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不実の王
継ぎ接ぎの快楽1 足裏
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アルデに先導されて入ってきたのは、小太りだが髪は清潔で、服装も豪華な男だ。
オルタが影で『金歯』と呼んでいる通り、
「あぁ、会いたかったよぉ」
と、大仰な態度でそう言ってベッドに近寄りにやりと笑う口から覗く歯は、全て金色をしている。
「今日も可愛らしいねぇ」
男はベッドの端から手をついて上体を倒し、うつ伏せているため上を向いているオルタの足裏に挨拶をした。
静かな室内にはっきりと鼻から息を吸い込む音が何度も響く。足裏の匂いを堪能しているのだ。やがて、近くにあるだけだった鼻先が足裏に触れ、擽るようになぞっていく。その間も匂いを嗅ぐ音は絶え間無い。
しっとりとした肌触りでわずかに湿り気を感じるオルタの足裏は、昨日の夜に風呂に入ってから洗われていない。本来ならば客に会う前は体を清潔にするのが原則だが、客からの要望があるのだから仕方がない。
仄かに穀類のような甘さを漂わせる足裏の、その香ばしく胸を擽る匂いに陶然としながら、金歯は何度も何度も鼻で吸っては口で吐く動作を繰り返す。
「あぁ、いい匂いだねぇ…本当に、素敵だよぉ」
ひとしきり匂いを嗅いで、うっとりとした顔と声で呟くと、金歯は靴を脱ぎ捨てベッドへ上った。
小太りの金歯が乗ると、ベッドはぐっと凹む。
オルタは興奮した金歯が落ちないように体を少し上に移動した。以前ベッドの端に足裏が来るようにしていたら、興奮し弾んだ金歯が、ベッドの反発で跳ねて落ちた事があるのだ。
「ふふ、ありがとねぇ。オルタは本当に良い子だよねぇ」
オルタの気遣いに息を荒らげながらも素早い動作で自身の服を寛げている金歯の、にたりと笑った口から、だらしなく涎が垂れる。
「おっと…いけないいけない」
自身で気が付いて、啜りつつ手の甲で拭う動作は、好色を通り越して色呆けの狒々爺といった様だった。
だが、この足裏への執着が凄い金歯の事を、オルタは存外、好きである。
何せ、オルタの足裏を自分好みに育て上げ、ひたすら金を注ぎ込んでくれるのだ。嫌う理由が微塵もない。
元々裸足で小石の転がる地面を歩いていたような生活をしてたのだ。オルタの足裏は、皮膚が硬くガサガサとしていた。そんな彼が、売りものとして働くためにこの商館へやって来た時。
金歯は、ちょうど自分好みに足裏を育ててみたい、と不実の王に相談していた。
そして選ばれたのがオルタだ。
始めは、四六時中薬を塗った足を保護布で包み足裏を使わない、という生活に驚いた。だが、オルタの足が使えない間も金歯はオルタの足裏をずっと買い続けてくれたのだ。そうして、彼好みの足裏になるまで、延べ十日分の代金をしっかりと払ってくれた。その上、彼好みの足になった今も通い続け金を払い続けてくれ、更にはその足裏を保つための負担も担っていくれているのだ。
「うんっ…」
それを思えば、多少の擽ったさなど、いくらでも我慢できる。
正座の姿勢で、服を脱ぎ去った腿の上にオルタの膝を乗せ、眼下にあるオルタの足裏を、金歯は見つめた。目の前のそれを、ねっとりとした唾液を溢れさせる口から舌を出し、丁寧に舐め始めた。
「んっ…」
足指の間を舌で穿るようにされ、枕に顔を埋めて擽ったさに耐えるオルタを、楽しそうに目を細めて見つめる。
「っ…ふっ…んっ」
その囁かな声も金歯にとっては愉しみの一つだ。先程までは、撫で摩り嗅いで、触覚と嗅覚への刺激。そして、今は、己の性的興奮を増長する聴覚に加え、味覚と視覚からの刺激というわけだ。
「ふ…っ…はぁっ」
味覚は正直に言って、ただ、仄かに塩気を感じる汗の味である。だが、舌は丹念にオルタの足裏を舐り続けなくてはならない。唾液と舌の感触に、オルタがぎゅっと臀部へ力を込め、ベッドへ性器を押し付ける様をしっかりと視覚で確認するために。
「すっかり、ここが気持ち良くなったんだねぇ…本当に、可愛いよぉオルタ」
金歯は、足裏に興奮する。だが、その好みの足裏は、足裏を持つ者自身も興奮させなくてはならない。足裏がその者の性感帯でなければならないのだ。
「初めはただ擽ったいってそればっかりだったのにねぇ…すっかり、いやらしい足裏に成れたねぇ」
だから、オルタが足裏への刺激だけで興奮している事が、金歯には堪らないのだ。
「その内、ここでイけるようになると良いよねぇ…まだ無理かな? ふふ、どれくらい育てたらそうなるかなぁ…」
話しかけながら、すっかり興奮した金歯は、オルタの足裏から口を離す。膝立ちの姿勢へと移り、自身の性器を、揃えたオルタの両足の土踏まずに擦りつけた。
「あぁ、あぁ、いいよぉ…オルタ、最高だ。君以外もう考えられないよ」
窪みの曲線に沿うように擦り付けながら、両手でぎゅっと足裏を寄せ、挟み込む。
「あっあぁあぁオルタオルタいいよぉいいっさいこうだぁっあぁああぁ!」
たっぷりとオルタの足裏に自身のねっとりとした薄緑色の精液をかけ、その白く柔く無垢そのもののような足裏を自身の欲望の象徴で汚した姿を唾を飲み込みながらまじまじと鑑賞する。
しばらく見つめていると、小さく鳴るベルの音に気付いて溜息を吐いた。終了時間を告げるベルなのだ。
「また、すぐに会いに来るよ」
相変わらず足裏に挨拶をして、金歯はベッドを下りる。
部屋の隅に控えていたアルデが布を手に近付き、清浄用の布と脱ぎ捨てられた際に拾って畳んで置いた服を順に手渡した。
「今夜は薬液をつけて保湿を。それと予約は三日後に頼むよ」
「承りました」
服を着ながらの金歯の言葉に答えて、アルデは扉まで見送り、扉を閉めるとすぐにオルタの元へ戻る。ベッドサイドの棚からスライムの入った籠を出し、そこにいたスライムをオルタの足裏に乗せた。
「こしょばいよ」
「我慢して、次のお客さんまであまり時間がないからゆっくり洗ってられない」
「うー…わかってる…」
スライムは見る見る内にオルタの足裏と、ベッドのシーツの染みを綺麗にした。
オルタが影で『金歯』と呼んでいる通り、
「あぁ、会いたかったよぉ」
と、大仰な態度でそう言ってベッドに近寄りにやりと笑う口から覗く歯は、全て金色をしている。
「今日も可愛らしいねぇ」
男はベッドの端から手をついて上体を倒し、うつ伏せているため上を向いているオルタの足裏に挨拶をした。
静かな室内にはっきりと鼻から息を吸い込む音が何度も響く。足裏の匂いを堪能しているのだ。やがて、近くにあるだけだった鼻先が足裏に触れ、擽るようになぞっていく。その間も匂いを嗅ぐ音は絶え間無い。
しっとりとした肌触りでわずかに湿り気を感じるオルタの足裏は、昨日の夜に風呂に入ってから洗われていない。本来ならば客に会う前は体を清潔にするのが原則だが、客からの要望があるのだから仕方がない。
仄かに穀類のような甘さを漂わせる足裏の、その香ばしく胸を擽る匂いに陶然としながら、金歯は何度も何度も鼻で吸っては口で吐く動作を繰り返す。
「あぁ、いい匂いだねぇ…本当に、素敵だよぉ」
ひとしきり匂いを嗅いで、うっとりとした顔と声で呟くと、金歯は靴を脱ぎ捨てベッドへ上った。
小太りの金歯が乗ると、ベッドはぐっと凹む。
オルタは興奮した金歯が落ちないように体を少し上に移動した。以前ベッドの端に足裏が来るようにしていたら、興奮し弾んだ金歯が、ベッドの反発で跳ねて落ちた事があるのだ。
「ふふ、ありがとねぇ。オルタは本当に良い子だよねぇ」
オルタの気遣いに息を荒らげながらも素早い動作で自身の服を寛げている金歯の、にたりと笑った口から、だらしなく涎が垂れる。
「おっと…いけないいけない」
自身で気が付いて、啜りつつ手の甲で拭う動作は、好色を通り越して色呆けの狒々爺といった様だった。
だが、この足裏への執着が凄い金歯の事を、オルタは存外、好きである。
何せ、オルタの足裏を自分好みに育て上げ、ひたすら金を注ぎ込んでくれるのだ。嫌う理由が微塵もない。
元々裸足で小石の転がる地面を歩いていたような生活をしてたのだ。オルタの足裏は、皮膚が硬くガサガサとしていた。そんな彼が、売りものとして働くためにこの商館へやって来た時。
金歯は、ちょうど自分好みに足裏を育ててみたい、と不実の王に相談していた。
そして選ばれたのがオルタだ。
始めは、四六時中薬を塗った足を保護布で包み足裏を使わない、という生活に驚いた。だが、オルタの足が使えない間も金歯はオルタの足裏をずっと買い続けてくれたのだ。そうして、彼好みの足裏になるまで、延べ十日分の代金をしっかりと払ってくれた。その上、彼好みの足になった今も通い続け金を払い続けてくれ、更にはその足裏を保つための負担も担っていくれているのだ。
「うんっ…」
それを思えば、多少の擽ったさなど、いくらでも我慢できる。
正座の姿勢で、服を脱ぎ去った腿の上にオルタの膝を乗せ、眼下にあるオルタの足裏を、金歯は見つめた。目の前のそれを、ねっとりとした唾液を溢れさせる口から舌を出し、丁寧に舐め始めた。
「んっ…」
足指の間を舌で穿るようにされ、枕に顔を埋めて擽ったさに耐えるオルタを、楽しそうに目を細めて見つめる。
「っ…ふっ…んっ」
その囁かな声も金歯にとっては愉しみの一つだ。先程までは、撫で摩り嗅いで、触覚と嗅覚への刺激。そして、今は、己の性的興奮を増長する聴覚に加え、味覚と視覚からの刺激というわけだ。
「ふ…っ…はぁっ」
味覚は正直に言って、ただ、仄かに塩気を感じる汗の味である。だが、舌は丹念にオルタの足裏を舐り続けなくてはならない。唾液と舌の感触に、オルタがぎゅっと臀部へ力を込め、ベッドへ性器を押し付ける様をしっかりと視覚で確認するために。
「すっかり、ここが気持ち良くなったんだねぇ…本当に、可愛いよぉオルタ」
金歯は、足裏に興奮する。だが、その好みの足裏は、足裏を持つ者自身も興奮させなくてはならない。足裏がその者の性感帯でなければならないのだ。
「初めはただ擽ったいってそればっかりだったのにねぇ…すっかり、いやらしい足裏に成れたねぇ」
だから、オルタが足裏への刺激だけで興奮している事が、金歯には堪らないのだ。
「その内、ここでイけるようになると良いよねぇ…まだ無理かな? ふふ、どれくらい育てたらそうなるかなぁ…」
話しかけながら、すっかり興奮した金歯は、オルタの足裏から口を離す。膝立ちの姿勢へと移り、自身の性器を、揃えたオルタの両足の土踏まずに擦りつけた。
「あぁ、あぁ、いいよぉ…オルタ、最高だ。君以外もう考えられないよ」
窪みの曲線に沿うように擦り付けながら、両手でぎゅっと足裏を寄せ、挟み込む。
「あっあぁあぁオルタオルタいいよぉいいっさいこうだぁっあぁああぁ!」
たっぷりとオルタの足裏に自身のねっとりとした薄緑色の精液をかけ、その白く柔く無垢そのもののような足裏を自身の欲望の象徴で汚した姿を唾を飲み込みながらまじまじと鑑賞する。
しばらく見つめていると、小さく鳴るベルの音に気付いて溜息を吐いた。終了時間を告げるベルなのだ。
「また、すぐに会いに来るよ」
相変わらず足裏に挨拶をして、金歯はベッドを下りる。
部屋の隅に控えていたアルデが布を手に近付き、清浄用の布と脱ぎ捨てられた際に拾って畳んで置いた服を順に手渡した。
「今夜は薬液をつけて保湿を。それと予約は三日後に頼むよ」
「承りました」
服を着ながらの金歯の言葉に答えて、アルデは扉まで見送り、扉を閉めるとすぐにオルタの元へ戻る。ベッドサイドの棚からスライムの入った籠を出し、そこにいたスライムをオルタの足裏に乗せた。
「こしょばいよ」
「我慢して、次のお客さんまであまり時間がないからゆっくり洗ってられない」
「うー…わかってる…」
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