22 / 162
第02章 旅立ちと出会い
06 孤児院
しおりを挟む
冒険者ギルドで偶然出会った両親の冒険者時代の仲間、シエリルから両親の冒険者時代の話を聞かせてもらった。
それによると、俺の両親はお互いに一目ぼれをしており、この街でかなり頑張って活動をして、その実力は結構上位にいたそうだ。
「それでスニル、これからどうするか決めているのか?」
シエリルから解放されたところで、ワイエノが今後の予定を尋ねてきた。
「父さんが……」
「ただいまぁ、母ちゃんめしー、はらへったぁ」
俺が予定を話そうとしたところで、そんな少年と思われる声が響き続いてドタドタと大きな足音がしてきた。
「どうやら、バカが帰って来たみたいだな」
「はぁ、そうみたいね」
ワイエノとシエリルが少しため息交じりでそういった。
おそらく、というか間違いなく2人の息子なんだろう。
そうこうしていると、ドタドタ音が近づいてきて、部屋の扉がバーンと勢いよく開けられた。
「なんだ、母ちゃん、こんなとこに、うわぁ!」
「ちょっとウィルク、ちゃんとノックしなきゃ、って、どうしたの、きゃぁ!」
入って来たのは、元気そうな少年とその背後から同じ年頃の少女だった。
そうして入るなり、2人の視界に目立つダンクスが入ったんだろう、悲鳴を上げた。
「はぁ、ウィルク、お客さんに失礼でしょ」
シエリルはあまり失礼な息子をしかりつけた。
まぁ、俺たちがいるからこんな言い方だけど、後でこってりしぼられるだろうな、ウィルクは若干青ざめてるし。
「ご、ごめんなさい、えっと、は、はじめまして、私は、隣のルモアと言います。えっと、さっきはその、悲鳴を上げてごめんなさい」
少女はルモアといい、どうやらこの家の子ではなくとなりの子だそうだ。
そんで、そのルモアは自己紹介の後、ダンクス相手にいきなり悲鳴を上げたことを詫びたのだった。
「気にしなくてもいいわよ。こんな怖い顔したダンクスが悪いんだからね。ああ、あたしはシュンナよ、よろしくね」
そんなルモアにダンクスではなくシュンナが返事をした。
「悪かったな。まぁ、なんだ、シュンナも言ったが、気にする必要はないぜ。っで、俺はダンクスだ。っで、こいつはスニルな」
「スニル君、よろしく」
ルモアは俺を見て年下と思ったのか笑顔でそういったが、まぁ、鑑定したら確かに俺より1つ上だった。
「ほら、ウィルク、あんたも自己紹介しなさい」
「わ、わかったよ。俺はウィルクだ。世界一の冒険者になる予定だ」
いかにも子供らしい、目標の高いことで何よりだな。俺はなんだか聞いていてほほえましくなった。
今の俺にはないよな、こういうの、まぁ、見た目は子供で中身は大人だから仕方ないが。
「ふふっ、いい目標ね」
それを聞いたシュンナが微笑みながらそういうと、言われたウィルクは顔を真っ赤にしてフリーズした。
気持ちはわかる。絶世の美少女たるシュンナから、あんな風に言われたら俺だってフリーズしそうだ。
「ふごっ」
シュンナに見とれているウィルクをみたルミアが、ウィルクをグーで殴り飛ばした。
って、グーで行くのか。見た目はおとなしそうで礼儀正しい少女なんだけど、怒るとこえぇな。
「え、えっと、騒がしくて、ごめんね」
殴り飛ばされて気を失った息子を見てため息をつきつつも、シエリルはそういって謝ってきた。
ウィルクはあれでいんだろうか、そう思ったが、ここはあえて黙っておこう、こういう時無口キャラは特だな。
生まれて初めて、この根暗な無口キャラが役に立った瞬間であった。
「あ、ああ、そうだ。スニル、お前たちの今後だったな」
「あ、ああ、うん、えっと、そうだな」
ワイエノが気を失っている息子を横目に、思い出したようにさっきの話の続きを始めたので、俺も乗ってみることにした。
「えっと、一応父さんが育ったっていう孤児院に行きたいと思ってるんだ」
「孤児院、なるほどなぁ。ああ、でも、孤児院は今ヒュリックがいたころとは別のところに移動してるぞ。まぁ、院長は同じだったはずだがな」
「えっ、移動?」
「ああ、五年ぐらい前か」
「確か、そのぐらいだったわね」
それから、昼食を作るからとシエリルが出て行き、その後をルミアも追いかけていった。
ちなみに、俺たちにも食って行けということで、遠慮できずごちそうになるととなったのは言うまでもないだろう。
んで、その間にワイエノが俺たちに孤児院について話してくれた。
それによると、なんでも今から5年前、この街に王都(ここは王国みたいだ)で新進気鋭の商会が支店を出そうとやって来た。
というのも、ここカリブリンは王国の南部に位置しており、南にあるブリザリア王国(そういえば、この国って何て名前だ。自分の国より先に隣国の名前を知ってしまった)との交易の通り道になる。
確かに、街はでかいし、よく栄えているなぁとは思っていたけどな。
そんな街だから、新しい商会はぜひとも店を出したいと考えるわけだ。だが、いい場所はすでにほかの商会がとっており、新しい店を出すスペースなどはなかった。
そりゃぁ、当然だ。
だが、その商会はあきらめなかった、なにせよく見たら、1つだけ好立地があるじゃないかと思い至った。
それこそが、孤児院だった。
どういうことかというと、なんでもこの街の孤児院は中央通りに面した場所にあったらしい。
おっと、その前にダンクスから聞いたことを説明しておくと、実はこの国の街はどこに行っても必ず1つは孤児院があるそうで、その理由は、数代前の国王だった。
国王はかなりの子供好きだったそうで、子供が浮浪となったり孤児の環境が酷いことを知り、嘆き法律として街に1つ孤児院を作るようにと命じた。また、その際、子供は明るい場所で育つべきだとして、中央通りにほど近い場所であるべきだと、まぁ、これは法律ではなく指示だったらしいが。
それに貴族たちは従うしかなく、多くの街では中央通りから少し路地に入ったところに作られたそうだが、この街の当時の領主は何を思ったのか、国王の指示を曲解し、中央通りそのものに孤児院を作ってしまった。
なぜ、これが悪いのか、それは簡単で例えば子供が外で遊ぼうと孤児院を飛び出すと、そこには多くの人や馬車などが通る。そんなところでは危なく、結局院内でしか遊べなかったそうだ。
なら、裏や脇はと思うかもしれないが、孤児院の場所はブロックの中頃であり建物が密集しているために、出られず出るには中央通りしかなかったらしい。
とまぁ、そんな孤児院の場所は、商会にとっては好立地、ということで商会は土地の持ち主たる領主に直接商談を持ち掛けた。
そして、現在のこの街の領主は子供嫌い、つまり中央通りに孤児院があることが嫌で仕方なかったらしく、これをすぐに了承したために、孤児院は追い出されるように場所を移すこととなった。
んで、その場所だけど……。
「あそこは、貧民街だからな。昼めし食ったらあとで、案内してやるよ」
「父ちゃん、俺が行って来てやろうか」
話が終わったところで、ウィルクが目を覚ましてそんなことを言ってきた。
「だから、あそこは子供が行くところじゃねぇって、いつも言ってるだろ」
孤児院なのに、子供が行くところじゃないって、なんだろうか一体。
そんなことを思っていると、昼食が運ばれてきて俺たちはごちそうになるのだった。
ガツガツガツガツゴクンガツガツガツゴクンガツガツガツガツガツガツゴクンフゥ
はぁ、食ったぁ、うまかったな。
「そんじゃ、さっそく行くか」
「ああ、頼む」
「お願いします」
「……」
ワイエノにダンクス、シュンナが答えて、俺はうなずいたことでさっそく孤児院に行くこととなった。
「こっちだ」
ワイエノが向かったのは、店から中央通りとは反対だった。
そうして、連れていかれた場所は、明らかにぼろい建物が並んでおり、まさに貧民街、スラムみたいだな。
「スニル、あまり離れるなよ。ここは治安が悪い」
「わ、わかった」
ワイエノが言うように確かに治安が悪そうで、周囲から妙な気配を感じる。
俺にはこんな能力はなかったはずだが、そんな俺でもわかるほどの気配ってことか。
そんな、場所で俺が単独で行動したら、間違いなく絡まれるよなぁ。
そんなわけで、3人から離れないように歩いていく、まぁ、すでに3人から囲まれて歩いているから離れようがないけどな。
そうこうしているうちにワイエノが止まった。
「あそこだ」
そういって、指を指した建物を見てみると、ぼろいな、しかも、静かだ。あっ、いや、わずかに泣き声が聞こえたな。
「あんなところかよ」
「ひどいわね」
「まったくだ」
「いい環境は言えないな」
俺たち4人はそれぞれに感想を述べたが、まさにその通りだ。
「じゃっ、俺は店もあるし、ここらで帰るぜ。あとはお前らでも大丈夫だろ」
「ああ、大丈夫だ」
「ありがと」
「おう、またあとでな」
そういって、ワイエノは来た道を戻っていった。
ちなみに、ワイエノが言ったまたあとで、というのは今日の夜のことで、実は先ほどの昼食時に俺たちの宿を聞かれ、まだと答えたら泊って行けと言われたわけだ、もちろん遠慮したが、ワイエノやシエリルにとって俺の両親は弟妹みたいなもので、その子供である俺は甥っ子も同然だという、だから、遠慮なんてするなと言われたわけだ。
っで、まぁそういうことならと泊めてもらうことにしたというわけだ。
まぁ、それはともかくさっさと孤児院の中に入ろう。
というわけで、しっかりと閉められた孤児院の門から声をかける。
「おーい、だれかいるかぁ」
ダンクスが声をかける。
「はーい、きゃぁ!」
ダンクスの声に若い女性が返事をしながら出てきたが、ダンクスを見て悲鳴を上げた。
「ああ、ごめんなさい、あたしたち、というかこの子のお父さんが孤児院の出身でお話を聞きたいと思って来たんです」
「へっ、ああ、ごめんなさい、えっと、その子、ですか?」
「……」
俺はうなずいた。
「えっと、お父さんのお名前わかるかな?」
またも、子ども扱いだが、こればかりは仕方ない。
「ヒュリック」
「えっ!! えっと、ごめんお母さんはわかるかな?」
父さんの名前を言った途端女性の表情が変わって、今度は母さんの名前を聞いてきた。
「ミリア、だけど……」
「そんな、間違いない、ああ、そうね。ヒュリック兄さん」
何かを納得したように言った後、父さんの名に兄さんと付けた。どういうことだ。父さんに妹はいないはずだけど。
「えっと……」
「ああ、ごめんなさい。どうぞ、中に入ってください」
これまでのやり取りの間、門は閉まったままだった。まぁ、ここ辺りは貧民街で治安も悪いらしいから、当然の処置だ。でも、こんなにあっさりと開けてくれたけどいいんだろうか。
「いいのか?」
ダンクスもそう思ったのか尋ねている。
「えっ、あっ、はい、えっと、本当はだめなんですけど、その子はヒュリック兄さんの子なので」
「信じてくれるの?」
ただ両親の名を言っただけで、子供だからと信じていいのか、ちょっと心配になるんだが……
「はい、えっと、それは大丈夫です。なんていうかこの子、ミリアさんにそっくりですし、雰囲気って言うか、それがヒュリック兄さんにも似てるので、間違いなく2人の子供だってわかるんです」
なんだか根拠の薄い理由だったが、説得力があったのが不思議だ。
まぁ、とにかく中に入れたことはよかった。
「院長先生、お客さん」
女性、名前はソニアというそうだが、ソニアは孤児院の建物に俺たちを導いた後、奥の部屋の前に立ちノックした後部屋に入りそういった。
「あら、珍しい、どなたかしら」
中から優しそうなしゃがれ声がした。
声からして結構な年なんだろうか、そう思って部屋の中を覗いてみると、確かにそこには白髪の老婆がいた。
「ヒュリック兄さんのお子さんよ」
「えっ、ヒュリック? ほんとに」
父さんの名前を聞いた老婆は驚いていた。
「うん、ミリアさんにそっくりでかわいい子よ。入ってきて」
妙に入りずらくなったんだが……まぁ、だからといって入らないわけにはいかないからな。
そんなわけで、部屋に入っていく。
「まぁ、まぁ、まぁ、ほんとね。ミリアちゃんにそっくりね。それに、ヒュリックにも目元が似ているんじゃないかしら」
「ああ、そうかも」
俺が中に入ると、まるで孫でも迎えるような優し気な笑顔で院長がそういった。
「お邪魔します」
「あら、あなたたちは?」
「あたしたちは、この街に来る途中で知り合って、スニルの保護者みたいなものです」
「ああ、そんなところだな。俺はダンクスで、こっちはシュンナだ。よろしくな院長先生」
「ええ、よろしく、えっと、もしかしてダンクスさんは孤児院の出ですか?」
「ああ、そうだけど、よくわかったな」
「長年、孤児院の院長をしていますから、ここを出た子たちと雰囲気が似ているですよ」
なるほど、確かにそうなのかもしれないな。
俺は、何となく院長の言いたいことが分かった気がした。
「まぁ、立っているのもなんだし、どうぞ座って」
と言われたので、俺たちは勧められたつぎはぎだらけのソファに座った。
座り心地もやはり硬いな、まぁ、仕方いだろう。
「えっと、ここに来た理由を聞いてもいいかしら」
「父さんが、ここで育ったって聞いて、父さんがどんな人だったのか知りたくて」
俺はそういった、人と話慣れていないために、こんな変な言いかたしかできない。
「ヒュリックが、どういうことかしら」
「父さんは、10年前に死んで、覚えてないから」
「えっ!!」
「そ、うそっ!!」
俺が父さんが死んだと告げると2人とも固まった。
「そ、そんな、あの子が……どうして」
「ああ、えっと、この話は、ダンクス頼める。あたし、スニルとちょっと離れてる」
「お、おう、任せろ」
そういって、俺とシュンナはその場を後にすることした。
ちなみに、どうしてダンクスが話、シュンナが俺となのかというと、ここが孤児院、つまり子供たちが普通にいる場所、そこにダンクスがウロチョロしていたら、子供たちが泣き出すのは必定だからだ。まぁ、それに孤児院の院長相手だし、出身者であるダンクスの方がいいだろうというのもあるしな。
そんなわけで、孤児院内をウロチョロしているわけだが、子供がいないな、どこ行ったんだ。まぁ、子供は苦手だからいないに越したことはないけどな。
「この時間なら、子供はお昼の後お昼寝かしらね」
「ああ、そっか、その可能性があったか」
「スニルもする?」
「しねぇよ」
昼寝が必要な年じゃない、まぁ、昼寝は年は関係なく20分程度ならした方がいいらしいけどな。
俺は前世から昼寝はほぼしたことがないんだよな。
そうして、静かな孤児院を歩くことしばし、ソニアが迎えに来たことで、再び院長の部屋へと向かった。
「お話は聞いたわ。スニル君、大変だったのね。それに、ごめんなさい、まさか、12歳だって思わなかったから」
部屋に入るなり院長が悲痛な表情でそういいつつ俺を子ども扱いしたことを謝ってきた。
「ほんとにごめんなさいね」
ついでとばかりにソニアも謝ってきた。
「いや、別に、気にしてないから、それに俺を見れば誰だって12歳とは思わないし」
どう見たって、俺は10歳以下にしか見えないからな。
「そう、ありがとう、そうね、ヒュリックの子供のころのお話でいいかしらね」
「……」
院長が話を始めようとしたので、俺は黙ってうなずく。
「私も少しだけ、お話しできるわ」
そういって、ソニアもまた父さんのことを話してくれた。
それによると、父さんは子供頃からちょっと体が大きく、孤児院でもリーダー的な存在だったようだ。
小さい子の面倒をよく見たりして、頼られたりしていたらしい。
それを聞いてなんだかちょっと誇らしかった。
まぁ、その分ちょっとやんちゃなところもあって、よく院長たちに怒られていたと、院長は微笑みながら話してくれた。
それから、孤児院を出て冒険者になった後もよく孤児院に冒険の話をしたり、いろいろ差し入れを持ってきていたという、また、ある時から母さんを連れてきて院長に紹介したりしていて、院長からは明らかに将来を考えているなと思ったそうだ。
息子としてはめっちゃ、恥ずかしいんだけど……
とまぁ、そんな話を聞きつつ、その日の午後は過ごしたのだった。
そうして、孤児院を辞した後、言われていた通りシエリルとワイエノの店に行き、今日はそこに泊まったのだった。
それによると、俺の両親はお互いに一目ぼれをしており、この街でかなり頑張って活動をして、その実力は結構上位にいたそうだ。
「それでスニル、これからどうするか決めているのか?」
シエリルから解放されたところで、ワイエノが今後の予定を尋ねてきた。
「父さんが……」
「ただいまぁ、母ちゃんめしー、はらへったぁ」
俺が予定を話そうとしたところで、そんな少年と思われる声が響き続いてドタドタと大きな足音がしてきた。
「どうやら、バカが帰って来たみたいだな」
「はぁ、そうみたいね」
ワイエノとシエリルが少しため息交じりでそういった。
おそらく、というか間違いなく2人の息子なんだろう。
そうこうしていると、ドタドタ音が近づいてきて、部屋の扉がバーンと勢いよく開けられた。
「なんだ、母ちゃん、こんなとこに、うわぁ!」
「ちょっとウィルク、ちゃんとノックしなきゃ、って、どうしたの、きゃぁ!」
入って来たのは、元気そうな少年とその背後から同じ年頃の少女だった。
そうして入るなり、2人の視界に目立つダンクスが入ったんだろう、悲鳴を上げた。
「はぁ、ウィルク、お客さんに失礼でしょ」
シエリルはあまり失礼な息子をしかりつけた。
まぁ、俺たちがいるからこんな言い方だけど、後でこってりしぼられるだろうな、ウィルクは若干青ざめてるし。
「ご、ごめんなさい、えっと、は、はじめまして、私は、隣のルモアと言います。えっと、さっきはその、悲鳴を上げてごめんなさい」
少女はルモアといい、どうやらこの家の子ではなくとなりの子だそうだ。
そんで、そのルモアは自己紹介の後、ダンクス相手にいきなり悲鳴を上げたことを詫びたのだった。
「気にしなくてもいいわよ。こんな怖い顔したダンクスが悪いんだからね。ああ、あたしはシュンナよ、よろしくね」
そんなルモアにダンクスではなくシュンナが返事をした。
「悪かったな。まぁ、なんだ、シュンナも言ったが、気にする必要はないぜ。っで、俺はダンクスだ。っで、こいつはスニルな」
「スニル君、よろしく」
ルモアは俺を見て年下と思ったのか笑顔でそういったが、まぁ、鑑定したら確かに俺より1つ上だった。
「ほら、ウィルク、あんたも自己紹介しなさい」
「わ、わかったよ。俺はウィルクだ。世界一の冒険者になる予定だ」
いかにも子供らしい、目標の高いことで何よりだな。俺はなんだか聞いていてほほえましくなった。
今の俺にはないよな、こういうの、まぁ、見た目は子供で中身は大人だから仕方ないが。
「ふふっ、いい目標ね」
それを聞いたシュンナが微笑みながらそういうと、言われたウィルクは顔を真っ赤にしてフリーズした。
気持ちはわかる。絶世の美少女たるシュンナから、あんな風に言われたら俺だってフリーズしそうだ。
「ふごっ」
シュンナに見とれているウィルクをみたルミアが、ウィルクをグーで殴り飛ばした。
って、グーで行くのか。見た目はおとなしそうで礼儀正しい少女なんだけど、怒るとこえぇな。
「え、えっと、騒がしくて、ごめんね」
殴り飛ばされて気を失った息子を見てため息をつきつつも、シエリルはそういって謝ってきた。
ウィルクはあれでいんだろうか、そう思ったが、ここはあえて黙っておこう、こういう時無口キャラは特だな。
生まれて初めて、この根暗な無口キャラが役に立った瞬間であった。
「あ、ああ、そうだ。スニル、お前たちの今後だったな」
「あ、ああ、うん、えっと、そうだな」
ワイエノが気を失っている息子を横目に、思い出したようにさっきの話の続きを始めたので、俺も乗ってみることにした。
「えっと、一応父さんが育ったっていう孤児院に行きたいと思ってるんだ」
「孤児院、なるほどなぁ。ああ、でも、孤児院は今ヒュリックがいたころとは別のところに移動してるぞ。まぁ、院長は同じだったはずだがな」
「えっ、移動?」
「ああ、五年ぐらい前か」
「確か、そのぐらいだったわね」
それから、昼食を作るからとシエリルが出て行き、その後をルミアも追いかけていった。
ちなみに、俺たちにも食って行けということで、遠慮できずごちそうになるととなったのは言うまでもないだろう。
んで、その間にワイエノが俺たちに孤児院について話してくれた。
それによると、なんでも今から5年前、この街に王都(ここは王国みたいだ)で新進気鋭の商会が支店を出そうとやって来た。
というのも、ここカリブリンは王国の南部に位置しており、南にあるブリザリア王国(そういえば、この国って何て名前だ。自分の国より先に隣国の名前を知ってしまった)との交易の通り道になる。
確かに、街はでかいし、よく栄えているなぁとは思っていたけどな。
そんな街だから、新しい商会はぜひとも店を出したいと考えるわけだ。だが、いい場所はすでにほかの商会がとっており、新しい店を出すスペースなどはなかった。
そりゃぁ、当然だ。
だが、その商会はあきらめなかった、なにせよく見たら、1つだけ好立地があるじゃないかと思い至った。
それこそが、孤児院だった。
どういうことかというと、なんでもこの街の孤児院は中央通りに面した場所にあったらしい。
おっと、その前にダンクスから聞いたことを説明しておくと、実はこの国の街はどこに行っても必ず1つは孤児院があるそうで、その理由は、数代前の国王だった。
国王はかなりの子供好きだったそうで、子供が浮浪となったり孤児の環境が酷いことを知り、嘆き法律として街に1つ孤児院を作るようにと命じた。また、その際、子供は明るい場所で育つべきだとして、中央通りにほど近い場所であるべきだと、まぁ、これは法律ではなく指示だったらしいが。
それに貴族たちは従うしかなく、多くの街では中央通りから少し路地に入ったところに作られたそうだが、この街の当時の領主は何を思ったのか、国王の指示を曲解し、中央通りそのものに孤児院を作ってしまった。
なぜ、これが悪いのか、それは簡単で例えば子供が外で遊ぼうと孤児院を飛び出すと、そこには多くの人や馬車などが通る。そんなところでは危なく、結局院内でしか遊べなかったそうだ。
なら、裏や脇はと思うかもしれないが、孤児院の場所はブロックの中頃であり建物が密集しているために、出られず出るには中央通りしかなかったらしい。
とまぁ、そんな孤児院の場所は、商会にとっては好立地、ということで商会は土地の持ち主たる領主に直接商談を持ち掛けた。
そして、現在のこの街の領主は子供嫌い、つまり中央通りに孤児院があることが嫌で仕方なかったらしく、これをすぐに了承したために、孤児院は追い出されるように場所を移すこととなった。
んで、その場所だけど……。
「あそこは、貧民街だからな。昼めし食ったらあとで、案内してやるよ」
「父ちゃん、俺が行って来てやろうか」
話が終わったところで、ウィルクが目を覚ましてそんなことを言ってきた。
「だから、あそこは子供が行くところじゃねぇって、いつも言ってるだろ」
孤児院なのに、子供が行くところじゃないって、なんだろうか一体。
そんなことを思っていると、昼食が運ばれてきて俺たちはごちそうになるのだった。
ガツガツガツガツゴクンガツガツガツゴクンガツガツガツガツガツガツゴクンフゥ
はぁ、食ったぁ、うまかったな。
「そんじゃ、さっそく行くか」
「ああ、頼む」
「お願いします」
「……」
ワイエノにダンクス、シュンナが答えて、俺はうなずいたことでさっそく孤児院に行くこととなった。
「こっちだ」
ワイエノが向かったのは、店から中央通りとは反対だった。
そうして、連れていかれた場所は、明らかにぼろい建物が並んでおり、まさに貧民街、スラムみたいだな。
「スニル、あまり離れるなよ。ここは治安が悪い」
「わ、わかった」
ワイエノが言うように確かに治安が悪そうで、周囲から妙な気配を感じる。
俺にはこんな能力はなかったはずだが、そんな俺でもわかるほどの気配ってことか。
そんな、場所で俺が単独で行動したら、間違いなく絡まれるよなぁ。
そんなわけで、3人から離れないように歩いていく、まぁ、すでに3人から囲まれて歩いているから離れようがないけどな。
そうこうしているうちにワイエノが止まった。
「あそこだ」
そういって、指を指した建物を見てみると、ぼろいな、しかも、静かだ。あっ、いや、わずかに泣き声が聞こえたな。
「あんなところかよ」
「ひどいわね」
「まったくだ」
「いい環境は言えないな」
俺たち4人はそれぞれに感想を述べたが、まさにその通りだ。
「じゃっ、俺は店もあるし、ここらで帰るぜ。あとはお前らでも大丈夫だろ」
「ああ、大丈夫だ」
「ありがと」
「おう、またあとでな」
そういって、ワイエノは来た道を戻っていった。
ちなみに、ワイエノが言ったまたあとで、というのは今日の夜のことで、実は先ほどの昼食時に俺たちの宿を聞かれ、まだと答えたら泊って行けと言われたわけだ、もちろん遠慮したが、ワイエノやシエリルにとって俺の両親は弟妹みたいなもので、その子供である俺は甥っ子も同然だという、だから、遠慮なんてするなと言われたわけだ。
っで、まぁそういうことならと泊めてもらうことにしたというわけだ。
まぁ、それはともかくさっさと孤児院の中に入ろう。
というわけで、しっかりと閉められた孤児院の門から声をかける。
「おーい、だれかいるかぁ」
ダンクスが声をかける。
「はーい、きゃぁ!」
ダンクスの声に若い女性が返事をしながら出てきたが、ダンクスを見て悲鳴を上げた。
「ああ、ごめんなさい、あたしたち、というかこの子のお父さんが孤児院の出身でお話を聞きたいと思って来たんです」
「へっ、ああ、ごめんなさい、えっと、その子、ですか?」
「……」
俺はうなずいた。
「えっと、お父さんのお名前わかるかな?」
またも、子ども扱いだが、こればかりは仕方ない。
「ヒュリック」
「えっ!! えっと、ごめんお母さんはわかるかな?」
父さんの名前を言った途端女性の表情が変わって、今度は母さんの名前を聞いてきた。
「ミリア、だけど……」
「そんな、間違いない、ああ、そうね。ヒュリック兄さん」
何かを納得したように言った後、父さんの名に兄さんと付けた。どういうことだ。父さんに妹はいないはずだけど。
「えっと……」
「ああ、ごめんなさい。どうぞ、中に入ってください」
これまでのやり取りの間、門は閉まったままだった。まぁ、ここ辺りは貧民街で治安も悪いらしいから、当然の処置だ。でも、こんなにあっさりと開けてくれたけどいいんだろうか。
「いいのか?」
ダンクスもそう思ったのか尋ねている。
「えっ、あっ、はい、えっと、本当はだめなんですけど、その子はヒュリック兄さんの子なので」
「信じてくれるの?」
ただ両親の名を言っただけで、子供だからと信じていいのか、ちょっと心配になるんだが……
「はい、えっと、それは大丈夫です。なんていうかこの子、ミリアさんにそっくりですし、雰囲気って言うか、それがヒュリック兄さんにも似てるので、間違いなく2人の子供だってわかるんです」
なんだか根拠の薄い理由だったが、説得力があったのが不思議だ。
まぁ、とにかく中に入れたことはよかった。
「院長先生、お客さん」
女性、名前はソニアというそうだが、ソニアは孤児院の建物に俺たちを導いた後、奥の部屋の前に立ちノックした後部屋に入りそういった。
「あら、珍しい、どなたかしら」
中から優しそうなしゃがれ声がした。
声からして結構な年なんだろうか、そう思って部屋の中を覗いてみると、確かにそこには白髪の老婆がいた。
「ヒュリック兄さんのお子さんよ」
「えっ、ヒュリック? ほんとに」
父さんの名前を聞いた老婆は驚いていた。
「うん、ミリアさんにそっくりでかわいい子よ。入ってきて」
妙に入りずらくなったんだが……まぁ、だからといって入らないわけにはいかないからな。
そんなわけで、部屋に入っていく。
「まぁ、まぁ、まぁ、ほんとね。ミリアちゃんにそっくりね。それに、ヒュリックにも目元が似ているんじゃないかしら」
「ああ、そうかも」
俺が中に入ると、まるで孫でも迎えるような優し気な笑顔で院長がそういった。
「お邪魔します」
「あら、あなたたちは?」
「あたしたちは、この街に来る途中で知り合って、スニルの保護者みたいなものです」
「ああ、そんなところだな。俺はダンクスで、こっちはシュンナだ。よろしくな院長先生」
「ええ、よろしく、えっと、もしかしてダンクスさんは孤児院の出ですか?」
「ああ、そうだけど、よくわかったな」
「長年、孤児院の院長をしていますから、ここを出た子たちと雰囲気が似ているですよ」
なるほど、確かにそうなのかもしれないな。
俺は、何となく院長の言いたいことが分かった気がした。
「まぁ、立っているのもなんだし、どうぞ座って」
と言われたので、俺たちは勧められたつぎはぎだらけのソファに座った。
座り心地もやはり硬いな、まぁ、仕方いだろう。
「えっと、ここに来た理由を聞いてもいいかしら」
「父さんが、ここで育ったって聞いて、父さんがどんな人だったのか知りたくて」
俺はそういった、人と話慣れていないために、こんな変な言いかたしかできない。
「ヒュリックが、どういうことかしら」
「父さんは、10年前に死んで、覚えてないから」
「えっ!!」
「そ、うそっ!!」
俺が父さんが死んだと告げると2人とも固まった。
「そ、そんな、あの子が……どうして」
「ああ、えっと、この話は、ダンクス頼める。あたし、スニルとちょっと離れてる」
「お、おう、任せろ」
そういって、俺とシュンナはその場を後にすることした。
ちなみに、どうしてダンクスが話、シュンナが俺となのかというと、ここが孤児院、つまり子供たちが普通にいる場所、そこにダンクスがウロチョロしていたら、子供たちが泣き出すのは必定だからだ。まぁ、それに孤児院の院長相手だし、出身者であるダンクスの方がいいだろうというのもあるしな。
そんなわけで、孤児院内をウロチョロしているわけだが、子供がいないな、どこ行ったんだ。まぁ、子供は苦手だからいないに越したことはないけどな。
「この時間なら、子供はお昼の後お昼寝かしらね」
「ああ、そっか、その可能性があったか」
「スニルもする?」
「しねぇよ」
昼寝が必要な年じゃない、まぁ、昼寝は年は関係なく20分程度ならした方がいいらしいけどな。
俺は前世から昼寝はほぼしたことがないんだよな。
そうして、静かな孤児院を歩くことしばし、ソニアが迎えに来たことで、再び院長の部屋へと向かった。
「お話は聞いたわ。スニル君、大変だったのね。それに、ごめんなさい、まさか、12歳だって思わなかったから」
部屋に入るなり院長が悲痛な表情でそういいつつ俺を子ども扱いしたことを謝ってきた。
「ほんとにごめんなさいね」
ついでとばかりにソニアも謝ってきた。
「いや、別に、気にしてないから、それに俺を見れば誰だって12歳とは思わないし」
どう見たって、俺は10歳以下にしか見えないからな。
「そう、ありがとう、そうね、ヒュリックの子供のころのお話でいいかしらね」
「……」
院長が話を始めようとしたので、俺は黙ってうなずく。
「私も少しだけ、お話しできるわ」
そういって、ソニアもまた父さんのことを話してくれた。
それによると、父さんは子供頃からちょっと体が大きく、孤児院でもリーダー的な存在だったようだ。
小さい子の面倒をよく見たりして、頼られたりしていたらしい。
それを聞いてなんだかちょっと誇らしかった。
まぁ、その分ちょっとやんちゃなところもあって、よく院長たちに怒られていたと、院長は微笑みながら話してくれた。
それから、孤児院を出て冒険者になった後もよく孤児院に冒険の話をしたり、いろいろ差し入れを持ってきていたという、また、ある時から母さんを連れてきて院長に紹介したりしていて、院長からは明らかに将来を考えているなと思ったそうだ。
息子としてはめっちゃ、恥ずかしいんだけど……
とまぁ、そんな話を聞きつつ、その日の午後は過ごしたのだった。
そうして、孤児院を辞した後、言われていた通りシエリルとワイエノの店に行き、今日はそこに泊まったのだった。
42
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
異世界転移の……説明なし!
サイカ
ファンタジー
神木冬華(かみきとうか)28才OL。動物大好き、ネコ大好き。
仕事帰りいつもの道を歩いているといつの間にか周りが真っ暗闇。
しばらくすると突然視界が開け辺りを見渡すとそこはお城の屋根の上!? 無慈悲にも頭からまっ逆さまに落ちていく。
落ちていく途中で王子っぽいイケメンと目が合ったけれど落ちていく。そして…………
聞いたことのない国の名前に見たこともない草花。そして魔獣化してしまう動物達。
ここは異世界かな? 異世界だと思うけれど……どうやってここにきたのかわからない。
召喚されたわけでもないみたいだし、神様にも会っていない。元の世界で私がどうなっているのかもわからない。
私も異世界モノは好きでいろいろ読んできたから多少の知識はあると思い目立たないように慎重に行動していたつもりなのに……王族やら騎士団長やら関わらない方がよさそうな人達とばかりそうとは知らずに知り合ってしまう。
ピンチになったら大剣の勇者が現れ…………ない!
教会に行って祈ると神様と話せたり…………しない!
森で一緒になった相棒の三毛猫さんと共に、何の説明もなく異世界での生活を始めることになったお話。
※小説家になろうでも投稿しています。
転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。
今年で33歳の社畜でございます
俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました
しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう
汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。
すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。
そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる