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5.次のイベント
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常に孤独感を抱えて人生を送ってきたルイの悲しいあれそれは10歳頃に始まる。
夜中にふと目を覚ましたルイは、家の使用人が男同士でエロい事をしている現場に遭遇してしまう。そして男なら誰でもやっている事だという使用人達の言葉を信じて、それに参加してしまった。もっとも、まだ精通前のルイは、もっぱらその水仕事も力仕事もした事がない柔らかな手と口で使用人達に教えられるままに奉仕するだけなのだが。
そこから、ルイは優しい言葉や人の温もりを得るためには、エロい事をすればいいと認識してしまう。
そして、学園に入った後も同じ事をし続け、その内に上級生達の性処理道具と成っていく。
「俺可哀想」
「いやぁはは。でも、ルイがそうなるのは、あくまで入学前からそういうことしてた実績が有っての事だから。君は大丈夫だよ。まぁ、ゆくゆくはルイにベタ惚れになる予定だった上級生君の立場はなくなったけど」
「あ、そうか。その人、他とくっつく訳にはいかないですかね? なんか、俺のせいでカプが一つ消滅したと思うと罪悪感が…」
「そう言われても。もはや私のシナリオで動いてるわけじゃないだろうから………こういう事いうと、怖がらせちゃうかもだけど。ルイ君が全然普通な感じからして、ゲーム転生物にあるシナリオの強制力とかいうのも無いようだし」
「あぁそういうのありましたね、そういえば。…良かった。物心ついてからの俺が俺で良かった」
俺は自分が性処理道具ルートから脱却している事を心底喜んで腕をさすった。上級生君には悪いが、どっかで別の誰かとくっついてくれと祈っておく。あいにく俺は夢派じゃなくて壁派だから参戦する気はさらさら無いんだ。
ちなみに、俺達は、大講堂で話をしている訳ではない。
現在図書館に向け移動中。
なんでかって言えば、勿論次のイベント会場が図書館だから。
恋ロマでは忘れ物を回収した後、ヒロインは規模が大きいと評判の図書館に立ち寄って寮に帰るのだ。
ちなみに本来遭遇するはずのキャラには、ルイ、つまり俺も含まれてる。だけど、今ヒロインの隣に居るからね。だからもう二人の攻略キャラ達だけに遭うことになる。
ニアさんは当然シナリオを知ってる訳だけど、教えてくれないので、今はひたすらワクテカしてる状態。
入学初日から図書館にやってくる勤勉な主人公に声をかけてくれる漆黒の髪に金目の図書館司書の青年イースと、たまたま図書館に来る生徒会会計の3年生で、金混じりの茶髪に緑の目をしたアクスに遭遇するのが本編だった。ちなみに、ルイは図書館内で一人本を読んでいるのをヒロインが見かけるという些細な接触だった。
とはいえ、本編に添いつつBLな展開になる以上、イースとアクスがあれそれなのか、それぞれどうこうなのか、期待は高まるばかりです。
夜中にふと目を覚ましたルイは、家の使用人が男同士でエロい事をしている現場に遭遇してしまう。そして男なら誰でもやっている事だという使用人達の言葉を信じて、それに参加してしまった。もっとも、まだ精通前のルイは、もっぱらその水仕事も力仕事もした事がない柔らかな手と口で使用人達に教えられるままに奉仕するだけなのだが。
そこから、ルイは優しい言葉や人の温もりを得るためには、エロい事をすればいいと認識してしまう。
そして、学園に入った後も同じ事をし続け、その内に上級生達の性処理道具と成っていく。
「俺可哀想」
「いやぁはは。でも、ルイがそうなるのは、あくまで入学前からそういうことしてた実績が有っての事だから。君は大丈夫だよ。まぁ、ゆくゆくはルイにベタ惚れになる予定だった上級生君の立場はなくなったけど」
「あ、そうか。その人、他とくっつく訳にはいかないですかね? なんか、俺のせいでカプが一つ消滅したと思うと罪悪感が…」
「そう言われても。もはや私のシナリオで動いてるわけじゃないだろうから………こういう事いうと、怖がらせちゃうかもだけど。ルイ君が全然普通な感じからして、ゲーム転生物にあるシナリオの強制力とかいうのも無いようだし」
「あぁそういうのありましたね、そういえば。…良かった。物心ついてからの俺が俺で良かった」
俺は自分が性処理道具ルートから脱却している事を心底喜んで腕をさすった。上級生君には悪いが、どっかで別の誰かとくっついてくれと祈っておく。あいにく俺は夢派じゃなくて壁派だから参戦する気はさらさら無いんだ。
ちなみに、俺達は、大講堂で話をしている訳ではない。
現在図書館に向け移動中。
なんでかって言えば、勿論次のイベント会場が図書館だから。
恋ロマでは忘れ物を回収した後、ヒロインは規模が大きいと評判の図書館に立ち寄って寮に帰るのだ。
ちなみに本来遭遇するはずのキャラには、ルイ、つまり俺も含まれてる。だけど、今ヒロインの隣に居るからね。だからもう二人の攻略キャラ達だけに遭うことになる。
ニアさんは当然シナリオを知ってる訳だけど、教えてくれないので、今はひたすらワクテカしてる状態。
入学初日から図書館にやってくる勤勉な主人公に声をかけてくれる漆黒の髪に金目の図書館司書の青年イースと、たまたま図書館に来る生徒会会計の3年生で、金混じりの茶髪に緑の目をしたアクスに遭遇するのが本編だった。ちなみに、ルイは図書館内で一人本を読んでいるのをヒロインが見かけるという些細な接触だった。
とはいえ、本編に添いつつBLな展開になる以上、イースとアクスがあれそれなのか、それぞれどうこうなのか、期待は高まるばかりです。
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