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13.お昼
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昼休み、購買でなんか彩りやらがお洒落なコッペパンサンドを買った俺達は、いそいそと次のイベント会場に向かっている。
「ルイ君。事前に言っておかなくてはならない。次のイベはムナクソ系だ」
「あー…ちょっと考えてはいました」
元々の恋ロマにおいても、次のグランのイベントは、結構みんなツライという感想が多い。グランは、いわゆるお妾さんの子供で、一つ上と二つ上の兄二人から暴力を伴ういじめ、いや家庭内外暴力、もはや虐待だろうか、そうした事を受けている。兄達は母親、グランにとっては継母によく似ている。そしてグランは、父親譲りの青髪に実の母親譲りのアイスブルーの目をしているのだ。父親の血を間違いなく継いでいる証と母親が違う証が目に見える容姿は彼に対する攻撃を激しくした。
だが、そうした境遇があるからこそヒロインに助けられて救われていくルートが胸熱だとグラン推しの人は語る。ちなみに俺はグラン推しではないんだが、絶対助けてやるからなぁって、もうレスキュー隊かくらいの気持ちで攻略してた。
まぁ、そんな彼に18禁BLとなれば薄々ムナクソな展開は感じてましたよ。
あれ…ちょっと待てよ。
ヒロインのニアさんが此処に居るって事はそのムナクソを仲裁するのは誰になるんですか?
「あの、ニアさん。つかぬ事をお伺いしますが」
「ん?」
「誰がグランを助けるんです?」
まさか救世主出現せずなんて事ないよな、だからムナクソって言ったとか、そんな事…。
俺がグランを思ってガクブルしていると、ニアさんは覚悟を決めた顔で笑った。
「もちろん私だ!」
「………え?」
「えって、ひどくない?」
「いや、でも…あ、なるほど、着いたら速攻仲裁ですね」
「んーん。ひとしきり終わるの待って気絶してるグランを助ける」
「…何故」
「途中で飛び込むと兄ズにヒロインも犯られるエンドだから…できない。だから、ムナクソって言ったの…」
「なんと………」
「ごめん」
ニアさんがしょぼんと肩を落としている。恋ロマではヒロインが誰か来てって叫びながら仲裁に入るんだが。どうやらBL版では現実はハードモードな仕様らしい。俺もニアさんもしょぼくれてしまう。現実で性的虐待を受けている同級生を助けられないとか、結構落ち込むぞ、どうしよう。テンション急降下してきた。
パン買ってたあたりからニアさんの様子がおかしかったのこのせいか。
俺は、思いついたちょっとした抵抗をニアさんと検討しつつも急いでグランのイベントがある雑木林の方へ向かった。
「ゴホッ、げっゲホッ…」
「ちっ、こぼしやがって…汚ねぇな」
「ほら、お前も母親みたいに男のチンコが大好きな淫売なんだから、ちゃんと舐めろよ!」
画面の中ならいくらでも見ていられる。むしろにやにやして、ごちそうさまです、とか言って見てた。でも、駄目だ。これは駄目だ。
全裸にされたグランの体には思わず吐き気を覚えるほど惨たらしい傷が無数にあった。無理矢理喉に押し込まれて出されたのだろう苦しそうに噎せているのに、その髪を掴んで地面に落ちた精子に顔を押し当てるようにされている。噎せたから涙目になっていたが、その表情はもう泣くのも諦めたものだと解ってしまう。
「ルイ君。事前に言っておかなくてはならない。次のイベはムナクソ系だ」
「あー…ちょっと考えてはいました」
元々の恋ロマにおいても、次のグランのイベントは、結構みんなツライという感想が多い。グランは、いわゆるお妾さんの子供で、一つ上と二つ上の兄二人から暴力を伴ういじめ、いや家庭内外暴力、もはや虐待だろうか、そうした事を受けている。兄達は母親、グランにとっては継母によく似ている。そしてグランは、父親譲りの青髪に実の母親譲りのアイスブルーの目をしているのだ。父親の血を間違いなく継いでいる証と母親が違う証が目に見える容姿は彼に対する攻撃を激しくした。
だが、そうした境遇があるからこそヒロインに助けられて救われていくルートが胸熱だとグラン推しの人は語る。ちなみに俺はグラン推しではないんだが、絶対助けてやるからなぁって、もうレスキュー隊かくらいの気持ちで攻略してた。
まぁ、そんな彼に18禁BLとなれば薄々ムナクソな展開は感じてましたよ。
あれ…ちょっと待てよ。
ヒロインのニアさんが此処に居るって事はそのムナクソを仲裁するのは誰になるんですか?
「あの、ニアさん。つかぬ事をお伺いしますが」
「ん?」
「誰がグランを助けるんです?」
まさか救世主出現せずなんて事ないよな、だからムナクソって言ったとか、そんな事…。
俺がグランを思ってガクブルしていると、ニアさんは覚悟を決めた顔で笑った。
「もちろん私だ!」
「………え?」
「えって、ひどくない?」
「いや、でも…あ、なるほど、着いたら速攻仲裁ですね」
「んーん。ひとしきり終わるの待って気絶してるグランを助ける」
「…何故」
「途中で飛び込むと兄ズにヒロインも犯られるエンドだから…できない。だから、ムナクソって言ったの…」
「なんと………」
「ごめん」
ニアさんがしょぼんと肩を落としている。恋ロマではヒロインが誰か来てって叫びながら仲裁に入るんだが。どうやらBL版では現実はハードモードな仕様らしい。俺もニアさんもしょぼくれてしまう。現実で性的虐待を受けている同級生を助けられないとか、結構落ち込むぞ、どうしよう。テンション急降下してきた。
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「ゴホッ、げっゲホッ…」
「ちっ、こぼしやがって…汚ねぇな」
「ほら、お前も母親みたいに男のチンコが大好きな淫売なんだから、ちゃんと舐めろよ!」
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