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第35話 びっくりさせないでよね
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果奈がスリッパの音をパタパタと鳴らしながら俺たちを出迎えた。
昼を過ぎているというのに、まだパジャマ姿のままなのか……。
この妹は、ほうっておいたらこのまま夜まで着替えなそうだ。あとで注意をしておかないとな。
「果奈ちゃん、さっきはありがとうね。バーガークイーンで春時つかまえてきたよ」
「真宮さんのお役に立てて良かったです! 仲里さんもいらっしゃい。あれぇ? にぃにぃ、はじめましての方がいる?」
「この人は、園崎杏奈さん。えーと……知り合いなんだ」
「わわわっ! その制服、白石女子高等学校のですよね? 園崎さんって頭いいんですね! でーじそーがさい!」
果奈はいつものように、方言まじりで話すが、初対面の相手に使ってくるとは……伝わらなかったどうするんだ。
でーじそーがさいってなんだ?
「へー、かわいい子ねぇ……早見の妹にしておくのが、もったいないわ。少し方言が混じっていたけど、あなたたち地方から引っ越してきたの?」
「あ、気にしないでくれ。今、沖縄弁ブームがきてるだけだから」
「べつに、気にならないわよ。あなただったら違和感あるけど」
「ああ、そうですか……」
「みなさん、ここで立ち話もなんですから、どうぞあがってください」
「できた子じゃない……」
「どういたしまして」
杏奈さんと話しているあいだに真宮さんと仲里さんはリビングの方へ向かっていた。
俺と杏奈さんも後に続く。
リビングに入ると真宮さんはソファに腰をかけ、テレビのスイッチをいれた。
見たことのないドラマが画面にながれる。
果奈と仲里さんは奥のキッチンに向かったようだけど、きっとみんなの飲み物でも用意するつもりなんだろう。
真宮さんは、そういうことに気は回らないんだよなぁ……俺もだけど。
「あっ! 杏奈さんも適当なところに座ってよ」
「そうさせてもらうわ。それにしても外からみてもすごかったけど、家の中も広いのねぇ。この家、部屋いくつあるの?」
部屋数か……いくつだっけ? 普段、使わない部屋とかたくさんあるからなぁ……急に言われてもパッと思い出せないんだけど。
「一階が七部屋に二階が六部屋の計、十三部屋あるわね。その他に洗濯室、浴槽、トイレが三カ所ってところかしら」
「へー、すごいわねぇ」
「あー、たしかに、そんな感じかも……って、なんで真宮さん、俺の家のことそんなに詳しいんだよ」
「にぃにぃが、いないとき、果奈が家のなかを案内したんだよ」
キッチンから出てきた果奈が会話に入ってきた。両手でジュースを乗せたトレイをもっている。
「それでさっきはプールのことも知っていたのか」
「あれぇ? 真宮さんにプールまでみせたかなぁ……」
「ん? どういうことだ?」
「あー! 果奈ちゃん! あたしオレンジジュースもらっていい?」
「あっ! はい、どうぞ! 真宮さんオレンジジュース好きですよねぇ。みなさんもお好きなものを選んでください」
まぁ、いいか……。
みんなでリビングのテーブルを囲むように座り、果奈と仲里さんが用意してくれたジュースやお菓子を食べていると、突然、真宮さんが勢いよく立ちあがった。
なんだなんだ! ものすごく嫌な予感がするんですけど……。
「な、なによ真宮! びっくりさせないでよね」
「みんな聞いてっ! 今からここは戦場よ!」
は? 真宮さん……いったい、なにをいいだしてんだ?
昼を過ぎているというのに、まだパジャマ姿のままなのか……。
この妹は、ほうっておいたらこのまま夜まで着替えなそうだ。あとで注意をしておかないとな。
「果奈ちゃん、さっきはありがとうね。バーガークイーンで春時つかまえてきたよ」
「真宮さんのお役に立てて良かったです! 仲里さんもいらっしゃい。あれぇ? にぃにぃ、はじめましての方がいる?」
「この人は、園崎杏奈さん。えーと……知り合いなんだ」
「わわわっ! その制服、白石女子高等学校のですよね? 園崎さんって頭いいんですね! でーじそーがさい!」
果奈はいつものように、方言まじりで話すが、初対面の相手に使ってくるとは……伝わらなかったどうするんだ。
でーじそーがさいってなんだ?
「へー、かわいい子ねぇ……早見の妹にしておくのが、もったいないわ。少し方言が混じっていたけど、あなたたち地方から引っ越してきたの?」
「あ、気にしないでくれ。今、沖縄弁ブームがきてるだけだから」
「べつに、気にならないわよ。あなただったら違和感あるけど」
「ああ、そうですか……」
「みなさん、ここで立ち話もなんですから、どうぞあがってください」
「できた子じゃない……」
「どういたしまして」
杏奈さんと話しているあいだに真宮さんと仲里さんはリビングの方へ向かっていた。
俺と杏奈さんも後に続く。
リビングに入ると真宮さんはソファに腰をかけ、テレビのスイッチをいれた。
見たことのないドラマが画面にながれる。
果奈と仲里さんは奥のキッチンに向かったようだけど、きっとみんなの飲み物でも用意するつもりなんだろう。
真宮さんは、そういうことに気は回らないんだよなぁ……俺もだけど。
「あっ! 杏奈さんも適当なところに座ってよ」
「そうさせてもらうわ。それにしても外からみてもすごかったけど、家の中も広いのねぇ。この家、部屋いくつあるの?」
部屋数か……いくつだっけ? 普段、使わない部屋とかたくさんあるからなぁ……急に言われてもパッと思い出せないんだけど。
「一階が七部屋に二階が六部屋の計、十三部屋あるわね。その他に洗濯室、浴槽、トイレが三カ所ってところかしら」
「へー、すごいわねぇ」
「あー、たしかに、そんな感じかも……って、なんで真宮さん、俺の家のことそんなに詳しいんだよ」
「にぃにぃが、いないとき、果奈が家のなかを案内したんだよ」
キッチンから出てきた果奈が会話に入ってきた。両手でジュースを乗せたトレイをもっている。
「それでさっきはプールのことも知っていたのか」
「あれぇ? 真宮さんにプールまでみせたかなぁ……」
「ん? どういうことだ?」
「あー! 果奈ちゃん! あたしオレンジジュースもらっていい?」
「あっ! はい、どうぞ! 真宮さんオレンジジュース好きですよねぇ。みなさんもお好きなものを選んでください」
まぁ、いいか……。
みんなでリビングのテーブルを囲むように座り、果奈と仲里さんが用意してくれたジュースやお菓子を食べていると、突然、真宮さんが勢いよく立ちあがった。
なんだなんだ! ものすごく嫌な予感がするんですけど……。
「な、なによ真宮! びっくりさせないでよね」
「みんな聞いてっ! 今からここは戦場よ!」
は? 真宮さん……いったい、なにをいいだしてんだ?
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