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第二章:彼女達の事情
二話:ニップアクセ(下)
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シナの輿入れは、大旦那の引越しの前日にとり行われる事が決まった。
(この歳で、婚礼衣装を着る事になるなんて)
気恥ずかしさもあった、だが、喜びが勝っている。胸を潰すのには限度があるため、全体に太って見える仕上がりになっていたが、少し不格好なぐらいが自分には似合いに思えた。
(こんな年増でも式を挙げて下さるなんて…きっと良い方だわ)
胸は少し苦しいが苦痛というほどではない。心は弾むように踊っていて、世界が晴れやかに見えた。
「シナ…綺麗よ」
「本当に…」
「よかったわねぇ」
身支度を手伝ってくれた母と姉達が口々に祝福をくれ、先に行くわね、と部屋を出て行く。
ここは、海青屋の住居の離れであり、シナは、呼ばれたら神棚のある広間へ向かうのだ。
参加者を見届け人として、神前で杯を交わし、互いが夫婦となる事を誓い合う。そして、宴会が始まり、途中で新郎新婦は退出し、それぞれに風呂へ入るのだ。ここまで新郎新婦はろくに顔を合わせる事がない。風呂から出て、人々が宴会を続けている中、喧騒とは離れた場所に用意する初夜の寝室へやって来て、そこで初めて相対する。
(きっと…閨を過ごす事にはならないのでしょうけど…嬉しいわ。私、本当に結婚できたのね)
湯上りで、白い寝巻き一枚となったシナは、どうしても露になってしまう胸の谷間を手のひらでそっと隠しながら、寝間で待っていた。白壁に向けて行灯が揺らめく部屋は、薄暗闇で、満月の今は外の方が明るく見える。
(ああ、いらっしゃった…)
なので、障子の前に人が立てば、はっきりと人影が映る。
「もうし、こちらに葡萄の木は御座いましょうや」
演芸の台詞のような妙な抑揚の喋り方は、この呼びかけが初夜問答だからだ。
「はい。一本。古木がございます」
「甘い粒は成っていましょうや」
「…はい。ひと房ですが、成ってございます」
「どうにも乾いて仕方がない、どうかその房一つ恵んでいただけましょうや」
「どうぞ…お入りになって、ちぎっていってくださりませ」
「左様ならば入りまして、一つちぎってやりましょう」
言葉が終わると、障子を開ける音がした。
シナは褥の上で頭を下げている。
また滑る音がして、障子が閉まり、板張りの上を静かに気配が近づいてきた。動きが止まり、褥を乗せた畳の縁に立ち、見下ろしている。
シナは、そっと頭を上げた。
「え…」
そして、目を見張った。
「お会いしたかった」
そこには、顔にあどけなさすら残した自分と背のそう変わらない青年、海青屋の若旦那、ヤイチが立っていた。
「あの」
ヤイチは膝を付くと、驚き戸惑うシナの両手を自身の両手で包み、熱っぽい眼差しで微笑んだ。
「わたしのような若輩者の元へ来てくださった事、深く感謝しております」
その声に、間違いなく神前で誓いを立てた相手だと悟る。だが、シナの戸惑いは変わらない。なにせ、ヤイチは成人したばかり。つまりはシナの半分の歳なのだ。
(御先代だったはずでは…だって、若旦那さんは、確か今年十六になったばかりだと)
どこか夢を見ているような表情のヤイチはシナの戸惑いに気付かぬまま、握っていた手を離し、彼女の真っ直ぐな銀髪をひと房掴み、口付けた。
髪から立ち上る香油の匂いが、塞き止めていた何かを壊していく。
「おシナ!」
「あっ…」
がばりとシナを褥に押し倒し、彼はシナの腹に跨ってその胸を見下ろした。晒しをしていないために押し倒されて、左右に乳房が広がり、襟元が乱れて広がる。その寝巻きを押し上げる胸に、ツンと尖ったような部分が有ることに気付いて、ヤイチは唾を飲んだ。
「あ、だめ…」
襟元を寛げられそうになり、胸元が露にされる事に気付いて、シナは慌てて声を上げたが。伸ばした手がヤイチの腕に触れた時には、もう両胸とも露になっていた。
「あ、あぁ…」
自分の半分しか生きていない若い男に見せるつもりではなかった。いや、そもそも誰に見せるつもりでもなかったのだ。ただ、自分を勇気付けてくれる物だったから、シナはそれを身に着けていたのだ。
恥ずかしさに身をくねらせるシナの大きな乳房の先には、銀製の花が咲いている。そのキラキラと美しい繊細な花弁の中心には、葡萄色の乳頭が膨らんでいた。
「………綺麗だ」
「え…あぁっ!」
ヤイチの呟きに、驚きと戸惑いながらも喜びを見出しかけたシナだったが、激しく胸を揉みしだかれ、乳首の先を吸われて背を仰け反らせながら叫んでしまった。
「あ、だめっ、そんなにしたら、あ、あぁ」
ヤイチはシナの指が沈むような大きな胸を激しく揉み、口はその先端を舐めたり吸ったりする事に夢中になる。
とびきり感じ易く、弱い場所を責められ続け、シナは自身の内腿を擦り合わせながら声を上げ続けた。刺激にくらくらしながらも、できれば同時に欲しいものが、自身の腹の上で膨れている事に気付く。
ヤイチの褌を押し上げているそれに布越しに触れると、びくりと彼の体が震えた。
「おシナ…」
「ヤイチさん…契って、くださるのでしょう?」
シナの胸に夢中になって、本来の営みをすっかり忘れていたヤイチは、慌てて褌を取り払うと、迎えるように開かれているシナの太腿の間に入った。
胸に触れながら張形を使って自信を慰めていたシナのそこは、既に褥に染みを作るほど濡れ、口を開いてヤイチを待っている。
柄の割に大きなそれを、ヤイチはそっと当てがった。湿った熱に亀頭が包み込まれ、腹の中がムズムズと蠢くような妙な感覚がある。その感覚に堪りかねて、ぐっと一気に腰を進めた。
「っ!」
シナが息を詰めたのに焦ったが、飲み込まれたものを包み込む気持ち良さが勝る。つい、腰は自分勝手に前後し始めてしまった。
「あっ、シナ…おシナ!」
「っ、はぁ、あぁ、ヤイチさん…」
初めて知った女の中に、ヤイチのモノは早々に果ててしまった。だが、自分が腰を振る度に重そうに揺れていたシナの乳房を再び揉めば、抜かぬ内からまた硬度を戻していく。
胸を揉むのに夢中で前傾姿勢になっているため、腰はさほど動かせる訳ではない。
「あぁ、いぃ、もうもう、ああっ」
だが、その小さな律動で、シナの中にあるちょうど心地いい箇所を、ヤイチのモノが刺激し続ける。その上、胸を揉みしだかれ、顔を埋められ、時折花の蜜を吸うように口が先端を吸い上げた。
「あぁもう、もう、果てますっ、そんなにされたら、あぁあっ、あっ、あぁ」
柔らかく温かな胸に触れる度に、シナの中が絞り上げるように動くのが気持ち良い。
「シナ、果てます、わたしももうっ」
「あっあぁ、ヤイチさんっ!」
荒い呼吸を繰り返しながら、二人はそっと視線を絡めた。どちらからともなく微笑み合い、口付けを交わす。
遠くで今だ終わらぬ宴会の喧騒が聞こえていた。
(この歳で、婚礼衣装を着る事になるなんて)
気恥ずかしさもあった、だが、喜びが勝っている。胸を潰すのには限度があるため、全体に太って見える仕上がりになっていたが、少し不格好なぐらいが自分には似合いに思えた。
(こんな年増でも式を挙げて下さるなんて…きっと良い方だわ)
胸は少し苦しいが苦痛というほどではない。心は弾むように踊っていて、世界が晴れやかに見えた。
「シナ…綺麗よ」
「本当に…」
「よかったわねぇ」
身支度を手伝ってくれた母と姉達が口々に祝福をくれ、先に行くわね、と部屋を出て行く。
ここは、海青屋の住居の離れであり、シナは、呼ばれたら神棚のある広間へ向かうのだ。
参加者を見届け人として、神前で杯を交わし、互いが夫婦となる事を誓い合う。そして、宴会が始まり、途中で新郎新婦は退出し、それぞれに風呂へ入るのだ。ここまで新郎新婦はろくに顔を合わせる事がない。風呂から出て、人々が宴会を続けている中、喧騒とは離れた場所に用意する初夜の寝室へやって来て、そこで初めて相対する。
(きっと…閨を過ごす事にはならないのでしょうけど…嬉しいわ。私、本当に結婚できたのね)
湯上りで、白い寝巻き一枚となったシナは、どうしても露になってしまう胸の谷間を手のひらでそっと隠しながら、寝間で待っていた。白壁に向けて行灯が揺らめく部屋は、薄暗闇で、満月の今は外の方が明るく見える。
(ああ、いらっしゃった…)
なので、障子の前に人が立てば、はっきりと人影が映る。
「もうし、こちらに葡萄の木は御座いましょうや」
演芸の台詞のような妙な抑揚の喋り方は、この呼びかけが初夜問答だからだ。
「はい。一本。古木がございます」
「甘い粒は成っていましょうや」
「…はい。ひと房ですが、成ってございます」
「どうにも乾いて仕方がない、どうかその房一つ恵んでいただけましょうや」
「どうぞ…お入りになって、ちぎっていってくださりませ」
「左様ならば入りまして、一つちぎってやりましょう」
言葉が終わると、障子を開ける音がした。
シナは褥の上で頭を下げている。
また滑る音がして、障子が閉まり、板張りの上を静かに気配が近づいてきた。動きが止まり、褥を乗せた畳の縁に立ち、見下ろしている。
シナは、そっと頭を上げた。
「え…」
そして、目を見張った。
「お会いしたかった」
そこには、顔にあどけなさすら残した自分と背のそう変わらない青年、海青屋の若旦那、ヤイチが立っていた。
「あの」
ヤイチは膝を付くと、驚き戸惑うシナの両手を自身の両手で包み、熱っぽい眼差しで微笑んだ。
「わたしのような若輩者の元へ来てくださった事、深く感謝しております」
その声に、間違いなく神前で誓いを立てた相手だと悟る。だが、シナの戸惑いは変わらない。なにせ、ヤイチは成人したばかり。つまりはシナの半分の歳なのだ。
(御先代だったはずでは…だって、若旦那さんは、確か今年十六になったばかりだと)
どこか夢を見ているような表情のヤイチはシナの戸惑いに気付かぬまま、握っていた手を離し、彼女の真っ直ぐな銀髪をひと房掴み、口付けた。
髪から立ち上る香油の匂いが、塞き止めていた何かを壊していく。
「おシナ!」
「あっ…」
がばりとシナを褥に押し倒し、彼はシナの腹に跨ってその胸を見下ろした。晒しをしていないために押し倒されて、左右に乳房が広がり、襟元が乱れて広がる。その寝巻きを押し上げる胸に、ツンと尖ったような部分が有ることに気付いて、ヤイチは唾を飲んだ。
「あ、だめ…」
襟元を寛げられそうになり、胸元が露にされる事に気付いて、シナは慌てて声を上げたが。伸ばした手がヤイチの腕に触れた時には、もう両胸とも露になっていた。
「あ、あぁ…」
自分の半分しか生きていない若い男に見せるつもりではなかった。いや、そもそも誰に見せるつもりでもなかったのだ。ただ、自分を勇気付けてくれる物だったから、シナはそれを身に着けていたのだ。
恥ずかしさに身をくねらせるシナの大きな乳房の先には、銀製の花が咲いている。そのキラキラと美しい繊細な花弁の中心には、葡萄色の乳頭が膨らんでいた。
「………綺麗だ」
「え…あぁっ!」
ヤイチの呟きに、驚きと戸惑いながらも喜びを見出しかけたシナだったが、激しく胸を揉みしだかれ、乳首の先を吸われて背を仰け反らせながら叫んでしまった。
「あ、だめっ、そんなにしたら、あ、あぁ」
ヤイチはシナの指が沈むような大きな胸を激しく揉み、口はその先端を舐めたり吸ったりする事に夢中になる。
とびきり感じ易く、弱い場所を責められ続け、シナは自身の内腿を擦り合わせながら声を上げ続けた。刺激にくらくらしながらも、できれば同時に欲しいものが、自身の腹の上で膨れている事に気付く。
ヤイチの褌を押し上げているそれに布越しに触れると、びくりと彼の体が震えた。
「おシナ…」
「ヤイチさん…契って、くださるのでしょう?」
シナの胸に夢中になって、本来の営みをすっかり忘れていたヤイチは、慌てて褌を取り払うと、迎えるように開かれているシナの太腿の間に入った。
胸に触れながら張形を使って自信を慰めていたシナのそこは、既に褥に染みを作るほど濡れ、口を開いてヤイチを待っている。
柄の割に大きなそれを、ヤイチはそっと当てがった。湿った熱に亀頭が包み込まれ、腹の中がムズムズと蠢くような妙な感覚がある。その感覚に堪りかねて、ぐっと一気に腰を進めた。
「っ!」
シナが息を詰めたのに焦ったが、飲み込まれたものを包み込む気持ち良さが勝る。つい、腰は自分勝手に前後し始めてしまった。
「あっ、シナ…おシナ!」
「っ、はぁ、あぁ、ヤイチさん…」
初めて知った女の中に、ヤイチのモノは早々に果ててしまった。だが、自分が腰を振る度に重そうに揺れていたシナの乳房を再び揉めば、抜かぬ内からまた硬度を戻していく。
胸を揉むのに夢中で前傾姿勢になっているため、腰はさほど動かせる訳ではない。
「あぁ、いぃ、もうもう、ああっ」
だが、その小さな律動で、シナの中にあるちょうど心地いい箇所を、ヤイチのモノが刺激し続ける。その上、胸を揉みしだかれ、顔を埋められ、時折花の蜜を吸うように口が先端を吸い上げた。
「あぁもう、もう、果てますっ、そんなにされたら、あぁあっ、あっ、あぁ」
柔らかく温かな胸に触れる度に、シナの中が絞り上げるように動くのが気持ち良い。
「シナ、果てます、わたしももうっ」
「あっあぁ、ヤイチさんっ!」
荒い呼吸を繰り返しながら、二人はそっと視線を絡めた。どちらからともなく微笑み合い、口付けを交わす。
遠くで今だ終わらぬ宴会の喧騒が聞こえていた。
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