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不実の王
継ぎ接ぎの快楽6 尻
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「じゃあ、コレ、ちゃんと飲んでおいてね」
「うん」
水の入ったコップと睡眠薬を渡されて、オルタは受け取って頷く。客を案内するため出て行くアルデを見送りながら、薬を口に放り込み、水を二口ほど飲んだ。これは、尻の客ではなく最後に予約が入っている上客のためである。飲んでから効くまでに時間がかかるため、今から飲んでおくのだ。
「!」
水のコップを置いた所でノックの音が聞こえ、慌ててベッドの上で俯せになる。
出入口からは、蛙に似た顔の造形をした男が入って来た。体型は中肉中背で、頭だけがアンバランスに大きいその男を、オルタは『蛙』と呼んでいる。俯せたオルタには解らないが、いつものように紫色のジャケットを羽織って、洒落た服を着ていた。
「今晩は」
「こんばんは」
涼しげなすっきりとした声で、ベッドの傍らから挨拶をされ、オルタも返した。
軽く微笑した蛙は、自分を案内してきたアルデに声をかける。
「蒸しタオルはあるかな?」
「お持ちします」
「頼むよ」
蛙は待つ間にベッドサイドに腰掛け、両手を擦り合わせながらオルタへ話しかける。
「今日は外が寒くてね、すっかり手が冷えてしまった」
「そんなに寒かったんですか?」
基本的にお喋りはしないのだが、蛙は好んで話しかけてくるので、オルタもできる限り気を付けて返事をするようにしている。
「日が落ちたら急にね。もしかしたら冬の女神が来ているのかもしれない」
「へぇ」
アルデから温めたタオルを受け取って、しばらく手を包んでから返し、蛙は温まったと声をかけて、オルタの臀部を覆っている薄布に隙間に手を差し入れた。
「ほら、あったかいだろ?」
「はい」
温まった蛙の手よりも、少し低いオルタの薄い尻をその硬さを確かめるように揉みしだく。するするとした肌が、次第にしっとりと汗ばみ、手のひらに馴染むようになっていけば、楽しげに笑った。
「美味しいものをお腹いっぱい食べてるかな? 少し、肉付きが良くなってきた」
「そうですか?」
「もっと太っても良いと思うけどね…こんなに細い腰をして」
蛙の手がオルタの骨が目立つ腰に伸びる。
「お客様」
が、触れる前にアルデの声がかかり、蛙は解っているよと笑顔で手を引っ込めた。
「勿論、この青い実のような硬さも魅力的だけどね」
そう言ってから薄布を捲り上げ、蛙はその顔をオルタの割れ目に押し付けるようにする。
ぬるりと舌がなぞる感覚に背が粟立つ。わざわざ温めた手が、いつの間にか冷めていたように、そもそも蛙は体温が低い。それは口の中とて例外ではなく、生理的な反応は如何ともし難く、更に、画家の舌が性器であったという話がオルタの体をいつもより硬くした。
「冷たかったかな?」
オルタの反応を敏感に感じ取った蛙はそう言って、ごめんねと続けたが、行為は止めなかった。たっぷりと唾液でオルタの割れ目を潤すと、既に硬くいきり立っていた自身の性器を舌と入れ違いにあてがう。
「思うのだけどね」
囁く蛙の声が妙な間を置く。
オルタは、ヒヤリと濡れた感覚が肛門に強く押し付けられる感覚にぎくりとした。
「固く閉じた蕾が、そろそろ綻びそうな気配がするね」
「え…?」
「そう…もう少しかな」
「あの…あっ」
蛙の性器はつるりと割れ目を滑った。
「まだ、先だね…今はまだ」
いつものように性器が擦り付けられる動きが始まり、オルタは安堵すると同時に、心の奥の方が凍りつくような不安を覚えた。
蛙は朗らかだ。少なくとも他のどんな客よりもよく笑い、話しかけ、オルタの言葉も楽しそうに聞く。
だが、俯せて見えない背後の男が、オルタは時折誰よりも怖い。
(もう少し…もう少しだけ貯まったら、もう止めよう…あと少しだけ)
何人かの客のおかげで、オルタは予定よりも早く目標金額を貯められそうである。ただ、自分で思っていたよりも早く大人になりそうなのも確かだ。幸いなのか不幸なのか、食べるに困らなくなっている事で、体がまともに成長しているせいだろう。
「楽しみだな…どんな風に花開くのか」
律動を早める蛙の、言葉通りに楽しそうな声が、オルタには気味が悪く思える。それでも、ぐっと我慢して、冷たい精液が体にかかるまで、息を詰め耐えた。
「また来るよ」
塗りつけるように自分の精液をオルタの尻の上で撫で、蛙は体を離した。
ベッドを下りる気配を見送る気分にどうしてもなれず、オルタは俯せたまま小さく頷く。
(あとちょっとなんだ)
次の予約を取り付ける声を聞きながら、オルタは頭の芯がぼうっとしてきた。睡眠薬が効き始めたのだ。
「オルタ」
アルデの声に顔を向けるが、もう返事をするのが億劫だった。
「眠いの?」
頷いたつもりだったが、実際には半開きの目を閉じただけの動きになる。
それでも、アルデにはちゃんと伝わった。
「大丈夫。ちゃんと綺麗にしておくから、そのまま寝ちゃって良いよ」
ありがとう、と口を開いたが、声にはならなかった。でも、アルデならきっと解ってくれただろうと思もうので、言葉に従って、目を瞑る。眠気はすぐにオルタを支配して、深く、深く眠りに落としていった。
「うん」
水の入ったコップと睡眠薬を渡されて、オルタは受け取って頷く。客を案内するため出て行くアルデを見送りながら、薬を口に放り込み、水を二口ほど飲んだ。これは、尻の客ではなく最後に予約が入っている上客のためである。飲んでから効くまでに時間がかかるため、今から飲んでおくのだ。
「!」
水のコップを置いた所でノックの音が聞こえ、慌ててベッドの上で俯せになる。
出入口からは、蛙に似た顔の造形をした男が入って来た。体型は中肉中背で、頭だけがアンバランスに大きいその男を、オルタは『蛙』と呼んでいる。俯せたオルタには解らないが、いつものように紫色のジャケットを羽織って、洒落た服を着ていた。
「今晩は」
「こんばんは」
涼しげなすっきりとした声で、ベッドの傍らから挨拶をされ、オルタも返した。
軽く微笑した蛙は、自分を案内してきたアルデに声をかける。
「蒸しタオルはあるかな?」
「お持ちします」
「頼むよ」
蛙は待つ間にベッドサイドに腰掛け、両手を擦り合わせながらオルタへ話しかける。
「今日は外が寒くてね、すっかり手が冷えてしまった」
「そんなに寒かったんですか?」
基本的にお喋りはしないのだが、蛙は好んで話しかけてくるので、オルタもできる限り気を付けて返事をするようにしている。
「日が落ちたら急にね。もしかしたら冬の女神が来ているのかもしれない」
「へぇ」
アルデから温めたタオルを受け取って、しばらく手を包んでから返し、蛙は温まったと声をかけて、オルタの臀部を覆っている薄布に隙間に手を差し入れた。
「ほら、あったかいだろ?」
「はい」
温まった蛙の手よりも、少し低いオルタの薄い尻をその硬さを確かめるように揉みしだく。するするとした肌が、次第にしっとりと汗ばみ、手のひらに馴染むようになっていけば、楽しげに笑った。
「美味しいものをお腹いっぱい食べてるかな? 少し、肉付きが良くなってきた」
「そうですか?」
「もっと太っても良いと思うけどね…こんなに細い腰をして」
蛙の手がオルタの骨が目立つ腰に伸びる。
「お客様」
が、触れる前にアルデの声がかかり、蛙は解っているよと笑顔で手を引っ込めた。
「勿論、この青い実のような硬さも魅力的だけどね」
そう言ってから薄布を捲り上げ、蛙はその顔をオルタの割れ目に押し付けるようにする。
ぬるりと舌がなぞる感覚に背が粟立つ。わざわざ温めた手が、いつの間にか冷めていたように、そもそも蛙は体温が低い。それは口の中とて例外ではなく、生理的な反応は如何ともし難く、更に、画家の舌が性器であったという話がオルタの体をいつもより硬くした。
「冷たかったかな?」
オルタの反応を敏感に感じ取った蛙はそう言って、ごめんねと続けたが、行為は止めなかった。たっぷりと唾液でオルタの割れ目を潤すと、既に硬くいきり立っていた自身の性器を舌と入れ違いにあてがう。
「思うのだけどね」
囁く蛙の声が妙な間を置く。
オルタは、ヒヤリと濡れた感覚が肛門に強く押し付けられる感覚にぎくりとした。
「固く閉じた蕾が、そろそろ綻びそうな気配がするね」
「え…?」
「そう…もう少しかな」
「あの…あっ」
蛙の性器はつるりと割れ目を滑った。
「まだ、先だね…今はまだ」
いつものように性器が擦り付けられる動きが始まり、オルタは安堵すると同時に、心の奥の方が凍りつくような不安を覚えた。
蛙は朗らかだ。少なくとも他のどんな客よりもよく笑い、話しかけ、オルタの言葉も楽しそうに聞く。
だが、俯せて見えない背後の男が、オルタは時折誰よりも怖い。
(もう少し…もう少しだけ貯まったら、もう止めよう…あと少しだけ)
何人かの客のおかげで、オルタは予定よりも早く目標金額を貯められそうである。ただ、自分で思っていたよりも早く大人になりそうなのも確かだ。幸いなのか不幸なのか、食べるに困らなくなっている事で、体がまともに成長しているせいだろう。
「楽しみだな…どんな風に花開くのか」
律動を早める蛙の、言葉通りに楽しそうな声が、オルタには気味が悪く思える。それでも、ぐっと我慢して、冷たい精液が体にかかるまで、息を詰め耐えた。
「また来るよ」
塗りつけるように自分の精液をオルタの尻の上で撫で、蛙は体を離した。
ベッドを下りる気配を見送る気分にどうしてもなれず、オルタは俯せたまま小さく頷く。
(あとちょっとなんだ)
次の予約を取り付ける声を聞きながら、オルタは頭の芯がぼうっとしてきた。睡眠薬が効き始めたのだ。
「オルタ」
アルデの声に顔を向けるが、もう返事をするのが億劫だった。
「眠いの?」
頷いたつもりだったが、実際には半開きの目を閉じただけの動きになる。
それでも、アルデにはちゃんと伝わった。
「大丈夫。ちゃんと綺麗にしておくから、そのまま寝ちゃって良いよ」
ありがとう、と口を開いたが、声にはならなかった。でも、アルデならきっと解ってくれただろうと思もうので、言葉に従って、目を瞑る。眠気はすぐにオルタを支配して、深く、深く眠りに落としていった。
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