38 / 70
後日談2
3.ニアの災難 ※ニア1人称
しおりを挟む
やぁ、みんな。三度の飯よりエロが好きかい。私は大好きだよ。
まぁ美味しいご飯も好きなんだけどね。体がしっかりしてないと、エロも楽しめないしね。あ、もちろん、美味しいお菓子も大好きさ。そう例えば、目の前のふわふわの紅茶シフォンとかね。
「んんんんんっ!」
鼻に抜ける香りにふわっふわな食感。甘さ控えめでコクのある生クリームが、控え目に言って最高だ。アデルの婚約者って立場になって、何が良いって、エロネタの供給が高い事と食生活の充実だよ。学園の寮生活とかいう窮屈なはずの状態で外より良いもん食べてるからな私。
「なんです?」
甘い物を食べている顔がだらしなかったとしてもそんなものは全女子共通の生態なので私は恥じらわないぞ。妙な生き物を見る顔されたって、恥ずかしくないものは恥ずかしくない。
「いや。俺の婚約者になってずいぶん大変な目に遭っていると聞いたが、元気そうだな」
「ああ、それですか」
まぁ、現実世界にヒロイン効果なんてないからね。私、どっちかっていうと地味な変わり者女子属だったし。そんなのがこの国で最高の将来有望株とくっついたらね、横槍もやっかみもあるでしょうよ。んなもん予想の範疇ですよ。
「べっつに大変って程でもないですねぇ。可愛いもんですよ」
私、いちおう伯爵家だからね。子爵家とか男爵家の子は遠巻きにヒソヒソするだけだし。同じ伯爵家でも、大事に育てられて来た裕福な子ってそんなに大それた事はしないというか、慣れてない感がハンパないんだよね。
下駄箱に虫籠とか入れられても、籠ごと入ってるからそのまま出せば済むし。
そっと足とか伸ばされても、見えてるし、普通に避けるし。
歩いててぶつかられて、あらごめんなさい見えなかった、とか言われても全然気にしないし。ていうか、ぶつかってきた子の方がふらついて、普通に大丈夫ですかって声かけちゃったし。なんなら、ごめんね頑丈で、って謝りかけたし。
元々女子の友達はいなかったし。ルイ君いるから、ぼっちじゃないし。
平気だし。
全然元気だし。
「そのうち飽きるんじゃないですかね。まぁ、逆にエスカレートしたら助けてください」
「現状に助けはいらないのか?」
「えー、逆にどの辺に助けが要りそうに見えます?」
「そうだな。差し当ってお前の後に立っている奴から助けようか」
「は?」
アデルの言葉に振り向くと、アクスが立っていた。
ルイ君はアクスの無表情怖いとかよく言うけど。私からすればこの人ルイ君の前以外じゃほぼ歯見せて笑ったりしないから。別に無表情とか何とも思わないや。全然平気。平気の平左だぁい。
って………
うぉい、その紙束!
ちょ、ルイ君バレたの?
なら教えといてよ、ルイ君絡んだアクスはさすがに私も怖いよ!
「おおおたすけれがいますぅ」
どもった上に噛んだけど、私は何とかアデルに助けを求める事に成功した。笑顔の王太子は特に何もしないが。
助けてくれるんやなかったんかい!
「ちょっと訊きたい事があるだけだ」
「ななん、なんで、しょう?」
その紙に書かれてる事なら勘弁してください。
「これに書かれてる上級生ってのは誰だ?」
「…いや、それ、創作ですし。別に誰って事はないですよ。モデルもいません」
はい嘘。
だって、ミレイもスレインも名前付きで存在してるんだよ?
ルイの相手だけ名も無きモブですって、有る訳ないでしょうが。ルイ君に渡すにあたってセンシティブな部分だし伏せたってだけだよ。彼、とか、上級生、って言葉でさ。ちなみに使用人の方も名前変えたよ。上下左右からとった事に関しては、ルイ君から一瞬ふきだしました、って不評をもらった。私も自分で書いてて笑ったから謝った。
「モデルも、いない?」
はい怖い。ちょー怖い。この人に実際に居る人ですよって話とか、ありえないでしょう。犯罪の予感しかしないわ。
「はい」
ちらりとアデルを確認してアクスは去って行きました、っと。
これ、王太子が居なかったら、私ぶん殴られるくらいの事はありえましたかね。
おーくわばらくわばら。
まぁ美味しいご飯も好きなんだけどね。体がしっかりしてないと、エロも楽しめないしね。あ、もちろん、美味しいお菓子も大好きさ。そう例えば、目の前のふわふわの紅茶シフォンとかね。
「んんんんんっ!」
鼻に抜ける香りにふわっふわな食感。甘さ控えめでコクのある生クリームが、控え目に言って最高だ。アデルの婚約者って立場になって、何が良いって、エロネタの供給が高い事と食生活の充実だよ。学園の寮生活とかいう窮屈なはずの状態で外より良いもん食べてるからな私。
「なんです?」
甘い物を食べている顔がだらしなかったとしてもそんなものは全女子共通の生態なので私は恥じらわないぞ。妙な生き物を見る顔されたって、恥ずかしくないものは恥ずかしくない。
「いや。俺の婚約者になってずいぶん大変な目に遭っていると聞いたが、元気そうだな」
「ああ、それですか」
まぁ、現実世界にヒロイン効果なんてないからね。私、どっちかっていうと地味な変わり者女子属だったし。そんなのがこの国で最高の将来有望株とくっついたらね、横槍もやっかみもあるでしょうよ。んなもん予想の範疇ですよ。
「べっつに大変って程でもないですねぇ。可愛いもんですよ」
私、いちおう伯爵家だからね。子爵家とか男爵家の子は遠巻きにヒソヒソするだけだし。同じ伯爵家でも、大事に育てられて来た裕福な子ってそんなに大それた事はしないというか、慣れてない感がハンパないんだよね。
下駄箱に虫籠とか入れられても、籠ごと入ってるからそのまま出せば済むし。
そっと足とか伸ばされても、見えてるし、普通に避けるし。
歩いててぶつかられて、あらごめんなさい見えなかった、とか言われても全然気にしないし。ていうか、ぶつかってきた子の方がふらついて、普通に大丈夫ですかって声かけちゃったし。なんなら、ごめんね頑丈で、って謝りかけたし。
元々女子の友達はいなかったし。ルイ君いるから、ぼっちじゃないし。
平気だし。
全然元気だし。
「そのうち飽きるんじゃないですかね。まぁ、逆にエスカレートしたら助けてください」
「現状に助けはいらないのか?」
「えー、逆にどの辺に助けが要りそうに見えます?」
「そうだな。差し当ってお前の後に立っている奴から助けようか」
「は?」
アデルの言葉に振り向くと、アクスが立っていた。
ルイ君はアクスの無表情怖いとかよく言うけど。私からすればこの人ルイ君の前以外じゃほぼ歯見せて笑ったりしないから。別に無表情とか何とも思わないや。全然平気。平気の平左だぁい。
って………
うぉい、その紙束!
ちょ、ルイ君バレたの?
なら教えといてよ、ルイ君絡んだアクスはさすがに私も怖いよ!
「おおおたすけれがいますぅ」
どもった上に噛んだけど、私は何とかアデルに助けを求める事に成功した。笑顔の王太子は特に何もしないが。
助けてくれるんやなかったんかい!
「ちょっと訊きたい事があるだけだ」
「ななん、なんで、しょう?」
その紙に書かれてる事なら勘弁してください。
「これに書かれてる上級生ってのは誰だ?」
「…いや、それ、創作ですし。別に誰って事はないですよ。モデルもいません」
はい嘘。
だって、ミレイもスレインも名前付きで存在してるんだよ?
ルイの相手だけ名も無きモブですって、有る訳ないでしょうが。ルイ君に渡すにあたってセンシティブな部分だし伏せたってだけだよ。彼、とか、上級生、って言葉でさ。ちなみに使用人の方も名前変えたよ。上下左右からとった事に関しては、ルイ君から一瞬ふきだしました、って不評をもらった。私も自分で書いてて笑ったから謝った。
「モデルも、いない?」
はい怖い。ちょー怖い。この人に実際に居る人ですよって話とか、ありえないでしょう。犯罪の予感しかしないわ。
「はい」
ちらりとアデルを確認してアクスは去って行きました、っと。
これ、王太子が居なかったら、私ぶん殴られるくらいの事はありえましたかね。
おーくわばらくわばら。
1
お気に入りに追加
407
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる