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想いを伝えた帰り道
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「じぁ、また明日……」
「えぇ、また明日」
そう挨拶をして自室へ帰ろうとするけれど、手を離すのが何だか名残惜しくて私は中々手を離せずにいると、フィリスが優しく微笑んだ。
そして、私の手を握る力を少し強くして口を開いた。
「明日また会えますから、ね?」
「でも………」
「じゃあ、明日一緒に教室まで行きましょう」
ね?と言うフィリスのその言葉に私は頷き、名残惜しかったけれど手を離す。
すると、フィリスが良い子ね、と言って私の頭を撫でてた。
「ふふ、じゃあね沙羅」
「うん!また明日」
フィリスに手を振り、自室へ帰って行った。
扉を閉めて一人になると、私はふぅ……と息を吐き出すとその場に座り込んだ。
ドキドキする心臓を抑え込むように胸に手を置いてゆっくりと深呼吸をした。
しかし、それでも胸の高鳴りはおさまらず、心臓が早鐘をうっているようだった。
「キス……しちゃった……んだ」
思わず自分の唇に触れ、先程の感触を思い出して
また、心臓がドキドキと高鳴る。
ふぅ、と息を吐き立ち上がると、フラフラとベッドまで歩いて行き そのまま倒れこむように横になった。
「本当にフィリスと両思いになったんだ……」
そう呟き、私は自分の唇を指でなぞった。
あの時、フィリスが私の事を好きと言ってくれて本当に嬉しかった。
フィリスが好きだと自覚してから、私はフィリスに似合う子になれるように
頑張ろうとしてた。
けれど、自分の気持ちを伝えるまで私はずっと不安で苦しかった。
だって、あの時フィリスは私の事を好きって伝えてくれたけれど、気が変わって
私の事なんか好きじゃ無いって言われたら?実は冗談だったと言われたら?
そんな感情が、頭の中ではずっと浮かんでいて私の事を苦しめていた。
だから、今日私の気持ちを伝えて、フィリスも私の事を好きって言ってくれた瞬間、涙が出るほど嬉しくて、凄く安心した。
「こんなに幸せで……もしかして夢だったりして……」
気持ちを伝え合って両思いになれたのに、何処か不安で仕方がない。
こんな事フィリスに伝えたら、考えすぎだとか言われてしまうのかもしれないけれど、こんな気持ち初めてで、どうしたら良いのかわからなかった。
けれど、これだけは分かる……
「好きな人と結ばれる……それがこんなに幸せだなんて、知らなかったな」
両思いになったのが本当に嬉しくて、私は枕に顔を埋めて足をバタつかせた。
「そうだ!明日はフィリスと一緒に行くんだし、少しでも可愛くしなきゃ!」
私はそう呟いて、ベッドから起き上がると、ドレッサーの前に座った。
そして、ブラシを髪に軽く当てながら、明日どんな髪型にして行こうか考える。
折角両思いになったのだから、フィリスに可愛いって思ってもらいたいな……
そんな事を考えていると、自然と口元が緩んでしまい そんな緩んだ口元を戻すかのように両手で頬を抑えた。
「ふふ、可愛いって言ってくれるかな」
そんな独り言を呟きながら、明日の髪型をどうするか考えた。
**********
「結局あんまり眠れなかった……」
結局、ドキドキして昨日の夜は上手く寝付く事が出来なかった。
部屋の中はまだ薄暗く、起きるにはまだ早い時間だったけれど
二度寝したら、約束の時間に起きれる自信が無かった私は、起き上がる事にした。
ベッドから起き上がると、朝のひんやりとした空気が肌に触れて、身震いをしながらカーテンを開ける。
朝日が昇り始めた空は薄暗く、まだ多くの人が寝ている時間帯だという事が分かった。
窓から外を眺めていると、小鳥の囀りが聞こえ穏やかな気持ちになる。
すぅ……と、深く息を吸うと、朝の冷たい空気が私の目を覚まさせてくれて、頭の中をスッキリさせる。
「さてと、準備しようっと」
そう呟き、私は朝の支度を始めた。
「えぇ、また明日」
そう挨拶をして自室へ帰ろうとするけれど、手を離すのが何だか名残惜しくて私は中々手を離せずにいると、フィリスが優しく微笑んだ。
そして、私の手を握る力を少し強くして口を開いた。
「明日また会えますから、ね?」
「でも………」
「じゃあ、明日一緒に教室まで行きましょう」
ね?と言うフィリスのその言葉に私は頷き、名残惜しかったけれど手を離す。
すると、フィリスが良い子ね、と言って私の頭を撫でてた。
「ふふ、じゃあね沙羅」
「うん!また明日」
フィリスに手を振り、自室へ帰って行った。
扉を閉めて一人になると、私はふぅ……と息を吐き出すとその場に座り込んだ。
ドキドキする心臓を抑え込むように胸に手を置いてゆっくりと深呼吸をした。
しかし、それでも胸の高鳴りはおさまらず、心臓が早鐘をうっているようだった。
「キス……しちゃった……んだ」
思わず自分の唇に触れ、先程の感触を思い出して
また、心臓がドキドキと高鳴る。
ふぅ、と息を吐き立ち上がると、フラフラとベッドまで歩いて行き そのまま倒れこむように横になった。
「本当にフィリスと両思いになったんだ……」
そう呟き、私は自分の唇を指でなぞった。
あの時、フィリスが私の事を好きと言ってくれて本当に嬉しかった。
フィリスが好きだと自覚してから、私はフィリスに似合う子になれるように
頑張ろうとしてた。
けれど、自分の気持ちを伝えるまで私はずっと不安で苦しかった。
だって、あの時フィリスは私の事を好きって伝えてくれたけれど、気が変わって
私の事なんか好きじゃ無いって言われたら?実は冗談だったと言われたら?
そんな感情が、頭の中ではずっと浮かんでいて私の事を苦しめていた。
だから、今日私の気持ちを伝えて、フィリスも私の事を好きって言ってくれた瞬間、涙が出るほど嬉しくて、凄く安心した。
「こんなに幸せで……もしかして夢だったりして……」
気持ちを伝え合って両思いになれたのに、何処か不安で仕方がない。
こんな事フィリスに伝えたら、考えすぎだとか言われてしまうのかもしれないけれど、こんな気持ち初めてで、どうしたら良いのかわからなかった。
けれど、これだけは分かる……
「好きな人と結ばれる……それがこんなに幸せだなんて、知らなかったな」
両思いになったのが本当に嬉しくて、私は枕に顔を埋めて足をバタつかせた。
「そうだ!明日はフィリスと一緒に行くんだし、少しでも可愛くしなきゃ!」
私はそう呟いて、ベッドから起き上がると、ドレッサーの前に座った。
そして、ブラシを髪に軽く当てながら、明日どんな髪型にして行こうか考える。
折角両思いになったのだから、フィリスに可愛いって思ってもらいたいな……
そんな事を考えていると、自然と口元が緩んでしまい そんな緩んだ口元を戻すかのように両手で頬を抑えた。
「ふふ、可愛いって言ってくれるかな」
そんな独り言を呟きながら、明日の髪型をどうするか考えた。
**********
「結局あんまり眠れなかった……」
結局、ドキドキして昨日の夜は上手く寝付く事が出来なかった。
部屋の中はまだ薄暗く、起きるにはまだ早い時間だったけれど
二度寝したら、約束の時間に起きれる自信が無かった私は、起き上がる事にした。
ベッドから起き上がると、朝のひんやりとした空気が肌に触れて、身震いをしながらカーテンを開ける。
朝日が昇り始めた空は薄暗く、まだ多くの人が寝ている時間帯だという事が分かった。
窓から外を眺めていると、小鳥の囀りが聞こえ穏やかな気持ちになる。
すぅ……と、深く息を吸うと、朝の冷たい空気が私の目を覚まさせてくれて、頭の中をスッキリさせる。
「さてと、準備しようっと」
そう呟き、私は朝の支度を始めた。
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