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フィリスのお願い
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「聖女様って……ルカ……様の事?」
「はい、やっぱりダメでしょうか?」
「いや……ダメって言うか……」
ルカとフィリスさんを会わせる……?
ルカなら良いと言うかもしれないけれど……でも、ルークとエミリアは
なんて言うだろう……
けれど、フィリスさんがこんな事を言って来た理由も気になるし……
私は、悩んだ末にこう答えを出した。
「沙羅さん?」
「あ、ごめんね……!聖女様に……だったよね!分かった、皆に聞いてみるね!」
「ほんとうですか!ありがとうございます!」
私がそう答えると、フィリスさんは顔をパァっと明るくさせて喜んでいた。
フィリスさんは、いつもカッコよくて綺麗な人だから、こんな風に喜ぶだなんて
思ってなくて、ちょっとびっくりしてしまった。
けれど、ちょっぴり可愛いなと思っちゃったのは内緒にしておこう。
「それでは、失礼します。また明日教室で」
「うん!また明日、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
そう挨拶をして、フィリスさんは自分の部屋に戻っていった。
フィリスさんが帰ってから、私は色々な考えで頭の中が一杯だった。
フィリスさんは一体ルカに何の用事があるんだろう、そもそも私に来て欲しかった場所ってどこだったんだろう?とか、色々考えることがあるけれど
今はとりあえず、ルカにフィリスさんの事をメールで送り、眠りについた。
*****
昨日色々あってあんまりよく眠れなかった……
時計を見ると、時間はもう七時を過ぎている、急いで身支度を整え、教室に向かった。教室に入ると、もうフィリスさんは登校していて、自分の席に座っていた。
「おはよう!フィリスさん!」
「おはようございます、沙羅さん。昨日は遅くに押しかけてしまってすいませんでした」
「ううん、大丈夫だよ~それと、聞きたい事があったんだけど……」
「なんでしょうか?」
「私と行きたかった所って……」
「あぁ、それはですね」
フィリスさんは、鞄の中から紙を取り出して机の上に広げた。
そこには、地図のようなものが書いてあった。
この辺り一帯を詳細に書いたものらしい。
「ここです、どこだか分かりますか?」
フィリスさんは、その場所を指さしながら聞いてきた。
私は、その場所をじっと見つめて考えてみた。
……あれ?これってもしかして……?
「裏の森……?」
「そうです、正解ですよ」
フィリスさんは、微笑みながらそう言った。
けれど、どうしてこの場所に行きたがっていたのかが分からない。
「どうしてこの場所に?って顔をしてますね?」
「そうだよ!なんで学園の裏の森なんかに……」
「ふふ、実は裏の森で精霊を見た人がいたらしいんです。それでその精霊を私も
見てみたいと思いまして……」
「でも、何で私と……」
「だって沙羅さんは聖女でしょう?きっと、何か不思議な力を持っているんじゃないかと思ったんですよ。なので、一緒に見に行って貰えないかと思って……」
なるほど、そういう事だったのか。
確かに、私には精霊を見ることが出来る、その証拠にムルとお話が出来たり
しているから。
けれど、何でフィリスさんは精霊に会いたがっているんだろか?
「なんで精霊に会いたいんだ?みたいな顔をしていますね」
「そうだよ!だって普通精霊に会いたいだなんて……」
私は、言いかけた言葉を途中で止めた。
フィリスさんが、私の手を握っていたからだ。
そして、私の目を見つめて話し出した。
なんだか、凄くドキドキしてしまう。
「どうしても、試したいことがあるの。だからお願い、私と一緒に来てくれない?」
そう言って、フィリスさんは私の顔を見つめている。
どうしよう、このままだと心臓が破裂してしまいそうなくらい鼓動が早くなっているのが自分でも分かる。
「分かったよ……フィリスさん」
私はそう返事をした。
すると、フィリスさんは嬉しそうに笑ってくれた。
そんな顔を見て、私はやっぱり可愛いな……と思ってしまった。
「あ、週末の事もよろしくお願いしますね」
「うん!」
そんなやり取りをしていた時、授業開始を告げるチャイムが鳴り
この話はそこで終わった。
「はい、やっぱりダメでしょうか?」
「いや……ダメって言うか……」
ルカとフィリスさんを会わせる……?
ルカなら良いと言うかもしれないけれど……でも、ルークとエミリアは
なんて言うだろう……
けれど、フィリスさんがこんな事を言って来た理由も気になるし……
私は、悩んだ末にこう答えを出した。
「沙羅さん?」
「あ、ごめんね……!聖女様に……だったよね!分かった、皆に聞いてみるね!」
「ほんとうですか!ありがとうございます!」
私がそう答えると、フィリスさんは顔をパァっと明るくさせて喜んでいた。
フィリスさんは、いつもカッコよくて綺麗な人だから、こんな風に喜ぶだなんて
思ってなくて、ちょっとびっくりしてしまった。
けれど、ちょっぴり可愛いなと思っちゃったのは内緒にしておこう。
「それでは、失礼します。また明日教室で」
「うん!また明日、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
そう挨拶をして、フィリスさんは自分の部屋に戻っていった。
フィリスさんが帰ってから、私は色々な考えで頭の中が一杯だった。
フィリスさんは一体ルカに何の用事があるんだろう、そもそも私に来て欲しかった場所ってどこだったんだろう?とか、色々考えることがあるけれど
今はとりあえず、ルカにフィリスさんの事をメールで送り、眠りについた。
*****
昨日色々あってあんまりよく眠れなかった……
時計を見ると、時間はもう七時を過ぎている、急いで身支度を整え、教室に向かった。教室に入ると、もうフィリスさんは登校していて、自分の席に座っていた。
「おはよう!フィリスさん!」
「おはようございます、沙羅さん。昨日は遅くに押しかけてしまってすいませんでした」
「ううん、大丈夫だよ~それと、聞きたい事があったんだけど……」
「なんでしょうか?」
「私と行きたかった所って……」
「あぁ、それはですね」
フィリスさんは、鞄の中から紙を取り出して机の上に広げた。
そこには、地図のようなものが書いてあった。
この辺り一帯を詳細に書いたものらしい。
「ここです、どこだか分かりますか?」
フィリスさんは、その場所を指さしながら聞いてきた。
私は、その場所をじっと見つめて考えてみた。
……あれ?これってもしかして……?
「裏の森……?」
「そうです、正解ですよ」
フィリスさんは、微笑みながらそう言った。
けれど、どうしてこの場所に行きたがっていたのかが分からない。
「どうしてこの場所に?って顔をしてますね?」
「そうだよ!なんで学園の裏の森なんかに……」
「ふふ、実は裏の森で精霊を見た人がいたらしいんです。それでその精霊を私も
見てみたいと思いまして……」
「でも、何で私と……」
「だって沙羅さんは聖女でしょう?きっと、何か不思議な力を持っているんじゃないかと思ったんですよ。なので、一緒に見に行って貰えないかと思って……」
なるほど、そういう事だったのか。
確かに、私には精霊を見ることが出来る、その証拠にムルとお話が出来たり
しているから。
けれど、何でフィリスさんは精霊に会いたがっているんだろか?
「なんで精霊に会いたいんだ?みたいな顔をしていますね」
「そうだよ!だって普通精霊に会いたいだなんて……」
私は、言いかけた言葉を途中で止めた。
フィリスさんが、私の手を握っていたからだ。
そして、私の目を見つめて話し出した。
なんだか、凄くドキドキしてしまう。
「どうしても、試したいことがあるの。だからお願い、私と一緒に来てくれない?」
そう言って、フィリスさんは私の顔を見つめている。
どうしよう、このままだと心臓が破裂してしまいそうなくらい鼓動が早くなっているのが自分でも分かる。
「分かったよ……フィリスさん」
私はそう返事をした。
すると、フィリスさんは嬉しそうに笑ってくれた。
そんな顔を見て、私はやっぱり可愛いな……と思ってしまった。
「あ、週末の事もよろしくお願いしますね」
「うん!」
そんなやり取りをしていた時、授業開始を告げるチャイムが鳴り
この話はそこで終わった。
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