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シロという人物
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ある日の夜の事。
そろそろ眠ろうと、読んでいた本を閉じ、部屋の電気を消そうとしたその時
スマホが鳴った。
こんな時間にメッセージが来るだなんて珍しいな……と思いながら
私はスマホを確認した。
すると、そこには沙羅からメッセージが届いていて、私は 少し驚きながらも、メッセージの内容を確認した。
そこには、アメリとシロと言う人物を知っているか?と言う内容だった。
アメリと言う人物には聞き覚えが無かったけれど、シロと言う人物には聞き覚えがあった。
「彼女は確か……」
私は急いでルークに電話を掛けた。
数回のコール音が響いた後、もしもし?とルークが電話に出た。
「もしもし?こんな時間にごめんなさい」
「大丈夫だよ、でもこんな時間にどうしたの?」
「ルークはシロと言う人物の名前知ってますよね……?」
「あぁ……ルカからその名前が出るとは思ってなかったよ、どうして?」
「沙羅が……彼女の名前を出していたのです、もしかしたら何かに巻き込まれているのかも……」
私がそう言うと、ルークは何かを考えるかのように
うーん……と唸った。
「彼女は……自分が操りやすそうだと思った人間に近づいて、魔法をかけて操るんだ………そして飽きたら捨てられ、気づいたら操られた人の周りには誰もいなくなる……」
そんな風になった子達をたくさん見てきた、とルークは呟くように
そう言った。
私もその事は知っている、だってその子達の掛けられている魔法を解いたのは
私だったから……だから沙羅が巻き込まれてしまっているのなら助けてあげたい
けれど、学園で起こっている事に私が手を貸すというのも少し違う気がした。
「沙羅の事助けるつもり?」
「そうしたいのは山々なのですが、学園内での事なので私は介入するべきではないかと……」
「そうだね、メッセージの内容的にまだ問題は起きて無さそうだし……少しアドバイスと言うか注意してねって話するくらいでいいんじゃない?」
ルークは、少し考えた後そう言った。
確かに沙羅が巻き込まれているとしても、まだ事件とかになっているわけではないので、下手に私が動いてしまうと学園側に何か言われてしまう可能性もある……そう考えると、今はまだ何もせず見守るのがいいのかもしれない。
「そうですね、今日……はもう遅いので明日メッセージを返そうと思います、ルークありがとう」
「いいえ、ルカの力になれて嬉しいよ、じゃあお休み」
「はい、おやすみなさい」
そう、挨拶を交わし電話を切った。
「ふぅ……まさか、こんな事になっているなんて……あの学園って本当に
碌な事しか起こらないのね」
はぁ……とため息を付き、私はベッドに横になった。
アルマ様と婚約破棄をしてからというもの、嫌な事が立て続けに
起こる……婚約破棄をしなければこんな事にはならなかった?
いいや、そんなはずは無い、あの人は私の事を見てくれなかった、あのまま
あの人の傍にいたら私は潰されて、一生虐げられ続けていた。
私は、それが嫌で自ら婚約破棄を申し出る事が出来た……
あのままだったら、私は今頃どうなっていただろうか? 今もまだあの人に虐げられていただろうか?そうなってしまったら私は もう耐えられないかもしれない……だからあの選択は正しかったと 自分に言い聞かせる。
「こんな事を考えてしまうなんて……ダメね、早くムルを助けて魔女を見つけないとだって言うのに……」
私は、そう呟き目を瞑った。
そろそろ眠ろうと、読んでいた本を閉じ、部屋の電気を消そうとしたその時
スマホが鳴った。
こんな時間にメッセージが来るだなんて珍しいな……と思いながら
私はスマホを確認した。
すると、そこには沙羅からメッセージが届いていて、私は 少し驚きながらも、メッセージの内容を確認した。
そこには、アメリとシロと言う人物を知っているか?と言う内容だった。
アメリと言う人物には聞き覚えが無かったけれど、シロと言う人物には聞き覚えがあった。
「彼女は確か……」
私は急いでルークに電話を掛けた。
数回のコール音が響いた後、もしもし?とルークが電話に出た。
「もしもし?こんな時間にごめんなさい」
「大丈夫だよ、でもこんな時間にどうしたの?」
「ルークはシロと言う人物の名前知ってますよね……?」
「あぁ……ルカからその名前が出るとは思ってなかったよ、どうして?」
「沙羅が……彼女の名前を出していたのです、もしかしたら何かに巻き込まれているのかも……」
私がそう言うと、ルークは何かを考えるかのように
うーん……と唸った。
「彼女は……自分が操りやすそうだと思った人間に近づいて、魔法をかけて操るんだ………そして飽きたら捨てられ、気づいたら操られた人の周りには誰もいなくなる……」
そんな風になった子達をたくさん見てきた、とルークは呟くように
そう言った。
私もその事は知っている、だってその子達の掛けられている魔法を解いたのは
私だったから……だから沙羅が巻き込まれてしまっているのなら助けてあげたい
けれど、学園で起こっている事に私が手を貸すというのも少し違う気がした。
「沙羅の事助けるつもり?」
「そうしたいのは山々なのですが、学園内での事なので私は介入するべきではないかと……」
「そうだね、メッセージの内容的にまだ問題は起きて無さそうだし……少しアドバイスと言うか注意してねって話するくらいでいいんじゃない?」
ルークは、少し考えた後そう言った。
確かに沙羅が巻き込まれているとしても、まだ事件とかになっているわけではないので、下手に私が動いてしまうと学園側に何か言われてしまう可能性もある……そう考えると、今はまだ何もせず見守るのがいいのかもしれない。
「そうですね、今日……はもう遅いので明日メッセージを返そうと思います、ルークありがとう」
「いいえ、ルカの力になれて嬉しいよ、じゃあお休み」
「はい、おやすみなさい」
そう、挨拶を交わし電話を切った。
「ふぅ……まさか、こんな事になっているなんて……あの学園って本当に
碌な事しか起こらないのね」
はぁ……とため息を付き、私はベッドに横になった。
アルマ様と婚約破棄をしてからというもの、嫌な事が立て続けに
起こる……婚約破棄をしなければこんな事にはならなかった?
いいや、そんなはずは無い、あの人は私の事を見てくれなかった、あのまま
あの人の傍にいたら私は潰されて、一生虐げられ続けていた。
私は、それが嫌で自ら婚約破棄を申し出る事が出来た……
あのままだったら、私は今頃どうなっていただろうか? 今もまだあの人に虐げられていただろうか?そうなってしまったら私は もう耐えられないかもしれない……だからあの選択は正しかったと 自分に言い聞かせる。
「こんな事を考えてしまうなんて……ダメね、早くムルを助けて魔女を見つけないとだって言うのに……」
私は、そう呟き目を瞑った。
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