8 / 70
7.今後
しおりを挟む
一連を確認してから、そろそろと階下に戻ってきた俺達は、俺、もといルイに遭うイベントをこなす必要がないので、出ていこうかどうしようか思い悩んでいた。
もう一人のキャラ、アクスに遭うのはあくまで図書館前の廊下なので、さっさと出て行ってそこで立ち尽くしていても問題はない。まぁ、テンション上がったオタクが声を抑えて会話できるのか、遠目から見てもにやにやしていると解るだろう欲望丸出しな顔が隠せるのか、という問題はあるんだが。
とはいえ、もう正直俺のモヤモヤが抑えられそうにないのでさっさと外に出てニアさんを問い詰める事にする。
彼女を引っ張るように、イースに笑顔で会釈をしてから図書館を出ると、まさかのタイミングでちょうどアクスが現れた。
「こんにちは」
ちょっと軟派なキャラのアクスはその緑の目で俺達を見てにこっと笑って挨拶してくる。
俺はタイミング的にうまく言葉が出てこなかったので会釈を返しただけだが、ニアさんは俺の横でにっこり笑ってこんにちはって言ってた。自作ゲームソフトを即売会で販売した経験のある人は対応力が違うぜ。
彼が図書館に入っていくのを横目で見届けて、俺達は足早に人気の無い方に向けて歩いていく。
「金混じりの茶髪って、イラストじゃあメッシュ的な表現だったけど…現実になるとああなんですね」
「思った! いやぁ、ああいうの見るとイラスト描く人って本当に大変だなって思う。キャラ作る時に結構適当に容姿の項目埋めてもびっくりするくらいドンピシャなイラスト描いてくれてた相方にマジ感謝だわ」
「俺も恋ロマはイラスト担当さんから知った口なんで、出会わせてくれて感謝感謝っすわ」
ニアさんがイラストは丸投げ系な人で相方さんと仲良しだった話などを楽しく聞き、うっかり図書館から出てきたアクスに間違っても声が届かないように、十分な距離がとれたと判断できる所まで来た。
俺はガシッとニアさんの肩を掴む。
「さぁ、ニアさん盛大なネタバレを。お願いしますよ。ホントに!」
「はっはっはぁそこまで言われちゃ仕方がないなぁ」
彼女は最近その動作見ねぇな、という、鼻を拳作った手首でくいってやる、なんだろう、あの、寿司職人ってか板前ってか、時代劇の中で江戸前職人さんがやる感じの動作、をした。
「まぁ、別に大したことはないんだけど。イースのあの性癖を解ってて、わざとエッチな本を寄贈してくる奴が居る訳ですよ。しかも、お前の秘密を知ってるぞ的な脅迫文を本に挟んでくるのさ」
「っそれは、だんだん要求がエスカレートしてくるアレですな」
「ソレですよ。そしてゆくゆくはあんなことやそんなことを…あぁこれは流石に言えないっ!」
「いやいやそこまで言っといてそんなお願いしますよ」
「いやいやいや」
「いやいやいやいや」
俺達はうっとうしいって位いやいや言いながら抑えきれないにやけ顔で寮へ向かうことにした。
もう一人のキャラ、アクスに遭うのはあくまで図書館前の廊下なので、さっさと出て行ってそこで立ち尽くしていても問題はない。まぁ、テンション上がったオタクが声を抑えて会話できるのか、遠目から見てもにやにやしていると解るだろう欲望丸出しな顔が隠せるのか、という問題はあるんだが。
とはいえ、もう正直俺のモヤモヤが抑えられそうにないのでさっさと外に出てニアさんを問い詰める事にする。
彼女を引っ張るように、イースに笑顔で会釈をしてから図書館を出ると、まさかのタイミングでちょうどアクスが現れた。
「こんにちは」
ちょっと軟派なキャラのアクスはその緑の目で俺達を見てにこっと笑って挨拶してくる。
俺はタイミング的にうまく言葉が出てこなかったので会釈を返しただけだが、ニアさんは俺の横でにっこり笑ってこんにちはって言ってた。自作ゲームソフトを即売会で販売した経験のある人は対応力が違うぜ。
彼が図書館に入っていくのを横目で見届けて、俺達は足早に人気の無い方に向けて歩いていく。
「金混じりの茶髪って、イラストじゃあメッシュ的な表現だったけど…現実になるとああなんですね」
「思った! いやぁ、ああいうの見るとイラスト描く人って本当に大変だなって思う。キャラ作る時に結構適当に容姿の項目埋めてもびっくりするくらいドンピシャなイラスト描いてくれてた相方にマジ感謝だわ」
「俺も恋ロマはイラスト担当さんから知った口なんで、出会わせてくれて感謝感謝っすわ」
ニアさんがイラストは丸投げ系な人で相方さんと仲良しだった話などを楽しく聞き、うっかり図書館から出てきたアクスに間違っても声が届かないように、十分な距離がとれたと判断できる所まで来た。
俺はガシッとニアさんの肩を掴む。
「さぁ、ニアさん盛大なネタバレを。お願いしますよ。ホントに!」
「はっはっはぁそこまで言われちゃ仕方がないなぁ」
彼女は最近その動作見ねぇな、という、鼻を拳作った手首でくいってやる、なんだろう、あの、寿司職人ってか板前ってか、時代劇の中で江戸前職人さんがやる感じの動作、をした。
「まぁ、別に大したことはないんだけど。イースのあの性癖を解ってて、わざとエッチな本を寄贈してくる奴が居る訳ですよ。しかも、お前の秘密を知ってるぞ的な脅迫文を本に挟んでくるのさ」
「っそれは、だんだん要求がエスカレートしてくるアレですな」
「ソレですよ。そしてゆくゆくはあんなことやそんなことを…あぁこれは流石に言えないっ!」
「いやいやそこまで言っといてそんなお願いしますよ」
「いやいやいや」
「いやいやいやいや」
俺達はうっとうしいって位いやいや言いながら抑えきれないにやけ顔で寮へ向かうことにした。
1
お気に入りに追加
407
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる