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さんじゅう。
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セシル王子から魔石を貰ってから3週間が過ぎた。
今、第1騎士団のみんなは西の方に遠征に行っている。
セシル王子が来た翌日にゼノさんが来て、そう言っていた。
一回遠征に行けば2週間から3週間は当たり前らしい。
そんな私は、メリル様の指導のもと、みんなにプレゼントするアクセサリーを作成中である。
アクセサリーと言っても、ブレスレットとか、髪飾りとか色々あるが、一番邪魔にならなそうなネックレスにした。
ここなら取れる心配もなさそうだし…。という私に、そうだね。と同意してくれたのは、我らが天使、メリル様であられる。
その天使は、私がここ3週間で頑張って魔力をこめた魔法石を物色中である。
ちなみに、最初に調子に乗り過ぎて、魔力不足を身をもって体験したのは懐かしい記憶である。
あれは、気持ち悪かった。車酔いをずっとしているみたいだった。
青のポーションをメリル様がくれなかったら今私がこの世にいたか…。
3日はグラグラしていた。
そのくらい気持ち悪かったのである。
なんでも、まだこの世界に来て浅い為、魔力が安定していないらしい。
後ひと月は安定しない日が続くかもとのことだ。
それからは、魔法石は一日2個までということになった。
あの魔石は小さい見た目の割に相当な魔力を持っていくようだ。おそロシア。…あ、間違った。恐ろしや。
そんなことを考えながら、ネックレスを作ること十数分。
「できたー!」
メリル様!見てください!
そう言って、初めて出来たばかりのネックレスをメリル様に見せると、うん。デザインはアレだけど、良いんじゃない。と言った。
褒められてウキウキな私は、出来たばかりのネックレスを眺める。
土台に魔法石をはめ込み、チェーンを通しただけの簡素なものだが、初めてにしては上出来だろう。
魔石は1cm前後のを選んで作ったから、首にかけてもそんなに邪魔にならないだろう。
「メリル様。」
「何?」
「魔法石ってどのくらいの間使えるんですか?」
「…そうだね…。君のこれなら、魔法を使う頻度にもよるけど、半年から1年くらいじゃない?」
そうなのか…。それが、良いのか悪いのかは分からないが、初めての物にしては良いはずだ。多分。
そんな風にネックレスを見て考えていれば、あぁ、そうだ。。とメリル様が呟く。
「どうしました?」
「言うの忘れてたよ。…君が作る魔法石、僕が作るのより少しだけ魔力量高いよ。効果は変わんないけど。」
「…へ?」
どう言うことだ…?
それは、この王国一の魔術師様より私の魔法石の方が上、と言うことだろうか?
そう思って、ニヤついていたら、コツン、と頭を叩かれた。
「なんかムカつく。」
「うへっ。」
……あれ?しかし待てよ。
メリル様より上ってことは、神か?…いや、たまにメリル様は神にも進化するから……なんだ、私は無か。神の上など、何もないだろう。
あれ、じゃあ無ってなんだ?
そんな無限ループに陥りそうになっていると、メリル様に、作らないの?なら薬草する潰してよ。と薬草を置かれた。
それに元気よく返事をすると、メリル様が笑った気がした。
それから1週間が過ぎた頃。
「お、わったぁぁぁあ!」
「うるさいよ。」
ついに、出来上がったのである。
それを持って、メリル様の元に行けば、第1騎士団のところに行きたいの?と言われる。
それにブンブンと首を縦に振ると、ちょっと待ってて。と研究室を出て行った。
十数分して戻ってきたメリル様は、みんな昨日戻ってきているみたい。早く準備して。と言った。
どこで確認したかは不明だが、わかりました!と言って最後のネックレスを袋に入れ、メリル様の元に行く。
じゃあ行こうか。とフードを被せられれば、先を歩くメリル様の後を追った。
久し振りに馬車に乗り、第1騎士団の敷地に向かう。
馬車で20分ほどで着く。
その間、私は向かいに座るメリル様を眺める。
うわぁぁぁぁあ!今日も変わらず輝いてますね!と思っていると、バチっとメリル様と目が合う。
ヘラッと笑って見れば、呆れたような視線を向けられた。
「リウ。」
「なんでしょう?」
「そんなに僕の顔が好き?」
「はい!…あ、勿論、顔だけじゃないですよ?」
全部合わせて好きですよ!と言えば、モノ好きだね。と笑っていた。
それをまた綺麗だな、と眺めていると、馬車の揺れが止まった。
まだ慣れぬ馬車の揺れに、お尻が痛いと呻きながら降りれば、およそ1ヶ月ぶりの見慣れた建物が目に入る。
はやる気持ちを抑えきれず、メリル様早く!と急かせると、はいはい。と言って歩いてくる。
全然急いでないけど、歩く姿も美しいから問題ない。だってメリル様だもの。
そうして、私は久しぶりの土地へ足を踏み入れた。
今、第1騎士団のみんなは西の方に遠征に行っている。
セシル王子が来た翌日にゼノさんが来て、そう言っていた。
一回遠征に行けば2週間から3週間は当たり前らしい。
そんな私は、メリル様の指導のもと、みんなにプレゼントするアクセサリーを作成中である。
アクセサリーと言っても、ブレスレットとか、髪飾りとか色々あるが、一番邪魔にならなそうなネックレスにした。
ここなら取れる心配もなさそうだし…。という私に、そうだね。と同意してくれたのは、我らが天使、メリル様であられる。
その天使は、私がここ3週間で頑張って魔力をこめた魔法石を物色中である。
ちなみに、最初に調子に乗り過ぎて、魔力不足を身をもって体験したのは懐かしい記憶である。
あれは、気持ち悪かった。車酔いをずっとしているみたいだった。
青のポーションをメリル様がくれなかったら今私がこの世にいたか…。
3日はグラグラしていた。
そのくらい気持ち悪かったのである。
なんでも、まだこの世界に来て浅い為、魔力が安定していないらしい。
後ひと月は安定しない日が続くかもとのことだ。
それからは、魔法石は一日2個までということになった。
あの魔石は小さい見た目の割に相当な魔力を持っていくようだ。おそロシア。…あ、間違った。恐ろしや。
そんなことを考えながら、ネックレスを作ること十数分。
「できたー!」
メリル様!見てください!
そう言って、初めて出来たばかりのネックレスをメリル様に見せると、うん。デザインはアレだけど、良いんじゃない。と言った。
褒められてウキウキな私は、出来たばかりのネックレスを眺める。
土台に魔法石をはめ込み、チェーンを通しただけの簡素なものだが、初めてにしては上出来だろう。
魔石は1cm前後のを選んで作ったから、首にかけてもそんなに邪魔にならないだろう。
「メリル様。」
「何?」
「魔法石ってどのくらいの間使えるんですか?」
「…そうだね…。君のこれなら、魔法を使う頻度にもよるけど、半年から1年くらいじゃない?」
そうなのか…。それが、良いのか悪いのかは分からないが、初めての物にしては良いはずだ。多分。
そんな風にネックレスを見て考えていれば、あぁ、そうだ。。とメリル様が呟く。
「どうしました?」
「言うの忘れてたよ。…君が作る魔法石、僕が作るのより少しだけ魔力量高いよ。効果は変わんないけど。」
「…へ?」
どう言うことだ…?
それは、この王国一の魔術師様より私の魔法石の方が上、と言うことだろうか?
そう思って、ニヤついていたら、コツン、と頭を叩かれた。
「なんかムカつく。」
「うへっ。」
……あれ?しかし待てよ。
メリル様より上ってことは、神か?…いや、たまにメリル様は神にも進化するから……なんだ、私は無か。神の上など、何もないだろう。
あれ、じゃあ無ってなんだ?
そんな無限ループに陥りそうになっていると、メリル様に、作らないの?なら薬草する潰してよ。と薬草を置かれた。
それに元気よく返事をすると、メリル様が笑った気がした。
それから1週間が過ぎた頃。
「お、わったぁぁぁあ!」
「うるさいよ。」
ついに、出来上がったのである。
それを持って、メリル様の元に行けば、第1騎士団のところに行きたいの?と言われる。
それにブンブンと首を縦に振ると、ちょっと待ってて。と研究室を出て行った。
十数分して戻ってきたメリル様は、みんな昨日戻ってきているみたい。早く準備して。と言った。
どこで確認したかは不明だが、わかりました!と言って最後のネックレスを袋に入れ、メリル様の元に行く。
じゃあ行こうか。とフードを被せられれば、先を歩くメリル様の後を追った。
久し振りに馬車に乗り、第1騎士団の敷地に向かう。
馬車で20分ほどで着く。
その間、私は向かいに座るメリル様を眺める。
うわぁぁぁぁあ!今日も変わらず輝いてますね!と思っていると、バチっとメリル様と目が合う。
ヘラッと笑って見れば、呆れたような視線を向けられた。
「リウ。」
「なんでしょう?」
「そんなに僕の顔が好き?」
「はい!…あ、勿論、顔だけじゃないですよ?」
全部合わせて好きですよ!と言えば、モノ好きだね。と笑っていた。
それをまた綺麗だな、と眺めていると、馬車の揺れが止まった。
まだ慣れぬ馬車の揺れに、お尻が痛いと呻きながら降りれば、およそ1ヶ月ぶりの見慣れた建物が目に入る。
はやる気持ちを抑えきれず、メリル様早く!と急かせると、はいはい。と言って歩いてくる。
全然急いでないけど、歩く姿も美しいから問題ない。だってメリル様だもの。
そうして、私は久しぶりの土地へ足を踏み入れた。
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