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学園に流れる噂
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「ねぇ、フィリス……」
「今度は何ですか?」
「ウィル先生の話だけど……やっぱり気になるから、少し探ってみる事にする」
私がそう言うと、フィリスは驚いた表情をして私を見る。
でも、すぐに真剣な眼差しになり、私を見つめた。
そして、ゆっくりと口を開く。
「沙羅が………?一人でですか?」
心配そうな顔をして聞いてくるフィリス。
でも、私ももう子供じゃないし、この国に来てからもそれなりに経験を積んできたつもり。だから、私も彼女に向かって力強く言った。
大丈夫だよ、と。
それでも、フィリスはまだ納得出来ないのか、まだ何か言いたげだったが、これ以上は無駄だと思ったのか、小さく溜息をついた。
「はぁ……何を言っても無駄みたいですね。分かりました、でも!一つだけ条件があります」
「条件?」
「私も一緒に行きます。沙羅一人に任せるわけにはいきません」
フィリスはそう言って、私を真っ直ぐに見つめる。
きっと、これは彼女が私を心配してくれているからこそ、言ってくれたんだと思う。だから、私は嬉しかった。
私が、分かったと言うとフィリスは嬉しそうな顔をした。
「沙羅一人では心配ですからね……さぁ、続きをやりましょう」
そう言って、フィリスは材料を用意してくれる。
私は、フィリスが用意してくれた薬草を使ってポーションを作っていく。
ポーション作りと最初聞いた時は、私に作れるのかな……なんて心配だったけれど、作り方は案外簡単で。
聖水と薬草を混ぜて鍋に入れて、私の魔力を加える。
そして、出来たポーションを瓶に詰めて完成だ。
これを繰り返して、今は私の目の前には三十本程のポーションが出来上がっている。
これを、明日の放課後までに百本作り、先生達に届けるのが今回の私の課題で
一人では大変だろうから、とフィリスも手伝ってくれていた。
二人でやれば、明日のお昼休みまでには終わらせる事が出来るだろう。
「はぁ~なんか色々あって疲れちゃった……」
「まぁ、あんな話を聞かされたら
仕方がないですよね……」
「うん……これが終わったらさ、まだ時間があると思うし少しだけ調べてみない?」
「さっそくですね?まぁ……沙羅が調べたいと言うのなら付き合いますよ」
「ほんと!ありがとう~~!!」
「でも、門限までには終わらせますからね?」
「は~~い」
こうして私達は、門限までと言う約束で、あの噂の事を探る事にした。
一体誰が、何のために、あんな噂を流したのか……私は、その噂を流した人物を突き止めようと決意した。
そして……何故私の噂を流したのか、その理由を聞きたかった。
「さぁ!早く作っちゃおう!」
私は、元気よく声を出すと、早速作業に取り掛かった。
****
「さて……!!噂の調査を開始しようと思います!」
私は、勢い良く立ち上がると、右手の拳を高く上げてそう宣言した。
隣では、フィリスが呆れた様子で私を見ている。
「ちょっと!なんでそんな顔するの?」
「その……元気だな、って思いまして」
「えー?私はいつだって元気だよ?」
「ふふっ、そうでしたね、それで?何処から調べるつもりですか?」
「ん~~やっぱり校内からとかかな……」
「分かりました、じゃあ行きましょう」
そう言うと、フィリスはスタスタと歩き始める。
私は慌てて彼女の後を追いかけた。
廊下に出て、しばらく歩いていると数人の生徒が
ヒソヒソと話すのが見える。
その生徒達の視線は、明らかに私に向けられていて。
どうやら、私の事を話しているようだった。
「あの……どうかしましたか?」
「えっ!?あ、いや……」
私が話しかけるとその子達は、慌てて逃げていった。
やっぱり……噂が広まっているのは本当の様だ……
「沙羅、やっぱり……」
「うん、分かってるよ。だから、今から聞き込み調査を始めるの!」
私は笑顔で答えると、フィリスは諦めたのか、小さく溜息をつくと、そのまま何も言わずに私についてきてくれた。
「今度は何ですか?」
「ウィル先生の話だけど……やっぱり気になるから、少し探ってみる事にする」
私がそう言うと、フィリスは驚いた表情をして私を見る。
でも、すぐに真剣な眼差しになり、私を見つめた。
そして、ゆっくりと口を開く。
「沙羅が………?一人でですか?」
心配そうな顔をして聞いてくるフィリス。
でも、私ももう子供じゃないし、この国に来てからもそれなりに経験を積んできたつもり。だから、私も彼女に向かって力強く言った。
大丈夫だよ、と。
それでも、フィリスはまだ納得出来ないのか、まだ何か言いたげだったが、これ以上は無駄だと思ったのか、小さく溜息をついた。
「はぁ……何を言っても無駄みたいですね。分かりました、でも!一つだけ条件があります」
「条件?」
「私も一緒に行きます。沙羅一人に任せるわけにはいきません」
フィリスはそう言って、私を真っ直ぐに見つめる。
きっと、これは彼女が私を心配してくれているからこそ、言ってくれたんだと思う。だから、私は嬉しかった。
私が、分かったと言うとフィリスは嬉しそうな顔をした。
「沙羅一人では心配ですからね……さぁ、続きをやりましょう」
そう言って、フィリスは材料を用意してくれる。
私は、フィリスが用意してくれた薬草を使ってポーションを作っていく。
ポーション作りと最初聞いた時は、私に作れるのかな……なんて心配だったけれど、作り方は案外簡単で。
聖水と薬草を混ぜて鍋に入れて、私の魔力を加える。
そして、出来たポーションを瓶に詰めて完成だ。
これを繰り返して、今は私の目の前には三十本程のポーションが出来上がっている。
これを、明日の放課後までに百本作り、先生達に届けるのが今回の私の課題で
一人では大変だろうから、とフィリスも手伝ってくれていた。
二人でやれば、明日のお昼休みまでには終わらせる事が出来るだろう。
「はぁ~なんか色々あって疲れちゃった……」
「まぁ、あんな話を聞かされたら
仕方がないですよね……」
「うん……これが終わったらさ、まだ時間があると思うし少しだけ調べてみない?」
「さっそくですね?まぁ……沙羅が調べたいと言うのなら付き合いますよ」
「ほんと!ありがとう~~!!」
「でも、門限までには終わらせますからね?」
「は~~い」
こうして私達は、門限までと言う約束で、あの噂の事を探る事にした。
一体誰が、何のために、あんな噂を流したのか……私は、その噂を流した人物を突き止めようと決意した。
そして……何故私の噂を流したのか、その理由を聞きたかった。
「さぁ!早く作っちゃおう!」
私は、元気よく声を出すと、早速作業に取り掛かった。
****
「さて……!!噂の調査を開始しようと思います!」
私は、勢い良く立ち上がると、右手の拳を高く上げてそう宣言した。
隣では、フィリスが呆れた様子で私を見ている。
「ちょっと!なんでそんな顔するの?」
「その……元気だな、って思いまして」
「えー?私はいつだって元気だよ?」
「ふふっ、そうでしたね、それで?何処から調べるつもりですか?」
「ん~~やっぱり校内からとかかな……」
「分かりました、じゃあ行きましょう」
そう言うと、フィリスはスタスタと歩き始める。
私は慌てて彼女の後を追いかけた。
廊下に出て、しばらく歩いていると数人の生徒が
ヒソヒソと話すのが見える。
その生徒達の視線は、明らかに私に向けられていて。
どうやら、私の事を話しているようだった。
「あの……どうかしましたか?」
「えっ!?あ、いや……」
私が話しかけるとその子達は、慌てて逃げていった。
やっぱり……噂が広まっているのは本当の様だ……
「沙羅、やっぱり……」
「うん、分かってるよ。だから、今から聞き込み調査を始めるの!」
私は笑顔で答えると、フィリスは諦めたのか、小さく溜息をつくと、そのまま何も言わずに私についてきてくれた。
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