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朝陽said.
10.
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「家まで送るよ」と言った言葉は却下され、俺は瀬名を見送るためバス停で一緒に待つ。
瀬名と一緒に見た時刻表では、もうすぐバスが来る予定だった。
もう一生会えなくなるわけでもないのに、俺の心は虚しさを訴えている。
「あ、バスくる」
そう言って瀬名が指指す先には、信号にひっかかっているバスが1台。
スポーツショップの時からいつ渡そうかと悩んでいた俺は、あのキーホルダーをポケットから取り出した。
「瀬名、今日はありがとう」
「え、コレ…。もらっていいの?」
瀬名の手に渡ったキーホルダーを両手に持ち聞いてくる彼女に「持っていて欲しい」と伝えると、瀬名は泣きそうな顔をした。
「ありがとう」と言う姿に、重いと思われただろうかと不安になる。
瀬名に何かプレゼントしたかった。お揃いが良かったということもあるが、瀬名と選んだという証があると、俺が頑張れる気がした。
その後すぐに来たバスに「今日は楽しかった!ありがとう」と笑顔で乗っていき、席に座ってからキーホルダーを持ち手を振ってくれた。
"ありがとう"
口パクで言う彼女に、俺も"ありがとう"の意味を込めて手を振る。
瀬名の乗ったバスが見えなくなり、俺も帰るかと歩きだそうとした時、「仲良しだねぇ」と隣にいたおばあさんに話しかけられた。
その言葉に何故か胸がモヤッとした俺は、おばあさんに曖昧に返事をしてその場を立ち去った。
____
___
「ただいまー」
帰宅した俺は自分の部屋に行くためリビングを通る。
リビングにはテレビを見ている父と晩飯の準備をしている母がいた。
「おかえり」と言う声にもう一度「ただいま」と返し、階段を上る。
楽しかった。楽しかったのだ。
だけど、この胸のモヤモヤが何なのかが分からない。
数十分前までの幸せな時間に戻りたいと思った俺は、ベッドに寝転がりながら瀬名にLEMONを送る。
《今日はありがとう。楽しかった。》
《家着いた?》
すぐにピコンっと鳴る音は、《まだバスだよー》と可愛らしい絵文字と一緒に送られてきた。
《高杉君は帰り着いた?》と続けて送られてくるメッセージに、《今帰り着いた》と送ると、《そうだったんだね!おかえり 笑》と返ってきた。
いや、もうこれは可愛すぎる…。
思わぬ返信に口元がニヤけると、部屋の扉が開いた。
「なぁ朝陽これから走りに…って、どうしたキモい顔して」
「…ノックぐらいしろよ」
ガチャっと音を立て顔を覗かせたのは兄。
ひいた顔をしながら俺を見る兄は、「ランニング行かね?」と誘ってきた。
特に断る理由もなかった俺は「行く」と言いジャージに着替える。
スマホだけ持ち家を出ると、兄はストレッチをしていた。
俺も軽くストレッチをして、先を走る兄を追った。
十数秒もせず追いついた俺は、兄の隣に並んで走る。
少しスピードを落とした兄に「なんで急にランニング?」と気になったことを聞いてみる。
いつもは1人で勝手に走りに行くのに珍しいと思って聞いてみたのだが、「瀬名さんのこと聞きたくてなー」と予想外の言葉が返ってきた。
「なんで知ってんの?」
「瀬名さんのこと?大和からちょっとなー」
「あいつ…」
兄が言うには、朝母が大和の家に持っていった物を返しにきた時に「あれ、朝陽は?」「デートだろ?」「あ、瀬名さんか」という兄と大和のやりとりがあったらしい。
ちなみに「父さんも母さんもいなかったから安心しろ」と笑顔で言う兄に「そう」とひと言返す俺は、内心ホッとしていた。
あの2人にバレたら根掘り葉掘り聞かれるに決まっている。それだけはごめんだ。
「で、どうだったの?初デート」
「どうって…何が?」
「感想的な?どこ行ったーとか」
「主に映画」
「あぁ、もしかしてGLoRiA?面白かったか?」
「思っていたよりすげー面白かったよ」
「まじか。俺も行こうかなー」
「ま、俺は男友達とだけどな」と笑って言う兄には、付き合って4ヶ月になる彼女がいたはずだ。
俺のその疑問が顔に出ていたのか「2ヶ月くらい前に別れた」と教えてくれる。
結構前に別れていたのかと驚くが、思い返すとそのくらいの時期から休みの日には家にいることが多かったなと今更ながらに思った。
「なんで別れたの?」
「あー…まぁ、好きになれなかったんだよな」
「…好きじゃなくても付き合えるのか」
「そうだなー。…てか何その純粋な発言ウケるんだけど」
「思っただけだし」
バカにされたのがムカついた俺は少しスピードを上げる。
それでもすぐに追いつき隣に並ぶ兄は、「好きになれるかもと思ったんだよな」と呟いた。
どう言うことだと兄を見ると、どこか後悔しているようだった。
「告ってきたのはあっち。付き合ってって言ったのもあっち。友達としては好きだけど、恋愛って考えると違ったから最初は断ったわけ。それでも諦めきれない、一度チャンスが欲しいってことで付き合ったわけよ」
「で、なれなかったと?」
「そういうこと。…ま、付き合う理由なんて色々あるだろ」
「てか俺の話は良いんだよ」と笑う兄は、「どっちから告ったの?」と俺の話に戻す。
「俺」とひと言言うと「朝陽からとか意外だな」と兄は驚いた顔をした。
「まぁ告れたのも大和達のおかげっつーか」
「へぇ…。後押し的な?」
「後押しっつーか…罰ゲーム」
「…は?罰ゲーム?」
「うん」
「なんで罰ゲーム?」と聞く兄貴に告白までの流れを話すと、「あぁ…なるほど」と複雑そうな顔をして頷く。
少し迷った後に、兄貴はどこか言いづらそうに口を開いた。
「朝陽はさ、それで良かったわけ?」
「なにが?」
「だから、罰ゲームで告白して良かったわけ?」
「…なんで」
「なんでって、そりゃ瀬名さん…いや、やっぱ良いわ」
そう言って言葉を濁す兄貴に、「なんだよ」と気になって聞くと、「なんでもない」と答える。
そこまで言っといてなんだよと思う俺は、また胸がモヤッとするのを感じた。
雰囲気が悪くなり、その後はお互い無言で走る。
『好きじゃなくても付き合えるのか』
『そうだな』
速くなる呼吸の中、なぜかこの言葉と一緒に瀬名の泣きそうな顔が頭に浮かんだ。
瀬名と一緒に見た時刻表では、もうすぐバスが来る予定だった。
もう一生会えなくなるわけでもないのに、俺の心は虚しさを訴えている。
「あ、バスくる」
そう言って瀬名が指指す先には、信号にひっかかっているバスが1台。
スポーツショップの時からいつ渡そうかと悩んでいた俺は、あのキーホルダーをポケットから取り出した。
「瀬名、今日はありがとう」
「え、コレ…。もらっていいの?」
瀬名の手に渡ったキーホルダーを両手に持ち聞いてくる彼女に「持っていて欲しい」と伝えると、瀬名は泣きそうな顔をした。
「ありがとう」と言う姿に、重いと思われただろうかと不安になる。
瀬名に何かプレゼントしたかった。お揃いが良かったということもあるが、瀬名と選んだという証があると、俺が頑張れる気がした。
その後すぐに来たバスに「今日は楽しかった!ありがとう」と笑顔で乗っていき、席に座ってからキーホルダーを持ち手を振ってくれた。
"ありがとう"
口パクで言う彼女に、俺も"ありがとう"の意味を込めて手を振る。
瀬名の乗ったバスが見えなくなり、俺も帰るかと歩きだそうとした時、「仲良しだねぇ」と隣にいたおばあさんに話しかけられた。
その言葉に何故か胸がモヤッとした俺は、おばあさんに曖昧に返事をしてその場を立ち去った。
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「ただいまー」
帰宅した俺は自分の部屋に行くためリビングを通る。
リビングにはテレビを見ている父と晩飯の準備をしている母がいた。
「おかえり」と言う声にもう一度「ただいま」と返し、階段を上る。
楽しかった。楽しかったのだ。
だけど、この胸のモヤモヤが何なのかが分からない。
数十分前までの幸せな時間に戻りたいと思った俺は、ベッドに寝転がりながら瀬名にLEMONを送る。
《今日はありがとう。楽しかった。》
《家着いた?》
すぐにピコンっと鳴る音は、《まだバスだよー》と可愛らしい絵文字と一緒に送られてきた。
《高杉君は帰り着いた?》と続けて送られてくるメッセージに、《今帰り着いた》と送ると、《そうだったんだね!おかえり 笑》と返ってきた。
いや、もうこれは可愛すぎる…。
思わぬ返信に口元がニヤけると、部屋の扉が開いた。
「なぁ朝陽これから走りに…って、どうしたキモい顔して」
「…ノックぐらいしろよ」
ガチャっと音を立て顔を覗かせたのは兄。
ひいた顔をしながら俺を見る兄は、「ランニング行かね?」と誘ってきた。
特に断る理由もなかった俺は「行く」と言いジャージに着替える。
スマホだけ持ち家を出ると、兄はストレッチをしていた。
俺も軽くストレッチをして、先を走る兄を追った。
十数秒もせず追いついた俺は、兄の隣に並んで走る。
少しスピードを落とした兄に「なんで急にランニング?」と気になったことを聞いてみる。
いつもは1人で勝手に走りに行くのに珍しいと思って聞いてみたのだが、「瀬名さんのこと聞きたくてなー」と予想外の言葉が返ってきた。
「なんで知ってんの?」
「瀬名さんのこと?大和からちょっとなー」
「あいつ…」
兄が言うには、朝母が大和の家に持っていった物を返しにきた時に「あれ、朝陽は?」「デートだろ?」「あ、瀬名さんか」という兄と大和のやりとりがあったらしい。
ちなみに「父さんも母さんもいなかったから安心しろ」と笑顔で言う兄に「そう」とひと言返す俺は、内心ホッとしていた。
あの2人にバレたら根掘り葉掘り聞かれるに決まっている。それだけはごめんだ。
「で、どうだったの?初デート」
「どうって…何が?」
「感想的な?どこ行ったーとか」
「主に映画」
「あぁ、もしかしてGLoRiA?面白かったか?」
「思っていたよりすげー面白かったよ」
「まじか。俺も行こうかなー」
「ま、俺は男友達とだけどな」と笑って言う兄には、付き合って4ヶ月になる彼女がいたはずだ。
俺のその疑問が顔に出ていたのか「2ヶ月くらい前に別れた」と教えてくれる。
結構前に別れていたのかと驚くが、思い返すとそのくらいの時期から休みの日には家にいることが多かったなと今更ながらに思った。
「なんで別れたの?」
「あー…まぁ、好きになれなかったんだよな」
「…好きじゃなくても付き合えるのか」
「そうだなー。…てか何その純粋な発言ウケるんだけど」
「思っただけだし」
バカにされたのがムカついた俺は少しスピードを上げる。
それでもすぐに追いつき隣に並ぶ兄は、「好きになれるかもと思ったんだよな」と呟いた。
どう言うことだと兄を見ると、どこか後悔しているようだった。
「告ってきたのはあっち。付き合ってって言ったのもあっち。友達としては好きだけど、恋愛って考えると違ったから最初は断ったわけ。それでも諦めきれない、一度チャンスが欲しいってことで付き合ったわけよ」
「で、なれなかったと?」
「そういうこと。…ま、付き合う理由なんて色々あるだろ」
「てか俺の話は良いんだよ」と笑う兄は、「どっちから告ったの?」と俺の話に戻す。
「俺」とひと言言うと「朝陽からとか意外だな」と兄は驚いた顔をした。
「まぁ告れたのも大和達のおかげっつーか」
「へぇ…。後押し的な?」
「後押しっつーか…罰ゲーム」
「…は?罰ゲーム?」
「うん」
「なんで罰ゲーム?」と聞く兄貴に告白までの流れを話すと、「あぁ…なるほど」と複雑そうな顔をして頷く。
少し迷った後に、兄貴はどこか言いづらそうに口を開いた。
「朝陽はさ、それで良かったわけ?」
「なにが?」
「だから、罰ゲームで告白して良かったわけ?」
「…なんで」
「なんでって、そりゃ瀬名さん…いや、やっぱ良いわ」
そう言って言葉を濁す兄貴に、「なんだよ」と気になって聞くと、「なんでもない」と答える。
そこまで言っといてなんだよと思う俺は、また胸がモヤッとするのを感じた。
雰囲気が悪くなり、その後はお互い無言で走る。
『好きじゃなくても付き合えるのか』
『そうだな』
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