72 / 162
第05章 家族
01 新たな旅立ち
しおりを挟む
サーナを保護して、俺たちで引き取るようになってから10か月の時が経った。本当なら半年ぐらいで旅を再開するつもりだったが、ポリーをはじめとした多くの村人たちから待ったをかけられたために今日まで村にいたというわけだ。さて、そんな10か月の間の話を少ししておこう、まず最初に話すのはシムサイト商業国のことだ。
結論から言うとオリフェイスをはじめ、奴隷狩りに関わっていた連中は軒並み失脚、いや転落した。
どういうことかというと、まず俺が改造した奴隷の首輪が出回るようになったわけだが、一番割を食うことになったのは当然ながら奴隷狩りどもだった。それはそうだろう俺が改造したものは犯罪や借金を含む自業自得な奴だけに嵌めることができるものだ。コルマベイントやウルベキナしか知らないが普通に使う分には問題は起きない。しかし奴隷狩りははじめから無実の人間に首輪を勝手にはめる。そういったことでは当然はまるわけはない。そうなるとどうなるか、その相手が一般人なら何も起きないだろうが、相手が戦闘職例えば冒険者などなら怒って反撃を受けることになるだろう。
実際ウルベキナで高位冒険者相手に、だまして首輪をはめようとしたものがいた。その時に使ったのが俺が改造したものだった。しかもその冒険者はまっとうな冒険者であり不正も犯罪も全くしていなかった。そのため首輪がはまらず、しかも冒険やはすぐにそれが奴隷の首輪で自分が騙されたことに気が付いた。そこで憤慨した冒険者は奴隷狩りを締め上げた。そうして、聞き出した情報をもとに奴隷狩りの拠点を襲撃。得られた情報を冒険者ギルドへ報告したという、ギルドもこれまで多くの冒険者が行方不明になったり、仲間がさらわれたなどの情報も得ていたことで、本腰を入れて調査を行った。その結果シムサイトが関わっているということが分かった。これにはギルドも手を出せない案件となった。それはそうだろう、相手は国、しかも冒険者ギルドのない国だ、そんなところに喧嘩を売れるわけがない。そこで国民がさらわれたということで、国に託した。さすがに国もシムサイトに抗議という形を使ったわけだが、これを受けたシムサイト側が、偶然にも野党側の議員だった。もちろん彼ら野党側には身に覚えのないこと、それでも奴隷狩りという話は聞いたことがあったために、これはもしやと思い秘密裏に調査を開始、その結果俺たち同じような経緯をもってオリフェイスたちにたどり着いた。野党議員たちは歓喜したことだろう、これを使えば与党から政権を奪えると考えたからだ。
なぜ俺がここまで知っているのかというと、実はここまでシムサイト側から見ていてこれらの動きはすべて把握していたからだ。また助け舟として、オリフェイスたちの店から奪っておいた犯罪の証拠などを書き記したものを、野党議員トップ議員の机の上にいくつか置いておいた。もちろんその議員も意味が分からず困惑していたが一応という感じに裏付け捜査を行った。その結果間違いないことが判明し、それをもとにオリフェイスたちを糾弾した。その結果オリフェイスたち奴隷狩りにかかわった議員を含む与党議員数名が更迭ののち逮捕された。それからさらに詳しく調べるために各店に家宅捜査を行い、多くの犯罪が判明したこと、奴隷狩りという他国民を誘拐し奴隷にするという暴挙を行ったことから逮捕され犯罪奴隷となった。まさか皮肉にも奴隷狩りを行っていたものたちが自ら奴隷となったわけだ。
とまぁ、シムサイトの話はこれぐらいにして、次は俺たちの話をしておこう。あれからシュンナはエリゼ婆ちゃんや、村の女性たちとともにサーナのおむつや服などを縫いまくっていた。あとは主にサーナのための動きばかりしていたように思える。はたから見ていると大変そうにしか見えないが、シュンナ自身は母性にでも目覚めたのかかなり楽しそうにしていた。
一方ダンクスはというと、この際と言わんばかりに森へと赴き狩りをしまくり、村の男たちへの簡単な戦闘訓練や狩りの仕方などを教えていった。
んで、俺はというと先も言ったようにシムサイトにちょくちょく行ったり、ポリーの遊び相手をしたり、ダンクスとともに狩りに出かけたりしていた。そのほかにも俺たち3人はサーナを連れてカリブリンに出かけて、ワイエノおじさんとシエリルおばさんの元を訪れたりしていた。そうそう、その時2人に頼まれてフリーズドライの工場を新たに建てた。ていうか、貧民街の土地をかなり工場として建て替えることになった。そのおかげで貧民街がだいぶ縮小された上に治安もかなり良くなったといってもいいだろう。それに、これまで孤児院に行くには治安の悪い場所を通らなくてはならず女子供がおいそれと歩き回れるような道ではなかったが、今では孤児院までの道がすべて工場の敷地となり子供たちも安全に街へ出かけられるようになった。ちなみに増やした工場の従業員はどうしたのかというと、これは貧民街の住人たちを雇い入れることで解決した。もちろん誰でもってわけではなくちゃんと人となりを見た上に、鑑定をかけて問題ないことを確認してからであることは言うまでもないだろう。
それと、ついでに言っておくとカリブリンの孤児院やフリーズドライの件で領主から権利などを差し出せてきなとことを言われたようだが、そこらへんは俺たちもぬかりなく行っており問題ない。というのも、孤児院で作っている野菜、これは領主の土地ではなく俺たちが買った土地となり表向きはダンクスの畑となっている。そこを子供たちが世話をし、給料としてその売り上げを与えているという形にしてある。また、フリーズドライに関しては言うまでもなくシエリルおばさんとワイエノおじさんの所有、たとえ領主でも無理は言えないというわけだ。
とまぁ、そんな風に過ごすこと10か月、今日は8月15日俺の誕生日だが、実は俺たちが今日まで村にとどまっていた理由でもある。というのも2か月ほど前、その日はポリーの誕生日だったわけだがその際についついポリーの日本ではどうかという質問に毎年祝っていたことを話した。すると、なら今年俺の誕生日を祝っても問題ないということになり、旅の再開は今日まで延期しなさいと言われ、それを聞いたシュンナとダンクスまで乗り気になったことでこうなったわけだ。
「スニル、誕生日おめでとう」
「おめでとう」
「お、おう、ありがと」
ポリーが代表して誕生日を祝ってくれたが、なんとも恥ずかしいものがあるな。考えてみると前世でも俺は家族以外からこうして誕生日を祝ってもらったことはなかった。だからだろうか今結構うれしいと感じている。
それから相も変わらず誰が主役かわからないままの宴会が行われて、俺たち子供組はさっさと寝てしまったが、大人たちは夜通し飲んでいたようだ。
そうして翌日、俺たちは再び旅立つことになった。
「スニル、ちゃんと手紙書いてよね。それと、たまには帰って来てよ」
「おう、わかってるって」
「シュンナいいかい、サーナは……」
俺とポリーが別れの挨拶をいつものようにしていると、近場ではエリゼ婆ちゃんがシュンナにサーナの世話の仕方などを話しているようだ。俺も後で聞いておかないとな。
「ダンクス、スニルとサーナを頼むぜ」
「おう、任せろ」
一方でダンクスは村の男たちとの別れを行っているようだ。
こうしてそれぞれの別れを済ませたのち俺たちは旅立った。
「まずはカリブリンだな。”転移”するか?」
「いや、特に焦る旅でもないし、のんびり行こう」
俺たちがまず向かうのはカリブリン、今回はそこから南へ向かう予定となっている。なぜ続きとしてのシムサイトに行かないかというと、あそこはもともと奴隷狩り関連ということで向かっただけで、シュンナのことを考えるとできることなら行きたくない。あそこではシュンナはいろいろ制限されることになるしな。それにシムサイトは先のことでまだまだ混乱が続いているということもある。というわけで、せっかくスタート地点であるゾーリン村に戻ったのだから、どうせなら今度は南へ行ってみようとなったわけだ。
さて、そういうわけで歩くことしばし、サーナはよくわかってはいなくとも出かけることは分かっているのか、先ほどからきゃっきゃっ言って喜んでいるようだ。
「サーナ、喜んでるな」
「ほんとねぇ。お出かけってわかってるのかな」
「かもな」
サーナは現在ダンクスが抱いているわけだが、これには当然理由がある。まず俺の場合、最近130ぐらいまで伸びたとはいえ、まだまだ赤ん坊を抱くと大きくて下手すると前が見えなくなるし見た目がちょっと問題がある。また、シュンナは150ぐらいなので、抱く分にはそれほど問題はないが、実はシュンナは力がそこまでない。普段戦闘時などは身体強化を使っているために人並外れた力を発揮するが、使わなければ一般的な女性より少し力がある程度でしかなく、サーナを抱いて長時間歩くなんてできない。そんな俺たちに対してダンクスは身体強化を使うまでもなく人並外れた力を持っている。ていうか、多分地球で世界一の力を持っているというギネスやオリンピックの金メダリストなどを圧倒する力を持っており、ダンクスにとって赤ん坊の重さなんてものは綿毛みたいなものだそうだ。
「俺にとってはスニルだって綿毛みたいなもんだぜ」
そう言うことらしい、確かに俺は小さく痩せているから軽いだろうな。それはさておき、街道を歩くことしばらく、そろそろ日が暮れそうな時刻となってきた。
「そろそろ、今日はこのぐらいにしておくか」
「そうね」
「おう、んじゃ、テント出すか」
今日はここまでということでテントを取り出し中へと入っていく。
「ほれっ、サーナはここな」
「あぅー、だ」
テントに入るとすぐにあるリビングにはサーナ専用のベビーベッドがあり、そこにサーナを下した。
「まずはサーナのミルクだね」
そう言ってシュンナはキッチンへ向かいお湯を沸かし始めた。その後、慣れた手つきで哺乳瓶を取り、そこに粉ミルクとお湯を入れてよく振り出した。
「このぐらいかな。どうスニル」
シュンナがそう言ってできたミルクを俺に手渡してきた。シュンナも作り慣れているので問題ないはずだが、何か間違いがあっても困るのでこうして俺もまた確認しているというわけだ。うん、問題ないな、温度も人肌ぐらいだ。
「いいんじゃないか。これなら問題ないだろ」
「うん、それじゃ。さぁ、サーナちゃん……」
シュンナは普段話す時はサーナと呼ぶがこうして直接呼びかけるときはちゃんをつけて呼んでいる。それで、そのサーナを抱き上げてミルクを与え始めたのだった。それを見ていた俺とダンクスはというと、自分たちのご飯を取り出し準備をしていくのだった。
その後、寝てしまったサーナを眺めつつ俺たちも適当に過ごしたのちそれぞれ眠りについたのだった。初めての旅で、サーナはどうだろうかと思ったが、思った以上にサーナは喜んでいたことにほっとする俺たちであった。
こうして、出発してから3日、道中でダンクスとシュンナと出会ったところを懐かしみながらも、俺たちは何とかカリブリンへと到着したのだった。あの時は俺もヒーヒー言いながら歩きダンクスの肩に乗ったものだが、今では何とか息切れもせずに歩くことができるようになっている。まぁ、歩く速度はそこまで変わっていないが、こればかりは仕方ない。身長が伸びたといっても100が130になっただけ、結局は子供の身長でしかないからな。俺たちの間で一番歩幅のあるダンクスには悪いがゆっくり行くとしよう。
「カリブリンにはよらないんだよね」
「そうだな。村にいた時さんざん行ったしな」
「だな」
この間までよくカリブリンに行っていたこともあり、いまさら改めていく必要を感じない。ということで、今回はカリブリンを素通りして南へ向けて出発することにした。
てなわけで、さらに歩くこと4日が経過した。
「そろそろ、あれを起動しておいた方がいいんじゃないか」
「あっ、忘れてた」
「おう、そうだな」
ダンクスが言ったあれというのは、俺たちが身に着けているフード付きマントの留め具として作った魔道具のことだ。これは変装の魔道具で、サーナを含めた俺たち全員が持っているものだ。サーナの場合は耳と尻尾を隠すためのものでこれがないとサーナが獣人だとばれてしまうから、基本常につけるようにしている。一方で俺たちのものはというと、まずダンクスはその特徴である身長を縮むようにして、顔も強面ではなく普通にしておいた。シュンナに関しては、やはりその大きな胸を小さくし、顔も少しだけ年齢を上げて、普通にしておいた。それで、俺はというと、身長は少し上げて顔はダンクスに施したもの寄りにしてある。こうすることでダンクスとシュンナが夫婦で俺とサーナがその子供という設定にすることができる。
「ダンクスと夫婦ってのはちょっとね」
「仕方ないだろ、俺たちの組み合わせで一番しっくりくるからな」
「まっ、どうせ国境を超えるまでだろ」
「そういうこと」
「はぁ、仕方ないか、さっさと済ませましょ」
ということで俺たちは魔道具を起動してから連れ立って歩き出した。そうそう、俺たちの姿が変わっていることにサーナは大丈夫かという心配があるだろうが、これには全く問題ない。一応確認として村でやってみたが姿が変わってもサーナは変わらず俺たちになついていた。というのも、サーナたち獣人という種族は鼻がよく人などを見て判断しているわけではなくにおいで判断している。それは赤ん坊でも同じで、いくら姿が変わっていてもにおいまでは変わらないからサーナにとっては変わっていないのと同じということだ。
余談だが、変装の魔道具で身長まで変えているわけだがこれはどういうことかというと、なんてことはない単にそういう風に見えるようにしてあるというだけで、実際に身長が変わっているわけではない。そのため、例えばダンクスは本来の胸のあたりに頭が来るようになっているから、相手はダンクスの顔を見ているつもりでも実際にはダンクスの胸を見ているというわけだ。
「次、身分証と渡航目的は?」
国境へとやって来たところで兵士がそう言ってきた。
「身分証はない、目的は旅だな」
「旅? 子供連れでか?」
「ああ、まぁな」
普通子供を連れて旅をすることはない。だから兵士も驚いている。
「そ、そうか、まぁ、気をつけろよ。それと、通行料は……」
その後通行料を払い、緩衝地帯を抜けたのち、ブリザリア王国へと入国したのだった。
「全く疑われなかったな」
「変装は完璧ってな」
「ほんとすごいよね。これ」
「あうぁー」
本当にあっさりと国境を抜けることができたことで、安堵しつつも拍子抜けしている俺たちであった。
結論から言うとオリフェイスをはじめ、奴隷狩りに関わっていた連中は軒並み失脚、いや転落した。
どういうことかというと、まず俺が改造した奴隷の首輪が出回るようになったわけだが、一番割を食うことになったのは当然ながら奴隷狩りどもだった。それはそうだろう俺が改造したものは犯罪や借金を含む自業自得な奴だけに嵌めることができるものだ。コルマベイントやウルベキナしか知らないが普通に使う分には問題は起きない。しかし奴隷狩りははじめから無実の人間に首輪を勝手にはめる。そういったことでは当然はまるわけはない。そうなるとどうなるか、その相手が一般人なら何も起きないだろうが、相手が戦闘職例えば冒険者などなら怒って反撃を受けることになるだろう。
実際ウルベキナで高位冒険者相手に、だまして首輪をはめようとしたものがいた。その時に使ったのが俺が改造したものだった。しかもその冒険者はまっとうな冒険者であり不正も犯罪も全くしていなかった。そのため首輪がはまらず、しかも冒険やはすぐにそれが奴隷の首輪で自分が騙されたことに気が付いた。そこで憤慨した冒険者は奴隷狩りを締め上げた。そうして、聞き出した情報をもとに奴隷狩りの拠点を襲撃。得られた情報を冒険者ギルドへ報告したという、ギルドもこれまで多くの冒険者が行方不明になったり、仲間がさらわれたなどの情報も得ていたことで、本腰を入れて調査を行った。その結果シムサイトが関わっているということが分かった。これにはギルドも手を出せない案件となった。それはそうだろう、相手は国、しかも冒険者ギルドのない国だ、そんなところに喧嘩を売れるわけがない。そこで国民がさらわれたということで、国に託した。さすがに国もシムサイトに抗議という形を使ったわけだが、これを受けたシムサイト側が、偶然にも野党側の議員だった。もちろん彼ら野党側には身に覚えのないこと、それでも奴隷狩りという話は聞いたことがあったために、これはもしやと思い秘密裏に調査を開始、その結果俺たち同じような経緯をもってオリフェイスたちにたどり着いた。野党議員たちは歓喜したことだろう、これを使えば与党から政権を奪えると考えたからだ。
なぜ俺がここまで知っているのかというと、実はここまでシムサイト側から見ていてこれらの動きはすべて把握していたからだ。また助け舟として、オリフェイスたちの店から奪っておいた犯罪の証拠などを書き記したものを、野党議員トップ議員の机の上にいくつか置いておいた。もちろんその議員も意味が分からず困惑していたが一応という感じに裏付け捜査を行った。その結果間違いないことが判明し、それをもとにオリフェイスたちを糾弾した。その結果オリフェイスたち奴隷狩りにかかわった議員を含む与党議員数名が更迭ののち逮捕された。それからさらに詳しく調べるために各店に家宅捜査を行い、多くの犯罪が判明したこと、奴隷狩りという他国民を誘拐し奴隷にするという暴挙を行ったことから逮捕され犯罪奴隷となった。まさか皮肉にも奴隷狩りを行っていたものたちが自ら奴隷となったわけだ。
とまぁ、シムサイトの話はこれぐらいにして、次は俺たちの話をしておこう。あれからシュンナはエリゼ婆ちゃんや、村の女性たちとともにサーナのおむつや服などを縫いまくっていた。あとは主にサーナのための動きばかりしていたように思える。はたから見ていると大変そうにしか見えないが、シュンナ自身は母性にでも目覚めたのかかなり楽しそうにしていた。
一方ダンクスはというと、この際と言わんばかりに森へと赴き狩りをしまくり、村の男たちへの簡単な戦闘訓練や狩りの仕方などを教えていった。
んで、俺はというと先も言ったようにシムサイトにちょくちょく行ったり、ポリーの遊び相手をしたり、ダンクスとともに狩りに出かけたりしていた。そのほかにも俺たち3人はサーナを連れてカリブリンに出かけて、ワイエノおじさんとシエリルおばさんの元を訪れたりしていた。そうそう、その時2人に頼まれてフリーズドライの工場を新たに建てた。ていうか、貧民街の土地をかなり工場として建て替えることになった。そのおかげで貧民街がだいぶ縮小された上に治安もかなり良くなったといってもいいだろう。それに、これまで孤児院に行くには治安の悪い場所を通らなくてはならず女子供がおいそれと歩き回れるような道ではなかったが、今では孤児院までの道がすべて工場の敷地となり子供たちも安全に街へ出かけられるようになった。ちなみに増やした工場の従業員はどうしたのかというと、これは貧民街の住人たちを雇い入れることで解決した。もちろん誰でもってわけではなくちゃんと人となりを見た上に、鑑定をかけて問題ないことを確認してからであることは言うまでもないだろう。
それと、ついでに言っておくとカリブリンの孤児院やフリーズドライの件で領主から権利などを差し出せてきなとことを言われたようだが、そこらへんは俺たちもぬかりなく行っており問題ない。というのも、孤児院で作っている野菜、これは領主の土地ではなく俺たちが買った土地となり表向きはダンクスの畑となっている。そこを子供たちが世話をし、給料としてその売り上げを与えているという形にしてある。また、フリーズドライに関しては言うまでもなくシエリルおばさんとワイエノおじさんの所有、たとえ領主でも無理は言えないというわけだ。
とまぁ、そんな風に過ごすこと10か月、今日は8月15日俺の誕生日だが、実は俺たちが今日まで村にとどまっていた理由でもある。というのも2か月ほど前、その日はポリーの誕生日だったわけだがその際についついポリーの日本ではどうかという質問に毎年祝っていたことを話した。すると、なら今年俺の誕生日を祝っても問題ないということになり、旅の再開は今日まで延期しなさいと言われ、それを聞いたシュンナとダンクスまで乗り気になったことでこうなったわけだ。
「スニル、誕生日おめでとう」
「おめでとう」
「お、おう、ありがと」
ポリーが代表して誕生日を祝ってくれたが、なんとも恥ずかしいものがあるな。考えてみると前世でも俺は家族以外からこうして誕生日を祝ってもらったことはなかった。だからだろうか今結構うれしいと感じている。
それから相も変わらず誰が主役かわからないままの宴会が行われて、俺たち子供組はさっさと寝てしまったが、大人たちは夜通し飲んでいたようだ。
そうして翌日、俺たちは再び旅立つことになった。
「スニル、ちゃんと手紙書いてよね。それと、たまには帰って来てよ」
「おう、わかってるって」
「シュンナいいかい、サーナは……」
俺とポリーが別れの挨拶をいつものようにしていると、近場ではエリゼ婆ちゃんがシュンナにサーナの世話の仕方などを話しているようだ。俺も後で聞いておかないとな。
「ダンクス、スニルとサーナを頼むぜ」
「おう、任せろ」
一方でダンクスは村の男たちとの別れを行っているようだ。
こうしてそれぞれの別れを済ませたのち俺たちは旅立った。
「まずはカリブリンだな。”転移”するか?」
「いや、特に焦る旅でもないし、のんびり行こう」
俺たちがまず向かうのはカリブリン、今回はそこから南へ向かう予定となっている。なぜ続きとしてのシムサイトに行かないかというと、あそこはもともと奴隷狩り関連ということで向かっただけで、シュンナのことを考えるとできることなら行きたくない。あそこではシュンナはいろいろ制限されることになるしな。それにシムサイトは先のことでまだまだ混乱が続いているということもある。というわけで、せっかくスタート地点であるゾーリン村に戻ったのだから、どうせなら今度は南へ行ってみようとなったわけだ。
さて、そういうわけで歩くことしばし、サーナはよくわかってはいなくとも出かけることは分かっているのか、先ほどからきゃっきゃっ言って喜んでいるようだ。
「サーナ、喜んでるな」
「ほんとねぇ。お出かけってわかってるのかな」
「かもな」
サーナは現在ダンクスが抱いているわけだが、これには当然理由がある。まず俺の場合、最近130ぐらいまで伸びたとはいえ、まだまだ赤ん坊を抱くと大きくて下手すると前が見えなくなるし見た目がちょっと問題がある。また、シュンナは150ぐらいなので、抱く分にはそれほど問題はないが、実はシュンナは力がそこまでない。普段戦闘時などは身体強化を使っているために人並外れた力を発揮するが、使わなければ一般的な女性より少し力がある程度でしかなく、サーナを抱いて長時間歩くなんてできない。そんな俺たちに対してダンクスは身体強化を使うまでもなく人並外れた力を持っている。ていうか、多分地球で世界一の力を持っているというギネスやオリンピックの金メダリストなどを圧倒する力を持っており、ダンクスにとって赤ん坊の重さなんてものは綿毛みたいなものだそうだ。
「俺にとってはスニルだって綿毛みたいなもんだぜ」
そう言うことらしい、確かに俺は小さく痩せているから軽いだろうな。それはさておき、街道を歩くことしばらく、そろそろ日が暮れそうな時刻となってきた。
「そろそろ、今日はこのぐらいにしておくか」
「そうね」
「おう、んじゃ、テント出すか」
今日はここまでということでテントを取り出し中へと入っていく。
「ほれっ、サーナはここな」
「あぅー、だ」
テントに入るとすぐにあるリビングにはサーナ専用のベビーベッドがあり、そこにサーナを下した。
「まずはサーナのミルクだね」
そう言ってシュンナはキッチンへ向かいお湯を沸かし始めた。その後、慣れた手つきで哺乳瓶を取り、そこに粉ミルクとお湯を入れてよく振り出した。
「このぐらいかな。どうスニル」
シュンナがそう言ってできたミルクを俺に手渡してきた。シュンナも作り慣れているので問題ないはずだが、何か間違いがあっても困るのでこうして俺もまた確認しているというわけだ。うん、問題ないな、温度も人肌ぐらいだ。
「いいんじゃないか。これなら問題ないだろ」
「うん、それじゃ。さぁ、サーナちゃん……」
シュンナは普段話す時はサーナと呼ぶがこうして直接呼びかけるときはちゃんをつけて呼んでいる。それで、そのサーナを抱き上げてミルクを与え始めたのだった。それを見ていた俺とダンクスはというと、自分たちのご飯を取り出し準備をしていくのだった。
その後、寝てしまったサーナを眺めつつ俺たちも適当に過ごしたのちそれぞれ眠りについたのだった。初めての旅で、サーナはどうだろうかと思ったが、思った以上にサーナは喜んでいたことにほっとする俺たちであった。
こうして、出発してから3日、道中でダンクスとシュンナと出会ったところを懐かしみながらも、俺たちは何とかカリブリンへと到着したのだった。あの時は俺もヒーヒー言いながら歩きダンクスの肩に乗ったものだが、今では何とか息切れもせずに歩くことができるようになっている。まぁ、歩く速度はそこまで変わっていないが、こればかりは仕方ない。身長が伸びたといっても100が130になっただけ、結局は子供の身長でしかないからな。俺たちの間で一番歩幅のあるダンクスには悪いがゆっくり行くとしよう。
「カリブリンにはよらないんだよね」
「そうだな。村にいた時さんざん行ったしな」
「だな」
この間までよくカリブリンに行っていたこともあり、いまさら改めていく必要を感じない。ということで、今回はカリブリンを素通りして南へ向けて出発することにした。
てなわけで、さらに歩くこと4日が経過した。
「そろそろ、あれを起動しておいた方がいいんじゃないか」
「あっ、忘れてた」
「おう、そうだな」
ダンクスが言ったあれというのは、俺たちが身に着けているフード付きマントの留め具として作った魔道具のことだ。これは変装の魔道具で、サーナを含めた俺たち全員が持っているものだ。サーナの場合は耳と尻尾を隠すためのものでこれがないとサーナが獣人だとばれてしまうから、基本常につけるようにしている。一方で俺たちのものはというと、まずダンクスはその特徴である身長を縮むようにして、顔も強面ではなく普通にしておいた。シュンナに関しては、やはりその大きな胸を小さくし、顔も少しだけ年齢を上げて、普通にしておいた。それで、俺はというと、身長は少し上げて顔はダンクスに施したもの寄りにしてある。こうすることでダンクスとシュンナが夫婦で俺とサーナがその子供という設定にすることができる。
「ダンクスと夫婦ってのはちょっとね」
「仕方ないだろ、俺たちの組み合わせで一番しっくりくるからな」
「まっ、どうせ国境を超えるまでだろ」
「そういうこと」
「はぁ、仕方ないか、さっさと済ませましょ」
ということで俺たちは魔道具を起動してから連れ立って歩き出した。そうそう、俺たちの姿が変わっていることにサーナは大丈夫かという心配があるだろうが、これには全く問題ない。一応確認として村でやってみたが姿が変わってもサーナは変わらず俺たちになついていた。というのも、サーナたち獣人という種族は鼻がよく人などを見て判断しているわけではなくにおいで判断している。それは赤ん坊でも同じで、いくら姿が変わっていてもにおいまでは変わらないからサーナにとっては変わっていないのと同じということだ。
余談だが、変装の魔道具で身長まで変えているわけだがこれはどういうことかというと、なんてことはない単にそういう風に見えるようにしてあるというだけで、実際に身長が変わっているわけではない。そのため、例えばダンクスは本来の胸のあたりに頭が来るようになっているから、相手はダンクスの顔を見ているつもりでも実際にはダンクスの胸を見ているというわけだ。
「次、身分証と渡航目的は?」
国境へとやって来たところで兵士がそう言ってきた。
「身分証はない、目的は旅だな」
「旅? 子供連れでか?」
「ああ、まぁな」
普通子供を連れて旅をすることはない。だから兵士も驚いている。
「そ、そうか、まぁ、気をつけろよ。それと、通行料は……」
その後通行料を払い、緩衝地帯を抜けたのち、ブリザリア王国へと入国したのだった。
「全く疑われなかったな」
「変装は完璧ってな」
「ほんとすごいよね。これ」
「あうぁー」
本当にあっさりと国境を抜けることができたことで、安堵しつつも拍子抜けしている俺たちであった。
21
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
最弱賢者の転生者 ~四度目の人生で最強になりました~
木嶋隆太
ファンタジー
生まれ持った職業によって優劣が決まる世界で、ロワールは僧侶という下級職として生まれた。下級職だったため、あっさりと死んでしまったロワールだったが、彼は転生した。――最強と呼ばれる『賢者』として。転生した世界はロワールの時代よりも遥かに魔法のレベルが落ちた世界であり、『賢者』は最弱の職業として知られていた。見下され、バカにされるロワールだったが、彼は世界の常識を破壊するように大活躍し、成り上がっていく。※こちらの作品は、「カクヨム」、「小説家になろう」にも投稿しています。
最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる