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時は金なり
森と影の閑話
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ほんのり暗い森の中。突然、パッと開けて明るい青空が顔を出す。
息はとっくに切れていて、乾いた大きな切り株に倒れ込むように腰かけると、火照った身体から汗が一気に吹き出した。木々の間を吹き抜ける風がひんやりしていて心地いい。
ひと息ついて、頭をよぎるのはさっきあった美人の言葉。
『アリスかと思ったけど、お腹の中身がないみたいだねー』
『帰りたいなら、女王を探しなよ!』
お腹の中身って。女王って。一体、なんの話やねん。何のことやらさっぱりわからない。
そもそも、ホントにここはどこ?さっき学校から帰ってきたばかりで、居間のソファでのんびりしていたはずなのに。それだけだったのに。
なのに、どうして。気づいたときには、知らない山にいて。ちんちくりんな格好の美人から身体をまさぐられるなんて。
あ、もしかして、これは夢?え、ひょっとして夢を見てるの?知らない場所で目が覚めて、初対面の美人にえっちなことをされる。そういう夢?そういう願望が自分の中にあったってこと?
とりとめもない考えが頭の中をぐるぐる巡った。だけど、周りの緑はそのままでちっとも夢の覚める気配はなかった。それどころか、人の気配もしなかった。このまま夜になったらどうしよう。
そんな気持ちを察したように、雲がすぅーっと日を遮って、辺りの空気がさぁーっと冷えた。遠くで動物の声がした。しぶしぶながら、立ち上がる。
こんなところにずっとはいられない。せめて、他の人を探そう。
再び、枝や葉をかき分け森の中を進む。少し頭も冷えたのか、周囲のことがさっきよりも見えてる気がする。
半袖から出た肌はあちこち擦りむけ、チクチク痛む。おまけに、スカートもいつの間にか引っかけたのか、大きなスリットができてしまっていた。いつもはスカートなんて履かないのに、こんな時に限って……。
後悔ついでに、ほっぺをギューっと捻ってみた。諦めきれない夢オチの可能性も捨てきれず。
だけど、やっぱり世界は変わらない。ここはひんやりとした森の中。右も左も同じに見える。ヤケクソになって、落ち葉の舞い積もった地面に身体を投げ出す。
「いてっ!」
埋もれた石で頭を打った。目玉の奥がチカチカ瞬き、ギュッと身体を縮こめる。だけど、湿った落ち葉の山は、意外といい匂いがしていて、思ったよりも悪くなかった。
息はとっくに切れていて、乾いた大きな切り株に倒れ込むように腰かけると、火照った身体から汗が一気に吹き出した。木々の間を吹き抜ける風がひんやりしていて心地いい。
ひと息ついて、頭をよぎるのはさっきあった美人の言葉。
『アリスかと思ったけど、お腹の中身がないみたいだねー』
『帰りたいなら、女王を探しなよ!』
お腹の中身って。女王って。一体、なんの話やねん。何のことやらさっぱりわからない。
そもそも、ホントにここはどこ?さっき学校から帰ってきたばかりで、居間のソファでのんびりしていたはずなのに。それだけだったのに。
なのに、どうして。気づいたときには、知らない山にいて。ちんちくりんな格好の美人から身体をまさぐられるなんて。
あ、もしかして、これは夢?え、ひょっとして夢を見てるの?知らない場所で目が覚めて、初対面の美人にえっちなことをされる。そういう夢?そういう願望が自分の中にあったってこと?
とりとめもない考えが頭の中をぐるぐる巡った。だけど、周りの緑はそのままでちっとも夢の覚める気配はなかった。それどころか、人の気配もしなかった。このまま夜になったらどうしよう。
そんな気持ちを察したように、雲がすぅーっと日を遮って、辺りの空気がさぁーっと冷えた。遠くで動物の声がした。しぶしぶながら、立ち上がる。
こんなところにずっとはいられない。せめて、他の人を探そう。
再び、枝や葉をかき分け森の中を進む。少し頭も冷えたのか、周囲のことがさっきよりも見えてる気がする。
半袖から出た肌はあちこち擦りむけ、チクチク痛む。おまけに、スカートもいつの間にか引っかけたのか、大きなスリットができてしまっていた。いつもはスカートなんて履かないのに、こんな時に限って……。
後悔ついでに、ほっぺをギューっと捻ってみた。諦めきれない夢オチの可能性も捨てきれず。
だけど、やっぱり世界は変わらない。ここはひんやりとした森の中。右も左も同じに見える。ヤケクソになって、落ち葉の舞い積もった地面に身体を投げ出す。
「いてっ!」
埋もれた石で頭を打った。目玉の奥がチカチカ瞬き、ギュッと身体を縮こめる。だけど、湿った落ち葉の山は、意外といい匂いがしていて、思ったよりも悪くなかった。
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