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「はぁ……まさか、沙羅があんな事になっているなんて知らなかった……」
私は一人自室で自分の不甲斐なさを痛感していた。
私が近くに居れば、沙羅の事を助けてあげる事が出来たのに……
今はそればっかり考えて後悔ばかりしている自分がいる。
こんな事をしても何も変わらないのに……

*******
「やっぱり、生徒会長は誰かに唆されてあんな事をしたんだ。フィリスもきっとその誰かに言われて……その結果が今の状況……はぁ、その誰かのせいでこんな事になっているなんて、きっと犯人は笑いながら見てるんだろうなぁ」
ルカと離れてから、私は色々と考えていた。
フィリスの事、生徒会長の事……私に解決できるんだろうか?
分からない、けれど私がやるしかないんだ……
「よしっ!とりあえず会長の周りの人達を調べよう」
そう言って、私は決意を固めた。
まずは、生徒会メンバーからだ。
「と言っても……私生徒会とは縁がないからなぁ……どうやって調べよう」
そう思って、頭を抱えた。
だって、私は生徒会のメンバーの名前すら知らないし、接点もない。
うーん……どうしようかな……
そんな事を考えていると、一人の人物が頭の中に浮かんだ。
「そうだ、ミホ!彼女なら生徒会メンバーだし名前ぐらいは知ってるかも!」
そう思った私は急いで寮に向かう。
自分の部屋に帰ると、大事な事を思い出した。
「私……ミホの部屋知らないや……」
折角いい案だと思ったのに……
仕方がない、ミホに会うのは明日にして、今日はもう寝ることにした。
次の日、私は早速学園に向かった。
教室に入り、自分の鞄を置くとミホを探す為に校内を歩き回った。
そもそも私は、ミホの部屋も知らなければ、クラスも知らなかった……
「こんなので本当に調べる事とかできるのかな……」
はぁ……とため息をついた所で、チャイムが鳴り響いた。
私は仕方なく、教室に戻ることにした。
教室に戻ると、フィリスが駆け寄って来て、どうしたの?
と聞いてきたので、ちょっと先生に頼まれごとしちゃってと説明したら、少し疑ってはいたけれど、納得してくれた。
次は……放課後かな。
ん……?先生……?
「そうだ!先生だよ!!」
「沙羅……!?そんな大声を出してどうしたんですか」
「フィリスありがとう~!」
「え、えぇ……どういたしまして……?」
困った様な顔のフィリスを
横目に見ながら私は嬉しくて舞い上がっていた。
そうだよ、先生だよ!
ウィル先生に聞けば生徒会メンバーの名前だってすぐに分かるし、ミホのクラスだってすぐ分かるじゃん!
なんでこんな簡単な事に気が付かなかったのか、放課後先生に会いに行こう。
放課後だったらフィリスにも怪しまれないし、その後生徒会にも行くことが出来る、完璧だ!
「ふふふ~今日も授業がんばろうね!フィリス!」
「はい……なんか今日の沙羅は様子が変ですよ?」
「え~?そんな事ないよ?」
と誤魔化してみたけど、自分でもテンションが高いなって思っていた。
でも、やっと動き出せるって思うとつい気持ちが高ぶってしまったのだ。
早く放課後にならないかなぁ。
私はそんな事を考えながら、いつものように授業を受けていた。
そして、あっという間に時間は過ぎて行き、とうとう放課後になった。
私は足早に職員室へ向かう。
けれど、先生はそこに居なくて、他の先生に聞けば化学準備室じゃないか
との事だったので、私は急いで化学準備室へと向かった。
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