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森に現れた魔物
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「なんか……この間来た時より不気味になってない……?」
「そうだな……俺達が魔女について調べている事がバレたのかもしれないな」
「可能性はありそうですね、あの人が私達の事に気が付かない訳がないですし……」
私達三人は、小声で話しながら、警戒しつつ森の中を進む。
すると、突然、ガサガサっ!と音がしたと思ったら、目の前に黒い影が現れた。
それは、とても大きく、熊のような見た目をしている。
そして、禍々しい魔力を纏っていた。
これは……! 私は咄嵯に、二人の前に立つ。
「この魔力……気を付けてください……!」
「あぁ、分かっている……」
「二人とも前……!!」
エミリアの声を聞き、ハッとした時には遅かった。
既に魔物は私の目の前に迫っており、鋭い爪を振り下ろしてきた。
避けようとしたが、間に合わない……! そう思って目を瞑る。
けれど、いつまで経っても痛みは襲ってこず、恐る恐る目を開けると
エミリアが結界を張ってくれたようで、私達に攻撃が届くことはなかった。
エミリアを見ると、魔力を消費しすぎたのか苦しそうに肩で息をしていた。
私は、すぐにエミリアの側に行き、回復魔法をかける。
「エミリア!大丈夫!?」
「う、ん……久しぶりに使ったから……ちょっと疲れちゃっただけ……」
そう言うエミリアの顔色は悪く、辛そうに見える。
そんな姿を見ていると、私がしっかりしなくては……と思い、気持ちを引き締める。
「大丈夫、ゆっくり深呼吸をして……私達なら大丈夫です」
「うん、すぅ……うん!」
エミリアは、ゆっくりと深呼吸をした後、笑顔でありがとうと言ってきた。
その顔を見て、ほっとしていると、ルークもやってきた。
そして、隣に並ぶと魔物に向き合う。
「貴方はあの魔女の仲間なのですか……?」
「いや、言葉は通じないだろう………」
「やっぱり倒すしかな無いのかな……」
「そう……みたいですね……」
そんな会話をして、さぁ戦うぞ。と意気込んだ瞬間
目の前の魔物は、くるりっと方向を変え、森の奥へと向かっていった。
魔物は途中、私達の方を振り返りながら、こちらをじっと見つめていたが、やがて見えなくなってしまった。
「あの魔物……何だか付いてこいって言っているような……?」
私は、ふと感じたことを口に出してみた。
ルークは、それを聞いてどうするか悩んでいるようだった。
でも、今は情報が欲しいから……そう思って、ルークに聞いてみる。
もし危なそうなら逃げればいいだけだから。
「あの……怒られるかもしれないのですが……一ついいですか?」
「アイツに付いて行きたいって言うんだろう?」
「私もちょっと考えてた、ねぇ?折角だし付いて行ってみない?」
「ありがとうございます……!今ならまだ追いつくはずです」
「じゃあ急がないと!二人とも早く行こう!」
こうして私達は、微かに残った魔物の魔力を頼りに後を追いかける事にした。
魔物はどうやら、城に向かっているようで、私達はどんどんと
魔女のいる城に近づいていった。
このまま追いかけて行って、見張りに見つかったらどうしよう。だなんて考えて
いたけれど、前に見た時にいた見張り達は一人もいなくなっていて
私達は、いつの間にか城の目の前まで着いてきてしまった。
「お城に着いちゃったね……ここからどうするの?」
「中に入るしかないだろう、ルカいいよな?」
「えぇ、この時を逃したらもう二度とここへは辿り着けない。そんな
気がします」
私は、この先に魔女がいると思うと緊張で足が震えた。
でも、ここまで来て引き返すわけにはいかない。
私は覚悟を決めて、お城の中へと入っていった。
扉を開けるとそこには、豪華なシャンデリアに、赤い絨毯。
壁には大きな絵が飾られていて、いかにも、お城と言った雰囲気だった。
その中を、警戒しながら進んで行く。
すると、後ろから突然声をかけられた。
「…………貴女は」
「そうだな……俺達が魔女について調べている事がバレたのかもしれないな」
「可能性はありそうですね、あの人が私達の事に気が付かない訳がないですし……」
私達三人は、小声で話しながら、警戒しつつ森の中を進む。
すると、突然、ガサガサっ!と音がしたと思ったら、目の前に黒い影が現れた。
それは、とても大きく、熊のような見た目をしている。
そして、禍々しい魔力を纏っていた。
これは……! 私は咄嵯に、二人の前に立つ。
「この魔力……気を付けてください……!」
「あぁ、分かっている……」
「二人とも前……!!」
エミリアの声を聞き、ハッとした時には遅かった。
既に魔物は私の目の前に迫っており、鋭い爪を振り下ろしてきた。
避けようとしたが、間に合わない……! そう思って目を瞑る。
けれど、いつまで経っても痛みは襲ってこず、恐る恐る目を開けると
エミリアが結界を張ってくれたようで、私達に攻撃が届くことはなかった。
エミリアを見ると、魔力を消費しすぎたのか苦しそうに肩で息をしていた。
私は、すぐにエミリアの側に行き、回復魔法をかける。
「エミリア!大丈夫!?」
「う、ん……久しぶりに使ったから……ちょっと疲れちゃっただけ……」
そう言うエミリアの顔色は悪く、辛そうに見える。
そんな姿を見ていると、私がしっかりしなくては……と思い、気持ちを引き締める。
「大丈夫、ゆっくり深呼吸をして……私達なら大丈夫です」
「うん、すぅ……うん!」
エミリアは、ゆっくりと深呼吸をした後、笑顔でありがとうと言ってきた。
その顔を見て、ほっとしていると、ルークもやってきた。
そして、隣に並ぶと魔物に向き合う。
「貴方はあの魔女の仲間なのですか……?」
「いや、言葉は通じないだろう………」
「やっぱり倒すしかな無いのかな……」
「そう……みたいですね……」
そんな会話をして、さぁ戦うぞ。と意気込んだ瞬間
目の前の魔物は、くるりっと方向を変え、森の奥へと向かっていった。
魔物は途中、私達の方を振り返りながら、こちらをじっと見つめていたが、やがて見えなくなってしまった。
「あの魔物……何だか付いてこいって言っているような……?」
私は、ふと感じたことを口に出してみた。
ルークは、それを聞いてどうするか悩んでいるようだった。
でも、今は情報が欲しいから……そう思って、ルークに聞いてみる。
もし危なそうなら逃げればいいだけだから。
「あの……怒られるかもしれないのですが……一ついいですか?」
「アイツに付いて行きたいって言うんだろう?」
「私もちょっと考えてた、ねぇ?折角だし付いて行ってみない?」
「ありがとうございます……!今ならまだ追いつくはずです」
「じゃあ急がないと!二人とも早く行こう!」
こうして私達は、微かに残った魔物の魔力を頼りに後を追いかける事にした。
魔物はどうやら、城に向かっているようで、私達はどんどんと
魔女のいる城に近づいていった。
このまま追いかけて行って、見張りに見つかったらどうしよう。だなんて考えて
いたけれど、前に見た時にいた見張り達は一人もいなくなっていて
私達は、いつの間にか城の目の前まで着いてきてしまった。
「お城に着いちゃったね……ここからどうするの?」
「中に入るしかないだろう、ルカいいよな?」
「えぇ、この時を逃したらもう二度とここへは辿り着けない。そんな
気がします」
私は、この先に魔女がいると思うと緊張で足が震えた。
でも、ここまで来て引き返すわけにはいかない。
私は覚悟を決めて、お城の中へと入っていった。
扉を開けるとそこには、豪華なシャンデリアに、赤い絨毯。
壁には大きな絵が飾られていて、いかにも、お城と言った雰囲気だった。
その中を、警戒しながら進んで行く。
すると、後ろから突然声をかけられた。
「…………貴女は」
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