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おまけ:挙式
プロローグ
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「旦那様がなんだってあんなだったのか、理由がよく解ったよ」
ぐったりと長椅子に座ったエリィネの言葉に、イジェス家の領地へと供にやって来た、ミスティ付きの侍女マロネが苦笑する。
マロネは見た目こそ、どこから見てもたおやかな細身の女性だが、一般的な成人男性ほどの膂力を誇る。耳も人と変わらず、尾も無いが、エリィネと同じようにアリエス王国出身の祖母をもつ混血なのだ。
「イジェス家は武伯の中でも指折りだから」
それでも奥様がご存命であればもう少し違ったのでしょうが、という言葉に、エリィネも無言で頷く。
現在、イジェス家には、男性しかいない。
エットからの続柄で表すと、父方の祖父ライド、父オルド、叔父テスァト、弟クライド、従弟シェラフ、という五人、エットも含めれば六人だ。
勿論ライド、オルドとテスァトには妻がいた訳だが、ライドとオルドは死別し、テスァトは離婚している。そのため、男性しかいないのだ。
ちなみに、テスァトの妻メリンダが出て行く際の言葉は、
「やってらんないのよこの脳筋共が!」
との暴言だったが、今だに文通もすれば時折会ったりもしており、夫婦という形では上手くいかなかったが、友人としては良い関係を築いている。
「まぁ、奥様を歓迎してくださっているという気持ちだけは伝わったので…よい方々なのだろうとは思ったけど」
「ええ。良い方達なのよ本当に」
二人が生ぬるく笑っているのは、午後になってイジェス家の館へ無事たどり着いてから就寝を迎えるまでのおよそ七時間で起きた諸々を思い起こしているからだ。
「少なくとも奥様はとても喜んでいらしたから」
エリィネの言葉に、マロネは深々と頷く。
「奥様って、本当に度量が広くていらっしゃるわよね。何事にも動じないというか」
動じないというより、動じるタイミングがズレているせいで気付かれない、が正解だな。そんな事を考えつつ、しかし口には出さずにエリィネは頷いた。
ぐったりと長椅子に座ったエリィネの言葉に、イジェス家の領地へと供にやって来た、ミスティ付きの侍女マロネが苦笑する。
マロネは見た目こそ、どこから見てもたおやかな細身の女性だが、一般的な成人男性ほどの膂力を誇る。耳も人と変わらず、尾も無いが、エリィネと同じようにアリエス王国出身の祖母をもつ混血なのだ。
「イジェス家は武伯の中でも指折りだから」
それでも奥様がご存命であればもう少し違ったのでしょうが、という言葉に、エリィネも無言で頷く。
現在、イジェス家には、男性しかいない。
エットからの続柄で表すと、父方の祖父ライド、父オルド、叔父テスァト、弟クライド、従弟シェラフ、という五人、エットも含めれば六人だ。
勿論ライド、オルドとテスァトには妻がいた訳だが、ライドとオルドは死別し、テスァトは離婚している。そのため、男性しかいないのだ。
ちなみに、テスァトの妻メリンダが出て行く際の言葉は、
「やってらんないのよこの脳筋共が!」
との暴言だったが、今だに文通もすれば時折会ったりもしており、夫婦という形では上手くいかなかったが、友人としては良い関係を築いている。
「まぁ、奥様を歓迎してくださっているという気持ちだけは伝わったので…よい方々なのだろうとは思ったけど」
「ええ。良い方達なのよ本当に」
二人が生ぬるく笑っているのは、午後になってイジェス家の館へ無事たどり着いてから就寝を迎えるまでのおよそ七時間で起きた諸々を思い起こしているからだ。
「少なくとも奥様はとても喜んでいらしたから」
エリィネの言葉に、マロネは深々と頷く。
「奥様って、本当に度量が広くていらっしゃるわよね。何事にも動じないというか」
動じないというより、動じるタイミングがズレているせいで気付かれない、が正解だな。そんな事を考えつつ、しかし口には出さずにエリィネは頷いた。
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