【休止中】エロゲ世界に転生した俺が主人公のナビ役だった件

毛玉(kedama)

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 ミャオンの案内で森の奥へ進むと周囲の色が変わる。
 暗い緑と紫のエリアからピンク色で統一された明るいエリアになった。
 ミャオンが足を止めた先に、緑色のでかい芋虫がいた。
 口から煙を吐いている。


『屋台で見たのよりでかいな』

『こちらはワイズキャタピラーですね。魔物なので食べれないと思います』


 屋台のはホットワームだったか。
 ミャオンの様子からそこまで強い魔物ではないと思う。
 さっそく退治にかかった。

 キノコの上にいるワイズキャタピラーに近づき、バトルフィールドに移る。
 先制はこっちでミャオンの攻撃だ。
 ザシュッと爪で切り裂くエフェクトの後、ワイズキャタピラーは砕け散った。


『これもワンパンか』

「強いねミャオン!」

「ナン!」


 アルきゅんが魔石とコインを拾って、ミャオンは次の獲物を探す。
 少し行ったところで二匹のワイズキャタピラーを見つけ、再びバトルフィールドへ移った。

 ミャオンの先制で一匹が先に倒れる。
 二匹目をアルきゅんが叩くがやはり倒れない。
 敵のターンになる。
 ワイズキャタピラーの体当たりのようなモーションがミャオンに向けられた。
 ミャオンは避けたらしく、こちらのターンに戻る。
 ミャオンの攻撃で二匹目も砕け散った。


「ありがとうミャオン!」

「ナーン」

『芋虫の体当たりみたいな攻撃、アルきゅんは避けられそうか?』

『はい、あのくらいなら大丈夫です。
 当たっても毒とかはありませんし、大きな怪我にはならないと思います』


 問題なさそうなので、次をミャオンに探してもらう。
 今日は湧きスポットを探さなくてもよさそうだな。
 もう一種類くらいなら今のレベルでも大丈夫だろう。
 そう思っていたら、次のエンカウントで別の魔物が来た。
 しかも俺が知ってるやつだ。


『うわぁ……コイツか』

『スタッフラビットですね。神様はご存知なのですか?』

『コイツと生肉だけは見たことがあったな。でも攻撃スキルとかは何も知らないや』


 黙ってればよかった。
 見たことがあるくらいの情報じゃ、無能を晒しただけだ。

 スタッフラビットは服を着た剥製のウサギだ。
 お茶会に行く途中で交通事故に遭ったみたいにズタボロで、はらわたと目玉が飛び出ている。
 すごくキモい。

 スタッフラビットの横にワイズキャタピラーもいた。
 こういう敵の組み合わせって、仲良しだから一緒にいるのか?
 さっそくバトルフィールドに移る。


『ミャオンは先にウサギを攻撃してくれ』

「ミャオン、スタッフラビットを攻撃して」

「ナウ!」


 ザシュッとミャオンの攻撃が入るが、スタッフラビットは倒れなかった。


「えい!」


 続いたアルきゅんの打撃でスタッフラビットは砕け散る。


「え……僕が倒したの?」

『やったなアルきゅん』


 ミリ残しならアルきゅんの打撃も有効だな。

 残るワイズキャタピラーの体当たりをミャオンが避け、ミャオンの一撃でワイズキャタピラーは砕け散った。


「僕も一発で倒せましたよ、神様!」

『すごいぞアルきゅん』


 アルきゅんが棒を握りしめてぴょんぴょんしている。
 よくやったぞミャオン。
 アルきゅんの自信に繋がるアシストだ。

 スタッフラビットの攻撃技も見たいから、次のエンカウントでミャオンを的にしてみる。
 これは別に動物虐待じゃないぞ。
 ミャオンはステータスが高いんだからな。

 スタッフラビットの攻撃は腹のもみ殻をまき散らすものだった。
 目つぶしだ。
 ワイズキャタピラーと組んでいたのは、あいつに体当たりさせるためか。
 ミャオンもアルきゅんも上手に避けたので次のターンで倒せた。

 目つぶしは広範囲の妨害技なのか。
 ミャオンに妨害が入ると厄介だが、ミャオンにはスキル攻撃がある。
 最悪目が潰れてもスキルで時間稼ぎをすればいいだろう。
 気を抜かなければ避けられるし、大丈夫だな。

 敵の攻撃パターンもいくつかあると思い、そこから念入りにウサギと芋虫を退治する。
 どうもウサギはワンパンキルできない『食いしばり』がたまに発動するらしく、アルきゅんの一撃がいいお仕事をしてみせた。
 ウサギには噛みつき攻撃もあったが、さほど俊敏じゃないからアルきゅんにも避けられる。


『このエリアの魔物も問題なさそうだな。結構倒したし、そろそろ帰るか』

「そうですね。お家に帰るよミャオン」

「ナーン」


 窓口で魔石を換金する。
 今日もそこそこ稼げたらしい。
 アルきゅんはホクホクしながら食材を受け取っていた。



 ここまで三種類の魔物を倒したが、ぜんぜん苦戦してない。
 ミャオンが有能だからだろう。
 アルきゅんだけだったらもっと時間がかかっていたな。
 周囲への警戒も俺の視覚よりミャオンの五感の方が優秀だし。

 ミャオン、可愛いし優秀だな……

 俺って何か役に立ってたか?
 チェシャーキャットを仲間にしたことが俺のワガママのおかげ、みたいになってるけど、アルきゅんは最初から可愛いアシスト魔獣を探していた。
 つまりミャオンのテイムは正規ルートっぽい。

 俺がアルきゅんにしてることって、知識も戦力もないのに戦闘を仕切ったり、箒を買わせて弱い武器に改造したり、トイレや風呂を覗いて夜中に怪物を招き入れて……いや~困ったおっさんだなぁ。

 クソ、ミャオンめ!
 先輩の俺を差し置いて目立ちやがって!

 アルきゅんの武器をもっと改良せねば。
 さすが神様ですね! って俺も褒められたい~!

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