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第09章 勇者召喚

04 正式な調印式

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 パーティー会場での突然の悲鳴が響き、何事かと思っている見てみるとそこには剣を抜いた少年。その対するはジマリートの息子であるジニアスがいる。どうしたのかと近づきダンクスに事情を聴いたところなんてことないただの事故みたいなものだった。しかし、状況はあまりよくない一応俺が剣を納めるように言ってみたのだがちっとも聞かない。まぁ、いくら俺が魔王といっても見た目は明らかに子供、そんな子供に剣を納めるように言われても聞くわけないよな。さてどうしたものかと悩んでいると不意に近づいてくる気配が。

「何事だ?」

 やってきたのはコルマベイント王、こんだけの騒ぎだ同然この場にいた王が気が付かないわけがない。

「も、申し訳ありません陛下。ロナール剣を仕舞いなさい」

 コルマベイント王がやってきたことで、1人の男が飛んできて少年にすぐに納めるように指示を出す。様子などからおそらく少年の父親なんだろうと思うが、問題はこのおっさん今しがた駆け付けた風を装っているが、俺は知っている。このおっさんがもっと前、俺が駆け付けるより前にこの事態に気が付いており、黙ってみてやがった。そして俺が駆け付けた時はにやついていた。おそらくだが息子が剣を向けた相手が魔族であったためにその出方を見ていたのだろう。それで何らかの反応を見せた時にいちゃもんをつけるつもりだったのかもしれない。例えばこの国交は間違いであるとかな。しかし、その目論見の最中にコルマベイント王がやってきてしまったことで慌てて飛んできたといったところか。

「男爵、これはどういうことだ。なぜ、おぬしの子息が我が客人に剣を向けておった」

 コルマベイント王にとって俺たちは客人、その客人でジニアスに剣を向けるということは間違いなく王の顔に泥を塗る行為に相違ない。

「も、申し訳もございません。その、わ、わたくしもそも、今来たばかりでその、ロナール、どういうことだ!」

 男爵といわれたおっさんはあまりのことにしどろもどろになった。まさかずっと様子を見ていましたとは言えまい。

「あ、ああ、そ、その」

 ロナール少年はいまだ気が動転しているのかまともにしゃべれそうにない。仕方ないここはこちら側から話すか。

「コルマベイント王、こちらも先ほど聞き取ったのですが、それによると……」

 というわけでダンクスから聞いた事をコルマベイント王に話した。といってもこれはあくまでこちら側の意見でしかないんだけどな。

「ふむ、なるほど、ということだが誠か?」

 コルマベイント王は今度こそとロナールに訪ねた。

「ち、ちが、違います。その、そ、その魔族に、妹が襲われて、それで、助けようと、して」

 ロナール少年はなんとダンクスとは違う証言をしだした。もちろん俺にはこれが嘘であることはすぐに判断できる。ダンクスが俺に嘘を言うわけはないという信頼もあるし何よりジニアスがそんなことをしないということはわかったうえでここに連れてきている。というか、ロナールは言い方もしどろもどろだし、言っていることも明らかに今考えました言い訳って感じで稚拙な内容になっている。誰が聞いたとしても嘘だと気が付くはずだ。
 しかし、現実はおかしなもので周囲に集まっていた者たちの大半がロナールの証言が正しいと言い出した。もちろん中には俺たちが正しいといってくれる者たちもいるが大半がロナールを支持している現状だ。
 これにはコルマゲイント王も困った。王としては公平に判断をする必要があるために双方の話が食い違っていると判断が難しい。
 特に厄介なところが、相手が俺たちつまりこれから交易をしようとしている者たちであるということだろう。例えばここで多くの賛同を得ているロナールを選んでしまうと俺たちとの間に亀裂が生まれることになる。もしこれが俺たちが交易を求める立場であればそこまで面倒にはならない。俺たちが排除されるだけだしな。しかし今回はコルマベイント王が自ら国交を申し込んできた。しかもその場に外部の立場である枢機卿がいた。確かに枢機卿はコルマベイント王の姉ではあるがそんなことは通用しない。枢機卿は姉としてではなく枢機卿としての立場で聞いていたからだ。そうなるとここで俺たちを敵に回すのは得策とは言えないだろう。となるとやはり明らかに嘘を言っているロナール少年を糾弾したとしよう。そうなると今度は国内の情勢が悪くなるという状況が生まれてしまうだろう。なにせ、この場にいる者たちの大半がロナールを支持しているのだから、王がそれを無視したということに相違ないとなってしまうからだ。
 さて、コルマベイント王はどちらを取るか、悩みどころだろうな。

「……お待ちください」

 不意にそんな消え入りそうな声が聞こえてきた。声のした方を見てみると、それはロナール少年の背後で座り込んでしまっている少女、確かダンクスの説明にあった少女だろう。

「ミリーア!」

 王がいる前で声を発したことで父親の男爵が強い口調で咎める。

「よい申してみよ」

 そんな男爵の言葉を止めたのはコルマベイント王、先ほど俺の話から彼女が当事者の一人であることを知っているから彼女の証言も欲しいということだ。

「は、はい、その、お兄様申し訳ありません。その、へ、陛下、すべてはわたくしが悪いのです。わたくしがその転びそうになって、ジニアス様がそれを助けていただいたのに、その悲鳴を上げてしまって、申し訳ありません。申し訳ありません」

 少女がすべてを語ってくれた。それはダンクスの証言が正しいと証明してくれ兄の証言が間違っているというものだ。だから最初に兄に対して誤ったのだろう。最後は大ごとになってしまったことに対する謝罪だろう。目にはたっぷりの涙があふれている。

「ふむ、そうなるとテレスフィリア王から聞き及んだことが正しいということになるな。ロナールと申したな。いうことはあるか」
「……」

 コルマベイント王はほっとしつつもロナール少年をにらみつける。彼のしたことは下手をするとテレスフィリアとの戦争に発展しかねないことだからな。コルマベイント王もそれだけは何としても避けたいところだろう。
 というのも、両国で戦争が発生した場合コルマベイントは戦いにすらならず破れるということをコルマベイント王は知っているからだろう。いや、兵力とかそういうことであればもちろんコルマベイントの方が上なんだけど、問題は俺が転移魔法が使え、しかもここ王城にやってこれるという事実があるからだ。これをされると兵力関係なくあっという間にコルマベイント王がなすすべもなくなってしまうんだよなぁ。それをコルマベイント王もわかっているからな。でも、ここでロナール少年を擁護しておこうと思う。

「コルマベイント王よろしいですか?」
「うむ、なんだろうテレスフィリア王」
「その少年ですが、確かに剣を抜きうその証言をしました。しかし、剣を抜いたことに関しては当方で咎めるつもりはありません」
「よいのか?」
「ええ、我々も皆さんが魔族に対してどのように感じるかはわかっていますから、実際ここにいる男ダンクスといいますが、ご覧の通り大きく目も鋭い子供が見れば確実に泣くようなもので戦力に関してもずば抜けたものを持っているのですが、初めて魔族を見た時はおびえておりました」
「ほぉ、そのようなものでもか?」
「はい、それほど人の身に沁みついた恐れなのでしょう。もちろん今は長らく共に過ごしたことで恐れとは無縁となりましたが、私としてはぜひ皆さんにもそうなっていただきたいと思っております」
「ふむ、なるほどそれほどのものが恐れを抱いている魔族を年端もいかない者たちが恐れるのは道理ということか」
「はい、その通りです」
「あいわかった。ではそのことに関してそのものを罰することは辞めておこう」
「あ、ありがとう存じます陛下」
「うむ、しかしうその証言をしたことは感心せん」

 剣を向けたことに関しての問題はないがうその証言をしたことはどうしようもない。

「それもまた少年であるということにしては? もちろん今後無いように叱る必要はあるとは思いますが」
「であるな。男爵テレスフィリア王の計らいにより今回は咎めん。しかし二度とないようにせよ」
「はっ!」

 男爵は先ほどまでの青ざめた表情から一遍深々と頭を下げた。

「さて、話も終わったところでシュンナ」
「んっ、ああ、わかったわちょっと待って」

 話が終わったところでシュンナの名を呼ぶ、するとシュンナもすぐに俺の意図を読み動き出した。

「ちょっとごめんね。その靴見せてもらえる?」
「えっ、は、はい?」

 シュンナは少女の元へ行き靴を指して断りを入れると、少女はかなり戸惑ったまま返事をしている。それを見たシュンナは微笑みながらもしゃがみ込み少女の靴に手をかけて脱がせた。

「えっ! あ、あの」
「ごめんね。ちょっと待ってて」

 そう言ってからシュンナは靴をもって俺の元へと戻ってきた。

「はいスニル借りてきたわよ」
「おう、悪いな。えっと、ああ、これまたポッキリといったな」

 シュンナが手に持つ靴を見てみると、ハイヒールのヒール部分が根元からポッキリと逝っていた。人族の世界においてこういったものを作成するのは人族の職人となるわけだが、いかんせん彼らの技術レベルはそこまで高くない。まぁこうして貴族が使っているからそれなりにはあるんだが、それでもこうしたものの作りが甘くなってしまう。そのためヒールなんかもちょっとしたことで折れることがあるそうだ。

「まっとりあえず直してしまうか、シュンナ持っててくれ」
「了解」
「”錬成””強化”」

 とりあえず直すということで”錬成”を行使した。するとポッキリと逝っていたヒールが見る見るうちにつながったが、ついでだ”強化”もしておいた、これでよほどのことがない限り再び折れることはないだろう。ああ、こっちだけだとバランスが悪いし何より反対も折れる可能性があるからな。こっそりともう方一歩も”強化”しておく。

「いいぞ」
「ええ、お待たせ。これで治っているはずよ」
「えっ、えっ?」

 いきなりヒールが治っていることに驚き戸惑っている。

「スニルの魔法よ。もう折れることはないと思うわ。そうでしょ」
「ああ、”強化”も使っておいたからよほどのことがない限り折れることはないだろう」
「あ、ありがとうございます」

 少女は戸惑いながらもお礼を言ってシュンナから渡された靴を履いたのだった。その後ヒールを確かめているようだが、問題なさそうだな。

「なるほど、確かに魔王というわけか、さすがよなテレスフィリア王」

 そんな一連のことを見ていたコルマベイント王が俺をほめてくれた。



 それから特に問題という問題は起きることなく無事にパーティーを終えたのだった。

 その後、俺は再びテレスフィリアに飛びジョアンナたちを呼びに行ってから、その日は王城内に泊まることになった。ちなみにジョアンナたちもそのまま王城に泊まっている。それというのも明日は朝からコルマベイント王等との会談があるからだ。まぁ、それは俺とジマリートだけで他の面々はコルマベイントの王子や王女貴族の子女数名とお茶会というものをしている。なんでもいつの間にか仲良くなったそうだ。ちなみにジマリートも俺から離れて幾人かの貴族と話していたらしい。ほんとすごいコミュ力だと思うこの点も彼らを同行者として選んだ理由ではあったが、俺としてはうらやましい限りだ。っと、それはどうでもいいとして、さっそく王との会談となった。


「さて、さっそくだが交易品について話し合おうと思う」
「よろしくお願いいたします」

 こうして始まった会談、といっても俺は1人ただ座っているだけとなる。それというのも何度も言うが俺は政治に関しては素人、こうした話し合いに散会したところでどうにかなるわけがない。というかついていけない。いや、まぁ俺も一応大学まで出ているから常識的なことぐらいならわかると思う。だからといってこんな話し合いに参加できるほどではない。とはいえさすがに俺もいつまでも参加できないというわけにもいかず今現在勉強中ではあるんだけどな。でも、俺は前世を含めてそんな頭のいい人間ではない。前世で通っていた学校もどちらかというと平均より下という感じだったし、そこでもさらに下から数えたほうがいいほどのランクだったから、はっきり言ってほぼさっぱりだ。

 そんなこんなでいくらかまとまった話をすると、まずこれまでの王同士の口約束のようなものだった国交を正式に調印しようというものや、交易品としてドワーフ製の服飾をはじめとしたいくらかの品となった。逆にコルマベイントからはいくらかの食材と鉱石となった。それというのも現在テレスフィリアにはドワーフがさんざん功績を撮りまくったことで若干鉱石不足になっているということと、食材も決まったものばかりしか手に入らなくなってしまっていたことが理由だ。というかよく1万年も同じものばかりで飽きなかったものだと感心した。まぁ、そうするしかなかったというのが現状なんだけどね。

「では、こちらのお取引は何より友人たちの解放によって、ということでよろしいですか?」
「うむもちろんだ。こちらの誠意としてもぜひとも完遂したいと考えておる」

 ジマリートが言う友人の解放というのはもちろん現在奴隷とされているテレスフィリアの民、の身内の解放と返還のこと。それはそうだろう友好を深めようというのに相手の身内に不当な扱いをしていていい関係が築けるわけがない。だから、国交は正式に決めるが取引自体は奴隷の解放とともにということになる。

「かしこまりました。では、まずは調印といたしましょう。よろしいですね陛下」
「ああ、もちろんだ。俺も故国と友好が結べるのならいうことはない」
「では、宰相」
「はっ、ではテレスフィリア魔王陛下こちらにサインを願います」
「ああ」

 それから宰相から受け取った羊皮紙、というかこれ何やら魔法的な細工がされているみたいだな。

「お気づきですか? こちらは魔道具となっておりましてこうした公的な書類に用いられるのです」

 宰相の説明によるとこの魔道具で結ばれた契約は破れば呪いを受けることになるのだそうだ。確かにこれには闇魔法の感じがあるな。

「なるほど、確かにこれは通常の紙でやるよりはふさわしいか」
「はい」

 というわけでさっそくその書類を読みしっかりと確認したのちジマリートにも確認してもらってからサインをしていく。そしてを宰相に渡して、今度はコルマベイント王がサインを記入していく。すると契約が成立したということで羊皮紙が光り輝いた。
 光が収まるとそこには全く同じ紙が2枚出現した。

「こちらをお持ちください」

 出てきた2枚のうち1枚を俺へ、もう1枚をコルマベイント王に渡したことで調印式が終了となった。契約で2枚の紙、それをそれぞれが所有することは一般的なことだろう、これでお互い契約を破ってもわかるというものだ。
 こうして、今ここにテレスフィリア魔王国とコルマベイント王国の間に正式な国交が樹立したのであった。また、これによりこの世界の歴史にテレスフィリア魔王国が刻まれた瞬間でもある。
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