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もう一つの目的
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「それで、私に会いに来たのは心配だから以外にもあるんでしょう?」
「あはは~やっぱりルカには分かっちゃうか」
「当たり前でしょう?何年友達をやっていると思っているの」
エミリアはそりゃそうだ、と呟いてから話し始めた。
まず、私の事が心配で遊びに来たというのは本当で、 そしてもう一つは……
それは、最近アルマ様が何か怪しい動きをしているとのこと。
エミリアも詳しい事は分からないみたいだけど、何か企んでいるのではないか?と 思い、私の様子を見に来たんだとか。
「アルマ様が……?」
「あのバカ……まだ諦めてなかったのか」
ルークは、呆れた表情をしてため息をついた。
確かに、アルマ様の事だから また何か良からぬ事を考えているに違いないだろう。
しかし、今はまだ何も起こっていないし 証拠がある訳ではない。
それに、仮に証拠があったとしても アルマ様が何かしてくるとは限らないのだ。
もしかしたら、私達の考えすぎかもしれない。
「アルマ様にならご自分がどんな状況にいるのか理解しているとは思いますけど……」
「でも、あのアルマだよ?ルカの事いじめて楽しんでたアイツの事私は信用できない」
「エミリアに同感だね、まぁ、また何かしようとしているのならこっちにも策はある」
「え!なになに?」
「策……ですか?」
「…………ルカ、この国を離れて俺と違う国に行こう」
突然、ルークから言われた言葉に一瞬理解が追い付かなかった。
私がこの国を離れる……?そんな事出来るはずがない。
だって私はこの国の聖女で私が離れたりなんかしたらこの国は壊れてしまう。
それじゃ、みんなを守れないじゃない……
私の事を信じて付いてきてくれた人達を裏切るような真似できるわけがない。
そんなこと、許される筈がない。
「そんな事出来ません……皆様を裏切るなんて……」
「でもここにいたら危ないんだ、それに聖女ならあの子がいるだろう?」
「沙羅様の事ですか?確かにあの子には光魔法がありますが……」
沙羅様はとても強くて優しい方で、光魔法も強力だと聞いている。
けれど、沙羅様一人でどうにかなる問題ではないと思う。
「ごめん、変な話しちゃったね……でもルカに何かあったら俺は
嫌なんだ」
そう言って、私を抱き締めてくれるルーク。
暖かい……。
私はルークの腕の中で静かに目を閉じた。
ルークの言葉は嬉しい。
でも、私はこの国が好きだから……離れる事なんて出来ない。
それに、沙羅様一人に任せるのも不安が残る。沙羅様は、いくら強い力を持っていると言っても、まだまだ未熟なのだ。
だから、私が側にいないといけない。
「だったらさ!みんなでアイツを懲らしめればいいんじゃない?」
エミリアは、名案!と言わんばかりに笑顔でそう言った。
しかし、私はエミリアのその考えに賛同できなかった。
いくらあの人が悪い人だったとしても、私にとっては元婚約者なんだから……
私が黙って俯いていると、エミリアが私を抱きしめてきた。
私は驚いてエミリアを見ると、エミリアは私を真っ直ぐ見つめてこう言ってきた。
「ごめんね……でも、私はルカを散々いじめてきたアイツを許せない」
私はエミリアの目を見て、分かったと小さく呟く。
すると、ルークがエミリアを引き離して私に話しかけてくる。
真剣な眼差しで……
「俺も、エミリアには賛成だ。けれど、ルカが嫌な事は絶対にしない。
だから、これだけは覚えておいて……もし、ルカが困っていたら必ず助けに行くよ」
ルークはそう言いながら、私の手を握ってきた。
いつもは温かいルークの手が、今日は何だか冷たく感じた。
「あはは~やっぱりルカには分かっちゃうか」
「当たり前でしょう?何年友達をやっていると思っているの」
エミリアはそりゃそうだ、と呟いてから話し始めた。
まず、私の事が心配で遊びに来たというのは本当で、 そしてもう一つは……
それは、最近アルマ様が何か怪しい動きをしているとのこと。
エミリアも詳しい事は分からないみたいだけど、何か企んでいるのではないか?と 思い、私の様子を見に来たんだとか。
「アルマ様が……?」
「あのバカ……まだ諦めてなかったのか」
ルークは、呆れた表情をしてため息をついた。
確かに、アルマ様の事だから また何か良からぬ事を考えているに違いないだろう。
しかし、今はまだ何も起こっていないし 証拠がある訳ではない。
それに、仮に証拠があったとしても アルマ様が何かしてくるとは限らないのだ。
もしかしたら、私達の考えすぎかもしれない。
「アルマ様にならご自分がどんな状況にいるのか理解しているとは思いますけど……」
「でも、あのアルマだよ?ルカの事いじめて楽しんでたアイツの事私は信用できない」
「エミリアに同感だね、まぁ、また何かしようとしているのならこっちにも策はある」
「え!なになに?」
「策……ですか?」
「…………ルカ、この国を離れて俺と違う国に行こう」
突然、ルークから言われた言葉に一瞬理解が追い付かなかった。
私がこの国を離れる……?そんな事出来るはずがない。
だって私はこの国の聖女で私が離れたりなんかしたらこの国は壊れてしまう。
それじゃ、みんなを守れないじゃない……
私の事を信じて付いてきてくれた人達を裏切るような真似できるわけがない。
そんなこと、許される筈がない。
「そんな事出来ません……皆様を裏切るなんて……」
「でもここにいたら危ないんだ、それに聖女ならあの子がいるだろう?」
「沙羅様の事ですか?確かにあの子には光魔法がありますが……」
沙羅様はとても強くて優しい方で、光魔法も強力だと聞いている。
けれど、沙羅様一人でどうにかなる問題ではないと思う。
「ごめん、変な話しちゃったね……でもルカに何かあったら俺は
嫌なんだ」
そう言って、私を抱き締めてくれるルーク。
暖かい……。
私はルークの腕の中で静かに目を閉じた。
ルークの言葉は嬉しい。
でも、私はこの国が好きだから……離れる事なんて出来ない。
それに、沙羅様一人に任せるのも不安が残る。沙羅様は、いくら強い力を持っていると言っても、まだまだ未熟なのだ。
だから、私が側にいないといけない。
「だったらさ!みんなでアイツを懲らしめればいいんじゃない?」
エミリアは、名案!と言わんばかりに笑顔でそう言った。
しかし、私はエミリアのその考えに賛同できなかった。
いくらあの人が悪い人だったとしても、私にとっては元婚約者なんだから……
私が黙って俯いていると、エミリアが私を抱きしめてきた。
私は驚いてエミリアを見ると、エミリアは私を真っ直ぐ見つめてこう言ってきた。
「ごめんね……でも、私はルカを散々いじめてきたアイツを許せない」
私はエミリアの目を見て、分かったと小さく呟く。
すると、ルークがエミリアを引き離して私に話しかけてくる。
真剣な眼差しで……
「俺も、エミリアには賛成だ。けれど、ルカが嫌な事は絶対にしない。
だから、これだけは覚えておいて……もし、ルカが困っていたら必ず助けに行くよ」
ルークはそう言いながら、私の手を握ってきた。
いつもは温かいルークの手が、今日は何だか冷たく感じた。
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