若い聖女が現れたから私はお役御免！？それならこっちから婚約破棄します！ ～今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです～

無理をして

あれから、数日経ったある日。
私はまだアクセサリー作りを続けていた、こんなに頑張っているのだが
未だに納得できるものは出来ていなくて、正直ちゃんと成功させることが出来るのか不安になっていた。
「はぁ……これもダメね……」
はぁ……とため息を付いて、作業を止めて時計を見るとお昼を過ぎていた。
朝からずっとアクセサリー作りに没頭していたから、お腹が空いたような気がする。
そろそろ手を止めて昼食をとろうと思って私は椅子から立ち上がろうとしたその瞬間……目の前が真っ白になって床に倒れてしまった。
『ルカ！？大丈夫！？』
「だ、大丈夫よ……少し眩暈がしただけで……」
『全然大丈夫じゃないよ……！！どうしよ……ムルじゃルカの事運べないし……』
「だから大丈夫よ……」
その言葉を呟いた瞬間、私の意識はプツンと途切れて気を失った。
*******
「か……ルカ……大丈夫……？」
「エミリア……？どうしてここに……？」
「ムルがね凄い勢いで私の所に来たの、ルカが倒れた、助けてってね」
「そっか……迷惑かけてしまってごめんなさい」
目が覚めた私は、迷惑と心配をかけてしまった事に対しての謝罪をして
エミリアに迷惑をかけてしまった事に対しての謝罪をした。
そんな私を見て、エミリアは気にしないで……と言って笑ってくれた。
『ルカ……本当に大丈夫？』
「ムル……ムルにも心配掛けてしまったわね、もう大丈夫よ」
『本当に本当？まだ顔色悪いよ？もう少し寝てた方がいいんじゃない？』
私が起きた事を喜んでくれたムルは、心配そうに私の顔を見ながらそう言った。
そんなムルに大丈夫と言っても中々信じて貰えなくて困っていると、エミリアがムルの頭を撫でながらこう言った。
「ムルの言う通りだよ、もう少し寝てた方がいいと思う」
「エミリアまで……分かったわ、もう少し寝るわね」
二人に言われてしまったら、仕方ないと私は大人しく言う事を聞いてベッドに横になった。
二人が部屋を出ていくのを見ながら、私は静かに目を閉じた。
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それから暫くして再び目を覚ました私は、何となく窓の方を見て驚いた。
何故なら外は真っ暗で、そんな時間まで寝ていた事が信じられなかったから。
けれど、こんな時間まで眠っていたお陰か、体と頭はかなりスッキリしていて
気分も良かった。
少し体を起こすと、私のお腹からくぅ～っと情けない音が鳴って私は顔を真っ赤にしながら自分のお腹を押さえた。
「そう言えばお昼から何も食べて無かったものね……」
『ルカ？』
恥ずかしくて小さな声で独り言を言っていると、聞き慣れた声が聞こえてきて私は驚いて声の聞こえた方を見た。
するとそこには心配そうな顔をしているムルがフヨフヨと飛んでいた。
私が目を覚ましている事に気がついたムルは、笑顔でこちらに駆け寄って来た。
『ルカ！良かった！元気になったんだね！』
「えぇ、心配かけてしまってごめんなさい」
『ううん！でも、あんまり無理しちゃダメだよ？』
「はい、その……気を付けます」
私がそう返事をするとムルは満足したのか、笑顔でうん！っと返事を返した。
でも……そうね、プレゼントを作る為に私が倒れてしまったら意味が無いもの。
だから、ちゃんと気を付けるねと私が言うとムルは絶対だよ！と言って笑っていた。
そんなムルを見ていると、自然と私も笑顔になれてふふっと笑った。