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17.放課後
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放課後のイベントを前に俺達は連れ立ってグランの教室を訪れ、戸惑う彼を両側から挟んで保健室に連れて行くと、驚くスレイン先生にグランを預けた。後で迎えに来るから一緒に寮に帰ろう、と言いおいて去っていく。
本当は保健室見学組と放課後イベント見学組に別れようかと話していたのだが、まぁ、なんというか、俺達も決してお邪魔虫がしたい訳ではないというか、仲良くなり始めたばかりの二人にちょっかいかけるのはマズイだろうという結論になったんだ。
そんな訳で今日の予定通り、テオとロスに会うイベント会場へ向かう。
いや、まぁ、会場っていうか、生徒会室前の廊下なんだけどね。
ちなみに、これから会う予定のテオは2年生。紫の髪に、同じ色の目をした、髪型やら表情やら、全体にふんわかした雰囲気の美少年なんだが。キャラクター性を端的に表すと、ヤンデレ。下手したら、レっていうかル、じゃねってくらいのヤミっぷり。
いや、ほんとふんわりした雰囲気のきらきらぱっちりお目目な立ち絵と、ハイライト持ってきてぇ、って叫びたくなる死んだ目の立ち絵の差たるや。ハイライト無いだけなのにびっくりする印象の違い。まぁ、下に表示されてるセリフも大いに印象に影響を与えてるけどね。
あとは、生徒会長のロス。深緑色の髪に新緑色の目をしたシンリョクの人。いや、ファンの間ではシンリョクの人で通ってたんだよ。俺が言いだしたんじゃなくてね。
で、まぁこの二人に会うイベントは、生徒会入りを直談判するテオとロスのやりとりに行きあうってものなんだけど。本筋だと行き合った後に、テオを追うか、ロスにとそこに残るか、って分岐だったはず。どんな風になってんだろう。
ニアさんは相変わらずお楽しみにと笑うだけだ。
まぁ、楽しみにしますとも。
って、あれ?
今、テオらしき人物が普通に生徒会室入っていったような。
「あ、まずい、ちょっと遅かった!」
「え?!」
「急ぐよルイ君!」
「はい!」
俺達は駆け足で生徒会室の隣の部屋に入った。
あれ?
どういうこと?
俺が戸惑っていると、ニアさんはそのこじんまりした資料室の壁、ちょうど生徒会室側の壁に掛かっていた布を捲り上げる。
「………まさか」
「マジックミラーで・す・よ」
ニアさんの笑顔がただのエロオヤジだが、どうせ俺も同じような顔してんだろうなぁ。
ちなみにそのマジックミラーは見えるだけで音は一切無い。
悲しいが、こっちの音も向こうに知られないと考えれば、イイ事だと思う。
「うひょー…」
「ルイ君その悲鳴は止めてくれ、笑う」
「すんませんつい」
鏡の向こうでは、ロスにテオが迫っているのがよく解った。
生徒会室と言っても、執務室みたいなものではなく。ごく普通に長机がコの字に置かれた部屋なのだが、そのコの中でグイグイくるテオに追い詰められたロスが、机に後ろ手を着いて必死に何事かを言っている。
ロスよりも身長の低いテオは、見上げるようにしながら答えつつ、ぴったりと体を密着させにかかっていた。
本当は保健室見学組と放課後イベント見学組に別れようかと話していたのだが、まぁ、なんというか、俺達も決してお邪魔虫がしたい訳ではないというか、仲良くなり始めたばかりの二人にちょっかいかけるのはマズイだろうという結論になったんだ。
そんな訳で今日の予定通り、テオとロスに会うイベント会場へ向かう。
いや、まぁ、会場っていうか、生徒会室前の廊下なんだけどね。
ちなみに、これから会う予定のテオは2年生。紫の髪に、同じ色の目をした、髪型やら表情やら、全体にふんわかした雰囲気の美少年なんだが。キャラクター性を端的に表すと、ヤンデレ。下手したら、レっていうかル、じゃねってくらいのヤミっぷり。
いや、ほんとふんわりした雰囲気のきらきらぱっちりお目目な立ち絵と、ハイライト持ってきてぇ、って叫びたくなる死んだ目の立ち絵の差たるや。ハイライト無いだけなのにびっくりする印象の違い。まぁ、下に表示されてるセリフも大いに印象に影響を与えてるけどね。
あとは、生徒会長のロス。深緑色の髪に新緑色の目をしたシンリョクの人。いや、ファンの間ではシンリョクの人で通ってたんだよ。俺が言いだしたんじゃなくてね。
で、まぁこの二人に会うイベントは、生徒会入りを直談判するテオとロスのやりとりに行きあうってものなんだけど。本筋だと行き合った後に、テオを追うか、ロスにとそこに残るか、って分岐だったはず。どんな風になってんだろう。
ニアさんは相変わらずお楽しみにと笑うだけだ。
まぁ、楽しみにしますとも。
って、あれ?
今、テオらしき人物が普通に生徒会室入っていったような。
「あ、まずい、ちょっと遅かった!」
「え?!」
「急ぐよルイ君!」
「はい!」
俺達は駆け足で生徒会室の隣の部屋に入った。
あれ?
どういうこと?
俺が戸惑っていると、ニアさんはそのこじんまりした資料室の壁、ちょうど生徒会室側の壁に掛かっていた布を捲り上げる。
「………まさか」
「マジックミラーで・す・よ」
ニアさんの笑顔がただのエロオヤジだが、どうせ俺も同じような顔してんだろうなぁ。
ちなみにそのマジックミラーは見えるだけで音は一切無い。
悲しいが、こっちの音も向こうに知られないと考えれば、イイ事だと思う。
「うひょー…」
「ルイ君その悲鳴は止めてくれ、笑う」
「すんませんつい」
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生徒会室と言っても、執務室みたいなものではなく。ごく普通に長机がコの字に置かれた部屋なのだが、そのコの中でグイグイくるテオに追い詰められたロスが、机に後ろ手を着いて必死に何事かを言っている。
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