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第71話 忘れもの
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仲里さんと真宮さんの二人が自宅アパートへ戻ってから二週間が過ぎ、俺はベッドの上でスマホとにらめっこをしていた。
仲里さんは『また連絡するね』などと言っていたけれど、あれからなんの音沙汰もない。
途中なんどかメッセージを送ってみようと思ったけれど、急かすようになってしまうのも良くないと思い、俺からのアクションは起こせていない状態だ。
どうするべきなのか……正解への選択肢を見つけることが出来ない。
このままだと、なにも出来ずに夏休みが終わってしまう。
「はぁ……やっぱりメッセージ送るべきかな」
ずっと考え込んでいたせいか眠気が襲ってきた。
これって解離の現象とかいうのが起きているのかも……。
なにかで読んだ記憶がある。
少し眠った方がいいのかも知れない。
スマホを枕元へ置き、目を閉じる――とドアをノックする音が聞こえてきた。
果奈? ノックしてくるなんて珍しいな……いや――もしかしたら仲里さんがたずねてきたのかも! 二週間も会えていないわけだし、彼女の性格ならサプライズで現れてもおかしくはない。
実際、突然たずねてきたことは、なんどだってある。
コンコンと再びノックの音――胸が高鳴る。
「は、はい!」
俺は、仰向けになっていた身体を起こして返事をする。
ドアが開くと立っていたのは果奈だった。
このあと外出をするためなのか、いつもの寝間着ではなく、生足全開のショートパンツにシャツ、薄紫色をしたブラウスを羽織って白いキャップまで被っている。
「あ。にぃにぃ、生きてたぁ」
仲里さんのわけない、か……そんな都合よく来るわけがない。
それにしても果奈のやつ、まるで生存確認をしにきたみたいな言い方じゃないか。
縁起でもない。
「にぃにぃ?」
「あ、あのな、兄を勝手にこの世から消すのをやめてくれ」
「そうはいうけど、にぃにぃ、ここ数日のあいだ食事のとき以外は部屋に籠もって出てこないし、物音もしてこないんだもん。ドアを開けるのが怖くなるんだよ。もしかしちゃうかもでしょ」
「もしかしないから……勝手に不幸の妄想を膨らませるなよ。今朝だって食事のときに顔を出しているんだから生存確認は済んでいるじゃないか」
「そうだけどさぁ……妹としては兄のことがちょっと心配なわけですよぉ」
「なんの心配だよ」
「だってさぁ、急に真宮さんたち帰っちゃうし、その日から、にぃにぃ元気ないでしょ。喧嘩でもしたのかなぁって」
「べつに喧嘩なんてしてないよ」
「本当かなぁ……」
「本当だって」
「べつに、いいけどさぁ」
そんなに元気なさそうに見えるのだろうか? 実際、元気かと言われると微妙だけれど。
まぁ、妹に余計な心配をかけているのなら、気をつけないとだよな。
勝手に俺の存在を抹消されかねないし。
「で? 生存確認とは別に、なにかようがあってきたんじゃないのか?」
「あ、うん。伝えるのをすっかり忘れてたんだけど、これを見つけたの」
果奈が差し出してきた手には見覚えのある黒縁メガネが握られている。
あれ? たしか真宮さんがここを出て行くときメガネは掛けていたような……そもそも彼女はメガネなしだと、まともに歩けないわけだし。
「これって真宮さんのだよな?」
「うん。昨日、真宮さんが使っていた部屋に果奈の荷物を戻していたら床に落ちてたんだよぉ」
「あぁ……そうか、あの部屋はもともと果奈の荷物置きに使っていたんだよな」
「真宮さん、コンタクトにでもしたのかなぁ?」
「いや、それはないと思うけど。ちょっと貸してみて」
果奈の手からメガネを受け取りレンズを覗いてみた。
これ……レンズが入っていない方だ。
ということは仲里さんが真宮さんの身体にいたとき使っていたものか。
二人がもとの姿に戻った以上、もう必要のないものだろうけれど……。
「にぃにぃ、それ真宮さんに届けてあげたら?」
「え?」
「だってぇ、次いつくるか分からないでしょ? スペアだとしても、ないと困るんじゃないかなぁ」
「う、うん」
そうか……果奈は仲里さんが真宮さんのときに掛けていたメガネが伊達だということを知らないんだっけ。
これを届ける――たしかにそれならメガネを口実に真宮さんや仲里さんへ会いにいける。
「わかった、とりあえず預かっておくよ」
「にひひ」
「な、なんだよ、急に気持ち悪い笑い方して」
「なんでもないよぉ。それじゃあ果奈はお友達と約束してるから出かけてくるね! ちばりよー!」
言うとガッツポーズをしながら果奈は部屋から出ていってしまった。
ダダダという階段を降りる音が次第に遠のいていく。
「ちばりよーってなんだ?」
スマホで沖縄弁を調べてみると、どうやら頑張れという意味らしい。
なにを頑張るんだか……。
はぁ……メガネを届けるといっても伊達だし、正直、急ぐようなものでもないんだよな。
とはいえ、このままだと学校が始まってしまいそうだし、いつ届けたら……今から?
いずれにしても、まずはメッセージでメガネを届けることを連絡した方がいいよな。
「よし、決めた」
仲里さんにメッセージを送るためにスマホを操作する。
「えーと、『忘れ物を見つけました。メガネです。届けにいこうと思うのだけど、今日とかどうですか?』っと、こんな感じかな」
送信ボタンを押す――既読はまだつかない。
メガネの持ち主はどちらかというと真宮さんだけれど、なんとなく気まずくて仲里さんへ送ってしまった。
これでようやく、仲里さんたちと会える。
果奈に感謝しないとだ。
「きたっ!」
スマホの画面を眺めているとメッセージが表示された――仲里さんからだ。
慌ててスマホの画面をタッチしてメッセージを開くと、そこには一言『べつに届けなくていいよ』とだけあった。
「そ、そんな……」
唯一の希望が絶たれてしまった。
しかも気のせいか反応が冷たく感じる。
真宮さんならともかく、べつに仲里さんと揉めているわけではないのだけれど。
「タイミングを外したかなぁ……ん?」
スマホの画面に新たなメッセージが表示される。
まだ続きがあるようだ。
そこには『週末の土曜日だけど花火大会あるの。予定あけられる? メガネはそのときでいいよ。時間とかはあとで連絡するね。真宮さんもくるよ』と書かれていた。
「土曜日……」
スマホでカレンダーを確認する。
八月三十日って、夏休みの終わり一日前じゃないか。
突然の誘いに動揺しつつも急いで『わかった』とメッセージを返す。
「ず、随分と急だったな」
でもよかった……届けなくていいと返事がきたときは、本当に夏休みが終わるまで会えないと思ってしまった。
これでようやく二人に会える。
当日はメガネを忘れないようにしないと。
仲里さんは『また連絡するね』などと言っていたけれど、あれからなんの音沙汰もない。
途中なんどかメッセージを送ってみようと思ったけれど、急かすようになってしまうのも良くないと思い、俺からのアクションは起こせていない状態だ。
どうするべきなのか……正解への選択肢を見つけることが出来ない。
このままだと、なにも出来ずに夏休みが終わってしまう。
「はぁ……やっぱりメッセージ送るべきかな」
ずっと考え込んでいたせいか眠気が襲ってきた。
これって解離の現象とかいうのが起きているのかも……。
なにかで読んだ記憶がある。
少し眠った方がいいのかも知れない。
スマホを枕元へ置き、目を閉じる――とドアをノックする音が聞こえてきた。
果奈? ノックしてくるなんて珍しいな……いや――もしかしたら仲里さんがたずねてきたのかも! 二週間も会えていないわけだし、彼女の性格ならサプライズで現れてもおかしくはない。
実際、突然たずねてきたことは、なんどだってある。
コンコンと再びノックの音――胸が高鳴る。
「は、はい!」
俺は、仰向けになっていた身体を起こして返事をする。
ドアが開くと立っていたのは果奈だった。
このあと外出をするためなのか、いつもの寝間着ではなく、生足全開のショートパンツにシャツ、薄紫色をしたブラウスを羽織って白いキャップまで被っている。
「あ。にぃにぃ、生きてたぁ」
仲里さんのわけない、か……そんな都合よく来るわけがない。
それにしても果奈のやつ、まるで生存確認をしにきたみたいな言い方じゃないか。
縁起でもない。
「にぃにぃ?」
「あ、あのな、兄を勝手にこの世から消すのをやめてくれ」
「そうはいうけど、にぃにぃ、ここ数日のあいだ食事のとき以外は部屋に籠もって出てこないし、物音もしてこないんだもん。ドアを開けるのが怖くなるんだよ。もしかしちゃうかもでしょ」
「もしかしないから……勝手に不幸の妄想を膨らませるなよ。今朝だって食事のときに顔を出しているんだから生存確認は済んでいるじゃないか」
「そうだけどさぁ……妹としては兄のことがちょっと心配なわけですよぉ」
「なんの心配だよ」
「だってさぁ、急に真宮さんたち帰っちゃうし、その日から、にぃにぃ元気ないでしょ。喧嘩でもしたのかなぁって」
「べつに喧嘩なんてしてないよ」
「本当かなぁ……」
「本当だって」
「べつに、いいけどさぁ」
そんなに元気なさそうに見えるのだろうか? 実際、元気かと言われると微妙だけれど。
まぁ、妹に余計な心配をかけているのなら、気をつけないとだよな。
勝手に俺の存在を抹消されかねないし。
「で? 生存確認とは別に、なにかようがあってきたんじゃないのか?」
「あ、うん。伝えるのをすっかり忘れてたんだけど、これを見つけたの」
果奈が差し出してきた手には見覚えのある黒縁メガネが握られている。
あれ? たしか真宮さんがここを出て行くときメガネは掛けていたような……そもそも彼女はメガネなしだと、まともに歩けないわけだし。
「これって真宮さんのだよな?」
「うん。昨日、真宮さんが使っていた部屋に果奈の荷物を戻していたら床に落ちてたんだよぉ」
「あぁ……そうか、あの部屋はもともと果奈の荷物置きに使っていたんだよな」
「真宮さん、コンタクトにでもしたのかなぁ?」
「いや、それはないと思うけど。ちょっと貸してみて」
果奈の手からメガネを受け取りレンズを覗いてみた。
これ……レンズが入っていない方だ。
ということは仲里さんが真宮さんの身体にいたとき使っていたものか。
二人がもとの姿に戻った以上、もう必要のないものだろうけれど……。
「にぃにぃ、それ真宮さんに届けてあげたら?」
「え?」
「だってぇ、次いつくるか分からないでしょ? スペアだとしても、ないと困るんじゃないかなぁ」
「う、うん」
そうか……果奈は仲里さんが真宮さんのときに掛けていたメガネが伊達だということを知らないんだっけ。
これを届ける――たしかにそれならメガネを口実に真宮さんや仲里さんへ会いにいける。
「わかった、とりあえず預かっておくよ」
「にひひ」
「な、なんだよ、急に気持ち悪い笑い方して」
「なんでもないよぉ。それじゃあ果奈はお友達と約束してるから出かけてくるね! ちばりよー!」
言うとガッツポーズをしながら果奈は部屋から出ていってしまった。
ダダダという階段を降りる音が次第に遠のいていく。
「ちばりよーってなんだ?」
スマホで沖縄弁を調べてみると、どうやら頑張れという意味らしい。
なにを頑張るんだか……。
はぁ……メガネを届けるといっても伊達だし、正直、急ぐようなものでもないんだよな。
とはいえ、このままだと学校が始まってしまいそうだし、いつ届けたら……今から?
いずれにしても、まずはメッセージでメガネを届けることを連絡した方がいいよな。
「よし、決めた」
仲里さんにメッセージを送るためにスマホを操作する。
「えーと、『忘れ物を見つけました。メガネです。届けにいこうと思うのだけど、今日とかどうですか?』っと、こんな感じかな」
送信ボタンを押す――既読はまだつかない。
メガネの持ち主はどちらかというと真宮さんだけれど、なんとなく気まずくて仲里さんへ送ってしまった。
これでようやく、仲里さんたちと会える。
果奈に感謝しないとだ。
「きたっ!」
スマホの画面を眺めているとメッセージが表示された――仲里さんからだ。
慌ててスマホの画面をタッチしてメッセージを開くと、そこには一言『べつに届けなくていいよ』とだけあった。
「そ、そんな……」
唯一の希望が絶たれてしまった。
しかも気のせいか反応が冷たく感じる。
真宮さんならともかく、べつに仲里さんと揉めているわけではないのだけれど。
「タイミングを外したかなぁ……ん?」
スマホの画面に新たなメッセージが表示される。
まだ続きがあるようだ。
そこには『週末の土曜日だけど花火大会あるの。予定あけられる? メガネはそのときでいいよ。時間とかはあとで連絡するね。真宮さんもくるよ』と書かれていた。
「土曜日……」
スマホでカレンダーを確認する。
八月三十日って、夏休みの終わり一日前じゃないか。
突然の誘いに動揺しつつも急いで『わかった』とメッセージを返す。
「ず、随分と急だったな」
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