献血に行った話

みやび

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 ナース服の下を脱がせて、とりあえず乗ってもらう。ソファに座る俺の両腿をまたいで向かい合ってる状態。


 とろんとした瞳がこちらを見つめて。
 時折色っぽく漏れた息遣いが、甘みを帯びて俺の鼻先を包み込んでいる。


「それでは、性交法による精液採取に移らせていただきます」
「は、ハイ……」

 おそらくルール化されているのだろう。事務的に――頬は火照ってるけど――淡々と口にすると。

「まずはキスからね」
「お、お願いシマス……っ」
 緊張した感じでお姉さんは、そのまま顔を近づけて――ちゅ、と唇を重ねてきた。


 ひた、と唇どうしが触れ合って。
 表面張力、っていうのだろうか。皮膚の間のどちらのとも言えない唾液がぴたっと二人の間を埋めて、どんなふうに口元を合わせても、その柔らかさと温かさが余すことなく伝わってくる。こんな感触、初めてだ。夢中になる。脳がおかしくなってくる……。

「ッ、」すると瞬間、彼女の舌先がこちらに這い入ろうと入口を探る。
 薄く口を開けば――それを合図ととらえたのだろう。お姉さんの絡みつくような舌が、俺の口内をまさぐり始めた。

「んん……」時折吐息を漏らし、こちらの背中を掻き抱くお姉さん。
 たわわな胸が窮屈そうに押しつぶされて、露わになったショーツのクロッチの辺りが――じんわりと熱く、熱を帯び始める。


 ――抑えきれず本能から、無意識に。
「ぁ……っ」
「ッ、すみませ、」思わずお姉さんに謝る。胸をまさぐっていた。別にプレイをしに来たわけじゃないのに……。

 でもお姉さんは、触れた俺の手を取ると。

「――お兄さんのえっち」
 にっ、と悪戯っぽく微笑んで。

「――円滑な処置のためには、必要なことだから。エンリョしないで、たくさん触ってほしい……」
「っ、はい……」

 初めて(布越しだけど)触ったそれは、喩えようもなく柔らかくて。
 ――でも、気持ちよさそうにしてくれるお姉さんの表情が、何よりも愛おしく感じられた。


     *

 そのまましばらく、攻めたり攻められたりして。

「――あは、お兄さんのおちん⚪︎んガチガチじゃん」
 指先でつんつんと突いてくる。小悪魔的な仕草。

「もういけそ?」
「そ、っすね……」
 実際のところもうはち切れそうだ。
 さっきお口でしてもらって出したばっかなのに、二発目を求めるリビドーが身体の内側からざわめき立っている。



 俺が同意したのを確認して、しゅる、とお姉さんが衣擦れの音を立てる。
 

「ではこれから本番――実際の採精行為に入ります」
 ぱさり、と脱いだ下着を床に落として。

「……ホントにいい?」と彼女は尋ねる。
 業務的じゃない感じ。

「イヤなら最初から来てないですって」
 あくまで任意なわけだし。
 ――この展開は予想外だったけど。

「なのでお姉さんも遠慮なく」
「それでは、お言葉に甘えますね」
 こちらへとまたがってくる。密着する素肌。

「射精感を高めるために、必要に応じて避妊具の使用を省略することもできますがご希望は?」
「そこはちゃんとしましょ?」
「ちゃんとしてるねぇ」
 軽口を言い合いながら。お姉さんは円形の浮かび上がった包みをぴりぴりと開けた。

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