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準備は良いですか
66.もういいかい
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翌日。
金髪裸眼のクライフを前にファランは、見ているようで視点を定めないぼんやりした視界で対抗してみた。
距離が近過ぎて大して効果はなかったが。
(くっ…なんだこの王子然としたイケメンは! いや、イケメンという言葉すら生温いわ…とんだ美貌の麗人じゃないか。泣きたい。こんな人と踊るって何かの罰ゲームじゃないの? あれ? 大丈夫? これ、ファラン霞まない? 私本当に広告塔として大丈夫?)
最初の衝撃が去ると、しだいに、イケメンとダンスというときめきよりも差し迫った舞踏会への不安が膨らんでくる。
(いや! ポジティブシンキングだ! 良い方に転換するんだ私!)
ダンスそのものは踊れていた。過去のファランの学習は無駄ではなかったのだ。その後十年近く封印されたが、晴れて日の目を見る時は来た。過去の努力の結実を、最大限美味しくするために懸命に踊るのだ。
(そうだよ!)
ファランの脳裏に一つの筋書きが閃く。
(他所様からすれば私とクライフさんの間柄は同伴者という事以外不明なんだから、ここはむしろアピールチャンス。デブで性格悪くて婚約破棄された令嬢が痩せたらイケメン連れてダンスだよ。こんなんもう奇跡じゃん奇跡。そう! 自分が綺麗になるだけじゃない! 幸運すらも引き寄せるんだぜ、と思わせるのよ! 信じるも信じないもあなた次第と丸投げつつ、甘い誘惑はこれでもかと見せつける! 誇大広告ではあるかもだが、詐欺ではない! なんか、悪徳商法みたいな気がしなくもないけど、大豆は体に良いよ、という建前を私は信じている!)
よってこれは詐欺ではない。
脳内で葛藤を繰り返しつつも、そんな結論を導き出したファランは、一曲踊りきったところで休憩を叫んだ。
心臓が過労状態のファランが休んでいる間も、クライフとカトレアは話し合いを続けている。
(うちのお姉ちゃんとお兄ちゃん強いわぁ…)
かつ美しいな、と二人を鑑賞していたファランは、フィエラがお茶を持ってきてくれた事に気付いた。
「昨日は、助かったわ。メイラさん、随分思いつめていたから」
「罪状を詳しくは、知らなかったそうです。ただ死刑になると悪意ある噂で聞いてしまったようで」
「…それで、あんなに焦ってらしたの」
イカスには、今後も無いとは言い切れない状況だが、少なくとも今のところ死刑になる罪状は無い。
「あの、差し出口かと思うのですが…」
「何?」
「よろしいのですか。その、嘆願をお引き受けになって…」
「ああ」
新しく入った人物にも、マーヴェラス家で何があったかは全て話している。
「私の叔父に対する感情と、彼女達の叔父に対する感情は違う、混ぜて考えていいものではないわ。それは、叔父の振る舞いが違ったからで、彼女達にとっては叔父は助命嘆願したくなるほどの相手だという事ならば、その嘆願を引き出したのは紛れもなく叔父なの。私はそれを潰しはしない。ただ、国に判断を委ねるだけよ」
フィエラは感心したような顔で頷いた。
(まぁ、本当は、私は叔父に対してあんまり感慨がないからっていうのが大きいけど。ファランも、あの人達を人間なのか思い悩んでたせいか、どことなく遠いと思ってるみたいだし。それに叔父は…)
良い夫であり、良い父だったのだろう。
そう考える。
貴族の家に直談判に行こうと決意できるほど愛されていた。少なくとも、メイラとシエラにとって、イカスはそういう存在だったのだ。
ならば、ファランは、イカスではなく、メイラとシエラに同情する。
大事な家族を助ける術があるというのなら、ファランだって、きっとなんでもしただろう。
「それに、嬉しかったわ。シエラが従姉妹かもしれないって思ったら。可愛いんだもの」
少し沈んだ内心をごまかすように、肩をすくめて笑ってみせた。
「然様でございますね。お可愛らしくていらっしゃいました」
フィエラはしっかりと頷くと、笑顔で答えた。
侍女達を巻き込んだシエラのファッションショーは、本人が何度もぐずるのをお菓子でつりまくって、全八着に及んだ。九着目は、もうお菓子を出しても嫌そうな顔をされたので、諦めた。
(ぶっちゃけ…あの顔に生まれてたら母親からも愛されたのかしらね………止めよ。どうでも良い事だわ)
首を振って、フィエラに向けていた視線を戻すと、カトレアとクライフが見ていた。
「どうかした?」
何か問題でも発生したのだろうかと首を傾げると、カトレアの目から涙が溢れる。
「えっ? どうしたの?」
慌てて駆け寄れば、
「お嬢様が…あまりに、ご立派で…」
と、呻くように言った。
呼び方が戻ってしまうくらいには立派に映ったらしい。
「そう?」
思わず苦笑して肩をすくめたが、クライフはそうした思いではないようだった。視線を向ければ真剣な顔で、質問される。
「親子関係が証明されたら、シエラ嬢を引き取るおつもりですか?」
予想外だった。
全く想定していなかった。
(そっか…)
メイラはともかく、シエラがイカスと親子だと認められれば、彼女はトレッツォ家を継承できる唯一の存在だ。そして、マーヴェラス家の血縁ではないが、ファランの従姉妹になる。
「そういう事も考えられるのね」
横領の額が額なので、嘆願が受け入れられたところで、イカスの私財はほぼ無くなる。クライフに聞いた話では、メイラは刺繍職人で、平民としてシエラを養っていくだけの能力はあるそうだ。だが、そこにイカスが加わったら、それは中々の負担だろう。
それに、メイラ自身も家族には縁が無い孤児らしいので、もし何かあれば、シエラは頼る伝手がない。
(元々嘆願で国外追放を免れるのなら、うちで蟄居するのだろうと考えてはいたし…そこにあの天使とお母さんが加わるのは、別に…全然不快ではないな)
「今度訊いてみましょう!」
つまり、そこまで考えてはなかったのだな、とクライフは藪蛇になった事を悔いて口元を覆ったが、ファランは良い案をもらったと心底思った。
金髪裸眼のクライフを前にファランは、見ているようで視点を定めないぼんやりした視界で対抗してみた。
距離が近過ぎて大して効果はなかったが。
(くっ…なんだこの王子然としたイケメンは! いや、イケメンという言葉すら生温いわ…とんだ美貌の麗人じゃないか。泣きたい。こんな人と踊るって何かの罰ゲームじゃないの? あれ? 大丈夫? これ、ファラン霞まない? 私本当に広告塔として大丈夫?)
最初の衝撃が去ると、しだいに、イケメンとダンスというときめきよりも差し迫った舞踏会への不安が膨らんでくる。
(いや! ポジティブシンキングだ! 良い方に転換するんだ私!)
ダンスそのものは踊れていた。過去のファランの学習は無駄ではなかったのだ。その後十年近く封印されたが、晴れて日の目を見る時は来た。過去の努力の結実を、最大限美味しくするために懸命に踊るのだ。
(そうだよ!)
ファランの脳裏に一つの筋書きが閃く。
(他所様からすれば私とクライフさんの間柄は同伴者という事以外不明なんだから、ここはむしろアピールチャンス。デブで性格悪くて婚約破棄された令嬢が痩せたらイケメン連れてダンスだよ。こんなんもう奇跡じゃん奇跡。そう! 自分が綺麗になるだけじゃない! 幸運すらも引き寄せるんだぜ、と思わせるのよ! 信じるも信じないもあなた次第と丸投げつつ、甘い誘惑はこれでもかと見せつける! 誇大広告ではあるかもだが、詐欺ではない! なんか、悪徳商法みたいな気がしなくもないけど、大豆は体に良いよ、という建前を私は信じている!)
よってこれは詐欺ではない。
脳内で葛藤を繰り返しつつも、そんな結論を導き出したファランは、一曲踊りきったところで休憩を叫んだ。
心臓が過労状態のファランが休んでいる間も、クライフとカトレアは話し合いを続けている。
(うちのお姉ちゃんとお兄ちゃん強いわぁ…)
かつ美しいな、と二人を鑑賞していたファランは、フィエラがお茶を持ってきてくれた事に気付いた。
「昨日は、助かったわ。メイラさん、随分思いつめていたから」
「罪状を詳しくは、知らなかったそうです。ただ死刑になると悪意ある噂で聞いてしまったようで」
「…それで、あんなに焦ってらしたの」
イカスには、今後も無いとは言い切れない状況だが、少なくとも今のところ死刑になる罪状は無い。
「あの、差し出口かと思うのですが…」
「何?」
「よろしいのですか。その、嘆願をお引き受けになって…」
「ああ」
新しく入った人物にも、マーヴェラス家で何があったかは全て話している。
「私の叔父に対する感情と、彼女達の叔父に対する感情は違う、混ぜて考えていいものではないわ。それは、叔父の振る舞いが違ったからで、彼女達にとっては叔父は助命嘆願したくなるほどの相手だという事ならば、その嘆願を引き出したのは紛れもなく叔父なの。私はそれを潰しはしない。ただ、国に判断を委ねるだけよ」
フィエラは感心したような顔で頷いた。
(まぁ、本当は、私は叔父に対してあんまり感慨がないからっていうのが大きいけど。ファランも、あの人達を人間なのか思い悩んでたせいか、どことなく遠いと思ってるみたいだし。それに叔父は…)
良い夫であり、良い父だったのだろう。
そう考える。
貴族の家に直談判に行こうと決意できるほど愛されていた。少なくとも、メイラとシエラにとって、イカスはそういう存在だったのだ。
ならば、ファランは、イカスではなく、メイラとシエラに同情する。
大事な家族を助ける術があるというのなら、ファランだって、きっとなんでもしただろう。
「それに、嬉しかったわ。シエラが従姉妹かもしれないって思ったら。可愛いんだもの」
少し沈んだ内心をごまかすように、肩をすくめて笑ってみせた。
「然様でございますね。お可愛らしくていらっしゃいました」
フィエラはしっかりと頷くと、笑顔で答えた。
侍女達を巻き込んだシエラのファッションショーは、本人が何度もぐずるのをお菓子でつりまくって、全八着に及んだ。九着目は、もうお菓子を出しても嫌そうな顔をされたので、諦めた。
(ぶっちゃけ…あの顔に生まれてたら母親からも愛されたのかしらね………止めよ。どうでも良い事だわ)
首を振って、フィエラに向けていた視線を戻すと、カトレアとクライフが見ていた。
「どうかした?」
何か問題でも発生したのだろうかと首を傾げると、カトレアの目から涙が溢れる。
「えっ? どうしたの?」
慌てて駆け寄れば、
「お嬢様が…あまりに、ご立派で…」
と、呻くように言った。
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「そう?」
思わず苦笑して肩をすくめたが、クライフはそうした思いではないようだった。視線を向ければ真剣な顔で、質問される。
「親子関係が証明されたら、シエラ嬢を引き取るおつもりですか?」
予想外だった。
全く想定していなかった。
(そっか…)
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それに、メイラ自身も家族には縁が無い孤児らしいので、もし何かあれば、シエラは頼る伝手がない。
(元々嘆願で国外追放を免れるのなら、うちで蟄居するのだろうと考えてはいたし…そこにあの天使とお母さんが加わるのは、別に…全然不快ではないな)
「今度訊いてみましょう!」
つまり、そこまで考えてはなかったのだな、とクライフは藪蛇になった事を悔いて口元を覆ったが、ファランは良い案をもらったと心底思った。
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