊張したようにムルに頭を差し出す、するとムルは嬉しそうにフィリスの頭を撫でた。
皆の頭を撫で満足したムルは、嬉しそうに私達の周りを飛び回りキラキラとした光を辺りに振りまいていた。
「ふふっ、皆で頭を撫で合うってなんか変な感じね」
「でも、ちょっと楽しかった~たまにはこうやってするのも悪くないかも!」
沙羅がそう言うと私達はそうね、と言い笑い合った。
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