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今日の復習
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自室で、今日の復習をしていると、コンコンとノックの音が鳴り響いた。
私が、はい。と返事すると扉の向こうから声が聞こえてきた。
それは私のよく知る声だった。
「フィリス?今大丈夫かな?」
「沙羅?今開けますからちょっと待っててください」
沙羅にそう伝え、部屋の扉の鍵を開き、沙羅を部屋に招き入れた。
沙羅は、今日使っていた問題集と筆記用具を抱えていて、沙羅が私の元を
訪れた理由が何となくだけど分かってしまった。
そして、沙羅の想像通りの言葉が掛けられた。
「あの……今日の所で分からない所があって、一緒に勉強出来たら
って思ったんだけど……忙しかったかな?」
「いいえ、私も今復習をしていた所だったので、一緒に勉強しましょう」
私がそう言うと、沙羅は嬉しそうに微笑んでから、ありがとう。とお礼を言ってくれた。
沙羅を部屋の中に入、机の上に勉強道具を広げ、それから私たちは今日の復習を始めた。
「何処が分からなかったの?」
「えっと……ここの、魔力の流れの話で……」
「なるほど、ここは……」
そんな感じで、沙羅が疑問に感じた事を私が解説をし、沙羅が理解する。
そんな事を繰り返していると、あっという間に時間が過ぎてしまっていた様で部屋に備え付けられていた時計の鐘が鳴る。
その時刻は……夜の9時を示していた。
「あれ、もうこんな時間なんだ」
「みたいですね、明日もありますし、今日はこの辺でお開きにしましょうか」
「えぇ~~もう少し、ダメ?」
「そのやる気は良いですけど、あまり無理するのも意味がありませんよ?」
そう言って、沙羅の頭を優しく撫でてあげると、そっか。と言って沙羅は照れたように笑った。
そんな様子の沙羅が可愛くて、私はついクスクスと笑ってしまい それを見た沙羅は少し拗ねた様に頬を膨らませる。
「も~そんなに笑わなくても……」
「ごめんなさい、なんだか沙羅が可愛くて」
「そういうフィリスだって可愛いよ!」
そんな事を言い合って、私達はお互いに笑い合う。
そして、ひとしきり笑った後で私は立ち上がり沙羅に向かって手を差し出した。
沙羅は私の意図を理解したのか、私の手を取り一緒に立ち上がった。
「部屋まで送りますよ」
「ありがとう、今日は本当にありがとう」
「いいえ、明日も頑張りましょうね」
「うん!」
そんなやり取りをして、私達は手を繋いだまま部屋の外へ出た。
もうこんな時間だからか、廊下はしんっ……と静まり返っていて
何だか、肌寒いような気もした。
「フィリスは勉強で分からない所とかあるの?」
「うーん……今の所は無いですが……」
「凄い!私なんて、この学園に入る前に基礎を勉強したはずなのに、全然分からなくて……授業でもやったはずなのにな……」
そう言って、沙羅は悲しそうな表情で俯いてしまった。
そんな沙羅を何とか元気づけようと、私は沙羅の手をギュっと握り
ながら言った。
「大丈夫です、沙羅は成長してます」
「フィリス……でも……」
「一番近くで見ていた私が言うんです、信じてください」
「フィリス……ありがとう、あっ!もう、部屋に着くね、
送ってくれてありがとう!おやすみなさい」
「えぇ、おやすみなさい。また明日」
「うん、また明日」
そう言って、沙羅は私の手を離し部屋に戻ってしまった。
私は、その背中を見届けた後自室に戻る事にした。
私が、はい。と返事すると扉の向こうから声が聞こえてきた。
それは私のよく知る声だった。
「フィリス?今大丈夫かな?」
「沙羅?今開けますからちょっと待っててください」
沙羅にそう伝え、部屋の扉の鍵を開き、沙羅を部屋に招き入れた。
沙羅は、今日使っていた問題集と筆記用具を抱えていて、沙羅が私の元を
訪れた理由が何となくだけど分かってしまった。
そして、沙羅の想像通りの言葉が掛けられた。
「あの……今日の所で分からない所があって、一緒に勉強出来たら
って思ったんだけど……忙しかったかな?」
「いいえ、私も今復習をしていた所だったので、一緒に勉強しましょう」
私がそう言うと、沙羅は嬉しそうに微笑んでから、ありがとう。とお礼を言ってくれた。
沙羅を部屋の中に入、机の上に勉強道具を広げ、それから私たちは今日の復習を始めた。
「何処が分からなかったの?」
「えっと……ここの、魔力の流れの話で……」
「なるほど、ここは……」
そんな感じで、沙羅が疑問に感じた事を私が解説をし、沙羅が理解する。
そんな事を繰り返していると、あっという間に時間が過ぎてしまっていた様で部屋に備え付けられていた時計の鐘が鳴る。
その時刻は……夜の9時を示していた。
「あれ、もうこんな時間なんだ」
「みたいですね、明日もありますし、今日はこの辺でお開きにしましょうか」
「えぇ~~もう少し、ダメ?」
「そのやる気は良いですけど、あまり無理するのも意味がありませんよ?」
そう言って、沙羅の頭を優しく撫でてあげると、そっか。と言って沙羅は照れたように笑った。
そんな様子の沙羅が可愛くて、私はついクスクスと笑ってしまい それを見た沙羅は少し拗ねた様に頬を膨らませる。
「も~そんなに笑わなくても……」
「ごめんなさい、なんだか沙羅が可愛くて」
「そういうフィリスだって可愛いよ!」
そんな事を言い合って、私達はお互いに笑い合う。
そして、ひとしきり笑った後で私は立ち上がり沙羅に向かって手を差し出した。
沙羅は私の意図を理解したのか、私の手を取り一緒に立ち上がった。
「部屋まで送りますよ」
「ありがとう、今日は本当にありがとう」
「いいえ、明日も頑張りましょうね」
「うん!」
そんなやり取りをして、私達は手を繋いだまま部屋の外へ出た。
もうこんな時間だからか、廊下はしんっ……と静まり返っていて
何だか、肌寒いような気もした。
「フィリスは勉強で分からない所とかあるの?」
「うーん……今の所は無いですが……」
「凄い!私なんて、この学園に入る前に基礎を勉強したはずなのに、全然分からなくて……授業でもやったはずなのにな……」
そう言って、沙羅は悲しそうな表情で俯いてしまった。
そんな沙羅を何とか元気づけようと、私は沙羅の手をギュっと握り
ながら言った。
「大丈夫です、沙羅は成長してます」
「フィリス……でも……」
「一番近くで見ていた私が言うんです、信じてください」
「フィリス……ありがとう、あっ!もう、部屋に着くね、
送ってくれてありがとう!おやすみなさい」
「えぇ、おやすみなさい。また明日」
「うん、また明日」
そう言って、沙羅は私の手を離し部屋に戻ってしまった。
私は、その背中を見届けた後自室に戻る事にした。
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