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48.つかの間の平穏
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クリンゲル店の居住スペースで、わたしとガラット、シェルディさんは立ち尽くしていた。目の前のクロエちゃんのお叱りを受けながら。
「あたしほとんど明け方まで王城でお仕事してたんだよ!? ようやくひと段落して戻って来て休んでいたら訳の分からない大声にたたき起こされてさあ! いい年して人の家で言い争いとか恥ずかしいと思わないの!?」
ガミガミと年端のいかない少女に怒られる年上三人。騒がしくしていたのは事実のため、先ほどからわたしたちは頭を下げるしかなかった。いや、正直わたし自身は巻き込まれた感が半端なのだけれど。怒り心頭のクロエちゃんの前では大人しくしておくべきだと考えてふたりと並んで立っている。
「悪かった…」
「申し訳ありませんでした…」
「すみませんでした…」
「分かってくれたなら良いけどさ」
頬を膨らませつつ、クロエちゃんは「もういいよ」と椅子に座るように促してくれた。ラナラージュ家ふたりに対してこの態度とか、彼女は将来大物になるに違いない。
「あたしも、怒りすぎた。ごめんなさい。眠すぎてイライラしてたんだ」
「そんなことありませんわ。真面目に働いている人の安眠を邪魔するなんて許されないことです。わたくしたちが全面的に悪かったのです」
「…俺たちはともかく、シプトンは悪くないと思うがな」
ぼそりと呟いたガラットの言葉に、わたしは苦笑だけを返した。
「で、アシェラさんはともかく、そっちのふたりは何でうちにいるの? お母さんたちは?」
「あ! そうだ、わたしそろそろお店の方に戻らないと」
クロエちゃんの言葉に慌てて立ち上がった。よくよく考えなくても、わたしは勤務時間中なのだ。今この場にいるのはシャラさんとご主人のご厚意に他ならない。
「ガラット、わたし戻っても大丈夫?」
「ああ。オリバーと連絡ついたから合流してもらうことになった。ひとまずあいつが来るまで俺はこっちに待機してっから、何かあったら呼んでくれ」
「分かった」
「あぁ、未来視の魔法使いさま…」
しょぼんと肩を下げるシェルディさんには悪いけれど、これ以上お店の方を留守にするのはあまりにもシャラさんたちに申し訳ない。
「シェルディさん、また今度時間があるときに改めてお話しましょう」
「は、はいぃっ」
「あ、おいシプトン、こいつに用事があるんじゃなかったか?」
ガラットの言葉にわたしは思わず足を止めた。今朝、話していたことを覚えてくれていたようだ。実はリリーさんとお茶をしていたとき、「クロエちゃんに会えたら頼みたいことがある」という話をしていたのである。ガラットはほとんど無言でお茶を啜っていた―会話を邪魔しないよう彼なりに気を遣ってくれていたのかもしれない―ため、てっきり聞き流していると思っていたのだけれど。
すでに言い争いを聞かれた後だからか、ガラットはクロエちゃんに対して猫を被るのを諦めたらしい。完全に素で話している。
「ちょっと、こいつとは失礼ね!?」
「…失礼、クリンゲル店のお嬢さん」
が、彼の素の口調がお気に召さなかったクロエちゃんが噛みついてきたためか、面倒そうに顔を歪ませて投げ捨ててきた猫を拾って被り直している。
「あー、良いの、急ぎではないし今はお店に…」
「急用があればお母さんたちが呼びに来るよ。話なら今聞くわ。その…よく考えれば言い争いに参加していなかったあなたのこと責めちゃったし」
彼女なりのお詫びということだろうか。
お店の方は気になるけれど、クロエちゃんがここまで言ってくれているのならばわざわざ断るのも無粋だろう。何より、わたし自身も頼みたいことがあるのは本当なのだ。
「実はクロエちゃんにお願いがあって。あなたの『物の記録を読み取る』力で、このペンダントを見てくれないかな?」
そう言って、わたしはお母さんの形見のペンダントを差し出す。
先日ハカセに言われて、それがメラルド石という魔石でできていることを知った。もしかしたらクリンゲル店で使われているように記憶が保存されているのかもしれないと思ったけれど、残念ながらそう言った形跡はなかった。
ただの宝石ではなく、わざわざ魔石が使われていることから何かあるのだろうか。お母さんはわたしを産むのと同時に亡くなったため、魔法が使えたのかどうかすら不明だ。おばあちゃんから魔法の話を聞かされたことはない。わたしは自身の力に目覚めるまで、魔法というものを知識としてしか知らなかった。
どうしても気になってしまって、わたしはクロエちゃんの力で何らかの記録が残っていないかを確認したいと考えたのだ。
「いいけど。でも前に言った通り、あたしまだ上手く力を使えないから強く刻まれている記録しか見られないよ?」
「それでも良いの。お願いできない?」
「それならいいよ。でも今日は明け方まで仕事しててクタクタなの。回復してからでもいい?」
「もちろん」
ありがとう、と言いながらクロエちゃんにペンダントを渡す。正直自分の手から離すのは嫌だったし、人の手に渡すのも抵抗はある。けれど背に腹は代えられない。そもそもこちらからお願いしていることだし。
「じゃあわたし、お店に戻るね」
三人に見送られ、わたしはそのまま踵を返す。胸元から慣れた重みがなくなったことが落ち着かなかった。
その後は普通に店番をこなした。戻ってすぐはシャラさんとご主人に平謝りをしたけれど、ふたりとも笑って「気にしないで」と手を振るばかりで。本当に良い人たちだ。
就業時間を迎えて居住スペースの方へと向かってみれば、出迎えてくれたのはなんとオリバーさんだった。
「お疲れ様です、アシェラさん」
「あれ、オリバーさんの方が残ってくださったんですか?」
てっきりシェルディさんの方にオリバーさんが付くと思っていたので少し驚いてしまった。彼はいつも通りきっちりと警備兵の制服を着こなして、壁に向かって垂直に立っている。一体いつからそうしていたのだろうか。
「本当はガラットが残る予定だったのですが、シェルディ嬢があなたを待つと言って聞かなくて。ただ彼女の立場上あまり遅くまで外にいられないものですから、最終的にガラットが引きずって帰りました」
「ああ、なるほど…」
「俺だとシェルディ嬢に対して強く出られませんので」
彼女はこの国にとって非常に重要な人物なので、色々制限が多いのだろう。帰り道で喧嘩していないと良いけれど、と思いながらオリバーさんと苦笑しあう。
「それからこちらはクロシェットさんからです」
そう言ってオリバーさんはお母さんの形見のペンダントを差し出してきた。「ありがとうございます」言いながら受け取って、すぐに装着した。数時間手元になかっただけなのに、随分長く離れていたような気がする。首元に緑色の輝きが戻って、ようやく落ち着いた。思わず一息つく。
「クロシェットさんから言伝です。『見えたものは今度会ったときに伝える』と」
「あ、そうなんですね。ありがとうございます。そのクロエちゃんは?」
「今日はもう休むと2階に上がっていきました。彼女には最近、警備隊補助員として例の爆弾や関連物の記録を連日読み取ってもらっていますから。相当疲れが溜まっているのでしょうね」
あの爆弾事件の犯人は未だ捕まっていない。少しでも手掛かりを得ようと警備隊全体で動いているのだろう。そんな中、個人的な用事を頼んでしまったことを今さらながら申し訳ないと思った。
「(今度会ったとき何かお礼の品を渡そうかな)」
せっかくだから明日にでもシャラさんにクロエちゃんの好物を聞いてみよう。そう思いながら、わたしはオリバーさんに付いてもらいながらクリンゲル店を後にした。
「そういえば今日、リリとは会いましたか?」
「はい。朝に会いに来てくださって」
「それは良かった。アシェラさんに会いに行くからと、昨日気合を入れて準備していましたから」
オリバーさんの口角が僅かに上がる。表情には乏しいけれど、リリーさんのことを話している彼は嬉しそうに見えた。
「オリバーさん、本当にリリーさんのことが大事なんですね」
「そうですね。これからもずっと守りたいと思っていますよ」
何の迷いもなく言いきられて、逆にわたしの方が照れてしまった。
隣に立っている人はいつもと違うけれど、今日も穏やかに一日が終わった。ダリアの件はずっと胸に引っかかっているが自分でも対策を進めているし、大丈夫だと漠然と思っていた。
―――――このまま、どうやったら偉大な魔女になれるかに頭を悩ませたり、仲の良い人たちと談笑するような変わらない日を過ごせるだろうと、この時のわたしは信じていたのだ。
「あたしほとんど明け方まで王城でお仕事してたんだよ!? ようやくひと段落して戻って来て休んでいたら訳の分からない大声にたたき起こされてさあ! いい年して人の家で言い争いとか恥ずかしいと思わないの!?」
ガミガミと年端のいかない少女に怒られる年上三人。騒がしくしていたのは事実のため、先ほどからわたしたちは頭を下げるしかなかった。いや、正直わたし自身は巻き込まれた感が半端なのだけれど。怒り心頭のクロエちゃんの前では大人しくしておくべきだと考えてふたりと並んで立っている。
「悪かった…」
「申し訳ありませんでした…」
「すみませんでした…」
「分かってくれたなら良いけどさ」
頬を膨らませつつ、クロエちゃんは「もういいよ」と椅子に座るように促してくれた。ラナラージュ家ふたりに対してこの態度とか、彼女は将来大物になるに違いない。
「あたしも、怒りすぎた。ごめんなさい。眠すぎてイライラしてたんだ」
「そんなことありませんわ。真面目に働いている人の安眠を邪魔するなんて許されないことです。わたくしたちが全面的に悪かったのです」
「…俺たちはともかく、シプトンは悪くないと思うがな」
ぼそりと呟いたガラットの言葉に、わたしは苦笑だけを返した。
「で、アシェラさんはともかく、そっちのふたりは何でうちにいるの? お母さんたちは?」
「あ! そうだ、わたしそろそろお店の方に戻らないと」
クロエちゃんの言葉に慌てて立ち上がった。よくよく考えなくても、わたしは勤務時間中なのだ。今この場にいるのはシャラさんとご主人のご厚意に他ならない。
「ガラット、わたし戻っても大丈夫?」
「ああ。オリバーと連絡ついたから合流してもらうことになった。ひとまずあいつが来るまで俺はこっちに待機してっから、何かあったら呼んでくれ」
「分かった」
「あぁ、未来視の魔法使いさま…」
しょぼんと肩を下げるシェルディさんには悪いけれど、これ以上お店の方を留守にするのはあまりにもシャラさんたちに申し訳ない。
「シェルディさん、また今度時間があるときに改めてお話しましょう」
「は、はいぃっ」
「あ、おいシプトン、こいつに用事があるんじゃなかったか?」
ガラットの言葉にわたしは思わず足を止めた。今朝、話していたことを覚えてくれていたようだ。実はリリーさんとお茶をしていたとき、「クロエちゃんに会えたら頼みたいことがある」という話をしていたのである。ガラットはほとんど無言でお茶を啜っていた―会話を邪魔しないよう彼なりに気を遣ってくれていたのかもしれない―ため、てっきり聞き流していると思っていたのだけれど。
すでに言い争いを聞かれた後だからか、ガラットはクロエちゃんに対して猫を被るのを諦めたらしい。完全に素で話している。
「ちょっと、こいつとは失礼ね!?」
「…失礼、クリンゲル店のお嬢さん」
が、彼の素の口調がお気に召さなかったクロエちゃんが噛みついてきたためか、面倒そうに顔を歪ませて投げ捨ててきた猫を拾って被り直している。
「あー、良いの、急ぎではないし今はお店に…」
「急用があればお母さんたちが呼びに来るよ。話なら今聞くわ。その…よく考えれば言い争いに参加していなかったあなたのこと責めちゃったし」
彼女なりのお詫びということだろうか。
お店の方は気になるけれど、クロエちゃんがここまで言ってくれているのならばわざわざ断るのも無粋だろう。何より、わたし自身も頼みたいことがあるのは本当なのだ。
「実はクロエちゃんにお願いがあって。あなたの『物の記録を読み取る』力で、このペンダントを見てくれないかな?」
そう言って、わたしはお母さんの形見のペンダントを差し出す。
先日ハカセに言われて、それがメラルド石という魔石でできていることを知った。もしかしたらクリンゲル店で使われているように記憶が保存されているのかもしれないと思ったけれど、残念ながらそう言った形跡はなかった。
ただの宝石ではなく、わざわざ魔石が使われていることから何かあるのだろうか。お母さんはわたしを産むのと同時に亡くなったため、魔法が使えたのかどうかすら不明だ。おばあちゃんから魔法の話を聞かされたことはない。わたしは自身の力に目覚めるまで、魔法というものを知識としてしか知らなかった。
どうしても気になってしまって、わたしはクロエちゃんの力で何らかの記録が残っていないかを確認したいと考えたのだ。
「いいけど。でも前に言った通り、あたしまだ上手く力を使えないから強く刻まれている記録しか見られないよ?」
「それでも良いの。お願いできない?」
「それならいいよ。でも今日は明け方まで仕事しててクタクタなの。回復してからでもいい?」
「もちろん」
ありがとう、と言いながらクロエちゃんにペンダントを渡す。正直自分の手から離すのは嫌だったし、人の手に渡すのも抵抗はある。けれど背に腹は代えられない。そもそもこちらからお願いしていることだし。
「じゃあわたし、お店に戻るね」
三人に見送られ、わたしはそのまま踵を返す。胸元から慣れた重みがなくなったことが落ち着かなかった。
その後は普通に店番をこなした。戻ってすぐはシャラさんとご主人に平謝りをしたけれど、ふたりとも笑って「気にしないで」と手を振るばかりで。本当に良い人たちだ。
就業時間を迎えて居住スペースの方へと向かってみれば、出迎えてくれたのはなんとオリバーさんだった。
「お疲れ様です、アシェラさん」
「あれ、オリバーさんの方が残ってくださったんですか?」
てっきりシェルディさんの方にオリバーさんが付くと思っていたので少し驚いてしまった。彼はいつも通りきっちりと警備兵の制服を着こなして、壁に向かって垂直に立っている。一体いつからそうしていたのだろうか。
「本当はガラットが残る予定だったのですが、シェルディ嬢があなたを待つと言って聞かなくて。ただ彼女の立場上あまり遅くまで外にいられないものですから、最終的にガラットが引きずって帰りました」
「ああ、なるほど…」
「俺だとシェルディ嬢に対して強く出られませんので」
彼女はこの国にとって非常に重要な人物なので、色々制限が多いのだろう。帰り道で喧嘩していないと良いけれど、と思いながらオリバーさんと苦笑しあう。
「それからこちらはクロシェットさんからです」
そう言ってオリバーさんはお母さんの形見のペンダントを差し出してきた。「ありがとうございます」言いながら受け取って、すぐに装着した。数時間手元になかっただけなのに、随分長く離れていたような気がする。首元に緑色の輝きが戻って、ようやく落ち着いた。思わず一息つく。
「クロシェットさんから言伝です。『見えたものは今度会ったときに伝える』と」
「あ、そうなんですね。ありがとうございます。そのクロエちゃんは?」
「今日はもう休むと2階に上がっていきました。彼女には最近、警備隊補助員として例の爆弾や関連物の記録を連日読み取ってもらっていますから。相当疲れが溜まっているのでしょうね」
あの爆弾事件の犯人は未だ捕まっていない。少しでも手掛かりを得ようと警備隊全体で動いているのだろう。そんな中、個人的な用事を頼んでしまったことを今さらながら申し訳ないと思った。
「(今度会ったとき何かお礼の品を渡そうかな)」
せっかくだから明日にでもシャラさんにクロエちゃんの好物を聞いてみよう。そう思いながら、わたしはオリバーさんに付いてもらいながらクリンゲル店を後にした。
「そういえば今日、リリとは会いましたか?」
「はい。朝に会いに来てくださって」
「それは良かった。アシェラさんに会いに行くからと、昨日気合を入れて準備していましたから」
オリバーさんの口角が僅かに上がる。表情には乏しいけれど、リリーさんのことを話している彼は嬉しそうに見えた。
「オリバーさん、本当にリリーさんのことが大事なんですね」
「そうですね。これからもずっと守りたいと思っていますよ」
何の迷いもなく言いきられて、逆にわたしの方が照れてしまった。
隣に立っている人はいつもと違うけれど、今日も穏やかに一日が終わった。ダリアの件はずっと胸に引っかかっているが自分でも対策を進めているし、大丈夫だと漠然と思っていた。
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