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〜兄弟の絆〜
悲しい決断
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「どうしてこうなってしまったのか?」
ジメジメしてカビ臭い地下牢に押し込まれた私は意気消沈していた。
いきなり薬剤省の役人に捉えられて薬剤省の建物に連れてこられた。かなり大きい城のような建物を有しているところからすると、この国の薬剤省という部署はかなりの権力を持っている事はわかった。
(これで何度目だろう……)
脚気もペストもコレラも病気で困っている患者を救うと決まって反対勢力のような人々に捕まって、牢屋に閉じ込められてきた。これまでは間一髪のところで助けが来てくれた。だが、今回はルーン大国に来てまだ一週間も経っていない、これまでのように助けてくれそうな人が一人もいなかった。
ダンゾウはどうだろうか? 娘のサキちゃんの命を救ってく入れた恩人として助けてくれるかもしれない。おそらくダンゾウも夜叉神将軍から私の警護を頼まれるほどの人物なので、この国ではかなりの大物だろうと思った。だが、本当に私を助けてくれるほどの権力があるのかどうかは分からない。
(今度こそ助からないかもしれない)
半ば諦めてうなだれていると『ガチャリ』と鈍い音がして牢屋の扉が開いた。
「おい! こっちに来い!」
ガッシリとした体の男達が牢屋の前で立っていた。
私はゆっくりと立つと男達のもとに向かった。
「早くしろ!!」
男達は私が手の届く所まで来るとイライラした態度で私の腕を掴むと、無理やり牢屋から引っ張り出した。
「こっちに来い!!」
そのまま男達は私を取り囲むと一緒にあるき出した。
地下の牢屋に長時間、閉じ込められていたため外に出た瞬間、陽の光が眩しすぎてクラクラとした。男達は私を城壁の一角に連れてくると小さな扉を開けた。
「よし、この中に入って、あの茣蓙の上で正座しろ」
扉の向こう側は広い空間が広がっていて、白い玉砂利が敷き詰められていた。四方は壁で囲まれており、中庭のような作りになっていた。
10メートルほど進んだ所に茣蓙が敷かれており、両端に棒を持った男が立っていた。茣蓙の目の前は一段高くなっていて座敷が置くまで広がっていた。座敷には何人もの男達が座ってこちらを睨んでいた。
私はこの光景を前世で見たことが有った。江戸時代に罪人の裁判が行われていたお白州の間に酷似していた。
一番上で堂々と座っている人間が奉行と呼ばれる人で、ここであの奉行に私は裁判されるということだろう、全てを理解した途端怖くなって足が震えた。
「早く! とっとと行きやがれ!!」
近くに居た男に肩を捕まれそのままお白州の玉砂利に突き飛ばされた。
私は体制を崩して白い砂利の上に派手に突っ込んだ。ジャリジャリと音がしてはだけた服を直しながら役人たちを見上げると、どの顔もマヌケと言わんばかりにニヤニヤしてこっちを見ていた。
情けなくて涙が出そうになるのをこらえた。砂利の上で派手にころんだ時に怪我をしてしまったのだろう、スネに血が滲んでズキズキと痛むのをこらえると足を引きずりながら、茣蓙の上に正座した。
しばらく正座をしていると表を下げろ! と怒鳴られると同時に茣蓙の脇に居た男に頭を掴まれ、そのまま激しく砂利に叩きつけられた。あまりの激しさに気を失いそうになった。
私が無理やり平伏する形になるとすぐに中央に座っていた奉行が声を張り上げた。
「これより町民に対して虚偽の事実を吹聴した罪でこの女の審議をする。表を上げよ」
頭を鷲掴みにしている手が離れたので、ゆっくりと顔を上げた。
上段の座敷の脇にダンゾウの屋敷にいた道三という医者が座っているのが見えた。
「道三!」
「はい!」
道三は奉行に呼ばれるとそちらに向いた。
「道三。この女が道三殿の薬が効かないと町民に吹聴した女に間違いないか?」
「はい。この女で間違いありません」
奉行はそうか、というと私を睨みつけた。
「女! お前は道三殿の薬が効かないと言ったことに間違いないか?」
私は奉行から聴かれて少しためらったが、薬を飲むなと言ったのは紛れもない事実だったので、はい、と答えるしかなかった。
私がそういった瞬間場内がざわついた。
「女、どうしてそんな嘘を言ったのだ?」
「う……嘘ではございません。道三さんの薬は腹痛を和らげる薬と言っていました」
「それの何処が悪いんだ!」
「今この国で流行っている病はコレラ菌という細菌が小腸で増殖して体を蝕む病気なのです」
「それがどうした? それと薬が効かないことにどんな理由があるのだ?」
「この病を治すのには、小腸で増殖した菌を体外に排出しなければなりません」
「なんだと?」
「道三さんの薬を飲んでしまうとコレラ菌を体外に排出できなくなってしまうんです」
「それではお前は薬を飲むと病がひどくなるから、薬を飲むなと吹聴したのか?」
「はい。そうです」
「うむ。なるほど、そういうことか……」
奉行は私の話を信じて納得しているように見えた。このまま話せばわかってくれるかもしれない。私は少し安堵の表情をした時、奉行の顔が私を睨んだ。
「その…。小腸で増殖するというコレラ菌? というのを見せてくれ」
「え?」
「聞こえなかったか? そのコレラ菌というものを見せろと言ったんだ」
「そ……それは……、今ここでお見せできるものではございません」
「何? お前が主張するコレラ菌というものを見せられないのか?」
「その……コレラ菌はとても小さくて肉眼で見ることはできないんです」
「なんだと! それではお前の主張をどうやって信じろと言うんだ!」
「そ……それは……」
私はなんとか他の方法を考えようとしたが、頭が真っ白で何も思いつかなかった。
「ええい!! 黙って聴いてみれば世迷い言をベラベラと!! 嘘ばかり言いやがって!!」
「ち……違います……本当です。信じて下さい!!」
「うるさい! 貴様は今すぐ市中引き回しの上、打首、獄門に処す」
「ちょ……ちょっと待って下さい」
私は言われた刑罰が信じられなかった。市中引き回しとは馬に乗せられて罪状を書いた告知文とともに市中を行進することで、死罪以上の判決を受けた罪人が受ける刑である。打首獄門はその名の通り前世の死刑に値する。江戸時代では極刑とされていた。
「そ……そんな……」
私はあまりの出来事にショックを受けた。
「待て!!」
上段の座敷の奥からダンゾウが扉を開けて出てきた。
ダンゾウの周りには調剤省の役人らしき人物がダンゾウを制止させようと必死で取り付いていたが、ダンゾウは男達を振り払いながら奉行に詰め寄っていった。
「奉行殿! ここにいるティアラは私の娘を救ってくれた恩人だぞ!」
奉行はダンゾウを睨みつけるとそれがどうした、と言った。
「ティアラが居なかったら私の娘は亡くなっていたかもしれないんだ。それなのに罪が重すぎるだろう!」
「もう決定したことだ! 今更変えられん!」
「そんなことはない! これは横暴だ! 夜叉神将軍が黙ってないぞ!」
「フン。 これは否事を……、私はこの町の治安を夜叉神将軍より直々に命令されている。私が下した決定は夜叉神将軍が決定したこと同義だということをお忘れか?」
「い……いや……しかし……」
「それ以上の私への冒涜は夜叉神将軍への冒涜とみなすぞ! それとも、ダンゾウ殿もあの女と同じように裁かれたいのか?」
「き……貴様……」
ダンゾウは体を震わせるとゆっくりと手を腰につけた刀に掛けようとした。
「やめて!!」
私は咄嗟に声を出してダンゾウを止めた。ダンゾウは驚いた表情でこちらを見た。
「やめて。あなたにはサキちゃんやオキクさんが居るのよ。馬鹿な真似はやめて下さい」
「し……しかし……このままでは、君は……」
「い……良いんです。わ……私には守る者など無いですから……」
私は諦めた表情で下をうつむいた。もうどうにでもなれ、そんな心境だったが、あることを思い出してダンゾウの方を向き直した。
「一つお願いがあります! マルクスというエルフを知っていたら、カイトに会いに行くように伝えて下さい」
「「「なに! マルクスだと!」」」
私がマルクスと言うと周りの男達がざわついた。やはりマルクスとはかなり有名人らしい。
「マルクスだと~~!」
奉行がひときわ大きな声で叫ぶと私を睨みつけた。
「女……お前! マルクスを探しているのか?」
奉行は馬鹿にしたようにニヤニヤ笑いながら聴いてきた。
「はい。何処に居るか知っていますか?」
「ブワッハッハ~~!! その願いは叶わないな~。マルクスというエルフは……」
「やめろ!!!」
ダンゾウが一喝して奉行の言葉を遮った。
「貴様! それ以上喋ると夜叉神将軍の命令に背くことになるぞ!!」
ダンゾウを見ると腰につけた刀に手を掛けて威嚇していた。
「ふん、冗談だ。許せ……、この女を早く連れて行け!!」
奉行の一言で側に居た男に両脇を抱えられ強引に立たされた。
役人に連れて行かれる私にダンゾウは声を掛けてきた。
「ティアラ殿!!」
私は呼び止められダンゾウを見ると申し訳無さそうに頭を下げていた。
「必ずマルクスというエルフに伝えるから安心してくれ!」
「本当ですか? お願いします」
その時のダンゾウの言葉に少し救われた思いがした。これでカイトとの約束を果たせる。
私は覚悟を決めるとお白州を後にした。
ジメジメしてカビ臭い地下牢に押し込まれた私は意気消沈していた。
いきなり薬剤省の役人に捉えられて薬剤省の建物に連れてこられた。かなり大きい城のような建物を有しているところからすると、この国の薬剤省という部署はかなりの権力を持っている事はわかった。
(これで何度目だろう……)
脚気もペストもコレラも病気で困っている患者を救うと決まって反対勢力のような人々に捕まって、牢屋に閉じ込められてきた。これまでは間一髪のところで助けが来てくれた。だが、今回はルーン大国に来てまだ一週間も経っていない、これまでのように助けてくれそうな人が一人もいなかった。
ダンゾウはどうだろうか? 娘のサキちゃんの命を救ってく入れた恩人として助けてくれるかもしれない。おそらくダンゾウも夜叉神将軍から私の警護を頼まれるほどの人物なので、この国ではかなりの大物だろうと思った。だが、本当に私を助けてくれるほどの権力があるのかどうかは分からない。
(今度こそ助からないかもしれない)
半ば諦めてうなだれていると『ガチャリ』と鈍い音がして牢屋の扉が開いた。
「おい! こっちに来い!」
ガッシリとした体の男達が牢屋の前で立っていた。
私はゆっくりと立つと男達のもとに向かった。
「早くしろ!!」
男達は私が手の届く所まで来るとイライラした態度で私の腕を掴むと、無理やり牢屋から引っ張り出した。
「こっちに来い!!」
そのまま男達は私を取り囲むと一緒にあるき出した。
地下の牢屋に長時間、閉じ込められていたため外に出た瞬間、陽の光が眩しすぎてクラクラとした。男達は私を城壁の一角に連れてくると小さな扉を開けた。
「よし、この中に入って、あの茣蓙の上で正座しろ」
扉の向こう側は広い空間が広がっていて、白い玉砂利が敷き詰められていた。四方は壁で囲まれており、中庭のような作りになっていた。
10メートルほど進んだ所に茣蓙が敷かれており、両端に棒を持った男が立っていた。茣蓙の目の前は一段高くなっていて座敷が置くまで広がっていた。座敷には何人もの男達が座ってこちらを睨んでいた。
私はこの光景を前世で見たことが有った。江戸時代に罪人の裁判が行われていたお白州の間に酷似していた。
一番上で堂々と座っている人間が奉行と呼ばれる人で、ここであの奉行に私は裁判されるということだろう、全てを理解した途端怖くなって足が震えた。
「早く! とっとと行きやがれ!!」
近くに居た男に肩を捕まれそのままお白州の玉砂利に突き飛ばされた。
私は体制を崩して白い砂利の上に派手に突っ込んだ。ジャリジャリと音がしてはだけた服を直しながら役人たちを見上げると、どの顔もマヌケと言わんばかりにニヤニヤしてこっちを見ていた。
情けなくて涙が出そうになるのをこらえた。砂利の上で派手にころんだ時に怪我をしてしまったのだろう、スネに血が滲んでズキズキと痛むのをこらえると足を引きずりながら、茣蓙の上に正座した。
しばらく正座をしていると表を下げろ! と怒鳴られると同時に茣蓙の脇に居た男に頭を掴まれ、そのまま激しく砂利に叩きつけられた。あまりの激しさに気を失いそうになった。
私が無理やり平伏する形になるとすぐに中央に座っていた奉行が声を張り上げた。
「これより町民に対して虚偽の事実を吹聴した罪でこの女の審議をする。表を上げよ」
頭を鷲掴みにしている手が離れたので、ゆっくりと顔を上げた。
上段の座敷の脇にダンゾウの屋敷にいた道三という医者が座っているのが見えた。
「道三!」
「はい!」
道三は奉行に呼ばれるとそちらに向いた。
「道三。この女が道三殿の薬が効かないと町民に吹聴した女に間違いないか?」
「はい。この女で間違いありません」
奉行はそうか、というと私を睨みつけた。
「女! お前は道三殿の薬が効かないと言ったことに間違いないか?」
私は奉行から聴かれて少しためらったが、薬を飲むなと言ったのは紛れもない事実だったので、はい、と答えるしかなかった。
私がそういった瞬間場内がざわついた。
「女、どうしてそんな嘘を言ったのだ?」
「う……嘘ではございません。道三さんの薬は腹痛を和らげる薬と言っていました」
「それの何処が悪いんだ!」
「今この国で流行っている病はコレラ菌という細菌が小腸で増殖して体を蝕む病気なのです」
「それがどうした? それと薬が効かないことにどんな理由があるのだ?」
「この病を治すのには、小腸で増殖した菌を体外に排出しなければなりません」
「なんだと?」
「道三さんの薬を飲んでしまうとコレラ菌を体外に排出できなくなってしまうんです」
「それではお前は薬を飲むと病がひどくなるから、薬を飲むなと吹聴したのか?」
「はい。そうです」
「うむ。なるほど、そういうことか……」
奉行は私の話を信じて納得しているように見えた。このまま話せばわかってくれるかもしれない。私は少し安堵の表情をした時、奉行の顔が私を睨んだ。
「その…。小腸で増殖するというコレラ菌? というのを見せてくれ」
「え?」
「聞こえなかったか? そのコレラ菌というものを見せろと言ったんだ」
「そ……それは……、今ここでお見せできるものではございません」
「何? お前が主張するコレラ菌というものを見せられないのか?」
「その……コレラ菌はとても小さくて肉眼で見ることはできないんです」
「なんだと! それではお前の主張をどうやって信じろと言うんだ!」
「そ……それは……」
私はなんとか他の方法を考えようとしたが、頭が真っ白で何も思いつかなかった。
「ええい!! 黙って聴いてみれば世迷い言をベラベラと!! 嘘ばかり言いやがって!!」
「ち……違います……本当です。信じて下さい!!」
「うるさい! 貴様は今すぐ市中引き回しの上、打首、獄門に処す」
「ちょ……ちょっと待って下さい」
私は言われた刑罰が信じられなかった。市中引き回しとは馬に乗せられて罪状を書いた告知文とともに市中を行進することで、死罪以上の判決を受けた罪人が受ける刑である。打首獄門はその名の通り前世の死刑に値する。江戸時代では極刑とされていた。
「そ……そんな……」
私はあまりの出来事にショックを受けた。
「待て!!」
上段の座敷の奥からダンゾウが扉を開けて出てきた。
ダンゾウの周りには調剤省の役人らしき人物がダンゾウを制止させようと必死で取り付いていたが、ダンゾウは男達を振り払いながら奉行に詰め寄っていった。
「奉行殿! ここにいるティアラは私の娘を救ってくれた恩人だぞ!」
奉行はダンゾウを睨みつけるとそれがどうした、と言った。
「ティアラが居なかったら私の娘は亡くなっていたかもしれないんだ。それなのに罪が重すぎるだろう!」
「もう決定したことだ! 今更変えられん!」
「そんなことはない! これは横暴だ! 夜叉神将軍が黙ってないぞ!」
「フン。 これは否事を……、私はこの町の治安を夜叉神将軍より直々に命令されている。私が下した決定は夜叉神将軍が決定したこと同義だということをお忘れか?」
「い……いや……しかし……」
「それ以上の私への冒涜は夜叉神将軍への冒涜とみなすぞ! それとも、ダンゾウ殿もあの女と同じように裁かれたいのか?」
「き……貴様……」
ダンゾウは体を震わせるとゆっくりと手を腰につけた刀に掛けようとした。
「やめて!!」
私は咄嗟に声を出してダンゾウを止めた。ダンゾウは驚いた表情でこちらを見た。
「やめて。あなたにはサキちゃんやオキクさんが居るのよ。馬鹿な真似はやめて下さい」
「し……しかし……このままでは、君は……」
「い……良いんです。わ……私には守る者など無いですから……」
私は諦めた表情で下をうつむいた。もうどうにでもなれ、そんな心境だったが、あることを思い出してダンゾウの方を向き直した。
「一つお願いがあります! マルクスというエルフを知っていたら、カイトに会いに行くように伝えて下さい」
「「「なに! マルクスだと!」」」
私がマルクスと言うと周りの男達がざわついた。やはりマルクスとはかなり有名人らしい。
「マルクスだと~~!」
奉行がひときわ大きな声で叫ぶと私を睨みつけた。
「女……お前! マルクスを探しているのか?」
奉行は馬鹿にしたようにニヤニヤ笑いながら聴いてきた。
「はい。何処に居るか知っていますか?」
「ブワッハッハ~~!! その願いは叶わないな~。マルクスというエルフは……」
「やめろ!!!」
ダンゾウが一喝して奉行の言葉を遮った。
「貴様! それ以上喋ると夜叉神将軍の命令に背くことになるぞ!!」
ダンゾウを見ると腰につけた刀に手を掛けて威嚇していた。
「ふん、冗談だ。許せ……、この女を早く連れて行け!!」
奉行の一言で側に居た男に両脇を抱えられ強引に立たされた。
役人に連れて行かれる私にダンゾウは声を掛けてきた。
「ティアラ殿!!」
私は呼び止められダンゾウを見ると申し訳無さそうに頭を下げていた。
「必ずマルクスというエルフに伝えるから安心してくれ!」
「本当ですか? お願いします」
その時のダンゾウの言葉に少し救われた思いがした。これでカイトとの約束を果たせる。
私は覚悟を決めるとお白州を後にした。
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