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萬魔の王
7.
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明るい部屋の中で、寝台に押さえつけるように触手がナークの体を固定している。
「っ!」
これから何が起こるのか、彼には解らないはずだった。だが、苦しい辛い事が起こるという予感が湧き上がっている。腹痛だけでなく恐怖感から彼の目に涙が浮かび零れ落ちていった。
「んんぅ」
触手に塞がれた口からは、言葉にならないくぐもった悲鳴が上がる。すでに彼の後孔の下は漏れ出た体液で染みができている。
「うんんぅん」
顔色の悪い老婆と中年女は、もう寝台の脇で待機していた。もっとも、腹痛に苦しみ、恐怖に混乱している彼は気付いていなかったが。
「んんっ!」
彼の記憶にはないが、先の黄色い卵に似ていた。わずかに太かったが、彼の予感している苦しみに比べればささやかなものだ。それはゆっくりと、だが順調に彼の中から産み出されていく。
老婆の広げた布に受け止められたのは緑色の卵だ。
比較的容易に済んだ事に、彼の体から力が抜ける。再び腹痛は襲い来たが、先程よりも体の強張りは緩い。
「んぅ…」
続いて出てきたのは灰色の卵だった。玉の連なったようなそれは、徐々に大きくなっていく。それでも、最後の玉まで順調に進み、わずかに力めば最も太い部分もつるりと抜け落ちた。五つの玉が連なったような形のそれは、今までで最も長い。だが、彼の苦しみは軽かった。
「っふぅん」
あまり痛みや苦しみのない卵が続いたはずだが、緊張が解れたせいだろうか、彼の体をどっと疲労感が襲う。
「んっ」
開いたままひくついていた後孔から、オレンジ色の卵が覗く。その表面には、丸みはあるが長さもある突起が生えていた。油断しきっていた体に唐突に痛みが走り、体が再び強張ってしまう。
「んんぅっ!」
すでに広がりきっている彼の後孔を引っ掻くように、突起が過ぎる度に悲鳴が上がる。
「んっ………っふんぅ………んんっ………ぅん………ぅ………っん」
体から力が抜ければ良いのだろうが、痛みを感じる度に逆に強張り続けてしまい、オレンジ色の卵はいっこうに彼の中から出てこない。
「んぅっ―――!」
最後にぐちっと音を立て産まれ落ちたその卵は、全て出てしまえば片手のひらに収まるような短さだった。だが、倍以上の長さの先の二つよりもよほど彼を苦しめた。
嫌だ、もう嫌だ、という彼の思いを嘲笑うようにその後孔には既に紅色の卵が待ち構えていた。
「っうぅん」
つるりとした表面だった。だが、みちみちと押し広げるその質量感は強張りを解く事ができなくなっている彼にはひどく恐ろしい。なんとか最も太い部分が過ぎ去ると、つつっと半ば以上進み、また同じほど太くなったが、先程よりはすぐに抜け出ていった。
「ぅ…」
息をつくまもなく薄青色の卵が彼の後孔から覗く。
「………っふん…んんっ………ぅん」
限界近くまで押し広げられ、だがそれはなかなか出てこない。時間がかかればかかるほど体が強張っていくようで、圧迫感と痛みがいつまでも続く。しだいに力むこともできなくなり、涙も流せず、ぐったりと力が抜けてしまった。
老婆はぐっと眉を寄せ、床を踏み鳴らす。
触手が彼の体を持ち上げ、椅子に座っている状態へとその姿勢を変えた。
「んぅー…」
重力を借りるような体勢にされ、力めないながらもその薄青色の卵は彼の中からゆっくりと抜け出てくる。
「っ!」
中程まで出たところで突然細くなりずるりと抜け落ちたが、老婆は予想していたようで卵は問題なく柔らかな布で受け止められた。
「ぅん」
更に続けて二つ、半分意識を手放しているような状態だった彼の後孔から、白いまん丸な卵が産み落とされる。
立て続けに落ちてきた白い卵に、老婆と中年女は慌てたが、なんとか一つの布でぶつからないように受け止めた。もう、彼は完全に気絶している。
いったいどういう仕組みになっているのか、老婆が再び床を鳴らして触手に合図を送った。
すると触手は、彼の力ない体を動かし老婆の目の前に彼の後孔を曝す。
老婆から、じっと睨むようにされている彼のそこは、ぽっかりと開いていた口がじわじわと窄まっていくのだった。老婆は卵を中年女に任せ、時間をかけてでも、完全にその口が閉じるまで観察を続ける。きゅっと閉まったと感じられる状態になるまで見続け、満足げな微笑みを浮かべて部屋を出て行った。
一方触手から解放され、呼吸さえ力なくみえるほどぐったりとした彼は、寝台の上でまるで老婆のように青白い顔をしている。
彼以外誰もいなくなり、赤い空のなか薄暗くなり始めた室内は、驚く程静まり返っていた。
「…ぱぱ?」
その部屋の扉を開けて、おずおずと三歳児ほどに見えるサーラが顔を覗かせる。
「ぱぱ? ぱぱっ!」
彼に呼びかけながら、とてとてと寝台へ近付いていった。だが、寝台の上であまりに生気の無い顔をした彼に気付き、跳ぶように寝台に乗って、涙を浮かべて彼の頬に触れる。
「ぱぱ? ぱぱ? おきて、ぱぱ?!」
呼びかけても何の反応も示さない彼に驚き、どうすれば良いのか悩んだサーラは腫れのなくなった彼の乳首を必死に吸い始めた。
「っ!」
これから何が起こるのか、彼には解らないはずだった。だが、苦しい辛い事が起こるという予感が湧き上がっている。腹痛だけでなく恐怖感から彼の目に涙が浮かび零れ落ちていった。
「んんぅ」
触手に塞がれた口からは、言葉にならないくぐもった悲鳴が上がる。すでに彼の後孔の下は漏れ出た体液で染みができている。
「うんんぅん」
顔色の悪い老婆と中年女は、もう寝台の脇で待機していた。もっとも、腹痛に苦しみ、恐怖に混乱している彼は気付いていなかったが。
「んんっ!」
彼の記憶にはないが、先の黄色い卵に似ていた。わずかに太かったが、彼の予感している苦しみに比べればささやかなものだ。それはゆっくりと、だが順調に彼の中から産み出されていく。
老婆の広げた布に受け止められたのは緑色の卵だ。
比較的容易に済んだ事に、彼の体から力が抜ける。再び腹痛は襲い来たが、先程よりも体の強張りは緩い。
「んぅ…」
続いて出てきたのは灰色の卵だった。玉の連なったようなそれは、徐々に大きくなっていく。それでも、最後の玉まで順調に進み、わずかに力めば最も太い部分もつるりと抜け落ちた。五つの玉が連なったような形のそれは、今までで最も長い。だが、彼の苦しみは軽かった。
「っふぅん」
あまり痛みや苦しみのない卵が続いたはずだが、緊張が解れたせいだろうか、彼の体をどっと疲労感が襲う。
「んっ」
開いたままひくついていた後孔から、オレンジ色の卵が覗く。その表面には、丸みはあるが長さもある突起が生えていた。油断しきっていた体に唐突に痛みが走り、体が再び強張ってしまう。
「んんぅっ!」
すでに広がりきっている彼の後孔を引っ掻くように、突起が過ぎる度に悲鳴が上がる。
「んっ………っふんぅ………んんっ………ぅん………ぅ………っん」
体から力が抜ければ良いのだろうが、痛みを感じる度に逆に強張り続けてしまい、オレンジ色の卵はいっこうに彼の中から出てこない。
「んぅっ―――!」
最後にぐちっと音を立て産まれ落ちたその卵は、全て出てしまえば片手のひらに収まるような短さだった。だが、倍以上の長さの先の二つよりもよほど彼を苦しめた。
嫌だ、もう嫌だ、という彼の思いを嘲笑うようにその後孔には既に紅色の卵が待ち構えていた。
「っうぅん」
つるりとした表面だった。だが、みちみちと押し広げるその質量感は強張りを解く事ができなくなっている彼にはひどく恐ろしい。なんとか最も太い部分が過ぎ去ると、つつっと半ば以上進み、また同じほど太くなったが、先程よりはすぐに抜け出ていった。
「ぅ…」
息をつくまもなく薄青色の卵が彼の後孔から覗く。
「………っふん…んんっ………ぅん」
限界近くまで押し広げられ、だがそれはなかなか出てこない。時間がかかればかかるほど体が強張っていくようで、圧迫感と痛みがいつまでも続く。しだいに力むこともできなくなり、涙も流せず、ぐったりと力が抜けてしまった。
老婆はぐっと眉を寄せ、床を踏み鳴らす。
触手が彼の体を持ち上げ、椅子に座っている状態へとその姿勢を変えた。
「んぅー…」
重力を借りるような体勢にされ、力めないながらもその薄青色の卵は彼の中からゆっくりと抜け出てくる。
「っ!」
中程まで出たところで突然細くなりずるりと抜け落ちたが、老婆は予想していたようで卵は問題なく柔らかな布で受け止められた。
「ぅん」
更に続けて二つ、半分意識を手放しているような状態だった彼の後孔から、白いまん丸な卵が産み落とされる。
立て続けに落ちてきた白い卵に、老婆と中年女は慌てたが、なんとか一つの布でぶつからないように受け止めた。もう、彼は完全に気絶している。
いったいどういう仕組みになっているのか、老婆が再び床を鳴らして触手に合図を送った。
すると触手は、彼の力ない体を動かし老婆の目の前に彼の後孔を曝す。
老婆から、じっと睨むようにされている彼のそこは、ぽっかりと開いていた口がじわじわと窄まっていくのだった。老婆は卵を中年女に任せ、時間をかけてでも、完全にその口が閉じるまで観察を続ける。きゅっと閉まったと感じられる状態になるまで見続け、満足げな微笑みを浮かべて部屋を出て行った。
一方触手から解放され、呼吸さえ力なくみえるほどぐったりとした彼は、寝台の上でまるで老婆のように青白い顔をしている。
彼以外誰もいなくなり、赤い空のなか薄暗くなり始めた室内は、驚く程静まり返っていた。
「…ぱぱ?」
その部屋の扉を開けて、おずおずと三歳児ほどに見えるサーラが顔を覗かせる。
「ぱぱ? ぱぱっ!」
彼に呼びかけながら、とてとてと寝台へ近付いていった。だが、寝台の上であまりに生気の無い顔をした彼に気付き、跳ぶように寝台に乗って、涙を浮かべて彼の頬に触れる。
「ぱぱ? ぱぱ? おきて、ぱぱ?!」
呼びかけても何の反応も示さない彼に驚き、どうすれば良いのか悩んだサーラは腫れのなくなった彼の乳首を必死に吸い始めた。
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