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じゅうさん。
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朝食をパドマさんととっている間に、ハロルド君がゼノ団長に話をして来てくれた。
朝食後、団長室に来るようにとのことで、今、初めての団長室なのだが、
「やぁ、リウ。遅かったね。」
「…セシル王子。」
そこには、ゼノ団長とセシル王子がいた。
まさかいるとは思っていなかった私は、入った瞬間後ずさる。
理由は、言わずもがな、だ。
この空間に一人で入れるわけがない。
パドマさんとハロルド君を先にいれ、隠れるように部屋に入る。
そんな私を不思議そうに見る4人は、一度自分の顔を見るが良い。
「王子って、暇なんですか?」
「…いきなり失礼だね、君。」
「ブッ。」
「おいそこ、笑うな。」
「す、すみませ、グフッ、」
「……パドマさん……。」
あの後、私は団長室にあるソファーに座り、目の前にはセシル王子、奥にある執務机の方にゼノさん、扉を挟むようににパドマさんとハロルド君が立つ。
そして、疑問に思った事を口にすると、一瞬、空気が凍った。
王子に注意されても肩を震わせているパドマさんに意外と笑い上戸だよなぁ。と思っていれば、王子の呆れたようなため息が聞こえた。
「あ、別に深い意味はないですよ?なんかほら、王子って毎日忙しそうなイメージがあって……。」
「…それで、俺がここにいて、暇そうだと?」
「はい。」
「ブハッ!」
「おいそこ!」
「す、みま…アハハッ!」
「リウ、君も正直すぎる。」
「すみません、ゼノさん。」
「……なぁ、謝る相手違くないか?」
「え?そうですか?」
「アハハッ、もう、やめて、ハハッ、お腹、痛い、」
そう言ってついにパドマさんが膝をつく。
どこに笑う要素があったか分からないが、なんか楽しそうなので良しとしよう。
なんかハロルド君が、良くないだろう。とか呟いていたような気がするが、私の気のせいだろう。
「もう良い。本題に移すぞ。」
少し拗ねた顔をするセシル王子を見る。
顔が良いと、どんな顔も様になるものだ。
「本題ですか?」
「あぁ。俺が、忙しい間を縫ってここにきた理由だ。」
…なんか、忙しいを強調された気がするが、気のせいだ。多分。
でも、その理由とはなんだろう?
私がいるのだし、私に関係しているとはわかるが……。
「リウ、君にはまず、魔力検査を受けてもらう。」
「魔力検査……ですか?」
「そうだ。今日は用事があって無理だが…。明日の午後、こちらにメリルを連れて来る。」
「…メリル、さん…?」
「あぁ。」
メリルさんとは誰だろう?それにしても魔力検査とは……?
そんな私を置いてけぼりに、話は進む。
なんでみんな疑問に思わないのか分からない。
なぜそんなに平然としているのか。
「じゃあ、そういう事で良いかい?」
「ちょ、ちょっと待ってください…!」
「なんだ?不都合でもあるのか?」
「いや、不都合って言うか……。」
「じゃあ何だ?俺は忙しい。」
そう言って、見下す様な仕草をするセシル王子は、もしかして先ほどの事を気にしているのだろうか?
意外と小さい男だな。
イケメンなのは顔だけか。
「なんか今失礼な事思っただろう。」
「滅相も無い!」
ヘラっと笑えば、ジッ、と疑いの目を向けられる。
イケメンに見つめられるのはまだ慣れていないから、あまり見ないで欲しいものだ。
「あの、明日、私の魔力検査をするって事なんですけど、」
「それがどうした?問題ないだろう?」
「いや、ありまくりですよ!」
「…知られては何か不味いのか?」
「不味いも何も、私、魔力ありませんよ?」
一瞬、冷たい視線を向けたセシル王子にそう言うと、部屋の空気が固まった。
「……あぁ、そうか。リウにはまだ言っていなかったな。」
「ゼノさん?」
その空気に、え?どうしたの?と思っていると、数秒してゼノさんが頷く。
何を言っていないんだろう?、と首をかしげる私に、彼は言った。
「この世界では、魔力を持たぬ者は生きていけない。」
「……え?」
知らなかったのか?とセシル王子が視線を向けて来るが、こちらの常識を異世界から来たばかりの私に当てはめないで欲しい。
「ここは、人間だけじゃない。動物は勿論、蟻とか蝿とかの昆虫も少しだが魔力は持っているんだよ。」
魔術が使えるわけじゃないし、本当に少しだけどね。とセシル王子は言うが、なんかもう、本当にファンタジー。
「だから、今ここで生きている君は、何かしらの魔力を持っているってことだよ。…分かった?」
「え?……え⁉︎」
なんてことだ……。
こんなお約束展開あってしまって良いのだろうか…?
これは、もしやあれか?
実はもしや私が…?パターンか?
私が、世界を救う…!的な?
そう、期待と不安で混乱していた私は、翌日、現実を見ることになるのだが。
朝食後、団長室に来るようにとのことで、今、初めての団長室なのだが、
「やぁ、リウ。遅かったね。」
「…セシル王子。」
そこには、ゼノ団長とセシル王子がいた。
まさかいるとは思っていなかった私は、入った瞬間後ずさる。
理由は、言わずもがな、だ。
この空間に一人で入れるわけがない。
パドマさんとハロルド君を先にいれ、隠れるように部屋に入る。
そんな私を不思議そうに見る4人は、一度自分の顔を見るが良い。
「王子って、暇なんですか?」
「…いきなり失礼だね、君。」
「ブッ。」
「おいそこ、笑うな。」
「す、すみませ、グフッ、」
「……パドマさん……。」
あの後、私は団長室にあるソファーに座り、目の前にはセシル王子、奥にある執務机の方にゼノさん、扉を挟むようににパドマさんとハロルド君が立つ。
そして、疑問に思った事を口にすると、一瞬、空気が凍った。
王子に注意されても肩を震わせているパドマさんに意外と笑い上戸だよなぁ。と思っていれば、王子の呆れたようなため息が聞こえた。
「あ、別に深い意味はないですよ?なんかほら、王子って毎日忙しそうなイメージがあって……。」
「…それで、俺がここにいて、暇そうだと?」
「はい。」
「ブハッ!」
「おいそこ!」
「す、みま…アハハッ!」
「リウ、君も正直すぎる。」
「すみません、ゼノさん。」
「……なぁ、謝る相手違くないか?」
「え?そうですか?」
「アハハッ、もう、やめて、ハハッ、お腹、痛い、」
そう言ってついにパドマさんが膝をつく。
どこに笑う要素があったか分からないが、なんか楽しそうなので良しとしよう。
なんかハロルド君が、良くないだろう。とか呟いていたような気がするが、私の気のせいだろう。
「もう良い。本題に移すぞ。」
少し拗ねた顔をするセシル王子を見る。
顔が良いと、どんな顔も様になるものだ。
「本題ですか?」
「あぁ。俺が、忙しい間を縫ってここにきた理由だ。」
…なんか、忙しいを強調された気がするが、気のせいだ。多分。
でも、その理由とはなんだろう?
私がいるのだし、私に関係しているとはわかるが……。
「リウ、君にはまず、魔力検査を受けてもらう。」
「魔力検査……ですか?」
「そうだ。今日は用事があって無理だが…。明日の午後、こちらにメリルを連れて来る。」
「…メリル、さん…?」
「あぁ。」
メリルさんとは誰だろう?それにしても魔力検査とは……?
そんな私を置いてけぼりに、話は進む。
なんでみんな疑問に思わないのか分からない。
なぜそんなに平然としているのか。
「じゃあ、そういう事で良いかい?」
「ちょ、ちょっと待ってください…!」
「なんだ?不都合でもあるのか?」
「いや、不都合って言うか……。」
「じゃあ何だ?俺は忙しい。」
そう言って、見下す様な仕草をするセシル王子は、もしかして先ほどの事を気にしているのだろうか?
意外と小さい男だな。
イケメンなのは顔だけか。
「なんか今失礼な事思っただろう。」
「滅相も無い!」
ヘラっと笑えば、ジッ、と疑いの目を向けられる。
イケメンに見つめられるのはまだ慣れていないから、あまり見ないで欲しいものだ。
「あの、明日、私の魔力検査をするって事なんですけど、」
「それがどうした?問題ないだろう?」
「いや、ありまくりですよ!」
「…知られては何か不味いのか?」
「不味いも何も、私、魔力ありませんよ?」
一瞬、冷たい視線を向けたセシル王子にそう言うと、部屋の空気が固まった。
「……あぁ、そうか。リウにはまだ言っていなかったな。」
「ゼノさん?」
その空気に、え?どうしたの?と思っていると、数秒してゼノさんが頷く。
何を言っていないんだろう?、と首をかしげる私に、彼は言った。
「この世界では、魔力を持たぬ者は生きていけない。」
「……え?」
知らなかったのか?とセシル王子が視線を向けて来るが、こちらの常識を異世界から来たばかりの私に当てはめないで欲しい。
「ここは、人間だけじゃない。動物は勿論、蟻とか蝿とかの昆虫も少しだが魔力は持っているんだよ。」
魔術が使えるわけじゃないし、本当に少しだけどね。とセシル王子は言うが、なんかもう、本当にファンタジー。
「だから、今ここで生きている君は、何かしらの魔力を持っているってことだよ。…分かった?」
「え?……え⁉︎」
なんてことだ……。
こんなお約束展開あってしまって良いのだろうか…?
これは、もしやあれか?
実はもしや私が…?パターンか?
私が、世界を救う…!的な?
そう、期待と不安で混乱していた私は、翌日、現実を見ることになるのだが。
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