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動き出した魔女
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あれから……私は一人で沙羅の周りにいる人達の調査を始めた。
シロの他にも怪しい人物がいたら、何かわかるかもしれないと思ったけれど……
「はぁ……やっぱり何も分からないかぁ……」
溜息をつきながら私は、天井を見上げた。
調査を始めて分かったことは……シロという人物は本当に存在しないということだ。誰の記憶にも残っていないどころか、記録すら残っていない。
過去の彼女が関わったと思われる事件を調べてみたのだけれど、結果は全てシロの存在は無く、他の人物の仕業になっていて、彼女の存在を証明することが出来なかった。
「調べれば調べるほど、彼女は本当に存在しないんじゃないかって思えてくる……」
私は手を上に伸ばしながらそう呟く。
シロという人物は本当に存在していたのか?彼女の存在を裏付けるものは何もなく、何一つ掴むことが出来ない事に悔しさと苛立ちを感じていた……
でも、そんな事を考えている暇なんて無い。
「弱気になったらダメよルカ。私が諦めたら沙羅やムル……それに他の人達はどうなってしまうの……?私が弱気な事言ったって何も変わらないし、皆が救われる事なんてない」
私は自分に言い聞かせるように言葉を発し、自分の心を奮い立たせた。
そして、私は再び調べるために机に向かう。
*******
「……あら?」
調査を再開して数時間後、私が書類たちと向き合っていると、スマホが 鳴り出した。私は作業していた手を止めて、スマホを手に取ると そこにはルークの名前が表示されていた。
何だろう?と思い電話に出た。
「ルーク?どうしたの?」
「こんな時間にすまない、どうしても話しておきたい事があって」
「……魔女の事ですか?」
「あぁ、俺の勘違いかもしれないんだが……怪しい気配を学園の方から感じて……」
ルークは声を潜めながら話しているようで、とても深刻そうに話すので、私も自然と緊張感が高まっていく。
怪しい気配……これはきっと魔女の事だろう……
でもまさか、こんな短時間で向こうから動いてくるなんて思わなかった。
そういえば、この前エミリアと別れた後、何か嫌な気配を感じたけれど……まさか……
「私も……私も、エミリアに相談した後変な気配を感じました……これってもしかして」
「あぁ、魔女が動き出そうとしているのかもしれない」
「そんな……!!まだ、何も分かっていないのに……」
「けれど、明日か明後日には魔女は現れるだろうな……」
「…………今から私の家に来れますか?」
「あぁ、エミリアにも声を掛けてから向かう」
「よろしくお願いします、では」
そう言って私は電話を切った、まさか……魔女がこんなに早く動き出そうとするとは……でも、こうなってっては仕方がない。
今は、私が出来ることをするだけ……
私は気合いを入れ直すため、自分の頬を軽くパチンバチンと叩き、そして、二人を迎え入れる準備を始めた。
*******
それから数時間後……ルークとエミリアは私の家にやってきた。
二人の表情は暗く、とても深刻なことが起 ころうとしていることは明らかだった。
私は二人を自分の部屋に連れて行くと、二人に座ってくださいと言い、二人は静かにソファーに腰を下ろした。
「ルカ……魔女が……」
「大丈夫、この三人なら絶対大丈夫です……」
「そうだな……さて、これからの事なんだが……」
私が言うと、ルークは神妙な顔でそう口にした。
これからの事……それは勿論魔女が動き出そうとしている事を解決する方法を考える事だ。
でも、それは簡単な事ではないし……それにきっと一筋縄ではいかないだろう。
けれど、この三人ならきっとみんなを助け出すことが出来るはず……
シロの他にも怪しい人物がいたら、何かわかるかもしれないと思ったけれど……
「はぁ……やっぱり何も分からないかぁ……」
溜息をつきながら私は、天井を見上げた。
調査を始めて分かったことは……シロという人物は本当に存在しないということだ。誰の記憶にも残っていないどころか、記録すら残っていない。
過去の彼女が関わったと思われる事件を調べてみたのだけれど、結果は全てシロの存在は無く、他の人物の仕業になっていて、彼女の存在を証明することが出来なかった。
「調べれば調べるほど、彼女は本当に存在しないんじゃないかって思えてくる……」
私は手を上に伸ばしながらそう呟く。
シロという人物は本当に存在していたのか?彼女の存在を裏付けるものは何もなく、何一つ掴むことが出来ない事に悔しさと苛立ちを感じていた……
でも、そんな事を考えている暇なんて無い。
「弱気になったらダメよルカ。私が諦めたら沙羅やムル……それに他の人達はどうなってしまうの……?私が弱気な事言ったって何も変わらないし、皆が救われる事なんてない」
私は自分に言い聞かせるように言葉を発し、自分の心を奮い立たせた。
そして、私は再び調べるために机に向かう。
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「……あら?」
調査を再開して数時間後、私が書類たちと向き合っていると、スマホが 鳴り出した。私は作業していた手を止めて、スマホを手に取ると そこにはルークの名前が表示されていた。
何だろう?と思い電話に出た。
「ルーク?どうしたの?」
「こんな時間にすまない、どうしても話しておきたい事があって」
「……魔女の事ですか?」
「あぁ、俺の勘違いかもしれないんだが……怪しい気配を学園の方から感じて……」
ルークは声を潜めながら話しているようで、とても深刻そうに話すので、私も自然と緊張感が高まっていく。
怪しい気配……これはきっと魔女の事だろう……
でもまさか、こんな短時間で向こうから動いてくるなんて思わなかった。
そういえば、この前エミリアと別れた後、何か嫌な気配を感じたけれど……まさか……
「私も……私も、エミリアに相談した後変な気配を感じました……これってもしかして」
「あぁ、魔女が動き出そうとしているのかもしれない」
「そんな……!!まだ、何も分かっていないのに……」
「けれど、明日か明後日には魔女は現れるだろうな……」
「…………今から私の家に来れますか?」
「あぁ、エミリアにも声を掛けてから向かう」
「よろしくお願いします、では」
そう言って私は電話を切った、まさか……魔女がこんなに早く動き出そうとするとは……でも、こうなってっては仕方がない。
今は、私が出来ることをするだけ……
私は気合いを入れ直すため、自分の頬を軽くパチンバチンと叩き、そして、二人を迎え入れる準備を始めた。
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それから数時間後……ルークとエミリアは私の家にやってきた。
二人の表情は暗く、とても深刻なことが起 ころうとしていることは明らかだった。
私は二人を自分の部屋に連れて行くと、二人に座ってくださいと言い、二人は静かにソファーに腰を下ろした。
「ルカ……魔女が……」
「大丈夫、この三人なら絶対大丈夫です……」
「そうだな……さて、これからの事なんだが……」
私が言うと、ルークは神妙な顔でそう口にした。
これからの事……それは勿論魔女が動き出そうとしている事を解決する方法を考える事だ。
でも、それは簡単な事ではないし……それにきっと一筋縄ではいかないだろう。
けれど、この三人ならきっとみんなを助け出すことが出来るはず……
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